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複合下垂体ホルモン欠損症の遺伝子検査|下垂体機能低下症・低身長の原因をPROP1など7遺伝子で調べる

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

複合下垂体ホルモン欠損症の遺伝子検査|下垂体機能低下症・低身長の原因を7遺伝子で調べる

複合下垂体ホルモン欠損症の遺伝子検査は、生まれつきの下垂体機能低下症の原因になる7つの遺伝子(PROP1・POU1F1・LHX3・LHX4・HESX1・OTX2・GHR)を一度に調べる検査です。原因の遺伝子によって、どのホルモンが、いつ足りなくなるかが違います。たとえばPROP1が原因の場合、子どものころは問題がなくても、大人になってから副腎のホルモンが足りなくなることがあると報告されています[2]。原因がわかれば、まだ足りていないホルモンを先回りして見張る予定を立てられます。このページでは、下垂体ホルモンのしくみ、遺伝する確率、検査でわかることとわからないことを、臨床遺伝専門医が解説します。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. この検査で何がわかりますか?

生まれつきの下垂体機能低下症(複合下垂体ホルモン欠損症)や、成長ホルモンが効きにくいラロン症候群の原因となる7つの遺伝子の変化を調べます。原因がわかると、次に足りなくなりやすいホルモンや、ご家族への遺伝の確率がわかります。

🧬 Q. どんな人が受けるとよいですか?

成長ホルモン分泌不全性低身長症などで2つ以上の下垂体ホルモンが足りない方、新生児期に低血糖や小陰茎があった方、ご家族に同じ病気の方がいる方です。低身長の遺伝子検査を考えていて、下垂体ホルモンの不足が見つかっている方にも向きます。

🧬 Q. 費用・日数・検体は?

検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。検体は血液・唾液・頬の内側の粘膜などで、オンライン診療でも受けられます。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。

🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?

結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。原因がわかれば、見張るホルモンと時期、ご家族の検査、次のお子さんの確率まで具体的に考えられます。意義がまだわからない変化(VUS)が見つかることもあります。

\ 一生変わらない遺伝子を知って、これからの見張りの計画に /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

検査の前に臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、結果も臨床遺伝専門医が直接ご説明します。

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1. 複合下垂体ホルモン欠損症とは|生まれつきの下垂体機能低下症

複合下垂体ホルモン欠損症は、脳の下垂体から出るホルモンのうち、2つ以上が足りなくなる状態です[4]。下垂体機能低下症のうち、生まれつきの原因によるものの一部は、遺伝子の変化で起こります。英語では combined pituitary hormone deficiency といい、CPHDと略されます。下垂体のホルモンがほぼすべて足りなくなった状態は、汎下垂体機能低下症と呼ばれます。

下垂体は「ホルモンの司令塔」:前葉から出る6つのホルモン

下垂体は、脳の底、鼻の奥のあたりにある小指の先ほどの器官です。前葉と後葉に分かれ、前葉からは体のあちこちの臓器に指令を出すホルモンが出ています。複合下垂体ホルモン欠損症で足りなくなるのは、主にこの前葉のホルモンです。下垂体ホルモンが足りないと、指令を受ける側の臓器(甲状腺・副腎・精巣や卵巣など)は元気でも、うまく働けなくなります。

🧠 下垂体前葉から出る主なホルモンと、足りないときに起こること

下垂体ホルモン 指令を出す先・働き 足りないと
成長ホルモン(GH) 肝臓などでIGF-1を作らせ、骨を伸ばす 背の伸びが遅い(低身長)、乳児期の低血糖
甲状腺刺激ホルモン(TSH) 甲状腺に、甲状腺ホルモンを作らせる 元気が出ない、寒がり、新生児の黄疸が長引く
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH) 副腎に、コルチゾールを作らせる 低血糖、体調を崩したときに急に悪くなる(副腎の働きの不足)
LH・FSH(ゴナドトロピン) 精巣・卵巣に、性ホルモンと精子・卵子を作らせる 男の子の小陰茎・停留精巣、思春期が来ない、不妊
プロラクチン(PRL) 出産後の母乳の分泌などに関わる 出産後に母乳が出にくい

※新生児期の症状と足りないホルモンの対応は文献[1]による。

下垂体機能低下症の原因:後天性と、生まれつき(遺伝子)の違い

下垂体機能低下症(下垂体前葉機能低下症)の原因で多いのは、腫瘍・炎症・手術のあとで、ほとんどの場合は遺伝とは関係ありません。難病情報センターも、そのうえで「血縁者に同じ病気の方がいる場合は、下垂体に関係した遺伝子の変異が関係している場合もある」としています(2026年10月時点で確認)。

一方、生まれつきの下垂体機能低下症(先天性下垂体機能低下症)は、生まれたばかりの赤ちゃんで4,000人に1人から1万人に1人ほどと推定されています[1]。下垂体ができる途中で働く遺伝子(多くは、ほかの遺伝子のスイッチを入れる転写因子の遺伝子)に変化があると、下垂体の細胞がうまく育たず、複数のホルモンが足りなくなります。ただし、遺伝子で原因がわかる人はまだ一部で、2022年の総説では、複合下垂体ホルモン欠損症の方の84%は遺伝子の診断がついていないとされています[4]。

症状は年齢で変わる:新生児の低血糖・小陰茎から、低身長・思春期が来ないまで

下垂体機能低下症の症状は、どのホルモンがどれくらい足りないかと、年齢によって変わります。新生児期には、低血糖や長引く黄疸のように、はっきりしない形で見つかることが多いとされています[1]。男の赤ちゃんでは、小陰茎(ミクロペニス)や停留精巣が手がかりになることがあります[1][3]。

📅 年齢ごとに気づかれやすい症状

時期 気づかれやすい症状
新生児期 低血糖(重いとけいれん)、長引く黄疸、男の子の小陰茎・停留精巣
幼児期〜学童期 背の伸びが遅い(成長ホルモン分泌不全性低身長症として見つかることが多い)
思春期 思春期が来ない、途中で止まる
大人 性腺の働きが途中から落ちる、遺伝子によってはあとから副腎のホルモンが足りなくなる

※新生児期は文献[1][3]、思春期と大人の副腎のホルモンはPROP1についての文献[2]による。

「成長ホルモン分泌不全性低身長症の子は顔つきに特徴があるのか」と心配して調べる方もいます。顔つきだけで下垂体機能低下症を診断することはできません。一方、遺伝子によっては、目の形の違い(OTX2)や視神経の細さ(HESX1)など、下垂体のほかに特徴が出る型があります[1]。これは第2章の表で説明します。

副腎のホルモン(ACTH)不足は命に関わる:見張りが大切な理由

下垂体のホルモンの中で、とくに見落としてはいけないのが副腎を動かすACTHです。新生児の総説は、ACTHが足りないと重い低血糖やけいれんが起こり、補充の治療を始めなければ新生児期の死亡の原因にもなりうるとしています[1]。

副腎のホルモンは補充の薬(ヒドロコルチゾン)で補えます。同じ総説は、病気やけがのときには状況に応じてヒドロコルチゾンを増量すること、退院前にご家族へ体調の悪い日の対応(シックデイ)と緊急時の対応を教えておくことが大切だとしています[1]。治療の内容は、内分泌内科・小児内分泌科の主治医とご相談ください(当院は治療・薬の処方は行っていません)。

⚠️ いま足りているホルモンも、あとから足りなくなることがあります

複合下垂体ホルモン欠損症では、診断のときに足りていたホルモンが、年齢とともに足りなくなることがあります[2][3]。どのホルモンに、いつ気をつければよいかは原因の遺伝子で変わるため、遺伝子がわかると見張りの予定を立てやすくなります。

2. 原因の遺伝子で「どのホルモンが、いつ足りなくなるか」が違う

同じ「複合下垂体ホルモン欠損症」でも、原因の遺伝子によって、足りなくなるホルモンの組み合わせ、足りなくなる時期、下垂体のほかに出る特徴が違います。このページの検査で調べる7つの遺伝子について、新生児の総説などをもとにまとめました。

🧬 遺伝子ごとの「足りなくなるホルモン」と、下垂体のほかの特徴

遺伝子 足りなくなるホルモン・時期 下垂体のほかの特徴
PROP1 成長ホルモン・TSHが先に、LH・FSHは思春期ごろ、プロラクチンも。ACTHはあとから足りなくなることがある 目立つ特徴はない。MRIで下垂体が大きくなったり小さくなったりしたあと、小さくなる
POU1F1 成長ホルモン・プロラクチン・TSH 目立つ特徴はない
LHX3 成長ホルモン・TSH・LH・FSH・プロラクチン。ACTHは約半数 首を回しにくい(約70%)、感音難聴(約50%)、背骨の形の違い
LHX4 成長ホルモンだけの場合から、複数のホルモンまで 下垂体の入る骨のくぼみ(トルコ鞍)が小さい、一部で後葉の位置の違い
HESX1 成長ホルモンだけの場合から、複数のホルモンまで 中隔視神経形成異常症とその近い型、後葉の位置の違い、脳梁欠損
OTX2 成長ホルモンだけの場合から、複数のホルモンまで 目の形の違い(無眼球・小眼球・コロボーマ)、後葉の位置の違い
GHR ホルモンは足りている。成長ホルモンが出ていても効きにくい(ラロン症候群) 成長ホルモンは正常〜高いのに、IGF-1が低い

※PROP1は文献[1][2]、POU1F1・LHX3・LHX4・HESX1・OTX2は文献[1]、GHRは文献[5]による。割合は報告された患者さんでの値。

PROP1:あとから副腎のホルモンが足りなくなる型|遺伝子がわかると見張りの予定が立つ

PROP1は、両親から受け継いだ2本ともに変化があるときに起こる、複合下垂体ホルモン欠損症の原因として世界で最も多く見つかっている遺伝子です[2]。この型では、診断のときには成長ホルモンとTSHが足りないことが多く、LH・FSHの不足は思春期のころに気づかれ、ACTHの不足は経過を見ていくうちに出てくることがあります[2]。思春期がまったく来ない場合もあれば、いったん始まった思春期のあとで性腺の働きが落ちてくる場合もあります[2]。

2019年のブラジルの研究班のまとめでは、ACTHの不足がわかった年齢は、自分たちの患者さんでは14人中7人、平均28歳(11.9〜52.1歳)、これまでの報告のまとめでは平均25.3歳(7.4〜67歳)でした。著者らは、PROP1の変化をもつすべての方で見張りがとても大切だとしています[2]。新生児の総説も、多くの方は小さいうちはACTHが足りているが、あとから足りなくなることがあるため、見張りを続ける必要があるとしています[1]。

つまり、子どものころに「副腎は大丈夫」と言われていても、大人になってから変わることがあります。原因がPROP1とわかっていれば、「この先も副腎の働きを定期的に確かめる」という予定を、主治医と前もって共有できます。これが、このページの検査で原因を確かめることの、いちばん具体的な意味のひとつです。また、PROP1の方では、MRIで下垂体が大きくなったり小さくなったりしたあと、最後には小さくなることがあると報告されています[2]。下垂体が一時的に大きく見えても、遺伝子がわかっていれば、その見え方の意味を考える手がかりになります。

GHR(ラロン症候群)は「ホルモンは出ているのに効かない」

GHRは、成長ホルモンを受け取る「受け手(受容体)」の遺伝子です。変化があると、成長ホルモンは出ているのに体がうまく反応できず、ラロン症候群(成長ホルモン不応症)になります[5]。血液検査では、成長ホルモンは正常か高いのに、成長ホルモンの指令で作られるIGF-1が低いのが特徴です[5]。

ラロン症候群は多くが常染色体潜性(劣性)遺伝で、両親が血縁関係にある家族で見られることが多いとされています[5]。重い型では、成長ホルモンではなくIGF-1を補う治療が勧められています[5]。成長ホルモンが「足りない」のか「効かない」のかで治療の考え方が変わるため、背が伸びない原因を見分けるうえで、この遺伝子を一緒に調べる意味があります。

成長ホルモン分泌不全性低身長症と遺伝子の関係

成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断されている方のなかには、成長ホルモンだけでなく、ほかの下垂体ホルモンもすでに足りない、あるいはこの先足りなくなる方がいます。表のとおり、LHX4・HESX1・OTX2では、成長ホルモンだけが足りない状態から複数のホルモンが足りない状態まで、幅があります[1]。成長ホルモン分泌不全性低身長症が遺伝するかどうかは原因によって違い、原因の遺伝子がわかってはじめて、ご家族への確率を具体的に言えるようになります。

3. 下垂体機能低下症は遺伝する?遺伝する確率

生まれつきの下垂体機能低下症のうち、遺伝子の変化が原因のものは、親から子へ伝わることがあります。遺伝する確率は、原因の遺伝子と遺伝のしかたで変わります。腫瘍や手術のあとに起きた下垂体機能低下症は、ほとんどの場合、遺伝とは関係ありません。

潜性遺伝(劣性遺伝)の型:PROP1・POU1F1・LHX3・GHR|きょうだいで4分の1

PROP1・LHX3・GHRは主に常染色体潜性(劣性)遺伝で、POU1F1も多くは潜性遺伝です[1][2][5]。対になった2本の遺伝子の両方に変化があると発症し、1本だけ変化がある方(保因者)は通常は発症しません。2本の変化がそれぞれ別の種類の場合もあり、これを複合ヘテロ接合といいます。

ご両親がともに保因者の場合、お子さんが発症する確率は1人ごとに4分の1、保因者になる確率は2分の1です。上のお子さんが発症したかどうかで、次のお子さんの確率は変わりません。PROP1・POU1F1・LHX3・GHRの4遺伝子は、当院の拡大版保因者スクリーニング(女性版787遺伝子)の対象遺伝子に入っています。パートナーが同じ遺伝子の保因者かどうかを調べることができます。

家族に同じ病気の方がいる場合は、遺伝子の原因が見つかりやすい傾向があります。あるレビューでは、PROP1の変化が見つかる割合は、家族に同じ病気の方がいる場合48.5%に対し、家族歴のない場合6.7%と、はっきりした差がありました[3]。

顕性遺伝(優性遺伝)の型:LHX4・OTX2・HESX1の一部・POU1F1の一部|同じ変化でも重さに幅がある

LHX4・OTX2は常染色体顕性(優性)遺伝で、HESX1とPOU1F1にも顕性遺伝の型があります[1]。2本のうち1本に変化があれば発症しうるため、親から子へ伝わる確率は、お子さん1人ごとに2分の1です。

ただし、この型では、変化を受け継いでも症状が出ない方や、症状の重さが人によって大きく違う方がいます。新生児の総説は、HESX1とLHX4の変化の一部は症状が出るかどうかが人によって違い(不完全浸透)、OTX2では同じ変化をもつ方どうしでも症状がはっきり一致しない(表現型の多様性)としています[1]。

⚠️ 「親が軽いから、子どもも軽い」とは言えません

顕性遺伝の型では、親御さんが成長ホルモンだけの軽い不足で気づいていなくても、同じ変化を受け継いだお子さんで複数のホルモンが足りなくなることがあります。お子さんの診断をきっかけに、ご自身も同じ変化をもっていたとわかることもあります。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。症状の有無だけで判断せず、知ったうえで計画することに意味があります。

お子さんで新しく起きた変化(de novo)と、次のお子さんの確率

顕性遺伝の型では、ご両親のどちらにも変化がなく、お子さんで新しく起きた変化(新生突然変異・de novo)のこともあります。この場合、ご両親のせいではないことがはっきりします。

ただし、次のお子さんの確率はゼロではありません。親御さんの卵子や精子のもとになる細胞(生殖細胞)にだけ変化がある「性腺モザイク」がありうるためです。変化をもつ生殖細胞からできる卵子・精子は2分の1の確率で変化を受け継ぎます。生殖細胞のうちどれくらいが変化をもつかは実際の診療では調べられないため、お子さん1人あたりの確率は『最大で2分の1』とお伝えしています。

4. どんな人がこの検査を受けるとよいか

2つ以上の下垂体ホルモンが足りないとわかっている方、成長ホルモンの治療を受けていて原因がわからない方、ご家族に同じ病気の方がいる方に向く検査です。原因がわからないまま「様子を見る」時間を、1回の検査で短くできる可能性があります。

こんなときに考えたい検査です

  • ●成長ホルモンに加えて、甲状腺(TSH)・副腎(ACTH)・性腺(LH・FSH)のホルモンのどれかが足りないと言われた
  • ●成長ホルモン分泌不全性低身長症で治療中だが、原因はわかっていない
  • ●新生児期に低血糖・長引く黄疸があった、男の子で小陰茎・停留精巣を指摘された
  • ●首を回しにくい・難聴・目の形の違い・視神経が細いなど、下垂体のほかにも特徴がある
  • ●ご家族(きょうだい・親)に下垂体機能低下症や低身長で治療を受けた方がいる
  • ●成長ホルモンは高いのにIGF-1が低いと言われた(ラロン症候群の疑い)

イタリアの小児内分泌の専門家による2018年のレビューは、遺伝子検査の前には必ず下垂体のMRIを行うこと、家族に同じ病気の方がいる場合はすべて遺伝子検査を受けること、家族歴のない場合は特徴的なホルモンの組み合わせ・MRIの所見・下垂体のほかの特徴がある方で遺伝子検査を考えることを勧めています[3]。下垂体のMRIの結果があれば、遺伝カウンセリングのときにお持ちください。

この検査より別の検査が向いている場合:ホルモン検査と症状から選ぶ

症状や血液のホルモン検査の結果によっては、このページの検査より、別の遺伝子検査のほうが向いていることがあります。比べる相手は検査の種類です。次の表を目安にしてください。

🔍 血液のホルモン検査・症状からの検査の選び方

こんなとき 向いている検査
成長ホルモンを含む2つ以上の下垂体ホルモンが足りない、ラロン症候群の疑い このページの検査(7遺伝子)
低身長があるが、下垂体ホルモンの不足かどうかはっきりしない 低身長遺伝子パネル検査(153遺伝子)。このページの7遺伝子もすべて含む
視神経が細い、透明中隔がない(中隔視神経形成異常症) 中隔視神経形成異常症の遺伝子検査(8遺伝子)。HESX1・OTX2・PROP1が重なり、SOX2・SOX3なども調べる
目が小さい・ない、コロボーマがある 小眼球症・無眼球症・眼球コロボーマ遺伝子パネル検査
LH・FSHだけが低く、思春期が来ない 低ゴナドトロピン性性腺機能低下症の遺伝子検査。においもわかりにくいならカルマン症候群の遺伝子検査
甲状腺のホルモンだけが低い 甲状腺機能低下症・甲状腺ホルモン不応症の遺伝子検査
新生児の低血糖で、インスリンが高い 高インスリン血症の遺伝子検査
MRIで脳の左右が分かれていない(全前脳胞症) 全前脳胞症の遺伝子パネル検査
下垂体のほかにも症状が多く、病気をしぼれない 全エクソーム検査(WES)

※各検査の遺伝子数は、それぞれの検査ページの記載による(2026年10月時点で確認)。どの検査が合うかは、ホルモン検査・MRI・ご家族の情報で変わります。遺伝カウンセリングで一緒に決めましょう。

\ あなたの1回の検査が、きょうだいやお子さんの手がかりに /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

原因の遺伝子がわかれば、ご家族は同じ変化だけをピンポイントで調べられます。羊水検査・絨毛検査も院内で受けられます。

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5. 調べる7つの遺伝子と、わかる病気

この検査では、GHR・HESX1・LHX3・LHX4・OTX2・POU1F1・PROP1の7遺伝子を、次世代シークエンサーで一度に調べます。1つずつ順番に調べる方法に比べ、7遺伝子の結果を2〜3週間でまとめて受け取れます。

🧪 複合下垂体ホルモン欠損症の遺伝子検査で調べる7遺伝子

遺伝子 関係する病気 遺伝のしかた
GHR ラロン症候群(成長ホルモン不応症) 常染色体潜性(劣性)
HESX1 複合下垂体ホルモン欠損症、中隔視神経形成異常症 常染色体潜性・常染色体顕性
LHX3 首の動きの制限・難聴を伴う複合下垂体ホルモン欠損症 常染色体潜性(劣性)
LHX4 複合下垂体ホルモン欠損症(トルコ鞍が小さい型) 常染色体顕性(優性)
OTX2 目の形の違い(無眼球・小眼球)を伴う複合下垂体ホルモン欠損症 常染色体顕性(優性)
POU1F1 成長ホルモン・プロラクチン・TSHが足りない複合下垂体ホルモン欠損症 主に常染色体潜性、顕性の型もある
PROP1 複合下垂体ホルモン欠損症(あとからACTHが足りなくなることがある型) 常染色体潜性(劣性)

※対象遺伝子は当院の検査内容(2026年10月20日に検査の内容を照合)による。関係する病気と遺伝のしかたは文献[1][2][5]による。SOX3・GLI2など、ほかの下垂体の遺伝子はこの検査には含まれていません。

💡 用語解説:転写因子

PROP1・POU1F1・LHX3・LHX4・HESX1・OTX2は、どれも「ほかの遺伝子のスイッチを入れたり切ったりするタンパク質(転写因子)」の設計図です。下垂体ができる途中で、決まった順番で働き、成長ホルモンやTSHを作る細胞を育てます。そのため、どの転写因子に変化があるかで、育たない細胞、つまり足りなくなるホルモンが変わります。

6. この検査でわかること・わからないこと

この検査でわかるのは、7遺伝子の文字(塩基)の小さな変化と、遺伝子の一部が抜けたり増えたりする変化です。一方で、遺伝子検査には必ず限界があります。

  • ●調べる場所:遺伝子のうちタンパク質の設計図になる部分と、その境目を読みます。見つかった欠失・重複は、別の原理の方法(qPCR法やMLPA法)でもう一度確かめてから報告します。読み取りが不十分な部分はサンガー法という別の方法で補います。
  • ●見つけにくい変化:1つのエクソン(遺伝子の区切りの1つ)だけの欠失・重複は、見つからないことがあります。染色体の組み換わり(転座・逆位)、繰り返し配列の伸び、遺伝子の働きを調節する遠い場所の変化は調べられません。
  • ●モザイク:体の一部の細胞にだけある変化は、見つけることを目的としていません。
  • ●調べていない遺伝子:下垂体機能低下症に関わる遺伝子は、この7つのほかにもあります(SOX3・GLI2など)。2022年の総説では、遺伝子の診断がつかない方が多いとされています[4]。
  • ●意義がまだわからない変化(VUS):病気の原因かどうか、今の知識ではまだ判断できない変化が見つかることがあります。
  • ●陰性でも否定はできません:原因が見つからなくても、生まれつきの下垂体機能低下症ではない、ということにはなりません。

調べた目的とは別の病気の原因が見つかった場合の扱いは、当院の二次的所見の開示方針に沿ってご説明します。

7. 結果が出たあと

結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。結果だけを郵送やメールでお送りすることはありません。陽性・陰性・VUSのそれぞれで、次にできることが違います。

病的変異が見つかったら、次にできること

原因の遺伝子がわかると、「わかった」で終わらず、見張るホルモン・ご家族の検査・次の妊娠の計画まで、具体的な次の一歩が決まります。読む方の立場ごとにまとめます。

① ご本人(症状がある方)
病名がはっきりし、遺伝子ごとに、この先どのホルモンに気をつければよいかがわかります。たとえばPROP1なら、大人になってからも副腎の働きを定期的に確かめる[2]、LHX3なら聴力や首の動きも確かめる[1]、GHRならIGF-1を補う治療の考え方になる[5]、といった具合です。副腎のホルモンを補っている方は、体調の悪い日の対応を主治医と確認しておきましょう。治療は、内分泌内科・小児内分泌科などの専門の医療機関で受けていただきます。

② 症状のないご本人(家族歴で受けた方・保因者だった方)
潜性遺伝の遺伝子(PROP1・POU1F1・LHX3・GHR)で1本だけ変化がある保因者の方は、通常は発症しません。お子さんを考えるときは、パートナーが同じ遺伝子の保因者かどうかが大切になるため、拡大版保因者スクリーニングでパートナーの検査を考えられます。妊娠中の方には、NIPTと同じ日に採血できるカップルの保因者検査「ファミリーセーフティ プラス」(女性787遺伝子・男性714遺伝子、単独では受けられません)もあります。顕性遺伝の遺伝子で変化をもつ方は、症状がなくても、お子さんに受け継がれる確率は1人ごとに2分の1です。

③ 子どもを持つときの選択肢(知ってから選べること)
ご家族で原因の遺伝子の変化がわかっていれば、妊娠したときに赤ちゃんで同じ変化があるかを調べられます。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。その病気で出生前診断を行えるかは、病気の重さや国内の指針を踏まえて個別に考えますので、妊娠を考えている段階からご相談ください。日本でも、日本産科婦人科学会の指針にもとづく審査を経て、PGT-M(着床前遺伝学的検査)が行われています(当院は体外受精・PGT-Mを行っていません)。準備に必要なことは海外でPGT-Mを考えている方へで解説しています。何もしないで自然に妊娠・出産することも、もちろんそのまま選べる選択肢です。

④ ご家族
ご本人で原因がわかると、きょうだい・親・いとこは、同じ変化をもっているかをピンポイントで調べられます。症状のない方の検査は、ご本人の同意のうえで行います。お子さんの検査の考え方は、未成年者の遺伝学的検査に関するガイドラインの解説もご覧ください。PROP1のように、あとからホルモンが足りなくなる型では、症状が出る前にきょうだいの状態を知っておくことに意味があります。

⑤ 当院でのその後
結果をお伝えしたあとも、ご家族の検査、パートナーの保因者検査、妊娠したときの出生前診断まで、遺伝カウンセリングで続けてご相談いただけます(遺伝カウンセリング料は第9章のとおりです)。

陰性だったとき・VUSが見つかったとき

7遺伝子に原因が見つからなかった場合でも、生まれつきの下垂体機能低下症が否定されるわけではありません(第6章)。ホルモンの治療と見張りは、これまでどおり主治医のもとで続けます。症状や家族歴によっては、低身長遺伝子パネル検査や全エクソーム検査など、範囲の広い検査を考えます。

VUSは、それだけで診断に使ったり、ご家族の検査に使ったりはしません。研究が進んで、のちに意味がはっきりすることもあります。

結果の伝え方と、報告書の言語

結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。報告書の読み方は遺伝子検査結果の見かたで解説しています。

8. 日本の制度(2026年10月時点)

下垂体前葉機能低下症は指定難病78に、先天性下垂体機能低下症は小児慢性特定疾病(内分泌疾患)に含まれています。難病情報センターによると、令和5年度に下垂体前葉機能低下症で医療受給者証をもっていた方は20,336人で、原因やホルモンの種類が多岐にわたるため、実際の患者数はもっと多いと考えられています(2026年10月時点で確認。この数は、腫瘍や手術のあとなど、遺伝と関係のない原因の方も含みます)。

小児慢性特定疾病情報センターでは、複数のホルモンが足りない状態を「複合型下垂体機能低下症」と呼び、先天性下垂体機能低下症として対象疾病に載せています。また、「成長ホルモン(GH)分泌不全性低身長症(脳の器質的原因によるものを除く。)」も対象疾病に載っています(2026年10月時点で確認)。医療費の助成を受けるには、それぞれの制度の認定の条件を満たし、申請する必要があります。認定の基準や申請の方法は、難病情報センター・小児慢性特定疾病情報センターや、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。

9. 検査の流れ・費用・結果までの日数・検体

検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。検体は血液・抽出DNA・頬の内側の粘膜・唾液のいずれかで、オンライン診療でも受けられます。

ご予約
▶
遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
▶
検体の採取来院またはオンライン
▶
結果のご説明2〜3週間後・マイページへ

💴 費用・日数・検体

項目 内容
検査内容 7遺伝子(GHR, HESX1, LHX3, LHX4, OTX2, POU1F1, PROP1)の塩基配列と欠失・重複
検査費用 税込330,000円
遺伝カウンセリング料 30分22,000円(税込)※検査費用とは別
結果までの期間 2〜3週間(至急オプション55,000円で約7日短くなります)
検体 血液(EDTA採血管4ml×2本)、抽出DNA、頬の内側の粘膜(頬粘膜スワブ)、唾液
オプション VUS除外(無料):意義がまだわからない変化を報告に含めない
オンライン診療 唾液・頬の内側の粘膜・血液のいずれもオンライン診療で受けられます。血液の場合は、全国の提携医療機関で採血していただきます

※当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。ご夫婦・カップルで同じ検査を同じ日に一緒に受ける場合は、遺伝カウンセリング料が1人分になります(検査費用の割引はありません)。

この検査は、遺伝診療先進国・米国の3大遺伝子検査会社の一角で行います。※

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行ったあと、検体を当院にお送りいただく流れです。遺伝カウンセリングでは、検査で何がわかり、何がわからないか、結果がご家族にとってどういう意味をもつかをご説明します。検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。

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📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

生まれ持った遺伝子は一生変わりません。7遺伝子の結果は、ご自身の見張りの計画にも、ご家族の検査にも使えます。

お問い合わせはこちら | どの検査がよいか迷う方へ

10. 院長コラム

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「いま足りている」は「この先も足りる」ではない】

私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。

下垂体ホルモンの不足は、足りないホルモンを補う治療が基本の病気です。だからこそ、私は「原因まで知る意味はあるのか」という疑問にこそ、きちんと答えたいと考えています。答えは、ホルモンが「いつ」足りなくなるかが、原因の遺伝子によって違うという点にあります。子どものころの検査で足りていた副腎のホルモンが、大人になって足りなくなる型があることを知っていれば、見張りの予定を前もって立てられます。わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。

遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。

遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。知ったうえで結婚や妊娠を考えたい方には、パートナーの保因者検査から出生前診断まで、当院で続けて支えられる体制を整えています。どの選択をされても、その選択を尊重します。

よくある質問(FAQ)

Q1. 下垂体機能低下症は遺伝しますか?遺伝する確率は?

腫瘍や手術のあとに起きた下垂体機能低下症は、ほとんどの場合、遺伝とは関係ありません。生まれつきの下垂体機能低下症のうち遺伝子の変化が原因のものは、親から子へ伝わることがあります。潜性遺伝の型(PROP1など)ではご両親がともに保因者のときお子さん1人ごとに4分の1、顕性遺伝の型(LHX4・OTX2など)では親が変化をもつときお子さん1人ごとに2分の1です。確率は原因の遺伝子がわかってはじめて具体的に言えます。

Q2. 下垂体機能低下症は難病(指定難病)ですか?

下垂体前葉機能低下症は指定難病78です。子どもでは、先天性下垂体機能低下症と成長ホルモン(GH)分泌不全性低身長症(脳の器質的原因によるものを除く。)が小児慢性特定疾病の対象疾病に載っています(2026年10月時点)。医療費の助成を受けるには、それぞれの制度の認定の条件を満たし、申請する必要があります。

Q3. 生まれつきの下垂体機能低下症は子どもにもなりますか?

なります。生まれつきの下垂体機能低下症は、新生児で4,000人に1人から1万人に1人ほどと推定されています。新生児期の低血糖や長引く黄疸、男の子の小陰茎で見つかることもあれば、幼児期以降に背の伸びが遅いことで見つかることもあります。

Q4. 下垂体機能低下症で命に関わることはありますか?

副腎を動かすホルモン(ACTH)の不足は、治療をしないと命に関わることがあります。新生児では重い低血糖やけいれんの原因になります。副腎のホルモンは薬で補え、病気やけがのときに薬を増やすなどの対応を主治医と決めておくことが大切です。PROP1のように、あとからACTHが足りなくなる型もあるため、原因の遺伝子を知って見張りを続けることに意味があります。

Q5. 下垂体機能低下症は完治しますか?

遺伝子の変化が原因の場合、遺伝子そのものを治す治療はありません。足りないホルモンを補う治療で、日々の生活を保つのが基本です。足りないホルモンが年齢とともに増えることがあるため、原因の遺伝子に合わせて見張りを続けます。治療は内分泌内科・小児内分泌科などの専門の医療機関で受けていただきます。

Q6. 成長ホルモンの治療中ですが、今から遺伝子検査を受ける意味はありますか?

あります。原因の遺伝子によって、この先どのホルモンが足りなくなりやすいかが違うためです。たとえばPROP1が原因なら、大人になってから副腎のホルモンが足りなくなることがあると報告されています。ご家族の検査や、次のお子さんの確率を考える手がかりにもなります。

Q7. 下垂体機能低下症があっても、結婚・妊娠はできますか?

結婚や妊娠を考えることは、どなたにとっても大切な選択です。お子さんへの遺伝の確率は原因の遺伝子と遺伝のしかたで違い、検査でわかることがあります。潜性遺伝の型ならパートナーの保因者検査で確率を具体的に考えられ、ご家族の変化がわかっていれば妊娠したときの出生前診断も計画できます。妊娠に向けた性腺のホルモンの治療は、専門の医療機関でご相談ください。

Q8. 検査で原因が見つからなかったらどうなりますか?

原因が見つからなくても、生まれつきの下垂体機能低下症が否定されるわけではありません。調べていない遺伝子や、この検査で見つけにくい変化が原因のこともあります。ホルモンの治療と見張りは主治医のもとで続け、症状に合わせて低身長遺伝子パネル検査や全エクソーム検査など、範囲の広い検査を考えます。

🧬 一度の検査で、ご自身とご家族のこれからを考える

生まれ持った遺伝子は一生変わりません。下垂体機能低下症の原因の遺伝子がわかれば、この先気をつけるホルモンの見張りの予定、ご家族の検査、結婚・妊娠の計画を考える手がかりになります。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、羊水検査・絨毛検査による出生前診断の相談まで、院内で続けて受けていただけます。

お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768

参考文献

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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