目次
不育症とは、妊娠はするものの、流産や死産を2回以上くり返す状態のことです。日本の指針では、流産と死産を合わせて2回以上あれば、連続していなくても、出産した経験があっても不育症に含めます[1]。検査をしても約65%はリスク因子が見つかりませんが、特別な治療をしなくても次の妊娠で出産に至る人は少なくありません。この記事では、不育症の定義と化学流産の扱い、原因、保険が使える検査、治療、次の妊娠で知っておきたいことを、臨床遺伝専門医の立場から解説します。
Q. 何回流産したら不育症ですか?
A. 流産と死産を合わせて2回以上で不育症と呼びます。2回連続でなくてもよく、上のお子さんがいても当てはまります。まず受ける検査は、子宮の形、抗リン脂質抗体、夫婦の染色体、甲状腺、流産した組織の染色体の5つが基本です。原因がはっきりしない場合でも、次の妊娠で出産できる人は多いと報告されています。
- ➤定義 → 流産・死産が2回以上。3回以上連続すれば習慣流産
- ➤化学流産 → 日本では回数に数えないが、3回以上くり返せば検査の対象
- ➤原因 → 最も多いのは赤ちゃん側の偶然の染色体の数の異常
- ➤保険 → 流産した組織の染色体検査は2022年4月から保険適用
- ➤見通し → 原因不明でも、次の妊娠で50〜80%が出産するとされる
1. 不育症とは?何回流産したら不育症?
不育症は、流産あるいは死産が2回以上ある状態を指します。こども家庭庁が掲載している「不育症管理に関する提言2025」では、出産した経験があるかどうかは問わず、流産や死産が連続していなくてもよいと定めています[1]。つまり、1人目を出産したあとに2回流産した場合も、流産と流産のあいだに出産をはさんだ場合も、定義の上では不育症に含まれます。
「病気」というより「状態」と表現されるのは、不育症が1つの原因で起こる病名ではないためです。子宮の形、血液の固まりやすさ、ホルモン、夫婦の染色体など、流産を起こしやすくする要因(リスク因子)がいくつか知られており、それらをまとめて調べる入り口として「不育症」という言葉が使われています。
不育症の定義:流産と死産を合わせて2回以上
回数には、流産(妊娠22週未満で妊娠が終わること)と死産(それ以降におなかの中で赤ちゃんが亡くなること)の両方を数えます。妊娠12週以降に赤ちゃんが亡くなった場合は、法律上は死産届の対象になりますが、医学的に流産か死産かを分けるのは妊娠22週です。不育症の回数を数える上では、どちらも同じように1回として扱います。
不育症の診断で大事になるのは、「妊娠が成立していたか」という点です。超音波検査で子宮の中に胎嚢(赤ちゃんを包む袋)が確認できた妊娠が、途中で止まってしまった場合に1回と数えます。子宮外妊娠や胞状奇胎(胎盤のもとになる組織が異常に増える病気)は、流産とは別の病気として扱われ、不育症の回数には含めません。回数の数え方は検査を受けるかどうかの判断に直結するため、これまでの妊娠の経過を、妊娠週数や胎嚢・心拍が確認できたかどうかまで含めて整理しておくと、受診の際に役立ちます。
習慣流産・反復流産との違い
3回以上連続する流産を習慣流産、2回連続する流産を反復流産と呼び、どちらも不育症に含まれます。習慣流産や反復流産は「流産の回数と連続性」に注目した言葉で、死産を含みません。これに対して不育症は、死産も含めて「子どもを授かっても出産に至らない状態」を広くとらえる言葉です。
以前は「3回流産してから検査」と説明されることもありましたが、現在の日本の指針では2回の流死産で原因を調べる対象としています[1]。流産そのものは珍しくない出来事であるため、1回の流産で不育症を心配する必要はありません。2回目の流産を経験した段階で、原因を調べるかどうかを主治医と話し合うのが、現在の一般的な考え方です。
化学流産(生化学的妊娠)は回数に数える?
日本では化学流産を流産の回数に数えませんが、3回以上くり返す場合は、不育症に準じて原因を調べることが推奨されています。提言2025は、生化学的妊娠を流産回数には算定しないとしたうえで、3回以上反復する場合を「反復生化学的妊娠(流産)」として原因検索の対象にしています[1]。
💡 用語解説:生化学的妊娠(化学流産)
生化学的妊娠とは、血液や尿でhCG(妊娠すると胎盤のもとになる組織から出るホルモン)が検出されたものの、超音波検査で胎嚢が確認できないまま妊娠が終わった状態です[1]。一般には「化学流産」と呼ばれます。妊娠検査薬の感度が上がったことで、以前なら生理の遅れとして気づかれなかった妊娠が見つかるようになり、化学流産を経験したと感じる人が増えています。
海外の扱いは日本と異なります。欧州ヒト生殖学会(ESHRE)は、胎嚢が確認できなかった妊娠の喪失も回数に含める立場をとっており[2][3]、米国生殖医学会(ASRM)も2026年の見解で、尿や血液のhCGで確認された妊娠であれば超音波で確認できていなくてもよいとし、化学流産を回数に含めることを明記しました[4]。日本の数え方と海外の数え方のどちらが正しいという話ではなく、「どこから原因を調べるか」の線引きが違うと理解してください。化学流産を何度も経験している場合は、日本の基準で2回に満たなくても、主治医に相談して検査の必要性を判断してもらう意味があります。
不妊症との違い
不妊症は「妊娠しない状態」、不育症は「妊娠はするが出産に至らない状態」で、困っている段階が異なります。不妊症では、排卵、卵管、精子、受精や着床といった妊娠が成立するまでの過程を調べます。不育症では、妊娠が成立したあとに経過が止まってしまう理由を調べるため、検査の内容も別になります。
ただし、両方に当てはまる人もいます。体外受精で妊娠した後に流産をくり返す場合は、不妊治療を続けながら不育症の検査を並行して受けることがあります。
2. 流産はどのくらい起こる?年齢と妊娠週数でみる頻度
流産は妊娠の1〜2割に起こる、珍しくない出来事です。一方、2回以上の流産を経験する人は約4%、不育症の頻度は約5%とされています。日本の調査では、2回以上の流産歴がある人は4.2%(2,503人中105人)で、提言2025は日本の不育症の頻度を約5%としています[1]。
1回の流産は妊娠の約15%で、多くは偶然起こる
1回の流産は、ほとんどが赤ちゃん側の偶然の染色体の数の異常によって起こり、その後の妊娠に影響するものではありません。ノルウェーの約42万件の妊娠を追った研究では、人工妊娠中絶の影響を調整した流産の割合は12.8%でした[5]。およそ8人に1人の割合で流産が起こる計算で、特別な出来事ではないことがわかります。
受精卵の染色体の数の異常は、卵子や精子ができる過程(減数分裂)で染色体がうまく分かれないことで生じます。これは誰にでも起こりうる現象で、母親の行動や体質が原因ではありません。妊娠初期の流産の多くは、受精の時点ですでに決まっていた要因によるものと考えられています。
年齢とともに流産率は上がる
流産の割合は25〜29歳で最も低く、35歳を過ぎると上がり始め、40歳以上では大きく上昇します。先のノルウェーの研究では、流産率が最も低かったのは25〜29歳の9.8%で、20歳未満では15.8%、45歳以上では53.6%でした[5]。日本の提言2025も、35歳以上から流産率が増加し、特に40歳以上では40〜50%と急激に増えるとしています[1]。
年齢とともに流産が増える最大の理由は、卵子の染色体の数の異常が増えることです。卵子は生まれる前から卵巣の中にあり、減数分裂の途中で長い期間止まっています。年齢を重ねるほど、再開したときに染色体がうまく分かれない割合が増えます。仕組みの詳細は卵子の染色体異常(異数性)が起こる仕組みで解説しています。また、同じ研究では、前の妊娠で流産が続いた回数が多いほど次の流産のリスクが上がり、初めての妊娠と比べたオッズ比(リスクの高さの目安)は、流産1回後で1.54、2回連続で2.21、3回以上連続で3.97でした[5]。年齢と流産の回数は、次の妊娠の見通しを考えるうえで重要な情報になります。
流産が多い時期と「何週で安心できるか」の目安
流産の多くは妊娠初期に起こります。ただし、「何週になれば絶対に安心」という一律の境目はありません。胎児の心拍が確認できると流産の可能性は下がるとされますが、心拍確認の後でも流産が起こることはあり、そのリスクは年齢やこれまでの流産の回数によっても変わります。
不育症の方が次の妊娠で不安を感じやすいのは、前回流産した週数に近づく時期です。週数ごとの経過を主治医と一緒に確認し、予定より早めの受診や超音波検査を組むことで、見通しが立ちやすくなることがあります。流産の種類や時期ごとの特徴は流産の種類で詳しく説明しています。
3. 不育症の原因(リスク因子)
不育症のリスク因子として、子宮形態異常、甲状腺機能異常、夫婦の染色体構造異常、抗リン脂質抗体、凝固因子の異常が知られていますが、系統的に調べても約65%はリスク因子が見つかりません。日本の多施設共同研究のデータをもとにした頻度は次のとおりです[1][6]。
📊 日本の不育症のリスク因子の頻度
| リスク因子 | 頻度 | 主な検査 |
|---|---|---|
| 子宮形態異常 | 7.9% | 3D超音波検査など |
| 甲状腺機能異常 | 9.5% | TSH・fT4(血液検査) |
| 夫婦の染色体構造異常 | 3.7% | 夫婦の染色体検査 |
| 抗リン脂質抗体陽性 | 8.7% | 抗リン脂質抗体(血液検査) |
| 第XII因子欠乏症 | 7.6% | 凝固因子の測定(選択的検査) |
| プロテインS欠乏症 | 4.3% | 凝固因子の測定(選択的検査) |
| リスク因子不明 | 65.1% | ― |
※提言2025[1]の表(原データはMorita 2019[6])による。1人に複数の因子が重なることがあるため、合計は100%になりません。
いちばん多いのは赤ちゃん側の偶然の染色体の数の異常
「リスク因子不明」とされる人の中で最も多いのは、赤ちゃん(胎児)側に偶然起きた染色体の数の異常です。日本の482人を対象にした研究では、従来の検査で原因が見つからなかった人の流産の41.1%で、流産した組織(胎児)の染色体に異常がありました。流産組織の染色体が正常で、ほかにも原因が見つからない「本当に原因不明」といえる人は24.5%にとどまりました[7]。
同じ研究では、前回の流産で胎児の染色体に異常があった人のほうが、正常だった人よりも次の妊娠で出産した割合が高いという結果が出ています(71.9%と44.7%)[7]。流産が偶然の染色体の異常によるものであれば、次の妊娠では同じことが起こらない可能性が十分にあるということです。この点が、流産した組織の染色体を調べる検査が重視されるようになった理由の1つです。不育症と染色体の関係は不育症の原因になる染色体異常でさらに詳しく解説しています。
抗リン脂質抗体症候群
抗リン脂質抗体症候群は、血液を固まりやすくする自己抗体によって、胎盤の血流が妨げられ、流産や死産が起こりやすくなる病気です。日本の不育症の方のうち8.7%で抗リン脂質抗体が陽性でした[1]。治療法が確立しているリスク因子であるため、検査の意味が大きい項目です。
💡 用語解説:抗リン脂質抗体症候群(APS)
細胞の膜をつくるリン脂質や、それに結合するタンパク質に対する自己抗体(自分の体を攻撃してしまう抗体)ができる病気です。血栓ができやすくなり、妊娠では胎盤の血流が悪くなることがあります。提言2025が採用する改訂札幌分類基準では、妊娠に関する基準として「妊娠10週以降の、ほかに原因のない正常な形の胎児の胎内死亡が1回以上」または「妊娠10週未満の流産が3回以上連続」を挙げています[1]。
子宮形態異常(中隔子宮など)
子宮の形の異常の中でも、子宮の内側に仕切り(中隔)がある中隔子宮は、妊娠初期の流産と関連があると報告されています。提言2025が引用するメタ解析では、中隔子宮がある場合の妊娠初期の流産の相対リスクは2.65倍でした[1]。子宮形態異常は日本の不育症の方の7.9%に見られます。
子宮の形の異常には、中隔子宮のほかに双角子宮や単角子宮などがあり、種類によって流産への影響は異なります。形の異常があっても問題なく出産する人も多いため、見つかったことがそのまま流産の原因とは限りません。子宮の形の種類や見つかり方については子宮奇形で解説しています。
甲状腺など内分泌の異常
甲状腺機能異常は日本の不育症の方の9.5%に見られますが、流産との関連を示す根拠は強くありません。提言2025は、顕性の甲状腺機能低下症と不育症の関連はエビデンスに乏しく、潜在性の甲状腺機能低下症(ホルモン値は正常範囲だが甲状腺刺激ホルモンが高い状態)でも出産率に差がないとする報告が多いとしています[1]。
それでも甲状腺の検査(TSH・fT4)が一次検査に入っているのは、甲状腺の病気が妊娠中の母体や胎児の健康にも関わり、治療が必要な病気を見逃さないためです。ASRMの2026年の見解でも、TSHの測定はすべての人に行う検査とされ、糖尿病のリスクがある人ではHbA1c(血糖の平均を反映する値)の測定を行うとしています[4]。妊娠と甲状腺の関係は妊娠と甲状腺疾患で詳しく紹介しています。
夫婦どちらかの染色体の構造異常(均衡型転座)
夫婦のどちらかが均衡型転座などの染色体の構造異常を持っていると、受精卵の染色体に過不足が生じやすくなり、流産をくり返すことがあります。日本の不育症の方のうち、夫婦の染色体構造異常が見つかったのは3.7%でした[1]。
💡 用語解説:均衡型転座
2本の染色体の一部が入れ替わっているものの、遺伝情報の量には過不足がない状態です。本人は健康で、検査をしなければ気づかないことがほとんどです。ただし、卵子や精子ができるときに染色体の分かれ方によっては、遺伝情報が多すぎたり足りなかったりする受精卵ができ、それが流産の原因になります。2本の染色体の一部が互いに入れ替わる相互転座と、2本の染色体が短い腕の部分で融合するロバートソン転座があります。
均衡型転座は親から受け継いでいることもあり、その場合は兄弟姉妹など血縁者にも同じ転座がある可能性があります。結果の説明では、次の妊娠でどのくらい流産が起こりやすいか、どのような選択肢があるかに加えて、血縁者に伝えるかどうかも話題になります。均衡型転座の種類や流産リスクとの関係は均衡型転座の解説で詳しく扱っています。
血栓性素因(プロテインS・第XII因子など)
プロテインS欠乏症や第XII因子欠乏症などの血液の固まりやすさに関わる異常は、日本では「選択的検査」という位置づけで、流産との関係はまだ研究段階です。提言2025では、プロテインS、第XII因子の凝固活性、抗PE抗体(抗ホスファチジルエタノールアミン抗体)はいずれも選択的検査とされています[1]。
海外の指針はさらに慎重で、ASRMの2026年の見解は、生まれつきの血栓性素因の検査を不育症では推奨しておらず、血栓性素因に対する治療も効果が示されていないとしています[4]。これらの検査で異常値が出ても、それが流産の原因であるとは言い切れません。
ストレスや生活習慣は原因になる?
ストレスが流産の直接の原因になるという根拠はありません。ESHREの2022年のガイドラインも、ストレスが妊娠の喪失の直接の原因であるという根拠はないと明記しています[3]。流産のあとに「ストレスのせいだったのでは」と考える方は多いのですが、ストレスをなくせば流産を防げるわけではありません。
一方で、喫煙、飲酒、運動習慣、体重については、夫婦ともに見直すことが推奨されています[3]。これらは次の妊娠の経過だけでなく、妊娠中の合併症にも関わります。ストレスと流産についての考え方はストレスと流産でまとめています。
男性側に原因はある?
不育症は女性だけの問題ではなく、夫の染色体の構造異常は妻の場合と同じように流産の原因になります。そのため夫婦の染色体検査は、夫婦そろって受けるのが基本です。ESHREの2022年のガイドラインは、男性についても年齢、喫煙、飲酒、運動習慣、体重といった生活習慣を評価するよう推奨し、精子のDNAの断片化(精子の中のDNAが切れている割合)の検査は、原因を説明する目的で考慮してもよいとしています[3]。
🩺 院長コラム【「原因不明」は「何もわからない」ではない】
不育症の検査で「リスク因子は見つかりませんでした」と伝えられると、手がかりがないと感じる方が多いと思います。けれども、原因不明とされる流産の多くは、赤ちゃん側に偶然起きた染色体の数の異常で説明できます。偶然起きたものであれば、次の妊娠で同じことが起こるとは限りません。
臨床遺伝専門医として大切だと考えているのは、「見つからなかった」ことの意味を正しく受け取っていただくことです。流産した組織の染色体を調べることで、原因不明の中身がはっきりすることがあります。結果を知ることは、次の妊娠をどう迎えるかを考える材料になると考えています。
4. 不育症の検査
不育症の検査は、根拠が確立した5つの一次検査から始めるのが日本の標準です。検査の多くは保険で受けられ、2022年4月からは流産した組織の染色体検査も保険の対象になりました[1][8]。
どんなときに検査を受けるか
流産・死産が2回以上ある場合、または化学流産を3回以上くり返している場合が、原因を調べる目安です。提言2025はこの2つを原因検索の対象としています[1]。1回目の流産の後にすぐ検査を受ける必要は、通常はありません。
検査を受ける時期は、流産の直後ではなく、体が回復してから受ける検査が多くなります。一方、流産した組織の染色体検査は流産手術のときに組織を採取する必要があるため、2回目以上の流産で手術を受ける予定があれば、手術の前に主治医へ希望を伝えておくことが大切です。手術が必要になる状況については流産手術の解説を参考にしてください。
根拠のある基本の検査5つ
提言2025が一次検査として挙げているのは、子宮形態検査、抗リン脂質抗体、夫婦の染色体検査、甲状腺の検査、流死産した組織の染色体検査の5つです。それぞれで何がわかるかを表にまとめます[1]。
🔬 不育症の一次検査(提言2025)
| 検査 | わかること | 方法 |
|---|---|---|
| 子宮形態検査 | 中隔子宮など子宮の形の異常 | 3D超音波検査など |
| 抗リン脂質抗体 | 抗リン脂質抗体症候群の有無 | 血液検査 |
| 夫婦の染色体検査 | 均衡型転座などの構造異常 | 夫婦それぞれの血液検査 |
| 内分泌検査 | 甲状腺機能の異常 | TSH・fT4の血液検査 |
| 流死産した組織の染色体検査 | 今回の流産が胎児の染色体異常によるものか | 流産手術で採取した組織 |
※検査の選び方や順番は、これまでの経過によって主治医が判断します。
流産した組織(絨毛)の染色体検査
流産した組織の染色体検査は、今回の流産が赤ちゃん側の染色体異常によるものかを調べる検査で、2022年4月1日から保険で受けられるようになりました。対象は2回目以上の自然流産で流産手術を受けた人で、G分染法(染色体を縞模様に染めて調べる方法)による検査の保険点数は4,603点です。さらに2022年12月1日からは、次世代シーケンサー(NGS)を使った検査が先進医療Aとして始まっています[1]。
海外でもこの検査の位置づけは高まっており、ASRMの2026年の見解は、流産した組織の染色体検査を最初に行う検査の1つとし、従来の染色体検査よりもマイクロアレイやNGSなどの方法を推奨しています[4]。胎児の染色体に異常が見つかれば、その流産は偶然の要因で説明がつき、それ以上の検査や治療が必要ない場合もあります。逆に染色体が正常であれば、母体側の要因をより詳しく調べる理由になります。
夫婦の染色体検査
夫婦の染色体検査は、夫婦それぞれの血液から染色体を調べ、均衡型転座などの構造異常がないかを確認する検査です。提言2025は、検査の前に個々のリスクを評価して検査が必要かを判断し、夫婦双方に十分な遺伝カウンセリングを行うよう求めています[1]。構造異常が見つかった場合、本人の健康には影響しないことがほとんどですが、次の妊娠の見通しや、血縁者への影響を含めた説明が必要になるためです。
海外では扱いが分かれており、ASRMの2026年の見解は、流産した組織で不均衡型の転座が見つかった場合や、流産した組織の検査ができなかった場合に夫婦の染色体検査を行う、という条件付きの位置づけにしています[4]。ミネルバクリニックでは、不育症の原因検索として夫婦の染色体検査(Gバンド法)を行っており、費用や結果が出るまでの期間は検査ページに記載しています。
まだ研究段階の検査
一次検査のほかに、プロテインS、第XII因子、抗PE抗体などの「選択的検査」がありますが、流産との因果関係や治療の効果が十分に確かめられていないものが含まれます。提言2025はこれらを選択的検査として区別しています[1]。NK細胞(ナチュラルキラー細胞)の検査や子宮内膜の検査など、医療機関によって行われている検査もありますが、ASRMの2026年の見解は、生まれつきの血栓性素因、子宮内膜の受容能、細菌叢(マイクロバイオーム)の検査を推奨していません[4]。
検査の項目を増やせば原因が見つかるとは限らず、結果の解釈が難しい検査もあるため、何を目的に調べるのかを主治医と確認してから受けるとよいでしょう。
費用・保険・助成金
有効性や安全性が確立した不育症の検査・治療は保険の対象で、先進医療として行う検査には国の助成事業があります。こども家庭庁の案内では、抗リン脂質抗体を調べる血液検査、ヘパリンの自己注射、流産手術後の胎児の染色体検査(2022年4月から)が保険適用の例として挙げられています[8]。
先進医療については、保険適用を見据えて先進医療として実施される検査の費用の一部を国が助成しており、申請はお住まいの都道府県・指定都市・中核市が窓口です[9]。自治体独自の助成もあり、たとえば東京都の不育症検査助成事業では、検査開始時に妻が43歳未満で、流産・死産が2回以上ある(または医師に不育症と診断された)夫婦を対象に、1回限り上限5万円を助成しています。2022年12月1日以降に行った先進医療の検査は、費用の7割(上限6万円)が対象で、申請は検査終了日から6か月以内です[10]。助成の内容は自治体と年度によって変わるため、検査を始める前にお住まいの自治体のホームページで確認してください。
5. 不育症の治療
不育症の治療は、見つかったリスク因子に合わせて行います。抗リン脂質抗体症候群に対する低用量アスピリンとヘパリンの併用のように確立した治療がある一方、根拠が限られた治療もあります。リスク因子が見つからない場合は、薬を使わずに次の妊娠を迎えることが多くなります。
抗リン脂質抗体症候群:低用量アスピリン+ヘパリン
抗リン脂質抗体症候群と診断された場合は、低用量アスピリンとヘパリンを併用して妊娠中の血栓を防ぐ治療が行われます。提言2025は低用量アスピリンとヘパリンによる治療を示しており[1]、アスピリンやヘパリンの効果はCochraneのシステマティックレビューでも検討されています[11]。ヘパリンは毎日の皮下注射が必要ですが、自己注射が保険で認められているため、自宅で続けることができます[8]。
注意したいのは、この治療が効果を示すのは抗リン脂質抗体症候群と診断された人に対してだという点です。ASRMの2026年の見解は、抗リン脂質抗体症候群の診断がないのに経験的にアスピリンや抗凝固薬を使うことは効果がないとしています[4]。薬の量や開始時期、いつまで続けるかは、診断の内容と妊娠の経過によって主治医が決めます。
子宮形態異常:手術するかは慎重に判断
中隔子宮に対しては、子宮鏡で中隔を切除する手術が行われることがありますが、流産を減らす効果についての根拠は限られています。ESHREの2022年のガイドラインは、子宮鏡による中隔切除で流産率が下がらなかったとする小規模なランダム化比較試験が1つあることを紹介しています[3]。
中隔子宮が流産と関連していること自体は報告されているため[1]、手術をするかどうかは、中隔の大きさ、これまでの流産の経過、ほかのリスク因子の有無などを踏まえて判断されます。
甲状腺・血糖の管理
甲状腺機能の異常や糖尿病がある場合は、妊娠前からホルモン値や血糖を適切な範囲に整えておくことが基本です。ASRMの2026年の見解は、甲状腺の病気の管理を標準的な対応に含めています[4]。
一方で、甲状腺の働きは正常で甲状腺の抗体だけが陽性の人に甲状腺ホルモン薬(レボチロキシン)を使うことについては、ESHREの2022年のガイドラインが行わないよう強く推奨しています[3]。検査値の一部だけを見て薬を使うのではなく、病気として治療が必要な状態かどうかを見極めることになります。
夫婦の染色体構造異常:自然妊娠での出産率とPGT-SR
夫婦のどちらかに均衡型転座があっても、自然妊娠で最終的に出産できる人は少なくありません。着床前検査(PGT-SR)は流産を減らしますが、最終的な出産率を上げるとは示されていません。日本の研究では、転座を持つ34歳以下の不育症の夫婦で、PGT-SRを受けた群と自然妊娠を試みた群を比べたところ、最終的に出産できた割合はPGT-SR群67.6%、自然妊娠群65.4%で差がありませんでした。流産の回数はPGT-SR群のほうが少なく、出産までの期間はどちらも約12か月でした[12]。提言2025も、PGT-SRにより流産率は低下するものの、最終的な生児獲得率が改善するわけではないとしています[1]。
💡 用語解説:PGT-SR(着床前胚染色体構造異常検査)
体外受精で得た受精卵(胚)の細胞の一部を調べ、染色体の過不足がない胚を選んで子宮に戻す検査です。均衡型転座などの構造異常を持つ夫婦が対象になります。体外受精が前提になるため、費用や身体の負担、胚が得られない可能性も含めて検討する必要があります。詳しくはPGT-SR(着床前胚染色体構造異常検査)で解説しています。
PGT-SRを選ぶか自然妊娠を試みるかは、どちらが正解というものではありません。流産の負担を減らしたいのか、体外受精の負担や費用を避けたいのかといった点を、夫婦で整理して選ぶことになります。
原因不明の場合:追加の治療より、経過を見守ることと心の支え
リスク因子が見つからない場合は、原則として薬を使わずに次の妊娠を迎え、妊娠初期から経過を丁寧に確認していくのが基本です。ASRMの2026年の見解は、原因不明の不育症でも、特別な治療をせずに次の妊娠で50〜80%が出産に至るとしています[4]。
ただし、例外的に検討される治療もあります。ESHREの2022年のガイドラインは、流産が3回以上あり、次の妊娠で出血がある場合には、膣から使うプロゲステロン(黄体ホルモン)で出産率が上がる可能性があるとしています[3]。治療の選択とあわせて、精神的な支えも重視されています。ESHREは、流産による心の負担に配慮し、必要な支えは男女で異なる場合があること、不育症には有効な治療がない場合もあることを率直に伝えるよう求めています[3]。
根拠が十分でない治療
免疫を調整する治療の多くは、流産を減らす効果が確かめられていません。ASRMの2026年の見解は、免疫グロブリン療法、イントラリピッド(脂肪乳剤)、プレドニゾン(ステロイド)、血栓性素因に対する治療、免疫を調整する治療について、効果がないとしています[4]。夫のリンパ球を注射する夫リンパ球免疫療法も、免疫を調整する治療の1つです。
⚠️ 評価が分かれる治療もあります
免疫グロブリン療法については、提言2025が有効である可能性を示唆し[1]、ESHREも原因不明で4回以上流産している場合に出産率を上げる可能性があるとしています[3]。一方でASRMは効果がないとしており[4]、指針によって評価が一致していません。効果が確立していない治療を受けるかどうかは、期待できる効果と費用・副作用を主治医と確認したうえで判断してください。
6. 不育症でも出産できる?次の妊娠で知っておきたいこと
不育症と診断されても、次の妊娠で出産に至る人は多くいます。ただし、その見通しは年齢と流産の回数によって大きく変わります。ここでは、集団のデータからわかっていることと、次の妊娠に向けて確認しておきたいことを整理します。
出産できる割合
原因不明の不育症では、特別な治療をしなくても次の妊娠で50〜80%が出産するとされています。ASRMの2026年の見解はこの数字を示しています[4]。夫婦の染色体構造異常がある場合も、先の日本の研究(34歳以下の夫婦が対象)では最終的に6割以上が出産していました[12]。
一方で、流産の回数が増えるほど次の妊娠で出産できる割合は下がります。提言2025によると、厚生労働省研究班のデータで、流産が6回以上ある人の出産の割合は28.9%(45人中13人)でした[1]。ESHREは、見通しを考える際には女性の年齢と、流産の回数、出産の経験、それらの順番を含めたこれまでの妊娠の経過全体をもとにするよう推奨しています[3]。ここで示した数字は集団の割合であり、一人ひとりの確率をそのまま表すものではない点に注意してください。
次の妊娠はいつから・妊娠初期の過ごし方
次の妊娠をいつから目指すかは、流産の経過、手術の有無、体の回復、検査の予定によって変わるため、主治医と相談して決めます。検査を受ける予定がある場合は、結果が出てから妊娠を目指すほうが、結果に応じた準備を整えやすくなります。流産後の生理の戻り方や、次の妊娠までの期間については流産後の妊娠で解説しています。
妊娠がわかったら、早めに受診して経過を確認することが基本です。抗リン脂質抗体症候群などで治療を行う場合は、妊娠が判明した時点から治療を始めることがあるため、妊娠検査薬で陽性が出たら速やかに連絡するよう指示されることもあります。安静にしても偶然の染色体異常による流産は防げないため、日常生活を必要以上に制限する必要はありません。
何週で安心できる?
「何週を過ぎれば安心」という一律の週数を示すことはできません。一般に、胎児の心拍が確認できたあとは流産の可能性が下がり、妊娠初期を過ぎるとさらに下がっていきます。ただ、前回流産した週数を過ぎるまでは不安が続くという方は多く、不安の感じ方には個人差があります。
不安が強い場合は、健診の間隔や超音波検査のタイミングを主治医と相談し、経過を確認しながら妊娠期間を過ごす方法があります。
心のケアと相談窓口
流産や死産は、体だけでなく心にも大きな負担を残します。不育症では流産をくり返すことで、次の妊娠への不安や、夫婦間の受け止め方の違いが生じることがあります。こども家庭庁は、不育症を含む妊娠・出産の悩みについて、各地の「性と健康の相談センター」を相談先として案内しています[9]。
気持ちの落ち込みが長く続く、眠れない、日常生活に支障が出るといった場合は、主治医に伝えて心療内科や精神科などの専門家の支援を受けることも選択肢です。
🩺 院長コラム【数字は「あなたの確率」ではない】
「原因不明でも50〜80%が出産する」という数字は、多くの夫婦の経過をまとめた集団の割合です。年齢や流産の回数、出産の経験によって、見通しは一人ひとり違います。数字だけを見て安心したり、逆に落ち込んだりするのではなく、ご自身の経過に当てはめて考えることが大切だと考えています。
染色体の検査結果は、その当てはめを具体的にしてくれる情報です。流産した組織の染色体、夫婦の染色体の結果を踏まえて見通しを整理することが、次の選択を落ち着いて考えるための土台になると考えています。
7. 遺伝の専門医に相談できること
不育症の検査のうち、染色体に関わる検査は、結果の意味を正しく理解するために遺伝の専門的な説明が欠かせない領域です。提言2025も、夫婦の染色体検査の前に個々のリスクを評価し、夫婦双方に十分な遺伝カウンセリングを行うことを求めています[1]。
ミネルバクリニックでは、臨床遺伝専門医が、不育症の原因検索としての夫婦の染色体検査(Gバンド法)と、その前後の遺伝カウンセリングを行っています。検査の前には、検査でわかることとわからないこと、結果が出た場合に考えられる選択肢を説明します。均衡型転座などが見つかった場合には、次の妊娠で流産が起こる可能性、自然妊娠とPGT-SRのそれぞれの利点と負担、血縁者に伝えるかどうかといった点を、結果に基づいて整理します。
なお、当院では、抗リン脂質抗体や子宮形態などの不育症の一次検査の多く、アスピリン・ヘパリン療法などの不育症の治療、流産手術は行っていません。これらは不育症を診療している産婦人科で受けていただくことになります。染色体の検査と、その結果に基づく遺伝の評価を担うのが当院の役割です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 流産を2回したら不育症ですか?
はい。日本の指針では、流産と死産を合わせて2回以上あれば不育症とします。連続していなくてもよく、出産した経験があっても当てはまります。2回目の流産を経験した段階で、原因を調べるかどうかを主治医と話し合うのが一般的です。
Q2. 化学流産を繰り返すと不育症になりますか?
日本では化学流産(生化学的妊娠)を流産の回数に数えませんが、3回以上くり返す場合は、不育症に準じて原因を調べることが推奨されています。海外のESHREやASRMは、化学流産も回数に含めています。
Q3. 不育症の4大原因は何ですか?
一般に、抗リン脂質抗体症候群、子宮形態異常、甲状腺などの内分泌の異常、夫婦の染色体構造異常がよく挙げられます。ただし、系統的に調べても約65%はリスク因子が見つからず、その中で最も多いのは赤ちゃん側の偶然の染色体の数の異常です。
Q4. 不育症の検査は保険適用ですか?費用はどのくらいですか?
有効性が確立した検査の多くは保険適用です。2022年4月からは、2回目以上の自然流産で流産手術を受けた人の流産組織の染色体検査も保険の対象になりました。先進医療として行う検査には国の助成事業があり、東京都のように自治体が独自に助成している場合もあります。費用は検査の組み合わせや医療機関によって異なります。
Q5. 不育症でも出産できますか?
出産できる人は多くいます。原因不明の不育症では、特別な治療をしなくても次の妊娠で50〜80%が出産するとされています。ただし、年齢が高いほど、また流産の回数が多いほど、出産の割合は下がります。数字は集団の割合で、一人ひとりの確率そのものではありません。
Q6. 不育症の場合、妊娠何週で安心できますか?
一律の週数を示すことはできません。一般に胎児の心拍が確認できたあとは流産の可能性が下がり、妊娠初期を過ぎるとさらに下がっていきますが、年齢やこれまでの経過によって異なります。健診や超音波検査の間隔を主治医と相談し、経過を確認しながら過ごす方法があります。
Q7. ストレスで不育症になりますか?
ストレスが流産の直接の原因であるという根拠はありません。流産の多くは、赤ちゃん側の偶然の染色体異常など、受精の時点で決まっている要因によって起こります。一方、喫煙・飲酒・体重などの生活習慣は、夫婦ともに見直すことが推奨されています。
まとめ
不育症は、流産や死産が2回以上ある状態で、連続していなくても、出産の経験があっても含まれます[1]。化学流産は日本では回数に数えませんが、3回以上くり返す場合は原因を調べる対象です。リスク因子には抗リン脂質抗体症候群、子宮形態異常、甲状腺機能異常、夫婦の染色体構造異常などがありますが、約65%では見つからず、その多くは赤ちゃん側の偶然の染色体の数の異常で説明されます[7]。
検査は5つの一次検査が基本で、流産した組織の染色体検査は2022年4月から保険で受けられます。治療はリスク因子に応じて行い、原因不明の場合も次の妊娠で出産に至る人は少なくありません[4]。夫婦の染色体の結果は、次の妊娠の見通しや選択肢を考えるうえでの大切な情報です。結果に基づいて見通しを整理し、正確な診断をもとに次の選択を考えてください。
🧬 夫婦の染色体検査・遺伝カウンセリングをお考えの方へ
ミネルバクリニックでは、臨床遺伝専門医が、不育症の原因検索としての夫婦の染色体検査(Gバンド法)と、結果に基づく遺伝カウンセリングを行っています。
なお、当院では抗リン脂質抗体・子宮形態などの不育症の検査の多く、アスピリン・ヘパリン療法などの不育症の治療、流産手術は行っていません。これらは不育症を診療している産婦人科でご相談ください。
参考文献
- [1] 「不育症管理に関する提言」改訂委員会. 不育症管理に関する提言2025(令和7年5月13日改訂). こども家庭庁. [こども家庭庁]
- [2] ESHRE guideline: recurrent pregnancy loss. Hum Reprod Open. 2018. [PubMed 31486805]
- [3] ESHRE guideline: recurrent pregnancy loss: an update in 2022. Hum Reprod Open. 2023;2023(1):hoad002. [PubMed 36873081]
- [4] Recurrent pregnancy loss: a committee opinion (2026). Practice Committee of the American Society for Reproductive Medicine. Fertil Steril. 2026;125:1023-1041. [ASRM]
- [5] Role of maternal age and pregnancy history in risk of miscarriage: prospective register based study. BMJ. 2019;364:l869. [PubMed 30894356]
- [6] Risk factors and outcomes of recurrent pregnancy loss in Japan. J Obstet Gynaecol Res. 2019;45:1997-2006. [PubMed 31397532]
- [7] Abnormal embryonic karyotype is the most frequent cause of recurrent miscarriage. Hum Reprod. 2012;27(8):2297-2303. [Hum Reprod]
- [8] 不妊症・不育症へ向き合いやすく 保険診療の基礎知識. みんなで知ろう、不妊症不育症のこと. こども家庭庁. [こども家庭庁]
- [9] 不育症に関する取組み. こども家庭庁. [こども家庭庁]
- [10] 不育症検査助成事業の概要. 東京都福祉局. [東京都福祉局]
- [11] Aspirin or heparin or both for improving pregnancy outcomes in women with persistent antiphospholipid antibodies and recurrent pregnancy loss. Cochrane Database Syst Rev. 2020. CD012852.pub2. [Cochrane Library]
- [12] Preimplantation genetic diagnosis and natural conception: a comparison of live birth rates in patients with recurrent pregnancy loss associated with translocation. PLoS One. 2015;10:e0129958. [PubMed 26083495]





