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胎動は、感じはじめてから赤ちゃんが育っていくにつれ、どんどん変化していくものです。そして感じ方も赤ちゃんやママによって違いがあるため、胎動が活発すぎて困っているママもいれば、あまり感じられずに不安になるママもいます。
その時々で胎動の感じ方に違いが出ますが、普段感じている胎動が長時間感じられない場合は、もしかしたら赤ちゃんからのSOSかもしれません。この記事では、病院へ行くべき異変についてと胎動が少ないときにやるべき3つの対処法をご紹介します。
最後に胎動カウント法についてもご紹介するので、胎動が弱くなった気がすると不安に感じているママはぜひ参考になさってみてください。
通常の胎動の感じ方
妊娠初期のうちは赤ちゃんが小さく、どんなに活発に動いても子宮壁に当たらず、ママには伝わりません。そのため一般的には妊娠5か月くらいから最初の胎動を感じはじめるママが多いようです。
妊娠6か月に入っても胎動を感じられていないママは、赤ちゃんが順調に育っているか心配になってしまうかもしれませんが、胎動を感じる時期は人それぞれなのであまり気にしなくて大丈夫でしょう。
以下は一般的に妊婦さんが感じる胎動の様子です。
妊娠5〜6か月
最初はガスがお腹の中でポコポコしているような感覚があり、それが徐々にグニョグニョと動く感覚に変わっていきます。この頃の胎児は羊水の中で自由に動きまわれるので、足で子宮壁を蹴りながら回るように動くことも。
脚で勢いをつけてぽんぽんとキックしているのも感じられるようになり、確実に胎動だとわかるようになります。
受診の目安
この時期だと妊婦さんによっては、胎動を感じない方もいらっしゃいます。もし、既に胎動を感じていたのに「急に胎動が少なくなった」「全く胎動がない」といった場合は、赤ちゃんの状態が良くないかもしれませんので医師に相談をしましょう。
ただし、いつも胎動が少ない状態で、定期健診で赤ちゃんの健康が確認できているのであればそこまで心配しなくても構いません。
妊娠7〜9か月
胎動がどんどん激しくなっていきます。お腹の表面を見て赤ちゃんの動きがわかることもあるため、パパもママと一緒に胎動を感じられるようになるでしょう。
また、妊娠後期になるにつれてお腹の上のほうで胎動を感じることが多く、肋骨をグリグリ蹴られて痛いと感じるママも。脚をぐーッと伸ばして足の裏でお腹に足の形が浮き出ることもあります。
受診の目安
この頃に入ると赤ちゃんは活発に活動をし出しすため胎動を最も感じる時期です。20~40分と短い周期で眠ったり起きたりを繰り返しているため、よく動くときもあればあまり動かない時もあります。
もし横になっていつもより胎動を感じないのであれば医師に相談をしたほうがいいでしょう。
妊娠10か月
出産予定日が近づいている妊娠10か月は、胎児が出産準備で骨盤内の定位置に下がってくるため、今までとは違い胎動が弱く感じられる場合もありますが、必ず弱くなるわけではありません。
また、陣痛時でも胎児は睡眠と覚醒のリズムを繰り返しているので、気づきにくいですが実は産まれてくるまでずっと胎動は続いているのです。
妊娠10か月で気をつけたいのは、臨月は胎動が弱くなると思いこんでしまうことです。たしかに出産が近づくと胎動が弱まるケースは非常に多いですが、胎児になんらかのトラブルが起こっている場合もあります。気になるときは自分で判断せずにかかりつけの病院へ連絡するようにしましょう。
胎動が少ないときにやるべき3つの対処法
胎動は胎児やママの体勢によっては感じにくい場合もあります。しかし、いつもより少ないと感じたときは、これからご紹介する3つの対処法を行ってみましょう。
横になってみる
まずは横になってしばらく安静にしてみてください。それでも胎動が感じられない場合は、寝返りを打ったりして体勢を変えてみましょう。
体勢を変えることで赤ちゃんの動きが活発になり、胎動を感じやすくなるかもしれません。そのほかにも、体を起こす動きや立ち上がってみるなど、ママが体を動かすと赤ちゃんの動きにも変化があります。
その際はあくまでもゆっくりと、体の負担になるような急な動きはしないようにしましょう。
お腹を優しくマッサージ
胎動を感じにくいと思ったら、お気に入りのオイルをつけてお腹を優しくマッサージすると、赤ちゃんもママの体温を感じて反応する場合があります。
マッサージをする際は以下のことに注意して行いましょう。
- お腹を強くさすらない
- お腹を押さない
お腹を強くさする、押すと子宮の収縮を促進してしまう可能性があります。そのため、マッサージをするときはすべりをよくするオイルなどをつけ、優しく撫でるようにします。
また、マッサージの最中にお腹の赤ちゃんに話しかけてあげると赤ちゃんが反応してくれるかもしれません。
かかりつけの病院へ連絡
お腹の中の赤ちゃんが起きている場合、妊娠36週まではママが横になって安静にした状態で、30分に10回以上胎動を感じられれば正常の範囲内です。それ以降はもう少し胎動を感じる回数は少なくなります。
1時間横になって安静にしても胎動を感じられないときは、かかりつけの病院へ連絡してみましょう。
病院へ連絡する際は、普段感じる胎動の回数や強さ、最後に胎動を感じた日時などを伝え、必要であれば医師の指示に従って受診します。
異変に気づくためにも、普段から胎動の様子を観察しておくことが大切です。また、夜間でもスムーズに受診できるようにかかりつけの病院の緊急連絡先を確認しておきましょう。
かかりつけの病院が夜間診療を行っていない場合は、かかりつけの病院と提携している病院など、夜間に受診できるところの連絡先を把握しておきましょう。
胎動がないのはどんな状態?
ママが仕事や家事をしていると、お腹で赤ちゃんが動いていても感じにくい場合もあります。
しかし、急に胎動を感じなくなった、普段よりも胎動が弱い、違和感があるなどの場合には赤ちゃんになんらかのトラブルが起こっている可能性もあります。
- 胎児仮死
- へその緒が首に巻きついている
- 常位胎盤早期剥離
上記はお腹の中の赤ちゃんに起きているかもしれないトラブルの例です。胎動がなくお腹の中でなんらかの問題が起きている場合、病院へいくのが遅いと赤ちゃんに障害が残ったり、最悪の場合死産になってしまう可能性も。
胎動を感じられなくなり出血やお腹の張りを感じる場合には、常位胎盤早期剥離の可能性もあるため、早急に病院を受診する必要があります。
常位胎盤早期剥離とは、赤ちゃんが生まれる前に胎盤が子宮壁から剥がれてしまうことです。常位胎盤早期剥離になると、赤ちゃんへ酸素と栄養が供給されなくなってしまいます。
常位胎盤早期剥離は発症の予測が不可能なため、非常に危険です。この症状は妊娠の比較的早い時期にも起こります。
常位胎盤早期剥離は、出血を伴わないケースもあり、気がつかないうちに胎盤剥離が進行し、気づいたときには手遅れとなってしまうこともあるので十分注意しましょう。
胎動カウント法とは
胎動カウント法は赤ちゃんがお腹の中で元気だと確かめるための方法です。毎日胎動カウントを行うことで胎動の減少に気が付けます。ここでは、さまざまな胎動カウント法の中のひとつをご紹介します。
- まずは紙に日付を記入する
- 左側を下にして横になる
- 胎児がよく動いていると感じるときからカウントをはじめる
- 胎児が10回動くまでの時間を計測する
- ゴロゴロゴロなどは3回と数えず、一連の動作を1回として数える
- 1時間以上胎動を感じられないときは病院へ連絡
- 毎日行い、基礎体温表のように線で結んでいく
- 出血やお腹の張り、下腹痛なども日付のところにメモしておく
胎動を10回カウントできる目安は、妊娠36週までの妊婦さんは約25分、妊娠37週以降の妊婦さんは約35分です。約90%の妊婦さんが、この範囲内に胎動を10回カウントできるようです。
まとめ
病院へ行くべき異変と胎動が少ないときにやるべき3つの対処法、胎動カウント法についてご紹介しました。
胎動はママと赤ちゃんによって感じ方に違いがあり、1人目では強かったのに2人目ではあまり感じられない場合もあります。赤ちゃんが動くのを楽しみにしているママは、胎動の有無や強さで赤ちゃんが正常に育っていないのかと不安になってしまうかもしれません。
しかし、あまり心配しすぎてもそれが逆にストレスになり妊婦さんの体に悪影響になってしまいます。
明らかに昨日よりも胎動の回数が減っている、胎動カウント法で1時間以上胎動を感じられないなどの場合は、早めにかかりつけの病院へ相談する必要がありますが、そうでない場合にはゆったりとリラックスして自然と胎動が感じられる瞬間を待ちましょう。
ただし、胎動の減少は死産と関連性があるとの研究結果もありますので、今までと違う胎動を感じたときや出血やお腹の張りを伴うときは注意が必要です。
胎動の感じ方に不安を感じているママは、ぜひ本記事を参考にしてみてくださいね。