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妊娠中期はいつからいつまで?多くみられる症状は?やっておくべきことや注意すべきことも知りたい!

徐々にお腹が大きくなり、赤ちゃんの存在を感じられるようになってくる妊娠中期

胎盤が完成し、へその緒から栄養を摂取、呼吸や排泄も行われるようになるため、つわりが落ち着いてくる妊婦さんも増えてくる頃です。

胎動も感じられるようになることから、パートナーと一緒に赤ちゃんを授かった幸せを噛み締められる時期でもあります。しかし流産や早産のリスクもゼロではないうえに、お腹が大きくなってくることでさまざまな症状が出はじめる可能性も。

また、これからさらにお腹が大きくなる妊娠後期へと向かうこととなりますが、いわゆる安定期と呼ばれる妊娠中期のうちにできるだけやっておいた方がよいこともあります。

そこでこの記事では、妊娠中期はいつからいつまでなのか、妊娠中期に多くみられる症状、やっておくべきことと注意すべきことについてご紹介します。健やかな妊婦生活を過ごすためにも、これから妊娠中期に入る方はぜひ最後まで読んでみてください。

妊娠中期はいつからいつまで?

お腹の赤ちゃんが写っているエコー写真を見ている妊娠中期の女性

妊娠中期とは、妊娠5か月(妊娠16週0日)から妊娠7か月(妊娠27週6日)までのことです。つわりなどからくる体調の変化も比較的落ち着き、妊娠生活も折り返しに入ります。

可能性はゼロではありませんが、流産の可能性もかなり少なくなることから、一般的には安定期とも呼ばれます。

そしてお腹の赤ちゃんも大きくなってくるため、早い人で妊娠16週頃から、通常は妊娠18週から妊娠20週頃には胎動を感じるようになるでしょう。ただし個人差があるので、胎動をなかなか感じられなくても焦らなくて大丈夫です。気になるときは妊婦健診で医師に相談してみることをおすすめします。

また、早ければ妊婦健診で赤ちゃんの性別もわかるかもしれません。ママの体つきも徐々に妊婦さんらしくなるとともに、妊娠7か月の中頃になると赤ちゃんの耳も聞こえるようになるので、パートナーと一緒にお腹に話しかけてみるとよいでしょう。

妊娠中期に多くみられる症状

食事をしている妊娠中期の女性

妊婦さんがもっとも楽しく過ごせる時期だといわれている妊娠中期。つらかったつわりも落ち着いてくるので、いろいろやりたいことが出てくる方も多いのではないでしょうか。

妊婦生活を楽しむのは、精神衛生上も非常に良いことです。とはいえ、妊娠中期もマイナートラブルがまったく起こらないわけではなく、お腹の赤ちゃんの成長と、それを支えるママの体にも日々変化が起こっています。

ここでは、妊娠中期に多くみられる症状についてご紹介します。

食欲が湧いてくる

妊娠中期にもっとも多い症状は、つわりが治まったことによる食欲の増加です。妊娠初期につわりで食べられなかった反動と、妊娠前と同じように美味しく食事ができる喜びなどから、無性にお腹がすく妊婦さんも多いようです。

そのため、妊娠中期につい食べすぎて体重が増えすぎてしまう方も多いですが、体重の増えすぎは赤ちゃんとママにさまざまなリスクがあるため注意しましょう。

とくに注意すべきなのは、妊婦高血圧症候群や妊娠中毒症、妊娠糖尿病などです。太りすぎてしまうと、難産になる恐れもあるので、スムーズな出産のためにも適度な量の食事を心がけましょう。

急激にお腹が大きくなる

妊娠中期は、食欲が出たことによる体重増加だけでなく、胎児自体の成長に伴ってお腹も急激に大きくなります。また、お腹が急に張ったり、中には足の付け根やお腹、腰が痛んだりする方もいるようです。

お腹が出る早さには個人差もあり、明確なエビデンスは証明されていませんが、お腹が大きく出やすい方は以下のような傾向にあるようです。

  • 腹筋が少ない
  • 経産婦
  • 多胎妊娠
  • 胎児が大きい

上記に当てはまるからといって必ずしもお腹が大きくなるわけではなく、骨格などによっても差があるので心配しすぎる必要はありません。あくまでも先輩ママたちの経験による傾向なので、参考程度にとどめておくようにしましょう。

自分でもお腹が大きくなっていると感じる場合は、皮膚が引っ張られることで妊娠線が出る可能性もあります。早めに妊娠線予防クリームでケアしておくことをおすすめします。

バストが徐々に大きくなる

妊娠中期は、母乳を出すために乳腺が発達するため、お腹だけでなくバストも徐々に大きくなる時期です。

稀に母乳のようなものが出て焦ってしまったという方もいるようですが、これは正確には母乳ではなく「乳汁」という母乳のもととなる分泌液です。

乳汁が出た場合は、コットンやガーゼで優しく拭き取り、続けて出るようであれば母乳パットなどで対処するようにしましょう。

また、妊娠前のブラジャーがそろそろきつくなってくる時期でもあります。きついと感じたら無理をせず早めにマタニティブラに変えておくことをおすすめします。

息切れしやすくなる

妊娠中期は、つわりが落ち着き食事も十分に摂れるようになる反面、息切れや動悸などのマイナートラブルに悩まされるママも多い時期です。

妊娠中期の息切れには、以下のようにいくつかの要因があるといわれています。

  • 妊娠中期から心臓が1回の拍動で送り出す血液量が急激に増加するから
  • 血液量が増えているにもかかわらず、赤血球の数がそれほど増加しないため貧血になりやすくなるから
  • プロゲステロン黄体ホルモン)の分泌が増え、1回の呼吸が深くなるから
  • お腹が大きくなることで胸が圧迫されるから

息切れを感じた際は、決して無理せずゆっくりと横になるなどして、治るまで休むようにしましょう。安静にしても治らないときや、むくみ、倦怠感などの症状を伴う場合は、かかりつけの産婦人科を受診し、医師から適切な処置を受けてください。

妊娠中期にやっておくべきことと注意すべきこと

出産に向けて準備をしている妊娠中期の女性

上記でご紹介したように、妊娠中期は母体にもさまざまな身体の変化やマイナートラブルが起こる時期です。とはいえ、つわりが落ち着いている今だからこそやっておくべきこともいくつかあります。

ここでは、妊娠中期にやっておくべきことと注意すべきことをご紹介します。

妊娠中期にやっておくべきこと

以下は、妊娠中期のうちにやっておくべきことリストです。

□ 戌の日に安産祈願へ行く

□ 会社や友人、親戚への報告

□ 産休や育休について調べたり会社へ問い合わせたりする

□ 保育園情報や子育て支援について確認する

□ 引っ越しをするなら妊娠後期に入る前に

□ 赤ちゃんのベッドを置く場所や必要なものの確認、買い物

□ 出産費用や産後の生活費について計画を立てておく

□ 里帰り出産をするなど産後1か月の過ごし方について考えておく

□ 学資保険や自分とパートナーの保険の見直しをしておく

安定期といわれる妊娠中期は、やっておくべきことや行っておくべきところが意外と多くあります。焦らず自分の体調と相談しながら、無理なくこなすことが大切です。

他にも、赤ちゃんが生まれると行けないような場所に行っておいたり、体調が良いようなら旅行をしておいたりと、自分が楽しむことも忘れないようにしましょう。

妊娠中期に注意すべきこと

妊娠中期は、やっておくべきことも多いため、忙しく動き回ってしまいがちですが、以下のことに注意が必要です。

  • 腹筋を使って起き上がらない
  • 妊婦健診は欠かさず行く
  • 塩分や糖分の摂りすぎに注意する
  • 食事の栄養バランスに気をつける
  • 無理な性行為は避けて清潔を保つ
  • 性行為時はコンドームを必ずつける
  • 母子手帳や保険証は常に持ち歩く
  • 長時間の移動は避ける
  • 虫歯や歯周病など口の中の治療を済ませておく
  • 高いところのものを無理に取らない
  • 重たいものは持たない

妊娠中期は、体調は安定しているもののお腹がどんどん大きくなることによって、今までと重心が変わってきます。バランスも取りにくく、お腹で足元が見えにくくなるので、靴の選び方や階段の上り下りにも注意しましょう。

また、寝転んだ姿勢から仰向けでいきなり起き上がると腹筋を使ってしまい、お腹にも負担がかかります。横向きになってからゆっくりと起き上がることを心がけましょう。

適度な運動は体重を増加させすぎないためにもおすすめですが、お腹や腰に負担がかかりそうな家事や用事は、パートナーや家族の手を借りることをおすすめします。

ここでご紹介したことは、早産を予防するためにも重要です。毎日の生活の中で気をつけるようにしましょう。

まとめ

妊娠中期はいつからいつまでなのか、妊娠中期に多くみられる症状、やっておくべきことと注意すべきことについてご紹介しました。

妊娠中期はつわりも落ち着き食欲も出るなど、心身が安定しやすい時期でもあります。お腹も大きくなってくることで、赤ちゃんの存在を感じられるようにもなるため、よりママになる実感が湧いてくるかもしれません。

ただし、いくら体調が良くなってきたからといって、妊娠前と同じように過ごすのはあまりおすすめできません。やるべきことも多く出かける機会も増えるかもしれませんが、自分の体調とよく相談して、無理のない範囲で妊娠中期の生活を楽しんでください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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