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基礎体温と体温の違いや測る意味などを現役医師が解説

基礎体温とは何か

基礎体温とは、生命を維持するのに必要な最小限のエネルギーしか消費していない安静状態にあるときの体温のことです。つまり寝ている間の体温となります。正常な排卵が行われている健康な女性では、
基礎体温は低温期と高温期の二相になり、それが一定のサイクルで繰り返されていきます。

女性ホルモンの分泌に連動して、女性の基礎体温の値も変化します。そのため通常の生理周期の排卵の前後、さらに妊娠で大きく変動する女性ホルモンの関係で変わるため知っておく必要があるのです。

基礎体温で何がわかる

不正出血や月経不順などで婦人科で診察を受けた方は「基礎体温を測ってみましょう」と医師から言われた経験があるかもしれません。毎朝計測しないといけないので大変だとは思いますけど、測っていると自分の月経や排卵、いつ妊娠しやすいのか、妊娠しにくい時期はいつなのかがわかってきます。

なぜなら基礎体温は排卵後の卵巣から出る黄体ホルモンの体温上昇作用を利用しているからです。基礎体温は通常低温期と高温期の二つに分かれます。低温期は、卵胞ホルモン(エストロゲン)、高温期は、黄体ホルモン(プロジゲステロン)が働きます。そして低温期と高温期の境目が排卵期です。つまり毎日測ることで排卵期がいつなのかわかってきます。

基礎体温が二相ではない場合

基礎体温を付け始めた女性の中には「きれいな二相にならない」と悩む方も少なくありません。基礎体温は体調や計測方法によって微妙に変化します。そのため健康な女性でもきれい分かれることはありませんで期にしないでください。

測っていると細かくガタガタしているのが普通です。月経周期が28日前後で、排卵期を境に大まかに低温期と高温期の二相に分かれていれば女性ホルモンに問題はありません。

もし明らかに高温期が低め・短めである場合は、卵巣に何か問題があるかもしれませんので妊娠を望んでいなくても婦人科で医師の診察を受けるようにしましょう。

基礎体温と普通の体温の違いは

通常の体温は文字どおり、体の温度のことです。中心部に近づけば近づくほど体温は安定しています。ただし通常の体温は、食事や運動などの動作によって変動しやすく安定していません。測る場所によっても温度は変わっていきます。一方、基礎体温は、起きてすぐに動かずに測定するためそうした影響が少ない状態で測ります。この点が普通の体温と基礎体温の大きな違いです。

通常の体温は部位ごとに検温に必要な時間や方法は異なり、得られる温度も異なります。得られる温度も部位ごとに変わるのでそれぞれの平熱を知っておく必要があります。基礎体温は測定方法が一つしかありませんので部位ごとの熱を覚えなくてもいいのが通常の体温ともう一つ違う点です。

基礎体温と妊活

基礎体温と妊活は切っても切り離せない関係です。なぜなら、先述したように基礎体温の計測を続けることで排卵日の予測ができるようになるからです。自分の体が妊娠しやすい時期なのがわかれば子どもができやすくなるので、妊活を始めたら最初は基礎体温を測るところからスタートします。

また、体外受精受精卵を体内に戻した後にも基礎体温が大きく関わってきます。受精卵は胚になると女性の体は黄体ホルモンを補充して着床環境を整えます。そうなると基礎体温は上昇するので妊娠できたかどうかの目安にもなるからです。もちろん通常の妊娠でも、着床する前後は基礎体温が上がるので産婦人科に検査へ行く前に自己判定するための参考材料になります。

基礎体温と妊娠検査薬はどちらが正しいのか

妊娠しているのかどうかを判断する材料として妊娠検査薬があります。着床すると基礎体温が上がるので判断できますけど妊娠検査薬でも陽性が出たら妊娠していると判断できます。

実際に妊婦さんも「どちらを信じたらいいの?」と思って相談しているケースがあちこちでみられます。実際のところどちらはどうなのでしょう。

確実なのは両方の結果を見て判断することです。妊娠すると生理が来なくなり、基礎体温は高温期が続きます。毎日測定しいて高温が続くようならば妊娠検査薬で判定してみるのがいいでしょう。

その際に注意してほしいのが妊娠検査薬を使う時期です。妊娠検査薬の反応が出るのは、妊娠4週頃ですので「生理がこないな」と思ったおよそ1週間後くらいにあたります。そのため「生理来ないから妊娠したかも」と思っても1週間ほど待ってから使用してください。

基礎体温の測り方

基礎体温がどんなものなのかわかったら次は自分でも測ってみましょう。まず用意してほしいのが基礎体温計(婦人体温計)と基礎体温表です。

昔は産婦人科から表をもらって自分で記載しないといけませんでした。ところが最近では、スマートフォンのアプリと連動している基礎体温計もあります。測り終わったら自動的にアプリに体温を記録してくれる機能があるものを選ぶと便利です。

基礎体温は眠っているときの体温ですので起きてすぐに測ります。寝転んだまま基礎体温計の先を、舌の裏の中央にあるすじの左か右のくぼみに当てて測り終えるまでじっとしておきましょう。 また正確に測るために、機器によって異なる所定の時間を守ってください。

まとめ

ここまで基礎体温について詳しく解説をしてきました。普通の体温との違いや基礎体温を測るとわかることなどが明らかになったと思います。妊活生活やご自分の体調管理などに上手に活用してください。
もしご不明な点があれば、産婦人科の医師に相談するのがいいでしょう。下のリンク先に張ってある基礎体温についてのコラムも、お役に立てるかもしれませんのでご覧いただけると幸いです。

東京の「ミネルバクリニック」は臨床遺伝専門医が在籍するNIPT実施施設であり、たくさんの妊婦さんの悩みや不安と真摯に向き合い、笑顔になれる出産に導いてきました。ミネルバクリニックでは、妊娠9週から受けられる赤ちゃんの健康診断である「NIPT」を業界最新の技術と業界随一の対象疾患の広さで行っております。遺伝のエキスパートである臨床遺伝専門医が出生前診断を提供しておりますので、是非、お気軽にご相談ください。妊娠初期からの出生前診断を受ける医療機関にお悩みの方は、知識・経験・実績とも「第三者から認証されている」臨床遺伝専門医が診療している「ミネルバクリニック」まで是非、ご相談ください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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