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妊娠検査薬の正しいつかいかたとは?3つのステップを詳しく解説

妊娠の有無をいち早く調べることができる妊娠検査薬ですが「正しいつかいかたがわからない」「やりかたはこれで合ってる?」など、疑問を抱いている方も多いですよね。

妊娠検査薬は、正しい使い方をすれば高い精度で妊娠の有無を調べられる試薬ですが、使い方が間違っていると正しい結果が出ないということも。

この記事では、妊娠検査薬のつかいかた、妊娠検査薬の精度、間違ったつかいかたについてご紹介します。

妊娠検査薬の使用について、3つのステップを把握して正しく検査を行いましょう。

妊娠検査薬のつかいかた

リボンにくるまれている妊娠検査薬

妊娠検査薬は尿中に含まれるhCGホルモンの分泌量を測定し、「+」や「|」のマークが出ることで陽性か陰性かを判断する試薬です。

hCGホルモンは、受精卵が着床すると分泌されるホルモンの一つで、妊娠している女性からのみ検出されるため、妊娠検査薬は高い精度があるとされています。

まずは、妊娠検査薬の使い方について詳しく解説していきます。

①妊娠検査薬に尿をかける

まずアルミ袋に入っている妊娠検査薬のスティックを取り出し、先端についているキャップを外します。

採尿部を下に向け、尿が採尿部全体にかかるようにしっかりかけていきます。このとき、製品によって3~5秒程度尿をかけるように説明書で指示されているため、説明書に書いてある時間を守るようにしましょう。

採尿には2通りの方法があり、もう一つは紙コップに尿を採り、採尿部全体がつかるように10秒ほどスティックをつけるという方法です。

尿をスティックにかけることに慣れていない方は、紙コップに尿を採って検査する方法が確実です。

②妊娠検査薬を水平にして待つ

採尿が終わったら、再度採尿部にキャップをかぶせて水平な場所で数分間放置します。この放置時間も製品によって異なりますが、早いものだと約1分で検査結果が出るものもあります。

多くの妊娠検査薬には判定窓と終了窓があるため、終了窓に判定終了のサインが出たら置いてある妊娠検査薬を手に取るようにしましょう。

判定が終了する前に動かしてしまうと、正確な検査結果が得られない可能性があるため注意が必要です。

③判定結果を確認する

判定結果の見方は、判定窓に赤紫や青のラインが出ることで陽性か陰性かを判断します。一般的には「+」や「|」のマークが出たら陽性となり妊娠している可能性が高いと判断し、何もでなければ陰性となり妊娠している可能性は低いと判断されます。

このとき、尿中のhCGホルモンの濃度によって判定窓に出る線の濃さが変わる場合があります。しかし、判定窓に出た線が薄い場合はhCGの濃度が低いだけであり、陽性である可能性が高いため、判定結果は濃淡では判断しないようにしましょう。

稀に、妊娠検査薬にしみ込んだ尿が蒸発して濃度が上がり、尿中の水分が残ったグレーの線が出ることもありますが、これは陽性の反応ではなく蒸発線と呼ばれるものです。

判定結果が陽性であった場合や曖昧である場合は、確定診断を行うために妊娠5~6週頃に産婦人科を受診する必要があります。陽性が出たり妊娠検査薬での結果がわからなかったりする場合は、必ず産婦人科に連絡をし、受診の予約をとるようにしましょう。

妊娠検査薬の精度

妊娠検査薬の結果を見せている女性の両腕

妊娠検査薬はドラッグストアやインターネットから気軽に購入でき、手軽に妊娠の有無がわかるアイテムとして、近年産婦人科を受診する前に使用することが一般的となっていますが、その精度はどのくらいあるのか気になりますよね。

ここからは、妊娠検査薬の精度についてご紹介します。

正しく使用すれば精度は約99%

妊娠検査薬は、前述したつかいかたをしっかり守って正しく使用すれば、精度は約99%といわれています。しかし、つかいかたの間違いや時期が早すぎるなどの理由から正しく判定が出ないこともあります。

一般的な妊娠検査薬は生理予定日の1週間後から使用可能ですが、その前に検査を行うことをフライング検査といいます。フライング検査をしてしまうと精度は低くなるため、注意が必要です。

どうしても早く結果を知りたいという方は、hCGホルモンの濃度が低くても判定できる早期妊娠検査薬を使用するようにしましょう。

早期妊娠検査薬は第1類医薬品となるため、ドラッグストアで対面で購入するか、インターネット購入の場合はメールや電話で薬剤師からの説明を受ける必要があります。海外からの個人輸入も可能ですが、日数がかかるためあらかじめ到着日を把握しておきましょう。

正常妊娠ではないケースも

妊娠検査薬の精度は約99%ということをお伝えしましたが、正常妊娠ではないケースも妊娠検査薬で陽性反応が出ることがあります。

正常妊娠ではないケースとは、異所性妊娠(子宮外妊娠)や胞状奇胎と呼ばれる疾患で、子宮内膜以外の場所に受精卵が着床していたり、胎盤の腫瘍ができていたりすることで、胎児が正常に成長することができないという場合です。

母体の命にかかわる危険性も大いにあるため、妊娠検査薬で陽性反応が出たら病院を受診する必要があります。

陽性反応が出たから安心というわけではなく、産婦人科で胎嚢や心拍を確認してはじめて妊娠確定となることを覚えておきましょう。

妊娠検査薬の間違ったつかいかたとは?

妊娠検査薬の結果をおそるおそる見ている女性

妊娠検査薬は正しいやり方をすることで高い精度で陽性、陰性を判断できるものですが、間違ったつかいかたとはどのような方法なのでしょうか?

hCGホルモンは妊娠している女性の尿中にのみ含まれるホルモンなので、基本的に偽陽性になることはなく、間違ったつかいかたをすると偽陰性になってしまう可能性があります。

ここからは、妊娠検査薬の間違ったつかいかたについてご紹介します。

使用時期よりも早く使用している

前述したように、一般的な妊娠検査薬は生理予定日の1週間後から使用できるものがほとんどです。その理由は、妊娠すると分泌されるhCGホルモンの濃度を測定しているからです。

一般的な妊娠検査薬はhCGホルモンが50IU/Lで陽性反応が出る仕組みになっています。一方で、早期妊娠検査薬はhCGホルモンが25IU/Lと半分の濃度でも陽性反応が出ます。

hCGホルモンの分泌には個人差がありますが、妊娠3週で0~50IU/L、妊娠4週で20~500IU/L、妊娠5週で500~5,000IU/Lと、分泌量が増加していきます。

生理予定日は妊娠4週と数えられるため、生理予定日以前だと妊娠していてもhCGホルモンの分泌量が十分ではなく、陰性となってしまう可能性もあるのです。

飲み物を大量に飲んだあとに使用

水分を大量に摂取したあとは、尿中のhCGホルモンが薄まってしまう可能性があります。そのため、十分な量のhCGホルモンが検出されず、陽性であるにもかかわらず陰性という結果が出てしまうこともあります。

妊娠検査薬を使用する前には、水分を大量に摂取しないように気を付けましょう。

朝と夜の違い

妊娠検査薬は、朝一で使用するのが良いともいわれています。基本的にはいつでも検査できると記載のあるものは朝一の使用でなくても十分検査可能ですが、より確実な結果を得るためには、朝起きてすぐ、hCGホルモンの濃度が高い尿で検査を行うのが理想的です。

採尿から時間を置いてしまう

前述したように、検査の仕方は2通りで、尿を直接スティックにかける方法と紙コップに尿を採尿し、そこにスティックをつける方法があります。

採尿から時間を置いてしまうと、尿の中に細菌が繁殖してしまう可能性があるため、紙コップで採尿する際は時間を置かず、すぐに検査をするようにしましょう。

妊娠検査薬の保管方法が悪い

妊娠検査薬は、複数回分セットになって購入できますが、保管方法が悪いと検査結果が正しくでない可能性があります。

いくつかまとめて購入する際は、高温多湿な場所や極端に温度の低い場所に保管することは避け、使用期限が切れている妊娠検査薬を使用するなどしないようにしましょう。

まとめ

妊娠検査薬のつかいかた、妊娠検査薬の精度、間違ったつかいかたについてご紹介しましたが、参考になりましたか?

妊娠検査薬は正しく使用することで約99%の精度があるといわれています。しかし、間違った使いかたをすることで、本来陽性であるにもかかわらず陰性という結果が出てしまうこともあります。

早く結果が知りたいと焦ってしまい、本来の検査時期より早くフライング検査をしてしまったり、待つ時間が少なかったりすることで、正しい結果が得られない可能性もあるため注意しましょう。

また、大量に飲み物を摂取していたり、妊娠検査薬の保管方法が間違っていたりすることでも、間違った結果が出てしまう可能性があります。

この記事を参考に正しい使用方法を守り、妊娠検査薬を使用してみてくださいね。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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