InstagramInstagram

破水しやすい人には特徴がある?前期破水を起こさないために気をつけたい行動を解説

皆さんは、破水が起こりやすい人の特徴や行動をご存知ですか?

破水は、妊娠期間中いつ起こるかわからず、お腹の中の赤ちゃんが十分に成長していれば問題が起こりづらいですが、妊娠週数が浅い時期に破水が起こってしまうと赤ちゃんの成長などに影響が出てしまいます。

破水を早い時期に必ず起こさないための予防方法は残念ながらありませんが、破水が起こりやすい人の特徴や行動を把握することで、破水が起きるリスクを少しでも回避が可能です。

この記事では、破水が起こりやすい人の特徴や行動、破水してしまった時に慌てないためのポイントなど、破水について詳しく解説していきます。

陣痛前に起こる破水とは

コピー スペースとカラフルな背景で妊娠中の腹のクローズ アップ。 開いたジーンズの将来の母親は、彼女の裸の赤ちゃんの隆起を抱きしめています. 母性の概念

破水は、お腹の中の赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れ、羊水が外に流れることを言い、破水するタイミングによって、3種類に分けられます。

通常破水は、お腹の中の赤ちゃんが十分に成長し母子ともに出産への準備が整うと、陣痛が始まり子宮口が全開になった後に起こります。

陣痛から子宮口が全開になり破水が起こる、通常の破水を「適時破水」といい、陣痛はきているものの子宮口がまだ全開ではないうちの破水を「早期破水」、陣痛がくる前におこる破水が「前期破水」です。

適時破水はその名の通り、出産に適した時に起こる破水なので、破水による出産や胎児への影響も見られません。早期破水も破水前に子宮口が全開でなかったとしても、破水後24時間前後で子宮口が全開となることが多いため問題はありません。

しかし、前期破水は妊娠週数がまだ浅い段階でも起こるため、お母さんも赤ちゃんも出産への準備が整う前であり、早産や胎児の障害のリスクなども懸念されます。

また、前期破水かつ破水した位置が子宮口付近ではない高位破水の場合、破水した時に流れ出る羊水の量が少ないため、破水に気づかず放置してしまう可能性があります。

特に、高位破水した時に出る羊水の量と、妊娠後期から妊婦のマイナートラブルとして悩む方も多い尿もれが似ているため、勘違いをしてしまう方も少なくありません。

破水は、胎児を細菌などから守っている卵膜が破れる症状です。そのためお腹の中の赤ちゃんが外の世界と繋がり、感染症などに胎児が感染するリスクが高まります。

前期破水を起こす原因は大きく分けて2つあります。1つ目はお腹に力が入り、子宮圧が上がってしまうこと、2つめは感染症などによる卵膜の炎症が挙げられます。

前期破水しやすい5つの特徴

ダンベルでワークアウトする妊婦、パノラマ

前期破水は、万が一、妊娠週数が浅く赤ちゃんの成長が十分ではない場合に起きてしまうと、早産や投薬などの治療で医師の管理が必要になるため長期間入院するリスクが出てきます。

前期破水は、必ずしも予防できるわけではありませんが、どのような人や行動が前期破水の可能性を高めるのでしょう。

事前に把握しておくことで、ご自身で気をつけられる部分があるのがわかります。実際に確認をしてみてください。

感染症を発症している

妊娠中は免疫力の低下や服薬する薬の影響などから、感染症に感染しやすくなります。

特に妊娠中に注意が必要なのは、「絨毛膜羊膜炎」です。

絨毛膜羊膜炎は、はじめは膣の炎症から始まりますが、その炎症が頸管や卵膜、臍帯まで進行し、最終的には胎児にまで感染してしまうのです。

絨毛膜羊膜炎により卵膜が炎症を起こすと、卵膜が破れやすくなり破水を起こします。

この絨毛膜羊膜炎による破水は卵膜の炎症によるものなので、妊娠週数に関係なく起きてしまい、早産に繋がります。

また、胎児感染すると胎児の脳や腸など、全身に障害が残る可能性があります。

妊娠週数と赤ちゃんの成長などを確認し、胎児感染を起こしてしまう確率が高くなっている場合には、帝王切開を行い早めに赤ちゃんをお腹の外へ出すことも考えられます。

子宮奇形である

子宮奇形は先天性の病気で、子宮の形が通常とは違う形をしています。

子宮奇形の種類によっては、赤ちゃんが大きくなると子宮が耐えられずに破水してしまうことがあります。

全ての子宮奇形で起こるわけではなく、ご自身がどの形かによって前期破水のリスクが変わるため子宮奇形と診断されている方は、医師に前期破水のリスクを事前に確認しておくといいでしょう。

多胎妊娠や羊水過多

妊娠しているのが双子や三つ子である多胎妊娠や、羊水が通常よりも多いと診断されている場合は、前期破水のリスクが高まります。

お腹の中の赤ちゃんの人数が多かったり羊水過多であったりすると、その分、通常の妊娠よりも子宮が引き伸ばされ圧迫するので、破れやすい状態になります。

ひどいくしゃみや咳が続いている

くしゃみや咳はお腹に一気に力が入るので、妊娠中にひどいくしゃみや咳が続くと子宮に負荷がかかり破水を起こしやすくなります。

また重い荷物を持ち上げる行動もお腹に力が入るため、子宮にも圧力がかかります。

特にお腹が大きくなってくる妊娠中期から後期は、重い荷物をなるべく持たないように注意しましょう。

お腹に力が入る姿勢を取り続けた

前のめりの姿勢やお腹を下にするうつ伏せを長時間続けて行うのは、お腹に力が入り、負荷がかかるため、お腹が大きくなってからは避けたほうがいいでしょう。

妊娠中、体重や体型を気にして運動をしなければと思っている方も、お腹に力が入りすぎるような筋トレやお腹に負荷がかかる体制をキープするトレーニングは、前期破水を促してしまう場合があるので、無理をしない程度に行う必要があります。

破水した時に慌てないための3つのポイント

車の屋根のタクシー サイン

破水はいきなり訪れるため、準備をしておかないと慌ててしまう方も少なくありません。

特に、予定日よりも早い段階で破水してしまうと、これから何をすればいいのか混乱してしまうこともあります。

ここからは、破水した時に慌てないためにも、事前に準備しておきたいポイントを3つご紹介しましょう。

病院に着くまでは必ず安静に

破水をすると羊水が外に流れ出るため、お腹の中の羊水が減っていきます。

破水した位置が子宮口付近か、もしくは、違う場所かによっても羊水の出る量が異なりますが、破水すると羊水は出続けてしまいます。

そのため、破水したことを病院に連絡したらソファーで横になるなど、動く範囲を最小限にして安静にしてください。

羊水が一気に流れ出てもすぐにお腹の中ん赤ちゃんへの影響はありませんが、羊水は赤ちゃんを守るクッションの役割を果たしているため、羊水が極端に無くなってしまうと赤ちゃんが圧迫され酸素などが十分に行き渡らなくなります。

出産まで赤ちゃんをしっかりと羊水で包んであげられるように、入院セットなどの必要な荷物は事前に準備し玄関に置いておくなど、病院につくまでは安静な状態を保てるようにしましょう。

事前に移動手段を確認する

破水したら安静にしなければならないと前項で解説しましたが、安静かつ慌てないためにも病院に行く移動手段を必ず事前に決めておきましょう。

ご自身の動きを最小限にしなければならないため、徒歩や公共交通機関は避けて自家用車、もしくは、タクシーで移動をしてください。

自家用車の場合、自身で運転をするのは病院側も禁止していることがあり、おすすめできません。なぜなら破水後に陣痛や体調の異変などを起こす可能性があるからです。

パートナーに送迎を頼んでいる場合も、いつ破水が起きるか予測できないので、送迎してもらえないことも考慮して近くにあるタクシー会社の電話番号を確認しておくと安心です。

タクシーの中でも、会社によっては「陣痛タクシー」と呼ばれる妊婦さんに対応できるタクシーを運営しているところがあります。

これは、破水や陣痛が起きた際、専門的な講習を受けた運転手が送迎し、車内には破水しても問題が無いように防水シートやバスタオルが完備されているタクシーです。

また、通常のタクシーを呼ぶ回線とは異なり、24時間陣痛タクシー専用の回線で応対してくれるところもあるので、緊急時でも配車されやすい環境が整っています。

陣痛タクシーは、個人情報やかかりつけの病院などの住所など、事前に登録しなければなりませんが、妊婦健診の時などでも利用できるので近所にあるのか検索しておくといいでしょう。

パートナーに荷物や衣類の場所を共有しておく

出産までパートナーやご家族の方と一緒に生活をしている場合は、必ず入院に必要になる書類や衣類などの荷物の場所を共有しておきましょう。

破水に限らず、妊娠中はどんなタイミングでご自身の体に異変が起きるかわかりません。

万が一、救急車で運ばれたり緊急で病院に行き入院になったりした時に、必要な荷物をパートナーや家族に持ってきてもらうケースも出てきます。

病院からの必要な荷物の伝達はご自身で連絡できるとは限らず、状況によっては看護師や病院のスタッフから連絡が入るため、衣類などの場所を共有しておかないと荷物の準備ができません。

そうならないために出産が近づく前から早めにパートナーやご家族の方に、まとめた荷物や大事な書類などといった出産に必要なものが置いてある場所を共有しておきましょう。

まとめ

今回は、破水しやすい人の特徴や行動などを解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

破水は、いつどのような時に来るか予測できないので、いざという時に行動できるように心構えをしておくことが大切です。

そのためにも、移動手段や荷物などをご自身でだけではなく、パートナーや身近にいる方と共有し事前に準備をしておくことが大切になります。

また、前期破水は必ずしも予防することはできませんが、感染症予防のためにも規則正しい生活を送ることや、子宮を圧迫しないためにも運動方法を考えるなど、なるべく子宮に負担をかけないように心がけておくことが重要です。

ぜひ、この記事を参考にしていただき、破水しても慌てずに行動するように心がけましょう。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

関連記事