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女性にとって妊娠は人生のとても大きなライフイベントです。
しかし、避けられない運命によって流産に至ってしまうケースもあります。
流産を経験するとトラウマになって次の妊娠が不安で仕方なくなってしまう方がいますが、「次こそは必ず健康な子を生みたい!」と強く願う方もたくさんいます。
皆さんは、流産後に次の妊娠までどのくらいの期間をおけばいいのか、どのようなことに注意すればいいのか、どこまでの知識を持っていますか?
この記事では、流産後の妊娠について知っておきたい3つのポイントと注意点をご紹介していきます。
なぜ流産になってしまうのか?
やっとのことで赤ちゃんを授かったのに生まれる前に亡くしてしまった時の精神的ショックは計りしれず、その後、何ヶ月も引きずってしまう方もいます。
流産を経験すると「なんで私の子どもが…」とやりきれない思いを抱えることになりますが、絶対に避けられない流産もあるのです。
100人に15人が流産を経験する
全ての妊娠に流産のリスクは伴い、大体100人に15人の妊婦さんが流産を経験するといわれています。
流産は妊娠12週未満に起こる早期流産がほとんどで、半数以上が胎児の染色体異常によって起きています。
妊娠12週以降の後期流産では母親側が原因となる流産が増え、場合によっては治療で進行を止めることも可能です。しかし、染色体異常が原因だった場合、受精卵が誕生した時点で染色体に異常を持っているため現在の医学では治療することができません。
医師も妊婦さんも解決できない染色体異常によって流産に至った場合、「これは運命なのだ」と受け入れるしかないのです。
流産後の妊娠について知っておきたいポイント
流産に至った場合、子宮内容物が自然排出されるのを待つか、手術で人工的に摘出するかという選択肢ができます。
流産直後は医師の指示に従って安静となりますが、「生理はいつくるのか?」「次はいつ妊娠できるのか?」という疑問もあると思います。
ここからは、流産後の妊娠について知っておきたい3つのポイントをご紹介していきます。
妊活(妊娠)はいつから再開できるのか?
流産後の性交渉は出血と痛みが完全に止まっていることを前提として、最低でも2週間以上の期間を空けることが推奨されます。
妊娠に関しては早くても生理が1回きた後に可能になるといわれています。しかし、流産が起きた後に自然排出を待った場合は、しばらくの間、子宮内容物が残留している可能性があります。
流産後は子宮内の残留物がきれいになくなった方が妊娠しやすいといわれているため、不正出血が続いている場合はまだ妊活を行わないようにしましょう。できれば生理を3回待ち、子宮の状態が落ち着いてから妊活をすることをおすすめします。
流産後に生理はいつ再開するのか?
流産後は安静にして母体を休ませる必要があります。気になるのが「次の生理はいつやってくるのか」ですが、大体は1ヶ月〜2ヶ月くらいで再び生理が始まります。
生理不順の方に関してはさらに遅くなる場合がありますので、焦らずに経過をみましょう。
流産後に卵巣の動きは徐々に戻り、排卵が起こるのは大体1ヶ月くらいとされています(個人差あり)。基礎体温計を用いて基礎体温を記録し、目安となっている時期に高温期に変われば排卵が始まったといえます。
化学的流産後は妊娠しやすいのか?
流産には、妊娠反応が陽性と出たものの超音波検査で胎嚢が確認される前に妊娠が止まってしまう「化学的流産」があります。
化学的流産後は妊娠しやすいと思っている人がいるようですが、医学的根拠はなく、化学的流産後でも妊娠率に変化はありません。
妊娠はとてもデリケートな問題ですので噂に流されず、妊娠ができる時期に差し掛かってから性交渉を行うようにしましょう。
流産後の妊娠に関する注意点
流産のショックを乗り越えるのは本当に大変ですが、次の妊娠に向けて知っておかなければならないこと、気をつけなければならないことはたくさんあります。
ここからは、流産後の妊娠に関する注意点をご紹介していきます。
日常生活で気をつけること
次の妊娠に前向きな方は規則正しい生活をおくることを心掛け、食事と睡眠には特に気をつけていきましょう。
食事は栄養のバランスを考えて適正体重を目指しましょう。偏食によってホルモンバランスが崩れたり肥満になったりすると次の妊娠で合併症に繋がるリスクも高まります。
妊娠中は後期流産防止などのためにアルコールとタバコを控えるのが常識ですが、流産後に妊活を再開する場合もそのまま継続して控えておくようにしましょう。妊娠の直接的な妨げになるわけではありませんが、妊娠後の胎児への影響を考えた場合は早めの禁酒禁煙をすることに越したことはありません。
流産後に精神的に落ち込んで生活リズムが乱れてしまうケースは珍しくありません。妊活の再開の有無にかかわらず、しっかりと睡眠をとって体調管理を怠らないことはとても大事です。
また、過度にストレスを溜めない日常生活を過ごすことはホルモンバランスを乱さないためにも必要になってきます。
規則正しい生活の中でしっかり癒やしと娯楽の時間をつくり、健康な状態で妊活を行っていきましょう。
流産を繰り返す不育症
流産をする確率は大体15%といわれていますが、流産を2回以上繰り返す不育症になってしまう方もいます。
厚生労働省は、不育症の定義を以下のようにしています。
- 妊娠22週未満の分娩(流産)を2回以上繰り返す
- 妊娠22週以降に死亡した胎児を出産した
- 新生児が生後1週間以内で死亡してしまう
流産を2回連続で繰り返す「反復流産」は5%程度、3回以上繰り返す「習慣性流産」は1%〜2%の頻度で起こります。
不育症の主な原因
不妊症は主に以下のようなことが原因になっていると考えられています。
- 染色体異常
- 血液中の凝固因子
- 子宮形態異常
- 内分泌異常
早期流産だった場合、ほとんどの原因が染色体異常と考えられていますが、不育症になった場合は母体に起こるさまざまな異常が関連しているといわれています。
2回以上の流産に至った場合に上記が必ず原因になっているとは限りませんが、関係している可能性はかなり高くなります。
不育症の検査と治療
科学的根拠が認められている「不育症一次検査」では、以下のような項目の検査が行われており、必要であれば治療が施されています
検査項目 | 治療法・対処法 |
---|---|
抗リン脂質抗体 | 低用量アスピリンとヘパリン |
子宮形態検査 | 自然妊娠・子宮鏡下手術 |
内分泌検査 | 薬物治療など |
夫婦染色体検査 | 自然妊娠・着床前診断 |
染色体異常に関しては残念ながら治療法は見つかっていません。しかし、染色体異常を検査するNIPTなどの検査もあり、早めに受けておくことで障がいを持った赤ちゃんを育てる準備をしておくことができます。
妊娠中に欠かせない染色体検査について
流産の主な原因となっている染色体異常の有無を妊娠中に把握しておくことで、障がいを持った赤ちゃんを授かる準備、そして妊婦さんの心の準備をすることができます。
流産後の妊娠でも忘れずに出生前診断を受けておくことをおすすめします。
NIPTを受けるメリット
特におすすめしたい出生前診断が、妊娠10週目頃から実施されている「NIPT」です。
新型出生前診断と呼ばれるNIPTは母体採血のみで染色体異常の有無を調べられるため、肉体的にも精神的にも負担はものすごく少ない検査といえます。
母体血漿中に浮遊するセルフリーDNAを分析し、特定の染色体数が正常よりも1本多い場合に、ダウン症候群(21トリソミー)・18トリソミー・13トリソミーといった染色体異常症が疑われることになります。
NIPTは流産に繋がる可能性が0%の安全なスクリーニング検査ですが、その検査精度は100%に近いとても優れた出生前診断です。
侵襲的検査である絨毛検査・羊水検査を受ける前に最もおすすめできる染色体検査となるため、流産後に再び妊娠をした場合は、NIPTの受検を検討してみましょう。
まとめ
100人に15人の妊婦さんが経験するという流産は、自分の赤ちゃんの命が突然奪われてしまうショッキングな出来事です。
流産を経験した妊婦さんは流産後の妊娠に対して後ろ向きになってしまうこともありますが、生理が2、3回くれば再び妊活をすることも可能です。
ただし、流産後の不正出血が続いている場合は無理をせず、子宮内がきれいになった状態で次の赤ちゃんづくりをマイペースに励んでいきましょう。
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