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妊娠検査薬が陰性なのに生理こない!考えられる理由と受診すべき症状

妊娠を望んでいる方も、今はタイミングではないという方も、生理がこないため妊娠検査薬を使用したのに陰性という結果が出たら、不安を感じることでしょう。陰性なのに産婦人科を受診するのはハードルが高いという方も多く、いつ受診したらよいかわからないという方もいるのではないでしょうか。

妊娠検査薬は、受精卵が子宮内膜に着床すると分泌される、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンに反応して陽性反応が出ます。

つまり陰性反応が出たということは、妊娠していない可能性が高いことを示しています。しかし、市販の妊娠検査薬の精度は高いものの、100%合っているかというとそうとも言い切れないことも。

そこでこの記事では、妊娠検査薬が陰性なのに生理がこないときに考えられる理由、陰性でも産婦人科を受診すべき症状とタイミングについてご紹介します。

妊娠検査薬が陰性なのに生理がこないときに考えられる理由

妊娠検査薬の結果が陰性と判定された女性

「予定日に生理がこなくて市販の妊娠検査薬を使用したら、陰性だった」「妊娠検査薬は陰性だけど、2週間生理が遅れていて不安」

このような不安を経験したことのある女性は多いようです。生理予定日に生理がこない場合、まずは妊娠を疑いますが、それ以外にもいくつか理由があります。また反対に、本来は陽性であっても、陰性と出る場合も。

ここでは、妊娠検査薬が陰性なのに生理がこないときに考えられる理由をご紹介します。

検査のタイミングが早すぎた

妊娠検査薬は、正しい方法と正しいタイミングで検査を行うことが重要です。しかしそれでも正確な結果が得られる確率は97%前後であり、3%は間違った結果が出る可能性もあります。

とくに検査のタイミングが早すぎたり、飲み物をたくさん飲んで尿が薄まっていたりすると、本来は陽性であるはずが陰性という結果が出ることも。

ときどき、自分の生理予定日の思い違いをしてしまう方もいますが、そのようなことを避けるためにも、スマートフォンなどのアプリで管理するとわかりやすくなります。

また、双子などの多胎妊娠でも、hCGの分泌量が多くなりすぎて陰性と表示される可能性も。妊娠検査薬で陰性と表示されていても、体調が普段と違う場合や違和感がある場合には、注意するようにしましょう。

ホルモンバランスの乱れ

過度のストレスや疲労によってホルモンバランスが乱れていると、生理不順や無月経など生理がきちんとこない原因になります。

通常、生理は25〜38日周期できますが、1週間程度の誤差であれば問題はありません。しかし数か月遅れたり逆に早すぎたりする場合には、きちんとクリニックで検査を受けた方が安心です。

また、3か月以上生理がこない無月経の状態だと、回復するのに時間がかかることもあるので、できるだけ早めに受診することをおすすめします。

普段から生理不順の場合は、基礎体温をつけておくのが一番です。基礎体温は、朝起きてすぐにできるだけ体を動かさず、口の中で測ります。毎朝同じ時間に布団の中で測るのが理想的です。

継続して測っていると、自分の低温期と高温期がわかります。基礎体温表にグラフで記し、数か月通してみるとわかりやすくなるでしょう。

無理なダイエット

食事を摂らない、決まったものしか食べないなどの無理なダイエットは、卵巣が栄養不足になり、生理がこなくなる原因になります。

以下は、無理なダイエットで現れやすい症状です。

  • 疲労感や倦怠感
  • 息苦しさ
  • 不眠症
  • 貧血
  • 頭痛
  • 耳鳴り
  • 肩こり

無理なダイエットを長期間続けると、卵巣の発育に問題が生じるだけでなく、女性ホルモン自体が分泌されなくなる可能性もあります。

また、反対に肥満の場合も生殖機能に異常が生じて生理がこない原因になる可能性もあるので注意が必要です。

早期閉経

早期閉経とは、40歳未満で自然と月経がこなくなり閉経することです。卵巣が完全に消失してしまったり(早発卵巣不全)、卵巣はあるが排卵しなかったり(ゴナドトロピン抵抗性卵巣症候群)することで起こります。

30歳未満の1,000人に1人、40歳未満の100人に1人にみられる疾患で、無月経の方の5〜10%は早期閉経だといわれています。ただし、早期閉経で妊娠する確率は低いものの、約5〜10%の方は妊娠する可能性も。

早期閉経が疑われる方で妊娠を希望される場合は、早めに医師の診断を受け、適切な治療を受けることが大切です。

甲状腺の疾患

甲状腺とは、喉仏の下にある蝶番のような形状の臓器です。そこから分泌される甲状腺ホルモンは、通常多すぎたり少なすぎたりしないようにバランスを保っていますが、甲状腺の働きに問題があると以下のような疾患になる可能性があります。

  • バセドウ病:自己抗体が甲状腺を刺激して、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される疾患
  • 橋本病:甲状腺ホルモンの分泌量が減り、新陳代謝が低下する疾患

これらの疾患は、生理の乱れを引き起こす原因になる場合もあります。とくに橋本病は、乳汁分泌ホルモンの分泌を促進するため、月経不順の原因になる可能性が高いので注意しなければいけません。

妊娠検査薬が陰性でも産婦人科を受診すべき症状とタイミング

陰性の結果が納得できない女性

上記でご紹介したように、生理周期はストレスや疲労、婦人科系、内分泌系の疾患などでも乱れることがあります。また、自分でも気づかないような些細な変化によっても乱れることがあるため、健康であっても生理が通常通りにこないことも。

ただ、妊娠検査薬が陰性だった場合でも、あとで妊娠がわかる可能性もあるので、そのまま放置してしまうのはおすすめできません。

そこでここでは、陰性でも妊娠している可能性のある症状と、受診すべきタイミングについてご紹介します。

陰性でも妊娠している可能性のある症状

妊娠検査薬で陰性という結果が出た場合でも、以下のような症状がある場合は妊娠している可能性もあるので注意が必要です。

  • つわりのような症状:吐き気、においに敏感になる、胸の不快感、食欲の低下、異常な眠気など
  • 普段と違うおりもの:普段より量が増えた、水っぽい、クリーム色や薄茶色になる

妊娠すると、hCGホルモンやプロゲステロン、卵胞ホルモン、黄体ホルモンなどさまざまなホルモンの分泌が増えます。そのため、身体に上記のような普段とは違う症状が現れることも。

日常的に性行為の機会があり、生理が遅れている場合は、たとえ自分が妊娠を疑っていなくても実は妊娠している可能性もあります。

妊娠によって身体に現れる症状は、人によって個人差も大きいものです。まったく症状がない方もいれば、妊娠超初期でも症状を自覚する方もいます。妊娠検査薬で陰性だった場合でも、きちんとした検査を受けて医師の診断を受けていないうちに陰性と決めつけるのは、時期尚早だといえます。

また、逆に妊娠検査薬で陽性だった場合でも、頻度は少ないものの子宮外妊娠や流産などの異常妊娠の可能性もあるので、こちらのケースも警戒すべきでしょう。

陰性の確認から生理が二週間以上経過してもこない場合は受診すべき

「妊娠検査薬で陰性だったのに生理がこない」「産婦人科に行くタイミングがわからない」

産婦人科は普段なかなか受診する機会もないため、妊娠している可能性があったとしても妊娠検査薬で陰性と出ているのに受診してもいいものなのか、判断しにくい方も多いようです。

しかし、陰性なのに生理がこないということは、逆に考えると身体になんらかの異常があるかもしれませんし、妊娠検査薬を使用するタイミングや使用方法に問題があったのかもしれません。

一般的に、妊娠検査薬で陰性が出たにもかかわらず生理がこない場合は、生理予定日から1〜2週間待ってもう一度妊娠検査薬を試してみることが勧められています。

その結果、再度陰性だった場合は無月経などの可能性もあるので、早めに婦人科を受診して相談します。また、陽性になった場合は妊娠している可能性が高いです。生理予定日から10〜14日後くらいまでに産婦人科で正確な妊娠検査を受けるようにしましょう。

まとめ

妊娠検査薬が陰性なのに生理がこないときに考えられる理由、陰性でも産婦人科を受診すべき症状とタイミングについてご紹介しました。

普段遅れることなく生理がきていた方が2週間こない場合は、身体がなんらかの疾患にかかっているとサインを送っている可能性もありますが、中には妊娠検査薬では陰性だったものの、生理の遅れが気になり受診したところ妊娠がわかった方もいるようです。

また、妊娠を希望している場合、正しいタイミングまで待ちきれなくてフライング検査をしてしまう方もいますが、それだと正しい結果が得られない場合も。

つまり、妊娠検査薬で陰性なのに生理がこないことには、なんらかの原因があるということです。

妊娠していなくても妊娠していなくても、妊娠検査薬で陰性が出てから1〜2週間経って生理がこない場合には、早めに医療機関を受診し、適切な処置を受けるようにしましょう。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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