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既に基礎体温を記録されている方はご存じかと思いますが、基礎体温を継続的に測定するには毎朝の取り組みの一環としてクセをつけなければ記録し忘れてしまうこともあるかと思います。
基礎体温の計測は妊娠することを目的に行うだけでなく、卵巣や子宮などの健康状態を知るためにも非常に有効です。
どうせ計測するなら少しでもラクで楽しく継続して基礎体温を記録したいですよね?この記事ではミネルバからおすすめの基礎体温計・基礎体温表をご紹介し、多くの女性に基礎体温を計測するきっかけを提供できればと思っていますので、ぜひ最後までご覧になってください。
基礎体温の基礎知識
基礎体温とは”体の動きが最も安静している状態での体温”のことを表しています。ヒトをはじめとした生物は、生命活動を維持するためのエネルギーの産生と消費の中で自然と熱を発しており、これによって体温が上下しています。
エネルギーの産生・消費のメカニズム以外にも、体内で分泌されるホルモンの作用によっても体温は変化しており、基礎体温の計測はこのホルモンの作用による体温の変化を把握することを目的にしているといえます。
基礎体温の測り方・基礎体温計の使い方
次に、基礎体温の測り方(基礎体温計の使い方)を確認しましょう。
”体の動きが最も安静している状態”とは”寝ている状態”と言い換えることができます。睡眠状態では体内の各器官は休息をとっており、必要となるエネルギーも最小限に抑えられるためです。
寝ている状態で体温を測ることは不可能であるため、実際には眠りから覚めた後に体を動かさずに体温を図ることで基礎体温は計測できます。
基礎体温を継続的に測るうえで抑えておくべきポイントは以下の通りです。
- ・できるかぎり毎日同じ時間に測る
- ・十分な睡眠をとった後(最低でも4時間以上)に測る
- ・目を覚ましてから体温を測るまでの間、極力体を動かさない(寝たままの状態で測る)
- ・寝たままの状態で測れるように基礎体温計を枕元にセッティングしてから就寝する
- ・基礎体温計を口内の舌の裏で固定して測る
- ・計測中は口を閉じ、鼻で呼吸するようにする
体が余計な熱を発さないために、計測まで・計測中の体の動きを制限することが必要であり、このための事前の基礎体温計のセッティングも大切になります。
また、基礎体温に変化が生じるといっても1℃以内の僅かな変化であるため、基礎体温計は小数第2位まで計測できるようになっています。基礎体温計はそれほどの精度を持っているため、外気などの影響を受けないように口内で測ることも大切なポイントとなっています。
基礎体温・基礎体温表から何が分かる?
簡潔にいうと、基礎体温の継続的な計測から”排卵日を推定する”ことができます。
女性の排卵・月経の周期は①卵胞期、②排卵、③黄体期、④月経期とに区分することができます。
- ①卵胞期は排卵に向けて卵胞・卵子を成熟させる期間であり、これらを成長させるために卵胞刺激ホルモン・卵胞ホルモンが活発に分泌されています。
- ②排卵では卵胞期において最も成長した卵胞から卵子が排出されます。
- ③黄体期では、卵子が精子と受精し、受精卵となって妊娠した状態を想定して妊娠のための身体づくりが行われていきます。卵胞期・排卵の中で卵子を排出しなかった卵胞は黄体という物質に変化し、黄体形成ホルモン・黄体ホルモンの分泌が活発になっていきます。黄体ホルモンには体温を高く保つ作用があり、これが基礎体温が高くなる仕組みとなっています。
- ④月経期は、卵子が受精することがなかった場合に黄体ホルモンの分泌が緩やかになっていき(卵胞ホルモンの方が優位になっていき)、再び卵胞期に移行していく時期となります。黄体ホルモンの落ち着きとともに、厚くなっていた子宮内膜の一部が剥がれ落ち月経が生じています。
このように、女性ホルモン(卵胞ホルモン・黄体ホルモン)のバランスの変化をきっかけにして、排卵や月経が行われ、基礎体温も変化します。つまりは、排卵・月経の周期と体温変化が密接に関係していることを意味しているのです。
このような理由から、排卵日を推定するひとつの方法として基礎体温の長期的な計測が採り入れられているのです。
基礎体温の測定を”ラク”にする基礎体温計・基礎体温表
ここでは、基礎体温を楽しく・ラクに計測し続ける工夫がされている基礎体温計・基礎体温表をご紹介したいと思います。自動で基礎体温の変化のグラフを行ってくれるようなデジタルなものもある一方で、アナログなものは機能が単純である分使い方に困ることがありません。また、地道にグラフを作っていく過程や1ヵ月かけて完成させたグラフを見ることもまた、妊娠に向けた励みになるかと思います。
基礎体温計
先に触れたとおり、基礎体温計には体温計と同様に体温を測る機能のみが備わっている”単機能タイプ”と、継続的な計測記録を保存するとともに自動的にグラフを作成したり、同じ時間に計測できるようにアラーム機能が備わっていたりするなどの”高機能タイプ”とがあります。
また、基礎体温の計測方法として、5分ほどの時間をかけて正確に体温を計測する”実測式タイプ”と、計測開始から数十秒の間における体温の上昇具合から基礎体温を予測する”予測式タイプ”もあります。また、予測式として基礎体温を推定した後に、そのまま体温を測ることで実測式として基礎体温を割り出すものもあります。起床後の朝の時間の余裕具合に応じてどの計測方法が適しているのかを選択してもらえればと思います。
以下ではミネルバがおすすめする基礎体温計をいくつかご紹介したいと思います。
オムロン婦人用電子体温計
1つ目におすすめする基礎体温計は、オムロンから発売されている婦人用電子体温計になります。
こちらの基礎体温計は予測式タイプとなっており、計測時間はわずか10秒ですので、朝の支度の都合上、スピーディーに計測を済ませたい方に非常におすすめとなっています。また、スマホアプリとの連動も可能となっているため、基礎体温の記録・体調管理も手軽に行えます。40日分のメモリ機能も搭載されているため、基礎体温だけ測っておき、時間に余裕のあるときに基礎体温表などに書き写すことも可能です。
購入を検討される方はこちらから商品をチェック(※)→【婦人用電子体温計ホワイト(オムロン公式オンラインストア)】
※商品の在庫切れの可能性もあるため、Amazonなどの通販サイトもご確認なさってみてください。
テルモ電子体温計WOMAN℃(ウーマンドシー)
2つ目におすすめする基礎体温計は、テルモから発売されている電子体温計になります。
こちらの基礎体温計は予測式と実測式の2つの計測タイプが搭載されており、朝、時間の余裕がないときには予測式を用いてささっと約20秒、余裕のあるときには実測式を用いてじっくりと約5分で基礎体温を計測することができるようになっています。
また、アラーム機能が搭載されているため、毎日できるかぎり同じ時間で計測することが望ましい基礎体温の記録の不安を軽減することができます。
購入を検討される方はこちらから商品をチェック→【女性体温計(テルモ公式)】
基礎体温表
基礎体温計にグラフ作成機能が付いているものもありますが、基礎体温表を用いてご自身の手でグラフを作成することも可能です。
基礎体温表は縦軸を基礎体温、横軸を日付として目盛りが振られており、1日1日の体温を点として記載しておき、それらを線で結ぶことでグラフができあがっていきます。これらすべてを1から作っていくこともできないわけではありませんが、現在では基礎体温表のpdfデータを配布しているサイトも多くあり、ダウンロード・コピーして利用することができます。ですので、ここではミネルバクリニックがおすすめする、基礎体温表をダウンロードできるサイトを紹介したいと思います。
ロリエ(花王)が提供している基礎体温表
1つ目にご紹介するのは、花王のロリエから提供されている基礎体温表です。基礎体温表として必要となる最低限の記入事項はすべて抑えられており(※)、継続的に基礎体温を計測するうえで使い勝手の悪さはありません。
また、ロリエから提供されている基礎体温表は(現在は)2021年バージョンとして2か月ごと(3・4月、5・6月など)にデザインの異なる基礎体温表をダウンロードすることができます。
それぞれの月のイメージに合わせたデザインとなっており、毎日の記録を楽しくしてくれるかと思います。
また、月なしのバージョンや、1色・2色ほどのシンプルなデザインの基礎体温表も提供されており、ご自身の好みの基礎体温表を見つけやすいのもおすすめしたいポイントです。ぜひお試しください。
ダウンロードの際はこちらから→【基礎体温表(花王ロリエ)】
※基礎体温表に①日付(横軸)、②基礎体温(縦軸)、③月経周期、④身体の状態(月経や排卵痛、不正出血など)、⑤備考の記入事項がどの基礎体温表にも用意されています。
テルモが提供している基礎体温表
2つ目にご紹介するのは、テルモから提供されている基礎体温表です。1つ目にご紹介した花王ロリエの基礎体温表と比較すると、デザインはシンプルでベーシックなものとなっていますが、記入事項として体重・経血量も用意されており、より総合的に身体状態を把握することができます。
また、ちょっとした部分ですが、基礎体温表は1ヵ月から2か月ほどをまとめて記録できるようになっているため、横軸が長くなりがちで記録期間の中頃では、どの位置に点を打てば良いかが分からなくなる(基礎体温表の横端部に書かれている体温から該当の日付まで引っ張らなければならない)こともあるかと思います。
テルモの基礎体温表では記録期間の中頃部分にも縦軸に基礎体温が記載されているため、上記のようなちょっとした負担を軽減できます。また、横軸は0.1℃ごとにオレンジ色と白色で交互になるようにデザインされており、その中で更に0.05℃の点が用意されているので、非常に記録しやすいようになっています。
ダウンロードの際はこちらから→【基礎体温表(テルモ)】
まとめ
基礎体温の基本的な知識、基礎体温の測り方、おすすめの基礎体温計・基礎体温表に関してご説明してきましたが、いかがだったでしょうか?
現在では機能やアプリ連動など、さまざまな方法を駆使して基礎体温をラクに計測することができるようになっています。種類がバリエーション豊かになったことで、基礎体温計測の入門用として利用できるベーシックなタイプや、妊活などを理由に本格的に計測をしたい方向けのタイプなど、多くの選択肢がありますのでぜひご自身が使いやすく感じる基礎体温計をご選択してもらえればと思います。
また、自動的に基礎体温を記録し続ける基礎体温計も登場していますが、ベーシックな機能の基礎体温計の場合には基礎体温表も必要となるため、このコラムにて紹介した基礎体温表をはじめご自身が使い続けたいと思うものを手に取っていただければと思います。
東京の「ミネルバクリニック」は臨床遺伝専門医が在籍するNIPT実施施設であり、たくさんの妊婦さんの悩みや不安と真摯に向き合い、笑顔になれる出産に導いてきました。妊娠初期からの出生前診断を受ける医療機関にお悩みの方は、知識・経験・実績とも「第三者から認証されている」臨床遺伝専門医が診療している「ミネルバクリニック」まで是非、ご相談ください。