目次
最終月経日とは最終生理の初日を示します。出産予定日は最終月経日を初日として280日後が目安と言われます。
現在妊娠した可能性のある方にとって、妊娠の有無と出産予定日は気になるトピックではないでしょうか。
そこでこの記事では妊娠した可能性のある方向けに、以下の内容について詳しく解説します。
- ・最終月経日から出産予定日を求める計算方法
- ・妊娠を確認するタイミングやその方法
- ・出産予定日がズレる理由
最後まで記事を読むことで、出産予定日を求めたり、妊娠の有無を確認したりできます。また、出産予定日から逆算して妊娠中のスケジュールを立てやすくなるメリットもあるため、ぜひこの記事をご活用ください。
最終月経日から求める出産予定日と計算方法
妊娠の可能性がある仕事や妊婦・出産後の生活に向けて計画的に過ごしたいものです。最終月経日をもとに出産予定日を求める必要がある一方で、計算に自信がないと感じる人も多いのではないでしょうか。
そこでこの章では、正確な出産日を求められるように以下の内容を解説します。
- ・出産予定日とは?
- ・ネーゲレの概算法により計算方法
- ・妊娠週数の計算方法
出産予定日をもとに計画的に妊娠生活を送るイメージを持てるようになりましょう。
出産予定日とは?
出産予定日は妊娠が成立した日から40周0日目、つまり280日後となります。
具体的には、受精卵が子宮内膜に着床した日が妊娠成立日であり、カウント開始日となります。ただし、排卵の遅れや月経不順の方など妊娠日を予測しにくい方もいるため、あくまで妊娠期間の目安として考えるようにしましょう。
妊娠9〜10週目の妊婦検診で胎児の大きさから現在の正確な妊娠週数が分かるため、安心しましょう。
また、妊娠期間を「十月十日(とつきとうか)」と認識している人もいますが、実際は4週間(28日)を1ヶ月としてカウントするのが正確な出産日です。つまり、およそ280日前後で出産を迎えます。
ネーゲレの概算法により計算方法
出産日を求めるならネーゲルの概算法(がいさんほう)で計算すると簡単に求められます。
ネーゲルの概算法とは、最終月経の月から3を引き、最終月経の開始日に7を足した日が出産予定日になるという計算方法です。
例えば、最終月経が1月1日だったなら、以下の計算で出産予定日は10月8日になります。
- 出産予定日=10(1-3もしくは1+9でもOK)月8(1+7)日
このように簡単に出産予定日を求めることができます。最近だとインターネット上で出産予定日を求められるツールもあるため、上手く活用しましょう。
妊娠週数の計算方法
周りの人に妊娠報告をすると必ず「今何ヶ月ぐらいなの?」と質問されます。しかしいざ聞かれると妊娠週数がどれくらいか分からないという方も多いのではないでしょうか?
妊娠週数のカウントは妊娠0週0日、つまり着床して妊娠が成立した日を1日目(妊娠週数1ヶ月目)として数えます。
そして受精から着床までの日数は個人差がある上に、身体・生理所見からは着床した日の特定が難しいでしょう。そのため1日もズレることなく妊娠週数を求めるのは難しいと考えられます。
そこで可能な限り正確な週数を求めるのに用いられるのが、最終月経日です。最終月経が始まった日を基準に、妊娠0週0日目と計算して妊娠週数や出産予定日を求めます。
妊娠を確認するタイミングと方法
一般的に妊娠を確認するために最初に用いられるのは市販の妊娠検査薬です。しかし妊娠検査薬は使用するタイミングによっては正確な判定が出ないこともあります。
そこでこの章では、妊娠を確認するベストなタイミングと適切な確認方法について解説します。
妊娠検査薬
妊娠検査薬を使うベストタイミングは、妊娠5週目以降です。
というのも、妊娠検査薬は妊娠が成立すると分泌されるhCGホルモン(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)を検知して妊娠判定をするからです。このhCGホルモンの分泌量が妊娠検査薬で検知できる量に達するのが、妊娠5週目以降になります。
妊娠したかどうかを1日でも早く知りたいという方は、生理予定日から使える早期妊娠検査薬を使う方法もあります。
早期妊娠検査薬と一般的な妊娠検査薬の違いは、以下の2つです。
一般的な妊娠検査薬はhCGホルモンの濃度がおよそ50mIU/mLで反応するのに対して、早期妊娠検査薬は25mIU/mLと微量でも反応します。
また一般的な妊娠検査薬は第2類医薬品であるため、病院をはじめドラッグストアやインターネットなど手軽に入手できますが、早期妊娠検査薬は医療用体外診断用医薬品であるため、薬剤師が常在する薬局でしか購入できません。
いずれにしても妊娠検査薬は確定診断ではないため、陽性判定が出たら早期に産婦人科へ受診しましょう。
産婦人科
妊娠検査薬で陽性判定が出たら確定診断をしてもらうために、産婦人科へ受診しましょう。
近年の妊娠検査薬は精度が高く信ぴょう性がある一方で、確定診断にはならないことが難点です。しかし妊娠したなら産婦人科で妊婦健診を受けるため、いずれにしても受診は必要になります。
産婦人科では、妊娠検査薬と同じ尿検査に加えて、血液検査・エコー検査(超音波検査)を行い、様々な角度から妊娠しているかを正確に判定します。エコー検査で胎児心拍(お腹の赤ちゃんの心臓が動いている兆候)を確認し、確定診断になるのです。
また産婦人科を受診すると、NIPT(新型出生前診断)を受けられます。
NIPT(新型出生前診断)とは出生前スクリーニング検査の一種で、胎児に染色体異常などの先天性疾患がないかを確認するための検査のことです。妊娠10週0日からと早期から検査を行えるため、妊娠検査とともに受ける方も多くいます。
また妊娠を確認するタイミングについて詳しく知りたい人は「排卵1週間後の妊娠初期症状とは?妊娠がわかるタイミングや注意すべきことを解説」の記事をご覧ください。
※参考資料:公益社団法人 日本産科婦人科学会「母体血を用いた出生前遺伝学的検査(NIPT)」指針改訂についての経緯・現状について
思っていたより遅い?早い?出産予定日がズレる理由
出産予定日はあくまで予測に過ぎないと分かっていても、予定日から大幅にズレると心配になるのは当たり前の反応です。妊娠週数はあくまで目安であるため、予定日から前後にズレるのは普通のことなのです。
ただし、早産(妊娠22週0日〜36週6日)や過期産(妊娠42週0日以降)であると、胎児への影響も考えられるため、予定日からズレつつも正期産で生まれることが理想になります。
そこでこの章では、出産予定日よりも早くなったり、遅くなったりする理由やリスクについて解説します。
出産予定日が早くなる理由
出産予定日が早くなる理由として、以下の原因が考えられます。
- ・妊婦特有の疾患(妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病など)
- ・感染症や膣炎
- ・喫煙や飲酒などの生活習慣
- ・過度な運動
- ・骨盤底筋の脆弱性
- ・ストレス
- ・羊水過多・過小
- ・胎児先天性疾患
喫煙や飲酒・過度な運動などの習慣はすぐに改善できるため、胎児を守るためにも控えるようにしましょう。一方で骨盤底筋の脆弱性などもともとの解剖学的な問題は対策が難しいのが現状です。
また、早すぎる出産として早産(妊娠22週0日〜36週6日)のリスクについても考えておく必要があります。
- ・低出生体重児
- ・先天性疾患(内臓が未成熟で生まれてくることが原因)
早産や流産・死産など最悪のシチュエーションを避けるためにも、異常を感じたらすぐに産婦人科を受診する習慣や妊婦健診を欠かさないようにすることが重要になります。
出産予定日が遅くなる理由
出産予定日が遅くなる理由として、以下の原因が考えられます。
- ・初産婦
- ・高齢出産
初産婦や高齢出産だと産道が狭く、経産婦に比べて柔軟性に欠けるため、陣痛がでにくいことが挙げられます。ただし、科学的に立証されているわけではなく、あくまで傾向に過ぎません。
また、遅すぐる出産として過期産(妊娠42週0日以降)のリスクについても考えておく必要があります。
- ・胎児呼吸困難などの呼吸障害
- ・羊水過少
- ・胎児機能不全
胎児が大きくなりすぎると胎盤内が狭く、窮屈に感じて胎便を漏らします。胎便が混じった羊水を胎児が飲み込むと、出産時に胎児が呼吸しにくくなる胎児呼吸障害を合併するリスクがあります。
また羊水の量が徐々に減少したり、胎児機能不全を誘発したりするリスクもあるため、過期産も注意が必要なのです。
過期産の予防法も早産と同じように妊婦健診を定期的に受けて、異変の早期発見をすることです。
妊娠初期の体の変化と注意すべきこと
妊娠初期は赤ちゃんをお腹で育てるための準備のため、体の変化が激しく、これらは様々な症状として現れます。
そこでこの章では、妊娠初期の体の変化と注意点についてお伝えします。
妊娠後に起こる症状について知っておくだけでも心の持ち様が違い、対策をイメージすることもできます。ぜひご活用ください。
妊娠初期症状
妊娠初期症状の種類や程度は人それぞれ異なります。そして風邪に似た症状も多く、特に初産婦の方は見分けるのが難しいでしょう。
一般的には、妊娠初期に以下の症状が出現します。
- ・基礎体温が高い(微熱が続く)
- ・おりものの色が変わった
- ・おりものの量が増えた
- ・少量出血があった(着床出血)
- ・めまいや立ちくらみがある(貧血症状)
- ・食欲にムラが出た
- ・胃がムカムカしたり、いつもよりゲップが出たりする
- ・チクチクと下腹部痛があった(着床痛)
- ・胸が張る
- ・日中眠たい
- ・体が重だるい
- ・トイレが近い
- ・むくみが出やすい
- ・情緒不安定になった
- ・生理が予定日の1週間オーバー
妊娠初期症状と風邪を見分ける方法は、症状の経過を観察することです。妊娠初期症状は症状が悪化しないものの長期的に続きます。一方の風邪症状は徐々に重くなり、1週間程度で軽快します。
また、妊娠初期症状は妊娠を疑うサインに過ぎません。妊娠検査薬で陽性反応があり、産婦人科で確定診断してもらうまでは、妊娠した確証を得ることはできない点にも注意しましょう。
風邪や体調不良・生理などの症状に似ており、妊娠確定もできない時期であるため、不安な時期を過ごすことになります。知人や両親に相談したり、産婦人科を受診して今後の対応方法についてアドバイスをもらったりしましょう。
妊娠初期に注意すべきこと
妊娠初期はお母さん・旦那さんのそれぞれに注意すべきことがあります。
お母さんが注意すべきことは、以下の通りです。
- ・タンパク質や鉄分などの栄養素を含む食品の摂取
- ・葉酸の摂取
- ・カフェインの摂取を避ける
- ・禁煙・禁酒
- ・過度な運動を避ける
- ・不要なレントゲン検査は受けない
- ・風邪・感染症の予防
- ・内服についてかかりつけ医に相談(特に定期内服が必要なもの)
- ・歯科受診を済ませる
- ・風疹の予防接種が済んできるか確認
- ・規則正しい生活を送る
旦那さんが注意すべきことは、以下の通りです。
妊娠初期のお母さんは、心身ともに著しく変化します。そんな時に最も身近な存在である旦那様は、心の支えや妊婦生活を続けるモチベーションにもなります。旦那様は妊娠初期症状で辛い奥様の状況を理解しつつ、陰ながら支えられるようになりましょう。
まとめ: 最終月経から求めた出産日は目安であり確実ではない
以上、最終月経日を用いた出産予定日の求め方や妊娠を確認するタイミングなどについて解説しました。
最終月経日とは妊娠前の最終生理の初日であり、出産予定日はこの日から280日後という計算になります。また、ネーゲレの概算法など誰でも簡単に出産予定日を求める方法もあったため、まだ計算していない方は、ぜひご活用ください。
出産予定日を求められると、予定日から逆算して計画的な妊娠生活を送ることができます。
また妊娠初期は心身ともに著しく変化するため、辛いと感じる方もいます。そんな時に旦那様やご家族など身近な存在は心の支えになるのです。辛い気持ちに寄り添いつつ、一緒に妊娠生活を乗り越えられるようになりましょう。