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胎動は妊娠中期からママが感じはじめる、赤ちゃんとの大切なコミュニケーションツールです。
胎動を感じるまではワクワクしていたママも、お腹の赤ちゃんが大きくなるにつれて激しくなり、ときには痛みを感じることも。
痛みを感じたママは、お腹の赤ちゃんが苦しんでいるのではないかと不安になりますし、破水してしまうのではとハラハラしてしまいます。
しかし、胎動が痛みを感じるほど激しい場合でも、ほとんどは赤ちゃんが元気に育っているという証拠です。破水したりしないので、心配しなくても大丈夫です。
この記事では、胎動を痛いと感じる原因と痛いときの3つの対処法、胎動に関するジンクスをご紹介します。
胎動が激しすぎて不安になってしまった妊婦さんは、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
胎動を痛いと感じる原因
胎動の感じ方には個人差がありますが、ピークである妊娠7か月〜8か月頃になるとときおり痛みを感じることもあり、赤ちゃんが何か深刻な状況にあるのではと不安になってしまいます。
ここでは、なぜママが痛みを感じるほど激しい胎動が起こるのか、胎動を痛いと感じる原因についてご紹介します。
逆子の可能性
胎動による痛みをおへそより下で感じる場合は、逆子の可能性があります。
逆子の赤ちゃんの足は、ママの直腸や膀胱のすぐそばにあります。そのため、赤ちゃんの足が当たると直腸や膀胱に力が働き、お尻の奥や肛門、下腹が痛くなるのです。
このときの痛みは、以下のように感じることが多いようです。
- ・下腹部にチクッと何かが刺さったような痛み
- ・下脇腹周辺に盲腸と勘違いするくらい強い痛み
- ・恥骨あたりが筋肉痛のように痛む
通常、胎動はお腹の上部に感じることが多いので、上記のような痛みを感じる場合は逆子かもしれません。
赤ちゃんが起きている時間が増えてきた
妊娠6か月頃になると、徐々にお腹の赤ちゃんが起きている時間もパターン化してくるため、胎動で睡眠サイクルがわかることもあります。
お腹の赤ちゃんにはまだ昼と夜の区別はありません。妊娠後期になると徐々にお腹の中で赤ちゃんが起きている時間も増えてきて、24時間の中で20分〜30分おきに寝たり起きたりを繰り返しています。
ママが眠ろうとしたときにお腹の赤ちゃんが動き出し、よく眠れなかったという経験をした方もいるのではないでしょうか。
お腹の赤ちゃんの睡眠サイクルは、ママとはまったく関係ないので、ママが眠っているときでも規則的に寝起きを繰り返しています。
静かに横たわっているときは、普段よりも胎動を激しく感じやすく敏感になっているので、痛みを感じるのかもしれません。
筋肉や循環器の発達によるもの
胎動で痛みを感じるのは、胎児の筋肉や循環器系の臓器が発達したことが原因です。
循環器系は妊娠3か月頃に形成されはじめ、筋肉は妊娠4か月頃になると活発化してきます。この頃から胎児はお腹の中で動いていますが、まだ力も弱いためママが胎動として動きを感じることはありません。
その後ママは胎動を感じはじめ、妊娠6か月頃になると運動を司る大脳や神経細胞が徐々に発達してきます。
胎動によって痛みを感じるのは、胎児がある程度大きくなり筋肉も発達した妊娠7か月頃からです。その頃から胎動で痛みを感じるママが増えてきます。
この頃から胎児は出産に向けて生まれるための準備を整えていきます。手足の力が強くなったり循環器が発達するため、胎児が元気に動き回るとママが痛みを感じるようになるのです。
胎動が激しいと男の子が生まれる?
よく、胎動が激しいと男の子、おとなしいと女の子が生まれると言われていますが、医学的な根拠はありません。胎動と性別・性格には関係ないと言われています。
胎動は胎児の位置や感じ方によっても個人差がありますので強弱で判断できません。
性別を知りたい場合は妊娠18~20週以降にエコー検査を受けると判明します。もっと早く知りたい場合はNIPT(新型出生前診断)で判別可能です。ただし、認可施設の病院ではやっていませんし、無認可施設の一部になります。もしNIPTを受検する際に性別を知りたいときは事前に対応可能なクリニックを確認してから連絡をしましょう。
胎動でダウン症などの障害があるかどうかわかるのか
もう一つよく聞く噂として「胎動が弱い胎児はダウン症」というのがあります。こちらも医学的な根拠はまったくありません。
そういった噂が流れた背景として、ダウン症の子どもは他の子よりも筋力が弱いからというのが根拠にあるようです。しかしながら胎動の強さと染色体異常との関連性は医学的に証明されていません。
他にも「胎動が強い子は発達障害」という話も出ていますが、こちらも憶測に過ぎません。
胎動の痛みを乗り切るための3つの対処法
胎動による痛みは我慢が難しいほど強いこともあります。とくに夜眠るときに痛みを感じると、なんとか痛みを解消できないかと思うものです。
ただ、残念ながら胎動による痛みを解消する医学的な方法はないため、自分でどうにかするしかありません。
ここでは、胎動による痛みを乗り切るための3つの対処法をご紹介します。
できるだけ楽な姿勢をとる
胎動に限らず、お腹に痛みを感じたらできるだけ楽な姿勢で安静にするようにしましょう。抱き枕などを使って横になってみてはどうでしょうか。
おすすめは、シムス体位です。シムス体位は、妊娠中期以降の辛い症状を緩和するためにイギリスの産婦人科医J・マリオン・シムズが提唱した姿勢で、血液の巡りをよくしてリラックスする効果があります。
シムス体位のやり方
- 1.できるだけ体の左側を下にして横向きに寝転がる
- 2.お腹が圧迫されない程度にうつ伏せになる
- 3.左腕は背中側にして少し曲げ、左脚を伸ばす
- 4.右腕と右脚は前に曲げる
このとき、右側を下にするとお腹で大動脈が圧迫されてしまうので、必ず左側を下にして寝転がることが大切です。
シムス体位をとることで、胎動を落ち着かせてママもリラックスして休めます。
シムス体位は、老廃物の排泄を促進してお腹の赤ちゃんに栄養を届きやすくする効果もあります。
赤ちゃんのためにも、胎動で痛みを感じるときはシムス体位でのんびりしてみましょう。
また、お腹を優しくゆすって赤ちゃんに刺激を与えてみるのもよい方法です。お腹の揺れを感じた赤ちゃんが、体勢を変えることで痛みが軽減する可能性もあります。
ただし、お腹をゆするときは強い力で刺激を与えすぎないように注意しましょう。
昼寝などで睡眠のバランスをとる
胎児は日中ママが家事などで動いているときよりも、夜眠るときに活発に動きやすいといわれています。
胎動による痛みでよく眠れなかったときは、日中あいている時間を見つけて昼寝などで睡眠時間のバランスをとり、体を休めましょう。
お腹の赤ちゃんが眠る時間を把握できるよう、どの時間に動いているかを意識して記録をつけてみるのもよいかもしれません。
痛みを感じやすい妊娠後期は、家事なども完璧にやろうとせず、家族の手を借りたりしてストレスが溜まらないような生活を送るのがよいでしょう。
気を紛らわせてみる
上記でもご紹介したように、胎動による痛みを解消する医学的な方法はありません。出産までの間、ママだけが経験できる貴重な体験として耐えるしかないのです。
辛いときは、胎動ばかり気にしなくても済むようにお友達とランチに行ったり、お茶をしながら会話を楽しんだり、軽い散歩に出たりしてリフレッシュしてみましょう。
他のことに目を向けると、普段は気になってしまう痛みでも紛らわせられるかもしれません。
ただし、痛みを気にしないために無理をして出かけるのは危険です。
とくにひとりきりでのお出かけは、急なお腹の張りや痛みを感じたときに対処しきれないことがあるので、できるだけやめましょう。
注意すべき痛みとは
胎動が激しいことによる痛みは、いくら激しくても早産や破水の心配はありません。
ただ、お腹に感じる痛みにはいくつか注意すべきものがあります。
- ・お腹全体がぎゅーっと締め付けられるような痛み
- ・安静にしていても痛みがおさまらない
- ・痛みが徐々に強くなる
お腹の痛みが胎動か張りによるものか判断できない場合は、30分程度横になって休んでみましょう。
痛みがおさまればあまり心配はありませんが、痛みが持続したり強くなっていくようであれば子宮収縮を起こしている可能性もあります。
気になる痛みがあるときは、かかりつけの病院を受診しましょう。
また、今まで感じていた胎動を急に数時間感じなくなったり、弱くなった気がする場合は、お腹の赤ちゃんになんらかのトラブルが発生している可能性もあります。
その場合もかかりつけの病院へ連絡し、相談することをおすすめします。
まとめ
胎動を痛いと感じる原因と痛いときの3つの対処法、胎動に関するジンクスをご紹介しました。
お腹の赤ちゃんは、胎動が激しくなる妊娠後期になると体も大きく、筋肉もついてきます。
それに伴って動きも活発になるため、ママは胎動によって痛みを感じてしまうかもしれません。
しかし激しい胎動もつわりと同じようにいつかは終わるものですし、赤ちゃんが生まれたあとは、胎動によって感じていた痛みを懐かしく感じられるものです。
痛みを感じているときは辛いかもしれませんが、ストレスとして受け止めないように心がけ、「活発で好奇心旺盛な子かな?」「スポーツ万能かもしれない!」など生まれてくる赤ちゃんのことを想像してみると気分転換になります。
胎動による痛みはママにとって負担になってしまうときもあります。しかし、かわいい赤ちゃんに会えることを楽しみに、辛い時期を乗り切りましょう。
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