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胎児のしゃっくりと胎動の違いは?大きな特徴と3つの対策法を紹介

胎動は、お腹の赤ちゃんが順調に育っているという嬉しいサインです。個人差はあるものの、胎動は一般的に妊娠中期に入った頃から徐々に感じられるようになり、妊娠後期に入る頃にはかなり強い衝撃を受けることも。

さまざまな胎動を感じる中で、時折ピクッピクッと痙攣するような胎動を感じたことはありませんか?

実はこのピクッピクッという痙攣のような規則的な胎動は、お腹の赤ちゃんがしゃっくり(ひゃっくり)をしているときに感じるものです。長時間続くこともあるため赤ちゃんに何かあったのかと不安になってしまいますが、赤ちゃんに異常が起きているわけではないので安心してください。

とはいえ、大人でもしゃっくりが長時間出ていると苦しいのに、羊水の中でしゃっくりをしていて苦しくないのかと心配になってしまうママもいるでしょう。そこでこの記事では、しゃっくりによる胎動の特徴と3つの対策法をご紹介します。

ピクッピクッという胎動を感じて不安になっている妊婦さんは、ぜひ参考にしてみてください。

しゃっくり(ひゃっくり)による胎動の特徴

妊婦さんのお腹

胎児がしゃっくりをする理由には諸説あり、実はまだはっきりこれが原因だと解明されているわけではありません。しかし、胎児の動きに無駄なものはないともいわれており、呼吸の練習や飲み込んだ羊水を吐き出すためという説が有力だと考えられています。

ここではまず、胎児のしゃっくりとはどのようなものなのか、その特徴をご紹介します。

胎動としゃっくり(ひゃっくり)の違い

まず、一般的な胎動の感じ方の具体例をあげてみましょう。

  • ・モニョモニョ
  • ・ゴロゴロ
  • ・ピチピチ
  • ・ポコポコ

胎児は子宮内で寝起きを繰り返しています。起きている間、赤ちゃんは手足を動かしたり子宮の壁を蹴って飛び跳ねたり、体をくねらせたり、さまざまな動きをしています。ママはその動きを胎動として感じているのです。一般的に、初産婦さんは経産婦さんよりも胎動に気がつきにくいといわれています。

一方、ママはしゃっくりによる胎動をどのように感じるのでしょうか。

よく聞くのは、ピクッピクッという規則的な胎動です。もしくは、トクトクと心臓の鼓動のように感じたり、モゾモゾとうごく小さい規則的な動きを感じたママもいるようです。胎児の心拍や呼吸は大人の倍程度の速度です。そのため、しゃっくりもそれと同じくらい間隔が短くなるので、痙攣しているように感じるケースが多くなります。

しゃっくりによる胎動は、お腹を蹴るときなどに感じる比較的大きな動きの胎動とは明らかに違うため、胎動の違いがよくわからないという初産婦さんでも、しゃっくりははっきりとわかるでしょう。お腹の赤ちゃんが大きくなってくると、蹴られたりして感じる胎動を痛く感じるママも多いですが、しゃっくりによる胎動はただひたすら愛おしく感じるようです。

しかし中には、しゃっくりによる規則的な動きを辛いと感じるママもいるようで、眠れなくなってしまうことも。妊娠中はストレスを感じやすいので、しゃっくりによる胎動を辛く感じるかもしれませんが、今しか感じられない感覚を楽しんでみてください。

感じる位置は?

しゃっくりによる胎動を感じる位置は、普通の胎動と同じように人によって違います。そのため、おへその下あたりに感じるママが多い一方で、恥骨やお尻のあたりに感じるというママもいるようです。

おへその上あたりでしゃっくりを感じることもあるので、逆子なのではと心配になってしまうママもいますが、胎児は子宮内を動き回るものなのであまり気にしなくて大丈夫です。しゃっくりによる胎動がはじまったら、パートナーや家族の手をとってその位置に当ててあげてください。今までタイミングが合わずに胎動を感じられなかった場合でも、しゃっくりなら感じさせてあげられるかもしれません。

いつ頃から感じるの?

手足や頭が子宮に当たって感じる通常の胎動は、一般的に妊娠5か月〜6か月くらいで感じはじめるママが多いようです。胎動を感じにくいママでも、妊娠7か月頃までには感じられるでしょう。

では、しゃっくりによる胎動をママが感じるのはいつ頃からなのでしょうか。しゃっくりも、通常の胎動と同じように早いママだと妊娠5か月頃から、遅くても妊娠7か月頃には感じるママが多いようで、一般的に初産婦さんよりも経産婦さんの方が早く自覚するといわれています。

いつまで経っても赤ちゃんのしゃっくりを感じないママもいますが、しゃっくりを感じないからといって赤ちゃんに異常があるわけではないので、不安に思う必要はありません。心配な方は、妊婦健診で医師に相談してみましょう。

いつまで続くの?

しゃっくりによる胎動は、いつおさまるということはなく生まれるまで起こる可能性があります。通常の胎動は、臨月に入り出産が近づくにつれて徐々に感じにくくなります。これは、胎児が母体の骨盤に収まっていき、子宮内で動きにくくなるためです。

しゃっくりについては、臨月でも関係なく感じたというママも多く、中には陣痛が起きているときまでしゃっくりによる胎動を感じたママもいるようです。胎動の感じ方は個人差が大きいため、いつまでとはっきりいえません。しかし、しゃっくりによる胎動だけでなく通常の胎動を急に感じなくなったときや、半日以上胎動を感じない場合にはかかりつけの病院に電話してみることをおすすめします。

しゃっくりが多いと注意した方がいいの?

基本的にはしゃっくりが多くても気にする必要はありません。胎児のしゃっくりは大人と違って苦しむこともないし、赤ちゃんが元気に育っている証拠だからです。

妊娠週数の経過とともに胎動数が少なくなることはあるものの、胎児は生まれる直前まで動いているとされています。胎児のしゃっくりも同様ですので大きな心配はありません。一方胎動が少なかったり、胎動が極端に減ったりする場合は医師に相談をしてください。

しゃっくりによる胎動の3つの対策法

ストーブで暖を取る妊婦さん

しゃっくりによる胎動は自然なことですし、お腹の中で起こっているので止めることはできません。しかし、しゃっくりが気になって眠れなかったり、中には気持ち悪くなってしまうママもいるようです。少しでも早くおさまるよう、しゃっくりによる胎動の対策法を3つご紹介します。

腹部を温める

しゃっくりは、大人も子どもも身体が冷えているときに出やすいものです。それと同じように、胎児も冷えているときはしゃっくりが出やすいという話もあります。赤ちゃんはお腹の中にいると寒さを感じないように思いますが、お腹周りは意外と冷えやすく、赤ちゃんにも当然冷えは伝わっています。

そのため、暖かい服装に変えたり腹巻きをしてお腹周りを温めるなどの対策をすると、しゃっくりによる胎動がおさまるようです。冬の寒い季節はもちろんですが、夏場冷房の効いた部屋にいると体からは徐々に熱が奪われていきます。冷房の温度を下げすぎないように注意して、薄手の腹巻きをするなどの冷え対策を行いましょう。

気にしすぎない

基本的にしゃっくりによる胎動をピタッと止める方法はありません。気にしすぎてしまうとかえってストレスが溜まってしまい、お腹の赤ちゃんのためにもよくないので、ママも体を動かすなどして気にしすぎないようにすることを心がけましょう。おすすめは、日中の軽い散歩やマタニティヨガなどの運動です。

軽く体を動かすことで血行を促進するほか、ストレスの発散にもなりますので医師の許可を取ってから少しずつ行いましょう。

また、散歩をする際は急なお腹の張りなどにも対応できるよう、近所を1時間程度歩くのがおすすめです。心配な方は、室内でできるストレッチや掃除などでも十分な運動になるので、頑張りすぎずゆったりとした気持ちで過ごすとよいでしょう。

お腹の赤ちゃんに声をかける

しゃっくりによる胎動は、お腹の赤ちゃんが元気であることを確認できる嬉しいサインです。長時間続く場合もあるためストレスに感じることもあるかもしれませんが、しゃっくりを感じたらお腹に向かって「頑張っているね」「今日も元気だね」などと声をかけてあげましょう。

ママの声はお腹の中に確実に届いています。赤ちゃんにとって1番身近な声であるママの声を聞くことで、安心して眠りにつくかもしれません。また、しゃっくりを感じる部分を優しく撫でてあげると、ママの手の温もりが赤ちゃんにも伝わります。ママも優しい気持ちになり、ストレスを緩和できるのでおすすめです。

まとめ

しゃっくりによる胎動の特徴と3つの対策法をご紹介しました。しゃっくりによる胎動は、このときだけの貴重な体験です。あまりに回数が多いと辛くなってしまうママもいるかもしれませんが、しゃっくりをお腹で感じられる期間は生まれるまでのほんの数ヶ月のことです。

お腹の赤ちゃんとの嬉しいコミュニケーションの時間だと思って、ゆったりとした気持ちでいられたらよいですね。夜静かに横になるとしゃっくりを感じるというママも多く、なかなか寝付けずに夜更かしになってしまうこともあります。

しかし、赤ちゃんとママだけの特別な時間を過ごしていると思うと、温かい気持ちになれるでしょう。今はまだ、しゃっくりによる胎動を不安に感じてしまうこともあるかもしれませんが、生まれてきたあと子どもがしゃっくりをしたとき、妊娠中はよくしゃっくりを感じたなーと懐かしい思い出のひとつになります。

しゃっくりによる胎動は、お腹の外側からでも痙攣のように目で見てわかるケースもあるので動画で記録しておくとよいでしょう。今しか経験できないしゃっくりによる胎動を、思い切り楽しんでくださいね。

また、ミネルバクリニックでは、妊娠9週から受けられる赤ちゃんの健康診断である「NIPT」を業界最新の技術業界随一の対象疾患の広さで行っております。遺伝のエキスパートである臨床遺伝専門医が出生前診断を提供しておりますので、是非、お気軽にご相談ください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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