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一般的には、妊娠12〜17週頃までに自然と治るといわれているつわり。それ以降は徐々に体調も落ち着き、ご飯が美味しく感じられるのではないでしょうか。
しかし中には、妊娠16週を過ぎて妊娠中期に入ったにもかかわらず、気持ち悪いと感じたりつわりがぶり返したりする方もいるようです。
「やっと気持ち悪さから解放されると思っていたのに!」「自分だけが辛いのではないか」と思う気持ちはよくわかりますが、つわりの症状には個人差があるため、なかなか思うようにはいかないことも。
また、気持ち悪さと同時に他の症状がある場合は、身体になんらかの異常があるケースも考えられるので注意が必要です。
そこでこの記事では、妊娠中期になっても気持ち悪さが続く妊婦さんの特徴と先輩ママの体験談、妊娠中期に気持ち悪い理由をその他の症状別にご紹介します。
妊娠中期に入っても気持ち悪さが続く妊婦さんの特徴と体験談
妊娠中期は、一般的に体調が安定するため、「安定期」と呼ばれている時期です。しかし、気持ち悪さがいつまでも治らないと、「自分だけがこんなに苦しいのではないか」と不安になってしまうことでしょう。
そこでここでは、妊娠中期に入っても気持ち悪さが続く妊婦さんの特徴と、先輩ママの体験談をご紹介します。
妊娠中期に入っても気持ち悪さが続く妊婦さんの特徴
妊娠中期に入っても気持ち悪さが続く妊婦さんと、そうでない妊婦さんは何が違うのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
実際のところ、妊娠に伴う気持ち悪さや嘔吐などのつわりの原因は、はっきりとわかっていません。あくまでも可能性とはなりますが、以下のような方はつわりが長引きやすいといわれています。
- 冷え症の方
- 普段から下痢や便秘になりやすい方
- 胃腸が弱い方
- 三半規管が弱く車酔いなどをしやすい方
- ビタミンが不足している方
上記の項目に当てはまる方は、つわりが長引きやすい傾向にあります。
ただし、つわりは個人差が大きいうえに、1人目と2人目で症状が変わることもあるため、当てはまった場合必ずつわりが長引くとはいえない点に注意しましょう。
先輩ママの体験談
「妊娠中期に入っても気持ち悪いのは自分だけなのではないか」と思われている方も多いかもしれませんが、意外と多くの妊婦さんが妊娠中期の気持ち悪さに悩まされているようです。
以下は、先輩ママの体験談です。
妊娠7か月に入るまで、気持ち悪さがひどく辛い日々を過ごしました。
食べ物も飲み物も受け付けず、倒れて病院へも行きました。臨月に入り、多少の気持ち悪さはあるものの、食べられるようになったことが幸せです。
妊娠初期につわりが少しおさまりホッとしていたのも束の間、妊娠中期に再び吐き気に悩まされ、しんどくてずって横になっているしかありませんでした。
妊娠中期に入ってから、特定のニオイがダメになりました。その反面洗剤やボディソープの香りが好きになり、常にニオイを嗅いでいました。
妊娠中期に入っても軽い車酔いが続いているような状態で、お腹が空くと気持ち悪さが増して辛かったです。日によって食べられない日もあり、お腹は空いて気持ち悪いのに、食べられなくてさらに吐き気が増すという悪循環に苦しみました。
気持ち悪さを感じる時間帯は人それぞれ異なり、朝だけの方もいればほとんどまる1日吐き気があった方もいます。人によっては、気持ち悪いだけでなく頭痛や下痢、めまいなどを伴う場合もあるようです。
妊娠中期に気持ち悪い理由
つわりの時期や症状には個人差があり、体質なども影響しているため、一概にそうだと決めつけることはできませんが、症状が悪化するのには原因があります。
また、症状によってはつわり以外の原因が隠れている可能性もあるので、吐き気以外の症状にも注目することが重要です。
ここでは、妊娠中期に気持ち悪い理由を、症状別にご紹介します。
吐き気のみの場合
妊娠中期に気持ち悪い理由は、主に2つです。
ひとつ目は、胎児の成長です。妊娠中期に入ると、急激に赤ちゃんが大きくなることで、子宮もなり大きくお腹も出てきます。妊娠中期のはじめはお腹がやや膨らむ程度ですが、妊娠週数が進むにつれてどんどん大きくなり、それに伴って子宮が周辺の臓器を圧迫することに。
とくに胃が下から押されるような状態となるため、気持ち悪さが強まることもあるようです。
ふたつ目は、妊娠に伴って分泌されるホルモンの作用によるものです。
妊娠すると、エストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)などのホルモン分泌量が増加します。その中でも、プロゲステロンは食道括約筋という筋肉を緩めてしまうため、胃の内容物が逆流しやすくなることで吐き気を催します。
吐き気のみであれば、ママや赤ちゃんの健康に悪影響が及ぶことはほとんどありません。気持ち悪いのは辛いですが、心配しすぎるとそれがストレスとなり、さらに吐き気を誘発する恐れもあるので注意しましょう。
頭痛を伴う場合
普段から頭痛持ちだった方だけでなく、妊娠してから頭痛を感じるようになった方も少なくありません。妊娠中期に多いのは筋緊張性の頭痛で、後頭部から首筋を中心に、頭全体が締め付けられるように痛みます。
一般的に、短期の緊張性頭痛では吐き気や嘔吐を催すことは少ないとされていますが、妊娠中などで長期にわたって緊張性頭痛が発生すると、軽度の吐き気が発生するといわれています。
もともと片頭痛持ちの方は、強い吐き気や嘔吐を伴う可能性もあるため、できるだけ片頭痛が起こらないように生活することが大切です。
下痢を伴う場合
妊娠中期に気持ち悪さと同時に下痢の症状がある場合は、以下のような原因で起こっている可能性があります。
- ホルモンバランスの変化
- 食べ過ぎ
- 細菌感染
- 消化機能の低下
上記でもプロゲステロンの影響による吐き気についてご紹介しましたが、プロゲステロンは食道括約筋を緩めるとともに、腸の働きを抑制する作用もあるため、気持ち悪さと同時に下痢になってしまうこともあります。
また、妊娠中は免疫力が低下していることで、食中毒や細菌感染を起こしやすく、下痢になりやすい状態です。感染したウイルスや細菌の種類によっては、周囲の方へうつしてしまうこともあるので注意しなければいけません。
さらに妊娠中期以降は、子宮が大きくなってくることで胃腸を圧迫し、消化不良が起こるため、下痢になったり気持ち悪くなったりする可能性もあるでしょう。
腹痛を伴う場合
妊娠中期は、下痢になりやすい一方で便秘にもなりやすいのが特徴です。
なぜなら、妊娠中はプロゲステロンの作用で腸の動きが抑制されたり、子宮が腸を圧迫したりするためです。便秘によって腸内に老廃物がたまることで、吐き気を催しやすくなります。
そのため、ひどい便秘に悩まされている方は、場合によっては腹痛とともに吐き気を催すこともあるので注意が必要です。
性器出血を伴う場合
妊娠中期に気持ち悪さと同時に性器出血を伴う場合は、「常位胎盤早期剥離」の可能性があります。
常位胎盤早期剥離とは、本来赤ちゃんが生まれる時期よりも前に、なんらかの理由により胎盤が剥がれてしまう疾患です。非常に重篤で母子ともに危険になる可能性もあるため、早急にかかりつけの病院を受診する必要があります。発症を予測することは困難で、妊娠中期に起こる可能性も。
以下は、常位胎盤早期剥離の主な症状です。
- 急激な腹痛
- 持続的なお腹の張り
- 性器出血
- 胎動の減少
- 腰痛
- めまい
- 便意
- 吐き気
常位胎盤早期剥離は、突発的に発生し急激に症状が悪化するケースも多いです。
妊娠高血圧症候群や喫煙などによりリスクが高まります。吐き気とともに上記のような症状がある場合は、早急に病院を受診しましょう。
症状によっては早めの受診が必要
妊娠中期の気持ち悪さは、ひどいと体重減少や脱水症状を引き起こすこともあり、危険です。
食べたり飲んだりすることがほとんどできない場合や、体重が急激に減少したとき、頻繁に嘔吐してしまう、貧血がひどいなどの症状があるときは、吐き気以外に症状がない場合でも早めに担当の医師に相談しましょう。
また、気持ち悪い以外の症状がある場合で、とくに性器出血を伴う場合も早急にかかりつけの産婦人科に連絡し、医師の指示を仰ぐことをおすすめします。
まとめ
妊娠中期になっても気持ち悪さが続く妊婦さんの特徴と先輩ママの体験談、妊娠中期に気持ち悪い理由をその他の症状別にご紹介しました。
妊娠中期は、まだ産休に入っていない方も多く、気持ち悪さを我慢して仕事をしている方も多いことでしょう。「朝ご飯も気持ち悪くて食べられない」「電車に乗るのが苦痛‥」「夜気持ち悪くて眠れなかった」など、生活に支障が出る場合も。
気持ち悪い以外に症状がある場合はもちろん、生活に支障が出るような場合も、早めにかかりつけの産婦人科に相談し、適切な処置を受けることをおすすめします。
妊娠中期に気持ち悪いのが辛い方は、本記事を参考に健やかな妊婦生活を送ってくださいね。