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妊娠中にどんな食べ物を食べたらいいのか?と不安を抱く妊婦さんはたくさんいらっしゃいます。特に妊娠初期は赤ちゃんの身体を作る大事な時期であるため食べ物によって赤ちゃんの成長に影響を与える恐れがあるので当然です。
今回の記事では妊娠中、特に妊娠初期に食べたほうがいい食べ物や控えた方がいいものを中心に食事について詳しく紹介をします。
妊娠初期の食事は栄養バランスを考えて
妊活中の場合、「葉酸を多めに摂って」とか「たんぱく質を多めに」と言われたかと思います。妊娠初期も妊活中と同じく食事を摂るときに注意してほしいことがあります。
それは「バランス良く栄養を摂ること」です。妊娠初期は、赤ちゃんの心臓が動き始めて、脳、神経、目、口など、たくさんの器官を形成する大事な時期です。だからこそしっかりと食事をしないといけないと思うでしょう。ところが、妊娠初期はホルモンバランスが崩れてしまう影響で食事の好みが変わったり、つわりがひどくて満足に食事が摂れなかったり妊婦さんもいます。
そんな状態で無理に食事をしてもかえって身体に負担をかけるだけで赤ちゃんの成長にはつながりません。量よりも栄養バランスを考えて摂るようにしてください。もちろん無理をせずに食べられる量だけにしましょう。
妊娠初期に必要な栄養素
- ◯たんぱく質
- たんぱく質はご存じのように赤ちゃんとお母さんの血液や筋肉を作る大切な栄養素です。体内で作ることができないため食事やサプリメントから摂るしかありません。必須アミノ酸をバランス良く含んでいる良質なたんぱく質を摂るのがおすすめです。
- ◯葉酸
- 葉酸はビタミンB群の一種で赤ちゃんの正常な発育に大切な働きをします。妊活中も多く摂るように言われている栄養です。その理由は、妊娠前から多めに接種することでの脳と脊髄、中枢神経系が発達障害になるリスクが下がるからです。「赤血球の形成」「胎児の先天異常リスク軽減」「細胞の生産・再生」にも働く栄養素なので特に妊娠初期は多めに摂るようにしましょう。
- ◯鉄分
- 妊娠初期に限らず妊娠している間はずっと欠かせない栄養素が鉄分です。おなかの赤ちゃんの成長をサポートするために妊娠前に比べて血液の量が増えるからです。水分にあたる血しょうが4割近く増えるのに対して、赤血球は2割程度しか増えず、血液は薄まった状態になります。そのため、妊婦さんは貧血になりやすい状態です。だからこそ妊娠中は意識して摂ってほしい栄養素といえます。
- ◯カルシウム・ビタミンD
- カルシウムは体の機能維持や調子を整える働きをするミネラルです。赤ちゃんの骨や歯などを作るので妊娠初期に摂るようにしたい栄養素になります。ビタミンDを同時に摂ることでカルシウムの吸収が良くなり、骨を沈着させる働きがあります。
- ◯食物繊維
- 妊娠初期は便秘になりやすいため便通をよくしてくれる食物繊維を摂るのがおすすめです。ただし、食物繊維の豊富な食材は、消化されにくく胃腸に負担がかかりやすいものが多いので、妊娠初期やつわりがひどいときに食べる場合は加熱調理して、やわらかくして食べると良いでしょう。
妊娠初期におすすめの食べ物
妊娠初期におすすめの食材は以下の通りです。ここではコンビニやスーパーですぐに買えるものをピックアップして紹介しています。
- ・ゆで卵
- 殻をむくだけで食べられます。
- ・サラダチキン
- 塩分が気になるときは味付けのされていないノーマルタイプがおすすめです。
- ・牛乳、豆乳、ヨーグルト
- 無脂肪タイプを選ぶと脂質カットにもなります。
- ・チーズ
- 腹持ちが良く、一口サイズの補給食としてもおすすめです。
- ・お魚の缶詰
- ツナやサケ、イワシなどさまざまな種類を摂るのがよいでしょう。ノンオイルタイプを選ぶと脂質カットになります。
- ・納豆
- 植物性タンパク質を手軽に摂取することができます。
- ・ひじき煮
- 具材とひじきが入っているものが多く、すぐに食卓に出せるのがおすすめです。ひじきは鉄分、カルシウムや食物繊維が豊富に含まれています。
- ・梅こんぶおむすび
- コンビニでは定番商品となっているところもあるのでお昼ご飯などに食べるのがいいでしょう。食物繊維が豊富なもち麦とミネラルとたんぱく質が含まれている昆布、体内の余分なナトリウムを排出するカリウムが含まれている梅はむくみ防止の働きがあります。
- ・しめさば
- お魚の缶詰め同様、カルシウムやたんぱく質が豊富に含まれているので意識して摂りた食品の一つです。さばはヘム鉄とビタミンB12も含まれている食材なので特におすすめです。
- ・卵サンド
- ゆで卵と同じくたんぱく質が豊富に含まれています。卵サンドは朝食・昼食の定番商品のため妊娠初期の妊婦さんが気軽に購入できる食事のメニューといえます。
葉酸を多く含む食べ物についてはこちらに詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。
妊娠初期に摂りすぎないように注意する栄養素
妊娠中は、妊娠前と比べて体がむくみやすくなるため「塩分控えめ」の食事を心がけましょう。塩分を摂りすぎると、体が塩分濃度を下げようとして、体内に水分をためこんでむくみがひどくなります。外食をするとどうしても塩分が多くなりがちなので汁を残したり、外食の回数を減らしたり、塩分を体外に排出する働きがあるカリウムが豊富な食べ物を食べたりしましょう。
他に妊娠初期に食べるのを注意したい栄養素がビタミンAです。ビタミン自体は常に摂取してほしい栄養素ですが、妊娠初期に限っては摂りすぎると赤ちゃんに器官形成異常が起こる可能性が高くなります。妊娠中、特に妊娠初期は一日の上限量が2700㎍以内に抑えるようにしてください。以下の食べ物が上限量以内となります。
- ・スモークレバー 1切れ(15g) 2550㎍
- ・鶏レバー 14000㎍/100g
- ・焼き鳥1本(30g) 4200㎍
- ・豚レバー 1回量(80g) 10400㎍
- ・あんこうの肝 1切れ(30g)2490㎍
- ・うなぎ 1切れ・1/2尾(可食部100g) 1500㎍
後は、水銀が多く含まれている魚介類も食べる量を注意したい食品の一つです。理由は水銀を胎内にいる赤ちゃんは、自分で排出することができません。そのため体内にたまってしまうと成長に影響を及ぼすからです。水銀の量が多い魚はキダイ、マカジキ、ユメカサゴ、ミナミマグロ(インドマグロ)、ヨシキリザメ、イシイルカ、クロムツキンメダイ、メカジキ、クロマグロ(本マグロ)、メバチマグロ(バチマグロ)、エッチュウバイガイです。食べるならば週に80g以内にしましょう。
妊娠初期に食べてはいけない野菜
結論からいいますと妊娠初期に食べてはいけない野菜はありません。注意するとしたら妊娠初期は免疫力が下がっているため生で食べるのは避けてくださいくらいです。煮物や炒め物など火を通してから食べるようにしましょう。
ただし、キムチは野菜が豊富でも食べる量に注意してください。キムチに限らず辛い食べ物は刺激物です。胃腸の負担になるため妊娠初期に食べるのにおすすめできません。タバスコやスパイスたっぷりのカレーも避けるようにしましょう。
妊娠初期に食べてはいけない果物
果物は糖質だけではなく、カリウム、食物繊維、ビタミンなどを含んでおり、栄養面からも妊娠初期も含めて妊婦さんには積極的に食べてほしい食べ物の一つです。野菜は煮たり炒めたりしたら栄養が流れてしまうものがありますが、果物はほとんどが生で食べるので栄養が流れません。その点も含めて意識して摂りたい食べ物です。
ただし、果物の中には食べるのを注意してほしいものがあります。それは以下の三つです。
- ・スイカ
- ・メロン
- ・梨
上記の果物は水分量が多く、身体を冷やす作用があるので食べ過ぎに注意です。パイナップルやバナナなどの南国のフルーツも身体を冷やす作用があります。
また、果物全般は糖分が高いので食べ過ぎるとカロリー過多になってしまいます。すると、妊娠糖尿病になる可能性や体重が増えてしまってBMI25を超える恐れがありますので食べる量に気をつけましょう。食べるときは砂糖を多く使って保存性を高めている缶詰めを避けて、できるだけ生で食べてください。
妊娠初期に食べてはいけないお菓子
「体重が増えるのに注意」と言われるとお菓子を食べてはいけないと思ってしまうかもしれません。しかしながら、絶対にダメということはありません。我慢してストレスになるくらいなら食べたほうがいいでしょう。注意してほしいのは食べる量です。
管理栄養士によると一日に食べてもいいおやつの量は200キロカロリーで15時頃に食べるのが良いそうです。スナック菓子なら、”片手に乗る程度”、ケーキなどの洋菓子なら“手のひら(指部分を除く)に納まる程度”くらいになります。ロールケーキ1カット、プリン1個、どらやき1個(70ℊ)が基準です。
妊娠初期におすすめの献立
妊婦さんが摂る食事は赤ちゃんの成長にも影響を与えるので意識して献立を作る必要があります。「そうは言われても中々大変」という妊婦さんに一部ですが、こんなメニューがあるというのをご紹介します。毎日のお食事作りの参考になれば幸いです。
◯なっとうカレーとトマトのシーザー風サラダ
(公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構HP・妊産婦さんのためのごはんが主食のレシピより引用)
・材料 (2人分)
なっとうカレー
- ごはん 300g
- (A) 納豆 100g
すき焼きのタレ 小さじ1 - レトルトカレー 160g
- 削り節 小1袋(2g)
- 細ねぎ(小口切り) 適量
トマトのシーザー風サラダ
- トマト 1個
- リーフレタス 3枚
- アスパラガス 4本
- (A)フレンチドレッシング (乳化タイプ) 大さじ1・1/3
ウスターソース 小さじ1/2
タバスコ 少々 - 粉チーズ 小さじ2
・作り方
なっとうカレー
- 1.レトルトカレーは表記通りに温める。
- 2.ごはんに1.のカレーをかけ、混ぜ合わせた(A)を盛り、削り節と細ねぎをのせる。
トマトのシーザー風サラダ
- 1.トマトは一口大に切り、リーフレタスは小さくちぎる。アスパラガスは根元を切り落とし、ゆでて3cm長さに切る。
- 2.器に1.を盛り、混ぜ合わせた(A)をかけ、粉チーズを散らす
◯あじフライと根菜の炒り煮・小松菜のお吸い物
(公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構HP・妊産婦さんのためのごはんが主食のレシピより引用)
・材料
あじフライ
- あじ(背開きしたもの) 200g
- 塩・こしょう 各少々
- 薄力粉・溶き卵・パン粉 各適量
- 揚げ油 適量
- (A) キャベツ(せん切り) 2枚分
青じそ (せん切り) 4枚分 - レモン(くし形切り) 2切れ
- ウスターソース 小さじ2
根菜の炒り煮
- れんこん 120g
- にんじん 60g
- きくらげ(乾) 4個(4g)
- (A) 水 1/2カップ
しょうゆ 大さじ1/2
みりん 大さじ1・1/2 - ごま油 小さじ1
小松菜のお吸い物
- 小松菜 60g
- えのきだけ 50g
- しょうが(細切り) 2g
- だし 1・1/2カップ
- 塩 小さじ1/6
- しょうゆ 少々
・作り方
あじフライ
- 1.あじは塩、こしょうで下味をつけ、薄力粉、溶き卵、パン粉の順に衣をつける。
- 2.1.を170℃の揚げ油でカラッと揚げる。
- 3.器に2.のあじフライ、混ぜ合わせた(A)、レモンを盛り、ウスターソースを添える。
根菜の炒り煮
- 1.れんこん、にんじんは乱切りにする。
- 2. きくらげは耐熱容器に入れて水1/4カップ(分量外)程加え、ラップをせず500Wのレンジで1分程加熱して戻し、かたい部分はとり除いて食べやすい大きさに切る。
- 3.鍋にごま油を熱して1.を炒め、(A)を加えて汁気がなくなるまで炒り煮する。
小松菜のお吸い物
- 1.小松菜とえのきだけは3cm長さに切る。
- 2.鍋にだしを煮立てて1.としょうがを加え、煮えたら塩、しょうゆで味つけをする。
◯サバ缶で簡単味噌チーズ蒸し
(「大人女性向けライフスタイルメディアfolk」妊婦さんにおすすめのレシピ50選!栄養たっぷりの料理で健康なカラダ作り♪より引用)
材料 (2人分)
- 鯖缶 1缶(味噌味)
- 白菜 2~3枚
- めんつゆ 小1~2
- ピザ用チーズ ひとつかみ
詳しい作り方 調理時間:10分
1.耐熱容器に白菜のざく切りを全体に敷くように入れその上にタレごと鯖缶をかけ、お好みでめんつゆをかけたらピザ用チーズをのせふんわりラップをかけて電子レンジで6~7分加熱し完成。
◯水菜とお揚げの和風シーザーサラダ
(「大人女性向けライフスタイルメディアfolk」妊婦さんにおすすめのレシピ50選!栄養たっぷりの料理で健康なカラダ作り♪より引用)
・材料
- 水菜…150g
- 油揚げ…1枚
- -青のり・塩…少々
- 大葉…4枚
- みょうが…1個
- 青ネギ…3本分
- Aシーザーサラダドレッシング…20ml
めんつゆ(※濃縮タイプ)…小さじ1/2
練りワサビ…1cmほど
・作り方
- 1.野菜は洗い、水菜は3-4cm長さに、大葉、みょうがは千切りに、青ネギは小口切りにする。油揚げは横半分にし、2cmほどの長さに切る。 ・Aを合わせておく。※ワサビの量はお好みで
- 2.のり塩お揚げを作る フライパンに油をひかずに油揚げを入れ、弱めの中火でじっくり焼きカリカリに仕上げる。青のり・塩を少々ふりかけ皿に取る。
- 3.仕上げ 水菜と大葉を合わせておき、皿に盛り、中央にみょうが、周りにのり塩お揚げをのせる。合わせておいたAを回しかけ、青ネギをふる。
千切りしたキュウリや、ツナを入れてもOK。
◯冷やしネバネバうどん
(「大人女性向けライフスタイルメディアfolk」妊婦さんにおすすめのレシピ50選!栄養たっぷりの料理で健康なカラダ作り♪より引用)
ゆでたうどんにおくら、みょうがや大葉などの香味野菜、豚肉を乗せるだけ。
簡単に出来るので、忙しいときや体調の良くないときにもさっと作ることができ、ランチにもおすすめメニューです。
まとめ
妊娠初期におすすめしたい食べ物を中心に、避けたほうがいいもの、栄養素、料理のレシピについて紹介をしました。妊娠した頃は体調の変化や赤ちゃんの成長もあるためどうしても食べるものには気をつけないといけない時期です。妊娠初期症状のつわりやにおいの変化によっては食べられないものもたくさん出てきます。
しかしながら、そんな状態でも食事が楽しくできたら素晴らしいマタニティライフが過ごせると思います。その助けができれば幸いです。
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