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妊娠週数の数え方|生理不順等の原因で超音波エコー検査で

生理不順などでエコーで妊娠週数を決める場合はどうするの?

おなかの赤ちゃんの発育を評価するためには、あかちゃん成長を時間をおって変化を的確に捉えることが大前提となります。妊娠週数を正しく決定しないと、「週数にくらべて小さい」という「異常所見」も意味をなさなくなります。そこで、時間とともに成長する胎児の評価を客観的に行うために、まずなにはともあれ妊娠週数(予定日)が正確であることが求められるのです。
月経不順(生理不順)や排卵日が不明であるといった場合には、エコーであかちゃんの大きさを計測してその数値から必要に応じて妊娠週数や出産予定日の修正が行われます。
妊娠初期の胎芽(妊娠8週未満のヒトの形をしていない赤ちゃんの芽を胎芽といいます)の発育には個体差がほとんどないと報告されているため、妊娠週数(予定日)を確認したり修正したりする目的で胎児計測が行われるのです。

妊娠週数を決めるのにエコーで赤ちゃんの何を測るの?

胎児のイメージ
妊娠初期には主にCRL(crown ramp length)と略される頭殿長を胎児計測値として用います。この時期に用いられるCRLの基準値は、計測値から妊娠週日を確認することを目的として算定されていますので、超音波診断装置でCRLを計測すると自動的に妊娠週数が出るくらいです。

CRLから妊娠週数っていつでも計算できるの?

いえ。頭殿長CRLを妊娠週数算定のパラメータとして使う場合、CRL10~50mm、妊娠週数だと8週0日~12週O日の間で用いる必要があります。この範囲におさまっていないCRLを用いて妊娠週日を推定すると誤差が大きくなるため不適当となります。

赤ちゃんの頭殿長CRLを用いた妊娠週数の計算式

妊娠週日はCRLの関数
y=f(x) y:超音波計測値 x:妊娠週日 (日)
と関数的には表現されます。
昔は胎嚢(gestationalsac :GS)の一番ながいところ(長径)を計測して妊娠週数算定したこともあったのですが、長径の計測では個体差や計測位置による誤差が大きいなどの理由で現在ではあまり用いられていません。
求められたカーブは以下の図のようになります。
CRLと妊娠週数

CRL値の妊娠日数ごとの基準値

CRL値の妊娠日数ごとの基準値は以下のようになっています。
参考文献 超音波胎児計測の標準化と日本人の基準値 J Med Ultrasonics Vol30 No.3(2003)
スマホの方は水平スクロールしてご覧ください。

 

妊娠週数 CRL頭殿長(mm)
5%タイル 10%タイル 50%タイル 90%タイル 95%タイル
7週0日 5.7 6.8 10.1 16.0 17.2
7週2日 6 7.3 10.5 157 16.4
7週4日 6.5 8.1 11.3 16.0 16.6
7週6日 7.2 9 12.5 17.0 17.5
8週1日 8.1 10.2 14.0 18.4 19.1
8週3日 9.1 11.6 15.8 20.4 21.3
8週5日 10.3 13.1 17.8 22.7 24.0
9週0日 11.7 14.9 20.0 25.4 27.0
9週2日 13.3 16.7 22.5 28.3 30.3
9週4日 15.1 18.7 25.0 31.4 33.7
9週6日 17.1 20.9 27.6 34.6 37.3
10週1日 19.2 23.1 30.3 37.8 40.7
10週3日 21.5 25.4 33.1 41.0 44.1
10週5日 24.1 27.9 35.8 44.1 47.1
11週0日 26.7 30.4 38.4 47.0 49.8
11週2日 29.6 32.9 40.9 49.6 52.1
11週4日 32.7 35.5 43.3 51.9 53.8

 

CRL値と対応する妊娠日数

CRL値の値に対応する妊娠日数は以下のような表になります。
参考文献 超音波胎児計測の標準化と日本人の基準値 J Med Ultrasonics Vol30 No.3(2003)
スマホの方は水平スクロールしてご覧下さい。

頭殿長CRL(mm) 妊娠週数
10%タイル 50%タイル 90%タイル
13 7W+3 8W+0 9W+0
14 7W+4 8W+1 9W+1
15 7W+5 8W+2 9W+1
16 7W+6 8W+3 9W+2
17 8W+0 8W+4 9W+3
18 8W+1 8W+5 9W+4
19 8W+2 8W+6 9W+5
20 8W+3 9W+0 9W+6
21 8W+4 9W+1 10W+0
22 8W+4 9W+2 10W+1
23 8W+5 9W+2 10W+1
24 8W+6 9W+3 10W+2
25 9W+0 9W+4 10W+3
26 9W+1 9W+5 10W+4
27 9W+2 9W+6 10W+5
28 9W+2 10W+0 10W+5
29 9W+3 10W+0 10W+6
30 9W+4 10W+1 11W+0
31 9W+5 10W+2 11W+0
32 9W+6 10W+3 11W+1
33 9W+6 10W+3 11W+2
34 10W+0 10W+4 11W+2
35 10W+1 10W+5 11W+3
36 10W+1 10W+5 11W+3
37 10W+2 10W+6 11W+4
38 10W+3 11W+0 11W+5
39 10W+3 11W+0 11W+5
40 10W+4 11W+1 11W+6
41 10W+5 11W+2 11W+6
42 10W+5 11W+2 12W+0
43 10W+6 11W+3 12W+0

 

 

まとめ

妊娠週数を正確に決めることは、赤ちゃんの成長が良い悪いを見極めるのに大変重要となります。
赤ちゃんが小さい場合には、「発育が悪い」理由として、染色体異常などの先天異常が示唆されます。

妊娠初期になってからは、胎児が染色体異常症を持つ可能性を検査できるNIPTを始めとした出生前診断が受けられるようになってきます。

東京の「ミネルバクリニック」は臨床遺伝専門医が在籍するNIPT実施施設であり、たくさんの妊婦さんの悩みや不安と真摯に向き合い、笑顔になれる出産に導いてきました。

妊娠初期からの出生前診断を受ける医療機関にお悩みの方は、知識・経験・実績とも「第三者から認証されている」臨床遺伝専門医が診療している「ミネルバクリニック」まで是非、ご相談ください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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