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妊娠によるお腹の張りとは?症状や対応方法について詳しく解説

妊娠をしているとお腹の張りを感じることがあります。今までに感じたことのない感覚なので、不安に感じる妊婦さんもいるかもしれません。お腹の張りを感じるのは妊婦であれば自然のことなのですが、なぜ妊娠中にお腹の張りを感じるのでしょうか。

本記事では妊娠中のお腹の張りについて解説します。症状や対応方法についても詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。

妊娠中にお腹が張る原因

妊娠によるお腹の張りとは?症状や対応方法について詳しく解説

妊娠中のお腹が張る原因は主に4つあります。妊娠中であれば自然に起こる現象ではあるのですが、中にはトラブルの予兆という可能性もあります。そのため、どういった原因でお腹の張りが起こるのかについてはしっかりと理解しておくようにしてください。

子宮の収縮

子宮の収縮は妊娠中であれば自然に起こる現象です。子宮は筋肉でできており、普段は柔らかく緩んだ状態になっています。しかし、よく体を動かしたり働きすぎたりするとそれが刺激になって子宮が収縮することがあるのです。この収縮という現象をお腹の張りとして感じる場合があります。

妊娠中期〜後期にかけては、不規則で痛みをともなわない子宮の収縮が起こることがあります。これをブラクストン・ヒックス収縮(前駆陣痛)と呼び、妊娠中であれば当たり前のように起こる現象です。妊娠中にお腹が張っていると感じた場合は、この子宮の収縮が起こっている場合がほとんどです。そのため、お腹に張りがあったとしても多くの場合は心配する必要はありません。

子宮の増大

子宮の大きさは通常であれば鶏卵くらいの大きさです。しかし、妊娠後期になる頃には、6倍くらいの大きさになります。子宮が徐々にふくらんでいく感覚と子宮そのものの増大によって、お腹の張りを感じることがあります。

これは子宮が大きくなっている限りは常に感じる可能性があります。ずっと張っている感覚が続くというわけではないので安心してください。しかし、あまりにも強い張りを長時間感じ続けるのであれば産婦人科に相談するようにしてください。場合によっては早産や流産の可能性もあります。

基本的に張りの感覚というのは自然におさまっていくものです。逆におさまらない場合は、何らかのトラブルが起こっている可能性があります。子宮の増大についても同様で、お腹の張りがずっと続くのであれば産婦人科に連絡しましょう。

靭帯が引っ張られる

子宮は靭帯によって支えられています。子宮が大きくなっていくにともなって、子宮を支えている円靭帯や仙骨子宮靱帯、基靱帯などがつれる場合があります。これがお腹の張りとして感じられる場合があるのです。

皮膚の突っ張り

子宮が大きくなると体の皮膚表面も同様にふくらんでいきます。これによって突っ張るように感じる場合があります。医学的にまったく問題のない現象ではありますが、急激に大きくなるのでお腹のあたりに妊娠線ができてしまう可能性があることは覚えておいてください。

妊娠によるお腹の張りの症状

腹痛で苦しむビジネスウーマン

妊娠によるお腹の張りは具体的にどのように感じるのでしょうか。人によってお腹の張りをどう感じるかは違いますが、妊娠をしてから経過した時間によって張りの感じ方は変わってきます。それぞれの時期においてどのように張りを感じるのかについて確認していきましょう。

妊娠初期のお腹の張り

妊娠初期にお腹の張りを感じるケースはあまり多くはありません。張りを感じる方もいますが、少し違和感がある程度でおさまるのが一般的です。便秘のときのようなすっきりしない感じが続いたという方もいます。

さきほども説明しましたが、お腹の張りは一時的なものであれば問題ありません。しかし、それが続いたら産婦人科に相談することが大切です。妊娠初期にお腹の張りを感じるケースはそれほど多くはなく、逆に妊娠とは関係のないお腹の張りという可能性があります。お腹の張りを妊娠のせいだとは思い込まずに、一時的なものかどうかを確認してください。

妊娠中期のお腹の張り

妊娠中期になるとお腹の張りを感じる人が増え始めます。お腹の皮膚が引っ張られるような感覚になったりお腹全体が硬くなっていく感覚になったりします。人によって張りの感じ方は違いますが、お腹が硬くなると感じる方は比較的多いようです。便秘でもないのにお腹が硬いと感じたら、妊娠によるお腹の張りかもしれません。

妊娠後期のお腹の張り

妊娠後期になるとほとんどの妊婦さんがお腹の張りを感じるようになります。安静にしているときでもお腹の張りが頻繁に起こるようになるため、徐々に出産が近づいてきていると感じる方が多いようです。

また、お腹の張りから息苦しさを感じる方もいます。あまりにも苦しいという場合は、それが一過性のものだったとしても遠慮せずに産婦人科に相談してください。夜に眠れなくなる場合もあるようです。旦那さんにはお腹の張りで体調が悪いことを伝えておくようにしてください。出産の瞬間はそこまできているので、すぐに産婦人科に駆け込める準備をしておきましょう。

お腹の張りを感じたときの対応

ラップトップを使用して自宅のソファに座っている若い妊婦の手と指で幸せなポインティングを笑顔

妊娠中にお腹の張りを感じることは珍しくありません。しかし、自然なものと割り切れないくらいつらい場合もあります。そんなときに知っておくべきなのがお腹の張りを感じたときの対応です。正しい対応を知っておき、お腹の張りが起こったとしても慌てないようにしてください。

横になって休む

お腹の張りを感じたときに最も必要になるのは、それが一過性のものかどうかを見極めることです。基本的には一過性のものであることが多いので、少し休んでいればおさまるケースがほとんどです。そのため、お腹の張りを感じたら横になって安静にするようにしてください。

外出中で横になるのが難しいという場合は、ベンチなどで座るだけでも構いません。少しの間、安静にしていればお腹の張りはおさまっていくので、また問題なく行動できるようになります。逆にずっとお腹の張りがおさまらないという場合は、病院に相談したほうが良いかもしれません。あまりにも症状がおさまらないのなら、すぐに病院へ連絡をしてください。

時間ですがおよそ1時間程度は安静にするようにしましょう。それでも症状がおさまらなければ、病院へ連絡をするべきです。

お腹の張りがおさまってから行動をするのが不安という方もいます。しかし、妊娠中であれば自然に起こる現象なので、再度動き始めて問題ありません。動き始めたらすぐにお腹の張りを感じるというわけでもないので、安心していつもどおりの生活を続けてください。

逆に少し動けばすぐにお腹の張りを感じるなど、お腹の張りを感じる頻度が多くなっている場合も病院へ相談したほうが良いかもしれません。それ以外の場合は、お腹の張りを感じたとしても、休んでいる間におさまれば問題ないので覚えておいてください。

やってはいけないことがある

お腹の張りを感じた際にやってはいけないことがあります。まずはお腹を圧迫することです。お腹に違和感を覚えるので、ついついマッサージの中で圧迫してしまう方がいます。しかし、お腹の張りがそれで改善することはないのでやめてください。むしろお腹に負担がかかってしまい、安全に出産することが難しくなってしまう可能性があります。

次に冷たい飲み物を飲むのも避けましょう。お腹の圧迫に共通していますが、お腹に刺激が加わるような行為はできるだけ行わないようにするべきです。冷たい飲み物はお腹に刺激を与えてしまうので、お腹の張りを感じている際には避けてください。

また、お腹の張りが続いている場合は乳首マッサージは避けるように心がけましょう。このようにお腹の張りを感じている際には、やってはいけないことがあるので注意しなくてはいけません。

日常生活を工夫する

お腹の張りは便秘やガス溜まりによる場合もあります。妊娠する前は便秘ではなかったという方も、妊娠すると便秘になってしまうことがあります。妊娠すると生活においていろんな違いが生まれるので、それによるストレスが原因で便秘になってしまうのかもしれません。

そのため、発酵食品などをバランス良く摂取するように心がけましょう。なるべく便秘にならないような食生活をすることが大切です。そして外出する際には、お腹の張りをいつ感じても良いように休める場所をあらかじめ頭に入れておくことが大切です。

可能であればすぐに家に帰れる状態にしておくのがベストですが、外出先次第では難しいこともあります。外出時はお腹の張りを感じたときに備えて、近くのベンチやカフェなど、休憩できる場所をチェックしておくクセをつけましょう。

【まとめ】妊娠中のお腹の張りは冷静に対処しよう

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妊娠中にお腹の張りを感じた場合は、冷静に対処することが大切です。苦しいとは思いますが、とりあえず体を休めることを優先してください。お腹の張りはいつ起こるかわかりません。外出時は休憩できる場所をチェックしておくなど、いつ起こっても良いように心の準備をしておくことが大切なのです。

また、携帯電話には病院の連絡先を登録しておき、いつでも連絡できるようにしておいてください。また、お腹の張りに関して不安なことがあれば、あらかじめかかりつけの産婦人科で相談しておくと良いでしょう。お腹の張りとうまく付き合って、出産まで乗り切ってください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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