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自閉症スクリーニングパネルとNIPTを同時に受けたご夫婦1

東京でNIPT(新型出生前診断/非侵襲的出生前検査)をはじめとする遺伝子検査を提供するミネルバクリニックです。当院は遺伝子検査を総合的に扱っているため、NIPT(新型出生前診断/非侵襲的出生前検査)と併用なさる方々もいらっしゃいます。自閉症スクリーニング検査を併用したご夫婦についてのお話です。
この記事の著者 仲田洋美(総合内科専門医、がん薬物療法専門医、臨床遺伝専門医

顕微授精で授かった彼女。「陰性を確認に来ただけですから」と言いました。

自閉症が心配なんです。

このご夫婦は不妊治療をずっとしていましたが、赤ちゃんができずにあきらめました。
すると、しばらくして生理がなくなり。
ついに閉経したとばかり思っていたところ。

突然、妊娠したと診断されました。

大変びっくりしたようです。
NIPTにいらしたのですが、自閉症の遺伝子検査を受けたいと言われました。

自閉症遺伝子検査|本人の診断・両親のリスク・次子の再発リスクを評価

どうして希望するのかを伺ったところ、高齢なのでダウン症(21トリソミー)などがわかるNIPTは受けるとして
自閉症のお子さんを育てる自信もない、とのこと。
だから、実際のところ、まだなかなか産むという決断ができなくている、と。
長いこと待ち望んでて、あきらめた、というタイミングで、というのも大きかったようで
結構出産に対して後ろ向きなお気持ちでした。

いろいろ拝聴して、ご夫婦の不安を払しょくするために、どういう結果になるかわかりませんが、検査をお受けすることにしました。

しばらくしてNIPTの結果のほうが先に返ってきました。
陰性。
\(^o^)/

そして。
待ちに待った自閉症の遺伝子検査がかえってきました。

お二人ともそれぞれ引っかかっているところはあったけど
別々の箇所が少数だったので

お二人の遺伝子検査の結果で遺伝子が原因で自閉症になるリスクはほぼないに等しいくらい低い、という説明をしました。

安心して笑顔で帰って行かれました。

そして、無事にうまれたよ、というご連絡をいただきました。

妊娠期間を出生前診断を受けて、安心してゆったりした気持ちで過ごせたようです。

そして、自閉症リスクからも解放され、のびのびと安定して子育てをすることでしょう。

今、10~20人に一人が発達障害と診断される時代。
こうした不安に向き合っていくのも遺伝専門医の使命かな、と改めて思いました。

高齢になると、若いころのように頑張りがききにくいので、リスク回避をしたい、という思いが強くなり
中絶が視野に入ってしまうケースもあるんですよね。

そうしたとき、個々人の個別具体的な悩みに向き合って不安を払しょくし
お子さんのいるあたらしい人生に踏み出す勇気を持ってもらって
一人でも多くの赤ちゃんを日本国に迎えることができるよう、遺伝専門医として頑張ろう、と決意を新たにさせていただいたご夫婦でした。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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