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つわりや腰痛を乗り越えてやっと迎える臨月。もう少しでかわいい赤ちゃんに会えるのかと思うと楽しみな気持ちでいっぱいな一方、初産の人は「お産はどんなふうに始まるんだろう?」と不安でそわそわした気持ちになってしまうこともあるのではないでしょうか。
赤ちゃんがもうすぐ生まれるサインとしては「おしるし」→「陣痛」→「破水」という流れの人が多いと言われていますが、人によっては破水のほうが先に来ることもあります。
急に破水して慌ててしまうことのないよう、破水や陣痛、おしるしについて知っておき、赤ちゃんとの対面にしっかり備えておきましょう。
この記事では、出産するにあたって知っておきたいおしるし・破水・陣痛という言葉の意味や、お産の始まり方、破水や陣痛に関する疑問についてご紹介します。
おしるし・破水・陣痛ってどんなもの?
妊娠37週を過ぎると、いよいよお産は目前です。妊娠36週になると成熟児ラインの2500gを突破し、妊娠37週では平均推定胎児体重は2676gになります。お腹の中の赤ちゃんの体の機能が十分に成熟し、いつ生まれてきても大丈夫な状態です。
お産を控えてそわそわ落ち着かない気持ちがあるかもしれませんが、出産が近くなるとどんなことが起こるのか知っておけば、破水や陣痛が起こったときも、落ち着いて対処できるでしょう。
おしるし
お産前の準備段階で見られる出血や、血液混じりのおりもののことを「おしるし」といいます。お産が近づくと、子宮口が開き始めます。すると貼り付いていた卵膜が剥がれ、出血するのです。
おしるしが見られないまま陣痛が始まる人もいれば、おしるしから陣痛開始までに数日掛かる人もおり、個人差があります。基本的には、おしるしがあったからといってすぐに赤ちゃんが生まれるわけではないため、「もうすぐかな」と思っておくといいでしょう。
ただし、血液のかたまりが出る場合や、出血量が多く心配な場合、出血が止まらない場合、出血だけでなく強い痛みがある場合は、すぐに病院に連絡しましょう。
破水
子宮の内圧と赤ちゃんの頭に押されることで卵膜が破れ、子宮内から羊水が流れ出ることを「破水」といいます。
破水の仕方には個人差があり、チョロチョロと尿もれのような感覚で出ることもあれば、一気に大量に羊水が出ることも。
通常は、陣痛が起こり子宮口が全開になってから破水する「適時破水」が多いですが、陣痛が来る前に破水する「前期破水」が起こることもあります。
前期破水に確立された予防法はなく、原因不明のことが多いといわれています。
陣痛
「陣痛」とは、子宮が収縮する際に起こる痛みのことをいいます。赤ちゃんをお腹の中から外に押し出そうとして、陣痛が起こります。
出産準備のために起こる不規則な子宮の収縮が「前駆陣痛」です。その後、赤ちゃんを産むために約10分間隔に起こる子宮収縮が「本陣痛(分娩陣痛)」です。
前駆陣痛はいつ来るのか予想できないし、続く長さも人それぞれ。短時間の人もいれば、長時間続く人もいます。
お産の始まりは「前期破水」か「陣痛」のどちらか
お産の始まりは「前期破水」か「陣痛」のどちらかです。
しかし、お産の始まり方は、人によって違います。また、経産婦でも「初産のときはおしるしが来た後に前駆陣痛が来て、それから出産だったのに、2人目はいきなり破水した!」という人もいます。
多いのは、陣痛が来てから破水(適時破水)するケースですが、陣痛が来る前に前期破水が起こることもあります。
前期破水の場合、赤ちゃんへの感染リスクがあるため、すぐに病院に連絡することが大切です。
破水と陣痛、どっちが先の人が多いの?
破水と陣痛では、陣痛の方が先に来る人が多いと言われています。
ゼクシィBabyが行ったアンケート調査の「Q.お産の始まり、陣痛、破水どちらから?」という質問では、陣痛が61%、破水が24%という結果になっていました。(わからないが15%)
陣痛が予定日ぴったりに来た人は少なく、予定日の前後1週間に起きている人が分散しています。破水については、予定日の8日以上前に起こった人が約4割にもなり、「初産なので予定日より遅くなると思っていたら、早くてびっくりした」という声があったようです。
陣痛から始まった先輩ママの体験談
お産の始まり方は人それぞれですが、陣痛から始まるケースが多いようです。ここからは、お産が陣痛から始まった先輩ママの体験談をご紹介します。
予定日2週間前だったのに…
お腹が痛かったけど「予定日まで2週間もあるし、便秘かな?」と思ってトイレを行ったり来たりしていたところ夫に「陣痛じゃないの?」と心配され、念のためかかりつけの病院へ。
車の中でとんでもない痛みになり、陣痛の間隔も2〜3分くらいになってました。
「もっと痛いはず」と思って我慢しすぎた
ちょっとお腹が痛い気がしたけど、陣痛の痛みは「鼻からスイカ」とか「ダンプカーに轢かれるレベルの痛み」といわれていたので我慢していました。
するとどんどん痛みが強くなり…!病院で先生に「我慢しすぎ」と怒られました。
破水から始まった先輩ママの体験談
中には、破水からお産が始まるケースもあります。ここからは、破水から始まった先輩ママの体験談をご紹介します。
尿もれだと思っていた
ベッドで寝ていると、寝返りするときに股間のあたりがじわっとしました。破水とは思わず、尿もれだったら恥ずかしいな〜なんて考えていました。
実家から母が来ていたので、さりげなく聞いてみると「なんですぐ言わないの!破水じゃないの?」と怒られ、病院へ。予定日よりかなり早かったですが、破水でした。
おりものが多いな〜と思っていたら、破水!
洗い物をしていると、おりものが出る感覚が。手を拭いてトイレに行ってみると、明らかにおりものの量じゃない!
慌てて病院に電話すると「破水です」といわれ、入院することになりました。
確認しておきたい!破水から出産までの流れ
もしも前期破水をした場合、どのような流れで出産になるのでしょうか。以下で流れをご紹介します。
- 破水をしたら、病院に連絡して入院する
- 各種検査を実施
- 陣痛開始(通常、破水後24時間以内に陣痛が始まる)
- 子宮口全開(子宮口が10cmに開いた状態)となったら、分娩台でお産開始
破水後の注意点・やってはいけないこと
妊娠中は、免疫力が低下しています。破水した後にお風呂に入ったり、シャワーを浴びたりすると、細菌感染を起こしてしまうリスクが高まるため、入浴やシャワーは避けましょう。
同様の理由で、トイレの温水洗浄便座も使わないようにしましょう。
落ち着かなかったり、病院に行く準備であちこち動き回ると羊水がどんどん流れてしまうため、なるべく安静にして病院に行くことが大切です。突然破水して慌ててしまうことのないよう、前もって病院の用意を整えておくと安心です。
「破水なのか、水っぽいおりものか、尿もれなのかわからない」という場合は、夜用ナプキンや清潔なタオルなどをあててから、かかりつけのクリニックに連絡して相談してみましょう。
破水や陣痛に関連するよくある疑問
ここからは、破水や陣痛に関連するよくある疑問を見ていきましょう。
破水から出産までにかかる時間は?
出産にかかる時間は人それぞれですが、通常の場合、経産婦よりも初産婦のほうが出産に時間がかかるといわれています。
あるアンケートでは、破水から出産までにかかった時間で最も多かったのは「3時間」という結果が出ていました。
陣痛より先に破水しても大丈夫?
赤ちゃんが十分に成長していれば、先に破水が起きても心配はありません。ただし、感染のリスクが生じるため、放置せずできるだけ早く病院で処置を受ける必要があります。
破水したのに陣痛が来ない場合は?
多くの場合、破水すると通常24時間以内に陣痛が起こります。
破水したのにもしも陣痛がなかなか起こらなかったり、起こった場合でも微弱な場合は、陣痛促進剤などを使用する場合もあります。
破水後の陣痛待ちの過ごし方って?
破水後の陣痛待ちの時間や、子宮口が全開になるまでの時間の過ごし方は人それぞれです。ここでは、先輩ママの過ごし方をいくつかご紹介します。
- 赤ちゃんがお腹の中で苦しくなったりしないように、深呼吸した
- 助産師さんに指導してもらい、スクワットをしたり、病院の廊下を歩いたりした
- 陣痛を逃す体勢を取って過ごした
- 陣痛が弱くなっているときに栄養ドリンクなどで体力をつけた
- 「オロナミンCを飲むと陣痛が来る」など、陣痛のジンクスを一通り試した
まとめ
お産は、「おしるし」→「陣痛」→「破水」という流れで進むことが多いですが、中にはおしるしが起こらないケースや、先に破水が起こるケースもあります。
破水や陣痛は突然起こることもあるため、実際に起こったときに慌ててしまうことのないよう、病院に行くときの用意をまとめておきましょう。
なお、破水が先に起きた場合は、赤ちゃんが細菌感染を起こすリスクがあります。シャワーや入浴などはせず、すぐに病院に連絡しましょう。