この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)
ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。
記事の作り方(編集方針)

水晶体偏位(すいしょうたいへんい)は、目の中のレンズである水晶体を支える組織が弱くなり、水晶体の位置がずれる状態です。けがのあとに起こることもありますが、両目に起こる場合には、マルファン症候群やホモシスチン尿症などの遺伝性の病気が原因のことがあります。このページの検査では、水晶体偏位に関係する15の遺伝子を一度に調べます。生まれ持った遺伝子は一生変わりません。一度の検査でわかったことは、ご自身の目と全身の健康管理だけでなく、ご家族の健康や、これからの妊娠・出産の計画を考えるときにも、ずっと役に立ちます。このページでは、水晶体偏位の原因と、遺伝子検査でわかること・わからないことを、臨床遺伝専門医が解説します。
⏱️ 30秒でわかる要約
🧬 Q. この検査で何がわかりますか?
水晶体偏位に関係する15の遺伝子(FBN1・CBS・ADAMTSL4など)に、病気の原因となる変化がないかを一度に調べます。マルファン症候群、ホモシスチン尿症、ワイル・マルケサーニ症候群、全身の症状を伴わない単純型など、水晶体偏位の原因を見分ける手がかりになります。
🧬 Q. どんな人が受けるとよいですか?
両目に水晶体偏位がある方、子どもや若いうちに水晶体偏位や強い近視を指摘された方、背の高さや指の長さなど全身の特徴もある方、ご家族に水晶体偏位やマルファン症候群の方がいる方です。
🧬 Q. 費用・日数・検体は?
検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。検体は血液・唾液・頬の内側の粘膜で、オンライン診療でも受けられます。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。
🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?
結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。原因がわかれば、目と全身の管理の方針や、ご家族が検査を受けるかどうかを考えられます。意義がまだわからない変化(VUS)が見つかることもあり、その扱いもご説明します。
1. 水晶体偏位とは:水晶体を支える組織が弱くなり、位置がずれる状態
水晶体偏位は、水晶体を支えている組織が弱くなったり切れたりして、水晶体が本来の位置からずれた状態です。けが以外の原因による水晶体偏位では、ほとんどが両目に起こります。デンマークで、けが以外の原因の水晶体偏位をもつ72人を調べた研究では、68人(94.4%)が両目でした[14]。
水晶体は、カメラのレンズのように光を曲げて、目の奥の網膜にピントを合わせる働きをしています。水晶体は、周りから伸びる細い線維(チン小帯)によって、瞳の後ろに吊るされるように支えられています。この支えが生まれつき弱い体質があると、水晶体が少しずつずれていきます。
偏位と脱臼の違い
水晶体が少しずれただけの状態から、支えを失って外れてしまった状態まで、ずれの程度はさまざまです。少しずれた状態を「偏位」や「亜脱臼」、外れてしまった状態を「脱臼」と呼ぶことが多く、病院や資料によって言葉の使い方が少しずつ違います。どの程度ずれているかは、眼科で瞳を開く目薬を使い、細隙灯顕微鏡(スリットランプ)で確かめます。
言葉の違いよりも大切なのは、「なぜずれたのか」です。けがでずれた場合は片目のことが多い一方、生まれつきの体質でずれた場合は両目に起こり、目以外の体の病気が隠れていることがあります。原因によって、目の治療の進め方も、全身で気をつけることも変わります。
どのように見えるか(見え方と症状)
水晶体がずれると、ピントが合いにくくなり、近視が強くなったり、眼鏡で見え方を合わせにくくなったりします。ずれが小さいうちは、気づかないこともあります。見え方の変わり方は、ずれの方向と大きさ、瞳の中に水晶体の縁がかかるかどうかで変わります。
原因の病気によっては、水晶体偏位の前に強い近視が先に現れます。たとえばホモシスチン尿症では、1歳以降に近視が出て、そのあとに水晶体偏位が起こるのが典型的とされています[3]。クノーブロッホ症候群の子どもを調べた研究でも、全員に強い近視がありました[9]。子どものうちから近視が急に強くなる、眼鏡を作り直してもよく見えない、という場合は、眼科で水晶体の位置を確かめてもらうことが大切です。
放っておくと起こりうる目の合併症
水晶体偏位では、目の中の水の流れがふさがれて眼圧が上がる緑内障が起こることがあります。ワイル・マルケサーニ症候群では、緑内障の多くが、水晶体が瞳をふさぐ「瞳孔ブロック」によって起こるとされています[4]。また、クノーブロッホ症候群の患者さん12人を調べた研究では、5人に網膜剥離がありました[10]。
子どもの場合は、見る力が育つ大切な時期にあたるため、眼科で定期的に診てもらいながら、眼鏡や手術の時期を考えていきます。原因の病気がわかっていると、目だけでなく、どんな合併症に気をつけるべきかも見通しやすくなります。
2. 水晶体偏位の原因:けがと、遺伝性の病気
水晶体偏位の原因は、けがなどあとから起こるものと、生まれつきの体質(遺伝)によるものに分かれます。けが以外の原因の水晶体偏位では、マルファン症候群がもっとも多い原因のひとつです。先ほどのデンマークの研究では、72人のうち34人(47.2%)がマルファン症候群で、ほかにADAMTSL4遺伝子による単純型や、ホモシスチン尿症の方もいました[14]。
遺伝性の水晶体偏位は、原因の遺伝子によって遺伝のしかたが違います。親から子へ2分の1の確率で伝わるもの(常染色体顕性遺伝)もあれば、ご両親がともに保因者のときに4分の1の確率で起こるもの(常染色体潜性遺伝)もあります。どの遺伝子が原因かがわかると、ご家族への影響も具体的に考えられるようになります(第6章)。
遺伝性を疑うサイン
次のような場合は、遺伝性の水晶体偏位を考えて、原因を調べる意味があります。
- ●両目に水晶体偏位がある(けが以外の原因の水晶体偏位では、ほとんどが両目です[14])
- ●子どもや若いうちに、水晶体偏位や強い近視を指摘された
- ●背が高く細い体つき[3]、背が低く指が短い・関節が硬い[4]など、目以外の体の特徴がある
- ●大動脈が広がっていると言われた、または血栓症を起こしたことがある[1][3]
- ●ご家族に、水晶体偏位やマルファン症候群の方がいる
ただし、家族に同じ病気の人がいないから遺伝ではない、とは言えません。英国で、手術が必要になった子ども11人を調べた研究では、ご両親に症状がないように見えた6人のうち2人に、FBN1遺伝子の変化が見つかりました[13]。
マルファン症候群と水晶体偏位
マルファン症候群では、患者さんの約60%に水晶体偏位が見られます[1]。マルファン症候群は、FBN1遺伝子の変化によって起こる病気で、目・骨格・心臓と血管に主な症状が出ます[1]。
マルファン症候群の国際的な診断基準(改訂ゲント基準)では、大動脈の付け根(大動脈基部)の拡張と、水晶体偏位が、もっとも大事な2つの特徴とされています。家族歴がない場合でも、この2つがそろえば診断できるとされています[2]。つまり水晶体偏位は、マルファン症候群に気づくきっかけになりうる、重要な手がかりです。マルファン症候群でいちばん気をつけたいのは大動脈なので、目の症状から原因がわかることには大きな意味があります。
マルファン症候群は常染色体顕性遺伝の病気です。約75%の方は親御さんも同じ病気をもち、約25%の方は、ご本人の代で新しく起きた遺伝子の変化によるものとされています[1]。
ホモシスチン尿症・ワイル・マルケサーニ症候群・全身症状のない型(単純型)
ホモシスチン尿症(CBS遺伝子):体の中でアミノ酸(メチオニン)をうまく処理できず、ホモシステインがたまる、常染色体潜性遺伝の病気です。治療を受けていない場合、多くは8歳までに水晶体偏位が起こるとされています。マルファン症候群に似た細長い体つきや骨粗しょう症、知的障害が起こることがあり、血栓症は、早く亡くなる原因や重い障害の主な原因とされています[3]。
ホモシスチン尿症は、治療がある病気です。約40%の方はビタミンB6に反応し、反応しない方には食事療法が治療の基本で、ベタインという薬を加えることもあります[3]。日本では、ホモシスチン尿症のうちCBS欠損症(I型)は、新生児マススクリーニングの対象とされています(厚生労働省の資料、2026年10月時点で確認)。原因がわかれば治療につなげられるため、水晶体偏位の原因として見逃さないことが大切です。
ワイル・マルケサーニ症候群:背が低く、指が短く、関節が硬いのが特徴の病気です。小さく丸い水晶体(球状小水晶体)がもっとも大事な特徴で、水晶体はふつう下にずれるとされています[4]。原因遺伝子は、ADAMTS10・ADAMTS17・LTBP2(常染色体潜性遺伝)と、FBN1(常染色体顕性遺伝)です[4]。FBN1による型はワイル・マルケサーニ症候群2型で解説しています。
全身症状のない型(単純型):目以外にはっきりした症状がない水晶体偏位も、遺伝子の変化で起こります。FBN1による常染色体顕性遺伝の型と、ADAMTSL4による常染色体潜性遺伝の型があります[5]。FBN1による家族性の水晶体偏位では、マルファン症候群の骨格の特徴が軽く伴うことが多いとされています[1]。ADAMTSL4による型では、水晶体はどの方向にもずれうるとされ、欧州に広く見られる特定の変化も知られています[5]。詳しくは家族性水晶体偏位のページをご覧ください。
マルファン症候群とワイル・マルケサーニ症候群の違い
どちらも水晶体偏位を起こし、FBN1遺伝子が関わることもある病気ですが、体の特徴や気をつける合併症が違います。
🔍 マルファン症候群とワイル・マルケサーニ症候群の違い
※マルファン症候群はGeneReviews[1]、ワイル・マルケサーニ症候群はGeneReviews[4]による。
3. この検査を受けるとよい人
水晶体偏位の原因を知りたい方、ご家族に水晶体偏位やマルファン症候群の方がいる方、結婚や妊娠を考えている方に向く検査です。見た目や家族歴だけでは原因を決められないことが多いため、遺伝子検査で確かめる意味があります。
希少な病気では、原因がわかるまでに長い時間がかかることがあります。欧州の希少疾患の患者さんへの調査では、診断がつくまでの期間は平均4.7年でした[15]。水晶体偏位に関係する遺伝子をまとめて調べることで、原因がわからないまま病院を回る時間を短くできる可能性があります。オランダで水晶体偏位の患者さん24人に遺伝子パネル検査を行った研究では、16人(67%)で原因が確定しました[12]。ただし、全員に原因が見つかるわけではありません。日本の未診断疾患イニシアチブ(IRUD)でも、全エクソーム解析を終えた5,136家系のうち、診断がついたのは2,247家系(43.8%)でした[16]。原因が見つからなかった場合も、次の選択肢をご説明します。
受けるとよい場面
- ●眼科で水晶体偏位と言われ、原因を知りたい方:とくに両目の場合や、子どものうちに見つかった場合
- ●目以外にも気になる特徴がある方:背の高さや指の長さ、関節の硬さ、大動脈の拡張、血栓症など
- ●ご家族に水晶体偏位やマルファン症候群の方がいる方:ご自身が同じ変化を受け継いでいるかを知りたい場合
- ●結婚・妊娠を考えている方:お子さんへの影響を知って、計画を立てたい場合
- ●海外でPGT-M(着床前遺伝学的検査)を考えている方:前提として、原因の遺伝子の変化を確かめておく必要があります(第6章)
別の検査が向いている場合
この検査は、水晶体偏位に関係する15遺伝子にしぼった検査です。症状によっては、ほかの検査のほうが向いていることがあります。比べるのは検査の種類で、どれを選ぶかは遺伝カウンセリングで一緒に決めます。
🔍 症状に合わせた検査の選び方
※どの検査が合うかは、症状・診察所見・ご家族の情報で変わります。
見た目や家族歴だけでは判断できない理由
遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。たとえば、きょうだいのお子さんに見つかった病気をきっかけに、念のため遺伝子パネル検査を受けた方に、まったく関係のない別の遺伝子の病的な変化が、体の細胞の一部だけにある状態(モザイク)で見つかったことがあります。ご本人は発症していませんでしたが、卵子や精子のもとになる細胞にもその変化があれば、お子さんに受け継がれ、お子さんが発症することがある病気でした。
こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。検査を受けてはじめて、次の計画が立てられます。
4. 調べる15遺伝子と、それぞれでわかる病気
この検査では、水晶体偏位に関係する15の遺伝子(AASS・ADAMTS10・ADAMTS17・ADAMTSL4・ASPH・BCOR・CBS・COL18A1・FBN1・LTBP2・P3H2・PAX6・PORCN・SUOX・VSX2)を一度に調べます。遺伝子ごとに、関係する病気と遺伝のしかたが違います。
🧬 水晶体偏位 遺伝子パネル検査で調べる15遺伝子
※対象遺伝子は当院の検査内容による。P3H2・PORCN・VSX2は、水晶体偏位(亜脱臼・脱臼)がみられたという報告の数が少なく、まれな関係です[27][28][29][30]。BCORとAASSは、水晶体偏位との関係を原著論文で確かめられなかったため、関係する病気のうち確かめられたものだけを記載しています(AASSは記載なし)。BCORの遺伝のしかたは米国国立医学図書館のMedlinePlus Geneticsによる。
遺伝子の働きや、それぞれの病気をさらに詳しく知りたい方は、表のリンク先をご覧ください。このページでは、検査を受けるかどうかを決めるために必要なことを中心にお伝えします。
5. この検査でわかること・わからないこと
この検査は、次世代シークエンサー(NGS)で15遺伝子のタンパク質の設計図にあたる部分(コード領域)と、その境目(スプライス部位)を読み、病気の原因となる変化を探す検査です。遺伝子検査には、どの方法にも必ず限界があります。
わかること
- ●遺伝子の小さな変化:遺伝子の文字(塩基)が1つ変わる変化や、小さな挿入・欠失
- ●遺伝子の一部や全体がなくなる・増える変化(欠失・重複):1つの遺伝子全体の欠失・重複(頬の粘膜の検体・血液の検体)と、2つ以上の連続したエクソンの大きさの欠失・重複(血液の検体のみ)を見つけることができます。エクソン1つだけの欠失・重複は、見つかることもありますが、この検査では通常は検出できません。
見つかった欠失・重複は、別の原理の方法(qPCR法やMLPA法)でもう一度確かめてから報告します。読み取りの質が十分でない部分の変化は、サンガー法という別の方法で確かめます。こうした確認を重ねるのは、誤った結果をお伝えしないためです。調べた目的とは別の病気の原因が見つかった場合(二次的所見)の扱いは、当院の二次的所見の開示方針に沿ってご説明します。
わからないこと
- ●15遺伝子以外の原因:水晶体偏位の原因には、まだ見つかっていない遺伝子や、けがなど遺伝以外の原因もあります。
- ●染色体の構造の変化:染色体の一部が入れ替わる変化(転座・逆位)は検出できません。
- ●繰り返し配列が長くなる変化(リピート伸長):検出できません。
- ●遺伝子の調節部分や、遺伝子の奥深い部分の変化:遺伝子の働きを調節する部分(プロモーター領域)の多くや、エクソンから20塩基以上離れたイントロンの変化は検出できません。
- ●体の一部の細胞にだけある変化(モザイク):この検査は、モザイクや、体の細胞にあとから起きた変化を見つけるようには作られていません。腫瘍の組織での検査にも使えません。
- ●よく似た配列がある場所:遺伝子によく似た配列(偽遺伝子など)があると、まれに正しく読み取れないことがあります。
陰性でも水晶体偏位の遺伝性を否定できない/VUSのこと
⚠️ 「原因が見つからなかった」=「遺伝ではない」ではありません
この検査で病気の原因となる変化が見つからなくても、上に書いた限界のため、水晶体偏位や関係する病気を完全に否定することはできません。眼科・全身の診察にもとづいた診断と管理は、引き続き大切です。
また、病気の原因かどうかがまだ判断できない変化(VUS:意義不明のバリアント)が見つかることがあります。遺伝子の変化は、国際的な指針にもとづいて「病的」「病的の可能性が高い」「意義不明」などに分けて判断されます[19]。VUSの扱いは、第6章でご説明します。
🔬 専門的な情報:読み取りの精度(カバレッジ)
カバレッジとは、同じ場所を何回読み取れたかを示す指標です。この検査では、調べる遺伝子の領域の99%以上を、20回以上の深さで読み取れる設計になっています(≥99% at 20x)。同じ場所を何度も読むことで、読み間違いによる誤った判定を減らすことができます。
6. 結果が出たあと
結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。結果だけをお送りすることはありません。原因が見つかったとき・見つからなかったとき・VUSが見つかったときで、次にできることが違います。
原因がわかったとき:目と全身の管理の方針が決まる
病名がわかると、受けるべき検査、気をつけたい合併症、使える制度が決まります。エクソーム・ゲノム検査の研究をまとめた米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)の系統的レビューでは、対象となった167件の研究のうち95%が、患者さんやご家族の診療の方針に何らかの変化があったと報告していました[17](研究の数の割合であり、患者さんの95%という意味ではありません)。
- ●マルファン症候群とわかったとき:大動脈の付け根の大きさを心エコーで定期的に確かめます。大動脈の拡張が小さく、進み方もゆっくりなら年1回が目安とされ、大動脈の壁への負担を減らすβ遮断薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)などの薬が使われます。ずれた水晶体は、取り出して人工のレンズに替える手術が行われることがあり、できれば成長が終わってからがよいとされています[1]。
- ●ホモシスチン尿症とわかったとき:ビタミンB6、食事療法、ベタインによる治療を考えます。目の診察は少なくとも年1回が勧められています[3]。
- ●そのほかの病気とわかったとき:病気ごとに、眼科・全身の管理の方針を主治医と相談します。指定難病などの制度については第7章をご覧ください。
ご家族への影響
あなたの1回の検査が、ご両親・きょうだい・お子さんが自分の状態を知る手がかりになります。BRCA遺伝子の検査を受けた人の研究では、遺伝カウンセリングの前に「家族のため」を大事な理由に挙げた人が約25%いました[18]。ご家族の中で原因の変化がわかっていると、ほかのご家族は同じ変化だけを調べることで、受け継いでいるかどうかを確かめられます。
- ●常染色体顕性遺伝(FBN1・PAX6など):お子さん1人あたり2分の1の確率で、同じ変化を受け継ぎます。
- ●常染色体潜性遺伝(CBS・ADAMTSL4・ADAMTS10など):ご両親がともに保因者の場合、次のお子さんが発症する確率は4分の1です。きょうだいが保因者かどうかを知る手がかりにもなります。
- ●X連鎖遺伝(BCOR・PORCN):お子さんの性別や、どちらの親が変化をもつかで確率が変わります。
マルファン症候群の約25%は、ご本人の代で新しく起きた変化によるものとされています[1]。ただし、親御さんの卵子や精子のもとになる細胞(生殖細胞)にだけ変化がある場合もあります。変化をもつ生殖細胞からできる卵子・精子は2分の1の確率で変化を受け継ぎます。生殖細胞のうちどれくらいが変化をもつかは実際の診療では調べられないため、お子さん1人あたりの確率は『最大で2分の1』とお伝えしています。「新しく起きた変化だから、次のお子さんは大丈夫」と小さく見積もらないことが大切です。
赤ちゃんで新しく起きるFBN1遺伝子の変化(マルファン症候群)は、当院のNIPTのインペリアルプランで、妊娠中に調べられます。ダイヤモンドプランで調べる56遺伝子には、FBN1は含まれていません(2026年10月時点、当院の各プランのページで確認)。当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。NIPTはスクリーニング検査なので、陽性の場合は絨毛検査・羊水検査で確かめる必要があり、当院ではその確定検査も院内で受けられます。ご家族の原因がすでにわかっている場合は、絨毛検査・羊水検査でその変化を調べる方法もあるため、どの方法が合うかは遺伝カウンセリングでご相談ください。
原因が見つからなかったとき・VUSが見つかったとき
原因が見つからなかった場合は、第5章の限界をふまえ、症状に合わせて全エクソーム検査など次の検査を考えます。眼科での定期的な診察は続けてください。
VUSが見つかった場合、VUSはそれだけで診断に使ったり、ご家族の検査に使ったりはしません。研究が進んで、のちに意味がはっきりすることもあります。どう考えればよいかは、遺伝カウンセリングでご説明します。
妊娠・出産を考えている方へ
妊娠の前に原因を知っておけば、選べることが増えます。常染色体潜性遺伝の病気では、パートナーが保因者かどうかも大切です。当院の拡大版保因者スクリーニング(女性版787遺伝子)には、この検査の対象遺伝子のうちCBS・SUOX・VSX2が含まれています。ADAMTS10・ADAMTS17・ADAMTSL4・LTBP2は含まれていません(2026年10月時点、当院の遺伝子一覧で確認)。どの検査がよいかは、ご家族でわかっている原因に合わせてご相談ください。結婚前の検査については遺伝子ブライダルチェックでもご案内しています。
妊娠中の方には、NIPTと同じ日に採血できるカップルの保因者検査「ファミリーセーフティ プラス」(女性787遺伝子・男性714遺伝子。単独では受けられません)もあります。ご夫婦とも保因者だった場合や、ご家族の原因がわかっている場合は、妊娠したときの赤ちゃんの出生前診断も、当院の羊水検査・絨毛検査で行えます(2025年6月から産婦人科を併設)。
海外でPGT-M(着床前遺伝学的検査)を考えている方へ:英語の検査結果をお渡しできます
PGT-Mとは、体外受精でできた受精卵(胚)の一部の細胞を調べ、ご家族でわかっている遺伝子の変化を受け継いでいない胚を選んで子宮に戻す検査です。当院には、海外でPGT-Mを受けたいというお問い合わせが多く寄せられています。当院は体外受精・PGT-Mを行っていません。当院でできるのは、原因遺伝子の確定、英語の検査結果のご用意、遺伝カウンセリング、ご家族の遺伝子検査、妊娠後の絨毛検査・羊水検査です。英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。なお、この検査の対象には、マルファン症候群のように大人になって子どもを持つことを考えられる病気から、ホモシスチン尿症や亜硫酸オキシダーゼ欠損症のように扱いがまったく違う病気までが含まれます。
PGT-Mの準備に必要なこと:欧州ヒト生殖医学会(ESHRE)の指針は、次のことを勧めています[23]。
- ●病気の原因と確かめられた遺伝子の変化があること(可能な限り、その変化を確かめておく)
- ●見つかった変化の内容(どの遺伝子のどの変化か)が書かれた元の報告書。認定を受けた検査室から取り寄せることが勧められています
- ●ご家族の検体:受精卵から取れるDNAはごくわずかで、変化を直接読むだけでは、2本あるうちの片方が読み取れない「アレルドロップアウト」などで判定を誤るおそれがあります。そのため、変化のある場所の両側にある目印(STR・SNPなどの多型マーカー)で、「変化をもつ染色体」を家系の中でたどる方法(ハプロタイプ解析)を組み合わせます。
どちらの染色体に変化が乗っているかを決めるには、ご夫婦に加えて、病気の有無がわかっている血縁者のDNAが必要です。指針の目安は、常染色体顕性遺伝(マルファン症候群など)では患者さん少なくとも1人(できれば2人)、および/または発症していない方1人、常染色体潜性遺伝(ホモシスチン尿症など)では患者さん(2つの変化をもつ方)・保因者・保因者でない方です[23]。ご本人の検査結果だけでは、PGT-Mの準備はふつう整いません。血縁者がいない場合、指針は、ご夫婦で目印を調べたうえで、治療周期の受精卵や1個の精子を調べて変化の乗った染色体を決める方法を挙げていますが、できるかどうかは施設や家系の状況で大きく変わり、受けられないこともあります。また、新しく起きた変化(de novo)で、これまでに妊娠歴のないご夫婦では、一般的なハプロタイプ解析の方法は使えないとされています[23]。マルファン症候群の約25%は新しく起きた変化によるものなので[1]、とくに注意が必要です。
海外でPGT-Mを考えている方は、ご本人の検査の段階から、検査に協力していただけるご家族(とくに同じ変化をもつ方)がいるかを考えておくことが大切です。当院では、ご家族の遺伝子検査も、遺伝カウンセリングのうえでお受けしています。
臨床遺伝専門医としての判断:意義がまだわからない変化(VUS)は、病気の原因と確かめられていないため、そのままPGT-Mの対象にするのは難しいと考えます。常染色体潜性遺伝の病気では、ご夫婦それぞれがどの変化をもっているかを確かめておく必要があります。海外の施設によって求められる書類や検体は違うので、受ける予定の施設にも前もって確認してください。
⚠️ PGT-Mは診断ではなく、スクリーニング検査です
PGT-Mは、受精卵のごく一部の細胞を調べる検査で、結果が赤ちゃんの状態と食い違うことがあります。ESHREの指針は、多くの施設で誤った結果になる割合は全体で1〜3%まで下げられているとしたうえで、PGTのあとに妊娠したすべての方に出生前診断を提案すべきとしています[24]。
当院では、PGT-Mで選んだ胚で妊娠した場合も、妊娠中に赤ちゃんそのものを調べる確定検査(絨毛検査・羊水検査)で確かめることが望ましいと考えています。当院では絨毛検査・羊水検査を院内で行っており、海外でPGT-Mを受けたあとの妊娠でもご相談いただけます。
日本の扱い:日本では、日本産科婦人科学会の「重篤な遺伝性疾患を対象とした着床前遺伝学的検査(PGT-M)に関する指針」(2026年9月改定)にもとづき、PGT-Mは症例ごとに学会の審査を受け、そのうえで実施施設の倫理委員会が承認して行われます。この指針の「重篤」とは、原則として、成人に達する前に日常生活が著しく損なわれる、または生存が危ぶまれる状態になる疾患で、申請の時点で有効な治療法がないか、治療法があっても高度かつ侵襲度の高いものとされています。成人に達する前に生存が危ぶまれるわけではないものの、日常生活が著しく損なわれる状態が現れる疾患では、その病気の専門医の意見書などを追加で出す仕組みになっています(2026年10月時点で確認)。
PGT-Mの対象になる病気は、国によって違います:日本では症例ごとに学会が審査しており、審査が続いている申請も多くあります(学会の発表では、2025年7月〜2026年6月の1年間に審査した73件のうち、37件が審査継続中。2026年9月発表)。英国では公的機関(HFEA)がPGT-Mを使える病気の一覧を公表しており、2,000を超える病気が載っています(2026年9月17日更新の一覧で2,067)。マルファン症候群は、この一覧に載っています(2026年9月時点)。一覧にない病気は、施設を通じて申請し、HFEAが審査します。米国には、PGTを直接規制する連邦や州の法律はなく、主に医師・施設の判断で行われています[25]。米国生殖医学会(ASRM)の倫理委員会は2024年、大人になってから発症する病気に対するPGT-Mも倫理的に許容されうるとする意見を出しています[26]。どの病気がPGT-Mの対象になるかは、国や制度、施設によって違います。同じ病気でも、ある国では対象になり、別の国では個別の審査が必要になることがあります。受ける国の制度と、施設の条件を前もって確かめてください。
必要な3つのこと・ご家族の検体が要る理由・妊娠後の確定検査は、遺伝性疾患をお持ちで海外でPGT-M(着床前診断)を考えている方へで詳しく解説しています。
結果の報告書(日本語版・英語版)
結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。報告書の読み方は、遺伝子検査結果の見かたで解説しています。
7. 日本の制度(2026年10月時点)
マルファン症候群とホモシスチン尿症は、指定難病と小児慢性特定疾病の両方の対象です。原因の病気がわかると、医療費の助成などの制度を使えるかどうかを考えられるようになります。
📋 水晶体偏位に関係する病気と国の制度
※難病情報センター・厚生労働省・小児慢性特定疾病情報センター(対象疾病は令和7年4月1日版)の公式ページで、2026年10月に確認。無虹彩症の小児慢性特定疾病の扱いは今回確認していません。ワイル・マルケサーニ症候群は、指定難病の一覧に見当たりませんでした。
医療費の助成を受けるには、それぞれの制度の認定の条件を満たし、申請する必要があります。認定の基準や申請の方法は、難病情報センター・小児慢性特定疾病情報センターや、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。なお、当院のこの検査は自費診療で、保険は使えません。
8. 検査の流れ・費用・結果までの日数・検体
検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。検体は血液・唾液・頬の内側の粘膜で、オンライン診療でも受けられます。
検査の流れ
ご予約
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遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医・オンライン可
▶
検体の提出血液・唾液・頬の粘膜
▶
結果のご説明2〜3週間後・マイページへ
検査の前に、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行います。検査で何がわかり、何がわからないか、結果がご家族にとってどういう意味をもつかをご説明し、検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。
費用
💴 費用・日数・検体
※ご夫婦・カップルで同じ検査を同じ日に一緒に受ける場合は、遺伝カウンセリング料が1人分になります(検査費用の割引はありません)。
オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。
結果までの日数とオプション
結果までは2〜3週間です。至急オプション(55,000円)を利用すると、結果が出るまでの期間が約7日短くなります。VUS除外のオプション(無料)もあります。結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。
検体
ほとんどの場合、唾液か頬の内側の粘膜で検査ができます。血液の検体の場合は、全国の提携医療機関で採血をお願いします。オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行ったあと、検体を当院にお送りいただく流れです。
検体採取キットは、検査料金をお支払いいただいたあとにお送りします。ご自身で勝手に検体を採取しないでください。決められたキットと手順で採取しないと、検体の取り違えや、検体の質が足りずに検査ができないことにつながるためです。
9. 院長コラム
🩺 院長コラム【目の症状から、全身とご家族のこれからを考える】
私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。
遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。水晶体偏位は「目の病気」として見つかることが多いのですが、その奥に、大動脈に気をつけるべきマルファン症候群や、治療のあるホモシスチン尿症が隠れていることがあります。目の症状をきっかけに原因を知ることは、ご自身の全身の健康を守ることにも、ご家族が自分の状態を知ることにもつながる、と私は考えています。
生まれ持った遺伝子は一生変わりません。わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。知ったうえで結婚や妊娠を考えたい方には、出生前診断まで当院で続けて支えられる体制を整えています。知る・知らない、子どもを持つ・持たない、どの選択をされても、その選択を尊重します。
よくある質問(FAQ)
Q1. 水晶体偏位になると、どのように見えますか?
水晶体がずれると、ピントが合いにくくなり、近視が強くなったり、眼鏡で見え方を合わせにくくなったりします。ずれが小さいうちは気づかないこともあります。見え方の変わり方は、ずれの方向と大きさによって人それぞれです。気になる場合は、眼科で水晶体の位置を確かめてもらってください。
Q2. 水晶体偏位の原因は何ですか?遺伝しますか?
けがなどあとから起こるものと、生まれつきの体質(遺伝)によるものがあります。けが以外の原因の水晶体偏位ではマルファン症候群がもっとも多い原因のひとつで、ホモシスチン尿症、ワイル・マルケサーニ症候群、全身の症状を伴わない単純型などもあります。遺伝のしかたは原因の遺伝子によって違い、親から子へ2分の1の確率で伝わるもの(常染色体顕性遺伝)や、ご両親がともに保因者のときに4分の1の確率で起こるもの(常染色体潜性遺伝)があります。
Q3. マルファン症候群と水晶体偏位の関係は?
マルファン症候群では、患者さんの約60%に水晶体偏位が見られます。国際的な診断基準(改訂ゲント基準)では、大動脈の付け根の拡張と水晶体偏位がもっとも大事な2つの特徴とされています。水晶体偏位がマルファン症候群に気づくきっかけになることがあり、原因がわかれば大動脈の定期的な検査につなげられます。
Q4. マルファン症候群とワイル・マルケサーニ症候群の違いは何ですか?
マルファン症候群はFBN1遺伝子による常染色体顕性遺伝の病気で、目・骨格・心臓と血管に症状が出て、とくに大動脈の拡張に気をつけます。ワイル・マルケサーニ症候群は背が低く、指が短く、関節が硬いのが特徴で、小さく丸い水晶体(球状小水晶体)があり、水晶体はふつう下にずれます。原因遺伝子はADAMTS10・ADAMTS17・LTBP2(常染色体潜性遺伝)とFBN1(常染色体顕性遺伝)です。遺伝子検査で原因を見分ける手がかりが得られます。
Q5. 家族も検査を受ける必要がありますか?
受けるかどうかはご家族それぞれが決めることですが、原因の変化がわかっていると、ご家族は同じ変化だけを調べて、受け継いでいるかどうかを確かめられます。常染色体顕性遺伝ではお子さん1人あたり2分の1、常染色体潜性遺伝ではご両親がともに保因者の場合、次のお子さんが発症する確率は4分の1です。ご家族が検査を受けるときも、遺伝カウンセリングで知ることの意味を一緒に考えます。
Q6. 検査で異常が見つからなかった場合はどうなりますか?
この検査で調べられる範囲には限界があり、15遺伝子以外の原因や、この方法では見つけられない変化もあります。そのため、原因が見つからなくても水晶体偏位や関係する病気を完全に否定することはできません。症状に合わせて全エクソーム検査など次の検査を考え、眼科での定期的な診察も続けてください。
Q7. 費用はいくらですか?保険は使えますか?
この検査は自費診療で、検査費用は税込330,000円です。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。結果までは2〜3週間で、至急オプション(55,000円)を利用すると約7日短くなります。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。
Q8. 海外でPGT-Mを受けたいのですが、英語の検査結果はもらえますか?
はい。英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。当院は体外受精・PGT-Mを行っていません。また、ご本人の検査結果だけでは、PGT-Mの準備はふつう整いません。病気の有無がわかっているご家族の検体が必要になることが多いため、詳しくは「遺伝性疾患をお持ちで海外でPGT-M(着床前診断)を考えている方へ」のページをご覧ください。
🧬 一度の検査で、目と全身、そしてご家族のこれからを考える
生まれ持った遺伝子は一生変わりません。水晶体偏位の原因がわかれば、ご自身の目と全身の管理だけでなく、ご家族の検査や、結婚・妊娠の計画を考える手がかりになります。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、羊水検査・絨毛検査による出生前診断の相談まで、院内で続けて受けていただけます。海外でPGT-Mを考えている方には、英語の検査結果もお渡しできます。赤ちゃんで新しく起きるマルファン症候群の原因の変化は、当院のNIPTのインペリアルプランで妊娠中にも調べられます。
お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768
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