「胎動を感じる位置が昨日と違う?」と不思議に感じたことはありませんか?
一般的に、力が強い足の位置で胎動を感じやすいので、多くのママはおへそから上の位置、胃や肋骨のあたりで感じることが多くなります。
お腹の下の方から胎動を感じると、逆子を心配するママもいるかもしれません。しかし赤ちゃんはクルクルとお腹の中で動き回っているうちに逆子になってしまうこともあるので、逆子が治りやすい妊娠30週頃まではそれほど気にする必要はないでしょう。
胎動は赤ちゃんによって感じる位置に違いがあり、妊娠週数や赤ちゃんの性格によっても変化します。元気な赤ちゃんだと、毎日違う場所から胎動を感じることもあるようです。
この記事では、妊娠時期別に胎動を感じる位置と感じ方、胎動の位置で赤ちゃんの異常がわかるのかをご紹介します。
胎動の時期別の位置と感じ方
胎動とは、お腹の赤ちゃんの動きです。初産婦さんの場合、胎動がどんな感覚かわからないので、経産婦さんよりも自覚するのが遅いケースが多いです。
とはいえ、胎動を感じる時期はママによって個人差がとても大きく、妊娠16週頃から感じるママもいれば、22週を過ぎた頃にはじめて感じるママもいます。
それと同じように、胎動を感じる位置も人それぞれ個人差が大きいので、当てはまらないことが多くてもあまり心配する必要はないでしょう。
ここでは、一般的な胎動の時期別の位置と感じ方についてご紹介します。
妊娠初期
妊娠初期とは、つわりがはじまる妊娠2か月から徐々につわりが落ち着いてくる妊娠4か月頃までのことです。
子宮も胎児の大きさもまだ小さいため、胎動を感じることはあまり多くありません。
しかし、ゆったりとリラックスした状態でお腹に手を当てて集中してみると、ごく小さくですが赤ちゃんが動く感覚を感じられることがあります。
妊娠初期に胎動を感じる位置は、お腹の下の方や恥骨のあたり、おへその下あたりが多いようです。
お腹のぜん動運動のようにグルグルという動きや、ポコポコとお腹にガスが溜まっているような感覚として感じるママが多いです。
しかし、妊娠初期の段階で胎動を感じるママはあまりいないので、この時期に胎動を感じられなくてもまったく心配いりません。
妊娠中期
妊娠中期とは、安定期に入る妊娠5か月からお腹が大きく目立ってくる妊娠7か月頃のことで、赤ちゃんの成長とともに胎動を感じられます。
ほとんどの妊婦さんはこの頃から胎動を感じはじめます。一般的に足の付け根や恥骨周辺、お尻側で胎動を感じるママが多いです。
しかしこの頃はまだ子宮の大きさに余裕があるため、お腹のさまざまなところで胎動を感じられます。
お腹の赤ちゃんが腕や足を動かして子宮にあたることで胎動を感じるので、一般的には胎動を感じた場所の反対側に赤ちゃんの体があるケースが多いです。
また、妊娠中期はお腹だけでなく、赤ちゃんがどんどん大きくなる時期です。
妊娠5か月と妊娠7か月では、赤ちゃんの大きさによって感じられる胎動には大きな差がありますし、赤ちゃんによってもかなり違いが出てきます。
アクティブな赤ちゃんだと、ドン!とキックしたり腕を伸ばしたときにお腹がでこぼこする動きを感じたりしますが、控えめな赤ちゃんだとグニョグニョと体を動かすだけの感覚だったり、たまにお腹をグーっと押したりするだけの場合もあります。
妊娠後期
妊娠後期とは、胎動がもっとも激しくなる妊娠8か月から出産間近になる妊娠10か月頃のことです。お腹の中では赤ちゃんがグングン成長し、徐々に子宮内で動くスペースが限られてきます。
妊娠後期に胎動を感じる位置は、お腹の上部やおへそ周辺、膀胱付近などです。
お腹の上部にキックの衝撃を感じるときは、赤ちゃんが頭位である可能性が高いです。
胎動もより力強くなり、蹴られた位置がポコっと出っ張るようになるので、お腹の外から見ても足の位置がわかります。
お腹をさわれば赤ちゃんの背中や頭、足の位置を判断できることもあり、外から触っても動いているのがわかるようになります。
妊娠8か月頃になると、新生児と変わらないくらい骨格がしっかりしてくるので、胎動が激しすぎて痛いと感じるママもいるようです。
妊娠10か月に入り、臨月になると通常の場合赤ちゃんの頭がママの骨盤にはまって下に下がってくるので、胎動を感じる位置が毎回同じになってくるケースが多くなります。
胎動の位置で異常がわかる?
胎動を感じはじめる頃は、恥骨の上やおへその下あたりで感じるママが多いです。そして週数が経過するにつれて赤ちゃんも大きくなってくるので、徐々にお腹の上部で感じるようになってきます。
赤ちゃんの位置は、胎動を感じている位置である程度わかるので、妊娠週数が進み不安に感じることがあれば、かかりつけの病院で相談してみるのもよいでしょう。
ここでは、胎動の位置で感じられる可能性のある異常についてご紹介します。
逆子
妊娠中期までの胎児は、ママのお腹の中で自由に体勢を変え、ぐるぐると子宮内を動き回っています。その後徐々に頭を下にしていることが増えていきますが、中には頭が上で足が下にある逆子の状態になっていることも。
お腹の赤ちゃんが逆子である場合、胎動の感じ方にいくつか特徴があるようです。
- ・胎動が激しい
- ・恥骨の上や下腹部など通常より下の部分に胎動を感じる
- ・膀胱を蹴られやすいためトイレが近くなる
とくに今まで胎動をお腹の上側で感じていたのに、下側で感じるようになった場合には逆子になった可能性があります。
しかし、胎動の感じ方には個人差がありますし、赤ちゃんは臨月前までお腹の中で自由に動き回っているため、途中で逆子になっても出産までには自然と治るケースがほとんどです。
初産婦さんの場合は、そもそも胎動をどの位置で感じているのかを把握するのも難しいので、不安であれば妊婦健診で医師に確認するのがよいでしょう。
妊娠後期に逆子になると焦ってしまいますが、この時期は妊婦健診の回数も増えて頻繁に赤ちゃんが元気に育っているかをチェックするので、医師の指示に従って焦らずリラックスして過ごしましょう。
切迫早産
切迫早産とは、妊娠22週目以降から妊娠36週目未満で子宮の収縮を感じたり、出血や破水して子宮頸管が短くなったり開いてきて、早産になってしまう可能性がある状態のことをいいます。
妊娠37週目より前に赤ちゃんが生まれてしまう早産は、赤ちゃんの体に負担がかかるだけでなく、成長が不十分なために障がいや後遺症のリスクが高まります。
切迫早産によって子宮口が開いてくると、胎児の頭が下に降りてきて固定されるため、臨月の胎動と同様にお腹の下の方で胎動を感じるようです。
そして胎動を感じる回数が減っていき、出産にいたってしまうケースもあります。
切迫早産の主な原因には、以下のようなものがあります。
- ・母体の感染症
- ・子宮頸管無力症
- ・妊娠高血圧症候群
- ・前置胎盤
- ・ママの飲酒や喫煙
- ・高齢出産
- ・羊水過多
- ・胎児機能不全
切迫早産の原因には、ほかにもさまざまなものがあり、5人に1人の妊婦さんが経験するといわれています。
以下のような症状が現れたときはかかりつけの病院を受診しましょう。
- ・おりものから悪臭がする、またはおりものが水っぽく多量
- ・下腹部に継続的な張りや痛みを感じる
- ・破水した
- ・出血があった
上記は緊急度の低い順に紹介しています。緊急度の高い症状がある場合は、診療時間にかかわらずかかりつけの病院へ連絡、受診しましょう。
まとめ
妊娠時期別に胎動を感じる位置と感じ方、胎動の位置で赤ちゃんの異常がわかるのかをご紹介しました。
赤ちゃんによって、ママのお腹の中で居心地がよい位置はそれぞれ違います。お腹のどちらか片方でいつも胎動を感じる場合は、赤ちゃんがいつも同じところにいることが多いからでしょう。
妊娠後期に入り赤ちゃんがますます大きくなってくると、ママが寝転がったときにお腹の左右どちらかだけが固く、もう一方は少し柔らかく感じることがあります。
その場合は固い方に赤ちゃんの背中があるケースも多く、反対側でキックなどの胎動を感じることが多いです。
お腹の固い方を撫でて話しかけてあげると、赤ちゃんを撫でてあげているような気分になり、よりいっそう愛おしさが増すことでしょう。
また、赤ちゃんが双子の場合は、後期になっていくほどお腹全体で胎動を感じるママが多いようで、胎動の位置で赤ちゃんがどこにいるかを判断するのは難しくなっていきます。
しかし、2人の胎動に違いがあることはママに伝わるようで、どちらの動きかわかるようになったというママもいます。
生まれる前からそれぞれの個性を感じられるのは、双子ならではの経験でしょう。
胎動は、お腹にいる赤ちゃんとの大切なコミュニケーションツールでもあります。
万が一胎動を感じる位置が急に低くなったり、子宮が急に下がったように感じたりする場合や、お腹の張りが継続して起こるなどいつもと違う様子があるときにはかかりつけの病院へ連絡してみましょう。
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