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出生前診断の費用はいくら?種類別の費用一覧と保険適用・補助・医療費控除、35歳以上の考え方

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

出生前診断(出生前検査)の費用は、検査の種類と調べる範囲によって数万円から数十万円まで幅があり、いずれも自費診療です[1]。けれども、表示された料金だけを比べると、陽性だったときの確定検査の費用や、「何を調べられるか」の違いが見えなくなります。この記事では、検査の種類別の費用の目安を公的な説明にもとづいて一覧にしたうえで、保険・補助・医療費控除の扱い、35歳以上での考え方、陽性時の確定検査まで含めた総額、そして「1つの病気あたり」で費用を考える方法まで、臨床遺伝専門医の立場から整理します。

⏱️ 30秒でわかる要約

💰 Q. 出生前診断の費用はいくら?

出生前検査は自費で、数万円〜数十万円です。公的な説明では、母体血清マーカー検査は2〜3万円ほど、認証施設のNIPT(3つのトリソミーを調べる検査)は10万円弱〜20万円、羊水検査・絨毛検査は10〜20万円程度です。調べる範囲を広げたNIPTや、羊水でのエクソーム解析・全ゲノム解析ではさらに高くなります。

🤔 Q. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?

大丈夫とは言えません。子育ての負担を最も一貫して左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷といった行動の問題です。それを伴いやすいのは、ダウン症候群よりも微小欠失症候群や単一遺伝子疾患で、三大トリソミーだけの検査では調べられません。当院のNIPTはこれらの病気まで調べられます。

🧾 Q. 保険・補助・医療費控除は使える?

出生前検査は自費で、高額療養費の対象にもなりません。国の通知が自治体に求めているのは情報提供と相談支援で、費用の助成ではありません。NIPTの費用は、国税庁が医療費控除の対象にならないと示しています。

🧠 Q. NIPTで自閉症や発達障害はわかりますか?

一部はわかります。当院のNIPTは、自閉症・発達障害・知的障害の原因になる微小欠失や単一遺伝子の変化の一部を調べられます。陰性でも、自閉症や発達障害がないとは言えません。

🏥 Q. 陽性だったら、追加でいくらかかる?

確定検査(羊水検査・絨毛検査)の費用が加わります。当院でNIPTを受ける方は全員が羊水検査互助会(カトレア会)に加入し、陽性のときの確定検査の費用が上限なしで補助されます。確定検査も院内で受けられます。

\ ダウン症候群だけで大丈夫ですか? 調べられる範囲から費用を考えたい方へ /

📅NIPTを予約する

当院のNIPTは、子育ての負担につながりやすい微小欠失症候群や単一遺伝子疾患まで調べられます。どこまで調べるかは、90分の受診枠の中で臨床遺伝専門医と一緒に決められます。
まだ決めていない方は:NIPTの費用・料金 | スタンダードプラン | インペリアルプラン

出生前診断の費用はいくら?検査の種類別の費用一覧

【結論】出生前検査は、すべての妊婦さんが受ける妊婦健診とは別の、希望した方だけが受ける検査です。自費診療で、金額は検査や施設によって異なります[1]。出生前検査認証制度等運営委員会(日本医学会)が示している基本的な検査の目安は数万円から20万円ほどですが、調べる範囲を広げると数十万円になる検査もあります。種類ごとにまとめると次のとおりです。

出生前検査は、大きく「非確定検査(可能性を調べる検査)」と「確定検査(診断をつける検査)」に分かれます。非確定検査は採血や超音波で行い、流産のリスクはありません。確定検査は、お腹に針を刺して羊水や絨毛を採るため、わずかながら流産のリスクがあります[4][5]。どんな病気が調べられるかは、出生前診断でわかること・わからないことで詳しく解説しています。

💰 出生前検査の種類別・費用と時期の目安

検査 調べるもの 時期の目安 費用の目安
非確定検査(流産のリスクなし)
母体血清マーカー検査
(クアトロテストなど)
ダウン症候群・18トリソミー・開放性神経管奇形の可能性 妊娠15〜20週に採血 2〜3万円ほど
コンバインド検査 超音波と採血を組み合わせて染色体の数の変化の可能性を調べる 妊娠初期 施設により異なる
胎児ドック(胎児超音波検査) 赤ちゃんの体のつくりを超音波で詳しく見る 時期によって見るポイントが変わる 施設により異なる
NIPT(新型出生前診断) 認証施設では13・18・21トリソミーの3つに限定 妊娠9〜10週以降に採血 10万円弱〜20万円
NIPT(調べる範囲を広げたもの) 3つのトリソミーに加えて、微小欠失・単一遺伝子の病気などまで調べる 当院は妊娠9週から(6〜8週は臨床研究) 当院は22万〜55万円(プランにより異なる)
確定検査(わずかに流産のリスクあり)
絨毛検査 胎盤のもとになる絨毛の細胞で染色体を調べる 妊娠11〜14週 10〜20万円程度
羊水検査 羊水中の赤ちゃんの細胞で染色体を調べる 妊娠15〜16週以降 10〜20万円
追加の解析
(マイクロアレイ・エクソーム・全ゲノム)
羊水や絨毛の細胞で、染色体の細かい欠失・重複や、遺伝子の変化を調べる。全ゲノムやエクソームは両親の検体もあわせて調べるトリオ解析で行うことが多い 確定検査と同時か、その後 料金を公開していない施設が多い。エクソーム・全ゲノムは解析料金だけで数十万円以上(全ゲノムのトリオ解析は60万円前後か、それ以上と考えられます)。羊水・絨毛を採取する費用は別にかかる

出典:出生前検査認証制度等運営委員会の説明[1][2][3][4][5]。NIPTの時期と費用は認証施設についての説明で、当院の時期・料金とは異なります(当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。料金は事前学習協力割引後・税込で、詳しくはNIPTの費用・料金のページをご覧ください)。追加の解析の費用は、公的な目安が示されておらず、受けられる施設でも料金をインターネットで公開していないことが多いため、受ける前に施設へ直接確かめる必要があります。60万円前後という目安は、臨床遺伝専門医としての当院の見立てで、解析の料金だけの金額です。羊水や絨毛を採取する費用(羊水検査・絨毛検査の費用)は別にかかります。

非確定検査:採血や超音波で「可能性」を調べる

非確定検査の結果は「可能性が高い・低い」という形で示され、陽性(高リスク)でも診断ではありません。母体血清マーカー検査は、お母さんの血液の成分から赤ちゃんの病気の確率を出す検査で、判定は「1/256」のような分数で示されます。陽性・陰性の境目(カットオフ値)には、多くの場合35歳の女性の平均の確率である1/295が使われています[3]。安い検査ですが、調べられるのは3つの病気の「確率」までです。母体血清マーカー検査とNIPTの違いはクアトロテストは受けるべき?で解説しています。

NIPTは、お母さんの血液に含まれる赤ちゃん(主に胎盤)由来のDNAを調べる検査です。認証施設のNIPTは、検査の対象を13・18・21トリソミーの3つに限っています[2]。一方、認証施設以外のNIPTには、微小欠失や単一遺伝子の病気まで調べるものもあり、同じ「NIPT」でも調べる範囲がまったく違うことが、料金の幅が大きい理由の一つです。

確定検査:羊水や絨毛の細胞で診断をつける

確定検査は、赤ちゃん側の細胞を直接調べて診断をつける検査です。出生前検査認証制度等運営委員会の説明では、流産のリスクは羊水検査で0.3%、絨毛検査で1%とされています[4][5]。非確定検査で陽性が出たときに受けることが多いため、最初の検査を選ぶ時点で「陽性ならこの費用が加わる」と知っておくことが大切です。2つの確定検査の違いは絨毛検査と羊水検査の違いで、羊水検査の費用の内訳は羊水検査の費用相場と内訳で詳しく解説しています。

📊 NIPTに実際に払われた金額(厚生労働科学研究)

厚生労働科学研究の調査(2023年2月、NIPTを受けた妊産婦1,288人が回答)では、NIPTの検査費用は11万円未満が35%、11〜20万円未満が47%でした[7]。同じ調査で、認証施設で受けたと答えた人は56%、認証施設かどうか分からなかった人が20%いました[7]。料金だけでなく、どこで、何を調べたのかまで確かめて選ぶことが大切です。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「表示価格」と「総額」は別物です】

出生前検査の費用を比べるとき、最初に目に入るのは検査そのものの料金です。けれども、非確定検査で陽性が出れば確定検査へ進むことがあり、そこで10〜20万円ほどの費用が加わります。超音波で赤ちゃんの体のつくりに気になる所見があり、エクソーム解析や全ゲノム解析まで進めば、費用はさらに数十万円単位で増えます。全ゲノム解析を両親とあわせて行うトリオ解析では、解析の料金だけで60万円前後か、それ以上になると考えています。羊水や絨毛を採取する費用は、これとは別です。こうした解析を受けられる施設はありますが、料金をインターネットで公開していないことが多く、陽性になってから初めて金額を知ることになりかねません。表示価格の安さと総額の安さは、必ずしも一致しないと考えています。

もう一つ大切なのは、その料金で「何を調べているか」です。3つのトリソミーだけを調べる検査と、微小欠失や単一遺伝子の病気まで調べる検査は、同じ「出生前検査」でも別のものです。料金表を並べる前に、調べたいことは何かを決めておくことが、後悔しない選び方につながると考えています。

なぜ出生前診断の費用に差があるのか ― 何にお金を払っているか

【結論】費用の差は、「何を調べるか」と「料金に何が含まれているか」の違いです。同じNIPTでも、2つの施設で料金が倍ほど違うことがあります。その差を読み解くための物差しは、次の4つです。

① 調べる範囲

3つのトリソミーだけか、性染色体の数の異常・微小欠失・単一遺伝子の病気まで調べるか。調べる範囲が広いほど検査の手間が増え、料金も上がります。

② 遺伝カウンセリング

検査の前後に、結果の意味や選択肢を臨床遺伝専門医から説明を受けられるか。料金に含まれるのか、別料金なのかを確かめます。

③ 陽性のときの確定検査

陽性のとき、確定検査の費用を自分で払うのか、補助があるのか。確定検査をその施設で受けられるのか、ほかの施設を探すのか。

④ 再検査のときの扱い

赤ちゃん由来のDNAが足りずに再検査(再採血)になったとき、追加の費用がかかるか。早い週数で受ける場合はとくに確かめておきたい点です。

当院の場合、NIPTの料金には臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリング・4Dエコー・性別判定が含まれています。遺伝カウンセリングは、90分の受診枠の中で臨床遺伝専門医が行います。料金とは別に、検査結果の作成費用3,300円と、2つの互助会の会費がかかります。なお、当院のNIPTの判定保留は0%です。赤ちゃん由来のDNAの割合(胎児分画)が足りないときは「再検査(再採血)」になり、当院ではこれを判定保留とは呼んでいません(論文やほかの施設では、こうした場合も判定保留に含めることが多いため、言葉の意味を確かめてください)。

NIPTの費用の相場や、料金だけで選ぶときの注意点はNIPTの費用相場は?格安検査のリスクと選び方で、施設を選ぶときに確かめたいことはNIPTクリニックの選び方で詳しく解説しています。

出生前診断は保険適用される?自費になる理由

【結論】出生前検査は自費診療で、検査料は受ける方の負担です[1]。保険は使えません。

妊娠中には、すべての妊婦さんが受ける妊婦健診があり、こちらには自治体の公費による補助があります[1]。一方、出生前検査は、検査について知ったうえで希望した方だけが受ける検査で、妊婦健診では行われません[1]。そのため、妊婦健診の受診券(補助券)も出生前検査には使えません。受けるかどうかをご本人とご家族が選ぶ検査である、ということが、費用の扱いにも表れています。

高額療養費の対象になる?

高額療養費は、保険診療で窓口で払った自己負担が上限を超えたときに、超えた分が戻ってくる制度です。保険診療外の費用は支給の対象になりません[11]。自費で受ける出生前検査の費用は、高額療養費で戻ってくることはありません。

民間の医療保険・生命保険の給付は、契約の内容によって違います。羊水検査の費用と、保険・補助・生命保険の扱いは羊水検査の費用と保険適用・補助金で詳しく解説しています。

出生前診断の費用に補助はある?

【結論】厚生労働省が2021年6月に出した通知で自治体に求めているのは、出生前検査についての情報提供と相談支援で、検査費用の助成は含まれていません[8]。

この通知では、妊娠初期の段階で、検査を受けるよう誘導しない形で出生前検査の情報を提供することや、女性健康支援センターで出生前検査を検討している妊婦さんの相談に応じることが求められています[8]。つまり、自治体の役割は「検査代を出す」ことではなく、「迷ったときに相談できる場をつくる」ことが中心です。独自の取り組みをしている自治体があるかどうかは、お住まいの自治体の母子保健の窓口で確かめてください(2026年10月時点)。

公的な費用の補助がない分、医療機関が独自に備えを設けていることがあります。当院では、NIPTを受ける方は全員が次の2つの互助会に加入します。互助会の会費は収益を目的としない事業のため、消費税の対象外です。

🤝 当院の2つの互助会

制度 会費 内容
羊水検査互助会(カトレア会) 1回のNIPTにつき8,000円 陽性のときの確定検査の費用を補助(補助の上限なし)
安心検査結果保障制度 1回のNIPTにつき6,000円 再検査が必要になったのに、流産して再検査ができず結果が出なかったときに、検査代金(諸費用を除く)を返金

35歳以上は出生前診断の費用が変わる?年齢と検査の選び方

【結論】出生前検査の費用を左右するのは年齢ではなく、どの検査で何を調べるかです。ただ、年齢が上がると染色体の数の変化が起こる頻度は高くなるため、35歳以上の方ほど、検査を受けるかどうか、どこまで調べるかを考える方が多くなります。

実際に、2023年度に認証施設でNIPTを受けた方(検査分析機関の集計43,136件)のうち、35〜39歳が41.9%、40歳以上が19.9%で、あわせて約6割が35歳以上でした[6]。「35歳」という区切りが広く使われているのは、先ほどの母体血清マーカー検査のカットオフ値のように、35歳の女性の平均の確率が一つの目安にされてきたためです[3]。

一方で、母親の年齢と関係なく起こる病気もあります。たとえば22q11.2欠失症候群などの微小欠失の多くや、赤ちゃんで新しく起こる単一遺伝子の変化(de novo変異)は、お母さんの年齢では予測できません。「35歳未満だから3つのトリソミーだけで十分」とは言い切れないのはこのためです。年齢ごとのダウン症候群の確率はダウン症胎児の流産メカニズムと母体年齢で、35歳前後で受けるかどうか迷う方への判断の目安は35歳でNIPTを受ける割合と3つの判断基準で解説しています。

出生前診断の費用は医療費控除の対象になる?

【結論】国税庁は質疑応答事例で、母体血を用いた出生前遺伝学的検査(NIPT)の費用は医療費控除の対象にならないと示しています[9]。

医療費控除では、人間ドックなどの健康診断の費用は原則として対象外です。ただし、健康診断で重大な病気が見つかり、引き続き治療を受けた場合は、治療に先立つ診察と同じように扱われ、健診の費用も対象になります[9][10]。国税庁は、NIPTについて、染色体の数の異常が見つかっても、それが治療につながらないことから、治療に先立って行われる診療とはいえない、と判断しています[9]。インターネット上には「出生前検査も医療費控除の対象になる場合がある」という説明も見られますが、少なくともNIPTについては、国税庁がはっきり対象外と示しています。

羊水検査や絨毛検査については、国税庁の個別の質疑応答事例は見当たりません。申告を考える場合は税務署にご確認ください。詳しくはNIPTの医療費控除の対象と条件で解説しています。

陽性だったときの総額 ― 確定検査まで含めて考える

【結論】非確定検査で陽性が出ると、診断を確かめるための確定検査の費用(羊水検査10〜20万円、絨毛検査10〜20万円程度)が加わります[4][5]。染色体の細かい変化を調べるマイクロアレイ検査や、遺伝子の変化まで調べるエクソーム解析・全ゲノム解析(両親の検体もあわせて調べるトリオ解析)を追加すると、羊水検査・絨毛検査の費用とは別に、解析の料金だけでさらに数十万円以上かかることがあります。こうした解析の料金は、インターネットで公開していない施設が多いため、受ける前に直接確かめてください。最初の検査を選ぶときに、陽性のときの費用を誰が負担するのかまで確かめておくと、総額で比べられます。

① 非確定検査NIPT・母体血清マーカーなど
▶
② 陽性診断ではない
▶
③ 確定検査羊水・絨毛で確かめる
▶
④ 総額①+③で考える

当院でNIPTを受けた方が陽性になった場合、2025年6月から併設した産婦人科で、羊水検査・絨毛検査とも院内で受けられます。結果は、主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイ検査(染色体の細かい欠失・重複を調べる検査)は2週間ほどです。確定検査の費用は羊水検査互助会(カトレア会)が補助し、補助の上限はありません。陽性後の遺伝カウンセリングも何度でも無料です。

NIPTは確定検査ではないので、陽性なら必ず確定検査で確かめてから考えることが前提です。検査の精度や陽性的中率の考え方はNIPTの精度と的中率で解説しています。

自閉症・発達障害・知的障害もNIPTで一部わかる ― 当院で調べられること

お子さんの自閉症や発達障害を心配するのは自然なことです。原因はさまざまですが、一部は染色体の微細な欠失・重複や、1つの遺伝子の変化によるものだと分かっています。当院のNIPTが調べる微小欠失や単一遺伝子の病気には、自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある病気が含まれています。

🧬 当院のNIPTプランと調べられる範囲

プラン 微小欠失・重複 単一遺伝子 自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある主な病気
スタンダード 6種類7疾患 ― 22q11.2欠失症候群、アンジェルマン症候群、プラダー・ウィリー症候群など
プレミアム 12種類13疾患 ― 上記に加えてジェイコブセン症候群など
ダイヤモンド 12種類13疾患 de novo 56遺伝子 上記に加えてレット症候群、コルネリア・デ・ランゲ症候群、CHARGE症候群など
双子マックス 92種類+5Mbを超える構造異常 ― 16p11.2欠失・重複、ウィリアムズ症候群など
インペリアル 92種類+5Mbを超える構造異常 最大155遺伝子(202疾患) 上記に加えてフェラン・マクダーミッド症候群、ピット・ホプキンス症候群など

スタンダードは単胎・双胎、双子マックスは単胎・双胎、プレミアム・ダイヤモンド・インペリアルは単胎のみが対象です。微小欠失・重複は、染色体の数の異常より陽性的中率が低め(項目によって60〜70%程度)なので、陽性なら必ず確定検査で確かめます。

ただし、陰性でも、自閉症・発達障害・知的障害がないとは言えません。NIPTで調べられない原因(脆弱X症候群など)もあり、病気が見つかっても症状の重さまでは予測できません。また、まれですが偽陰性の可能性もあります。詳しくは自閉症はNIPTでわかりますか?で解説しています。

\ 一部の自閉症・発達障害の原因まで、費用と範囲を比べて選ぶ /

📅NIPTを予約する

陽性でも、確定検査(羊水検査・絨毛検査)まで院内で受けられ、主要項目は3日以内に結果が出ます。
まだ決めていない方は:NIPTの費用・料金 | ダイヤモンドプラン | インペリアルプラン

ダウン症候群だけで大丈夫? ― 「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ

「ダウン症候群だけが心配」という方は少なくありません。けれども、出生前検査で調べる病気は、どれも赤ちゃんとご家族の暮らしに大きくかかわるものです。そして、ご家族の子育ての負担を最も一貫して左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷といった「行動の問題」だと分かっています[12]。こうした行動の問題を伴いやすい病気には、ダウン症候群ではなく、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患が多く含まれます[12][13]。三大トリソミーだけを調べる検査では、これらの病気は調べられません。

出生前検査は、その後の人生を左右するかもしれない検査です。「安さ」だけで選んで大丈夫でしょうか。

三大トリソミーだけを調べる検査を仮に10万円とすると、1つの病気あたりは約3万3千円です。当院のインペリアルプランは、全常染色体と性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、202の単一遺伝子疾患を調べます。性染色体の数の異常も含めて、数えられる病気だけで320になり、1つの病気あたりは約1,719円です。さらに、5Mbを超える欠失・重複はすべての染色体が対象なので、数えきれないほどの変化を調べていることになります。数えられる分だけでも、これだけの範囲を調べられます。

プラン 主に調べる範囲 数えた病気の数 1つの病気あたり
三大トリソミーだけを調べる検査
(仮に10万円とした場合)
13・18・21トリソミー 3 約33,333円
スタンダード(220,000円) 13・18・21トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失6種類7疾患 14 約15,714円
プレミアム(264,000円) 13・18・21・15・16・22トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失12種類13疾患 23 約11,478円
ダイヤモンド(407,000円) プレミアムの範囲+単一遺伝子56 79 約5,152円
双子マックス(440,000円) 全常染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常 114+α 約3,860円
インペリアル(550,000円) 全常染色体の数の異常、性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常、単一遺伝子202疾患 320+α 約1,719円

※価格は事前学習動画を見て来院した場合の当日割引後の税込価格です。最新の料金は料金ページをご確認ください。※病気の数は、数の異常・微小欠失・重複・単一遺伝子疾患を1つずつ数えたものです。性染色体の数の異常は4種類(ターナー症候群・クラインフェルター症候群・トリプルX症候群・XYY症候群)として数えています(性染色体を調べるのはスタンダード・プレミアム・ダイヤモンド・インペリアル。双子マックスは調べません)。5Mbを超える構造異常は数に入れていないため、双子マックスとインペリアルは実際にはさらに多くの変化を調べています。※『三大トリソミーだけを調べる検査』は計算のための仮の例で、特定の施設の価格ではありません。

調べる範囲が広がると、陽性になる可能性も、確定検査が必要になる場面も増えます。どこまで調べるかは、検査前の遺伝カウンセリングで、ご家族の考えに合わせて選ぶものです。

子育ての大変さは、知的発達の重さだけでは決まらない

希少な遺伝性の病気のお子さんを育てる親のストレスを調べた研究をまとめたレビューでは、スミス・マゲニス症候群、ウィリアムズ症候群、プラダー・ウィリー症候群などの親は、ダウン症候群の親より子育てのストレスが高いと報告されていました[12]。ストレスを最も一貫して左右していたのは、知的障害の程度よりも、お子さんの行動や情緒の問題でした[12]。また、アンジェルマン症候群やスミス・マゲニス症候群では攻撃的な行動が、コルネリア・デ・ランゲ症候群・プラダー・ウィリー症候群・スミス・マゲニス症候群では自傷が多いことが分かっています[13]。スミス・マゲニス、プラダー・ウィリー、アンジェルマンの各症候群は当院の全プランで、コルネリア・デ・ランゲ症候群はダイヤモンド・インペリアルで、ウィリアムズ症候群はインペリアル・双子マックスで調べられます。

自閉スペクトラム症のお子さんの親についても、子育てのストレスを比べた研究を統合したメタ解析で、ほかの障害のお子さんの親と比べてもストレスが大きいと報告されています。ただし著者は、ダウン症候群のお子さんの親との比較には、その子育てに特有の事情が関わっている可能性があるとして、解釈に注意を添えています[14]。

微小欠失の中で最も多い22q11.2欠失症候群は、知的発達への影響は軽めでも、心臓・免疫・精神面の合併症が多い病気です。1,402人を対象にした国際共同研究では、子どもの37%にADHD、25歳を超えた大人の41%に精神病性の障害がみられました[15]。当院ではスタンダードプランから22q11.2欠失症候群を調べられます。詳しくはディジョージ症候群(22q11.2欠失症候群)の再発率とNIPTをご覧ください。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【費用の心配が「調べる範囲」を決めてしまわないように】

出生前検査の費用を調べている方の多くは、「できるだけ負担を抑えたい」と考えていると思います。それは当然のことです。ただ、費用だけで検査を選ぶと、何を調べ、何を調べていないのかが見えないまま決めてしまうことがあると考えています。

臨床遺伝専門医として大切だと考えているのは、検査の限界を知ったうえで選んでいただくことです。陽性なら確定検査で確かめる。陰性でも、調べていない病気については何も言えない。そのうえで、ご家族にとって何を知っておきたいかを先に決め、その範囲を調べられる検査と、陽性のときの備えまで含めた総額で比べていただきたいと考えています。

当院でNIPTを受けるとき ― 時期と流れ

当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。当院のおすすめは8週で、妊娠8週で受けた場合の再検査率は約5%です(当院のデータ)。週数が早いほど赤ちゃん由来のDNAが少なく、再検査になることがあります。10週を過ぎても、16週でも受けられますが、陽性だったときの確定検査や、その後を考える時間を確保するためにも、早めに受けることをおすすめしています。

① 遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医がプラン選びから説明
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② 4Dエコー・採血赤ちゃんの状態を確かめてから
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③ 結果基本10〜14日・陰性はマイページで
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④ 陽性なら確定検査羊水検査・絨毛検査も院内で

結果が出るまでの目安は基本10〜14日です。インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけは3〜4週間かかります(ダイヤモンドプランは単一遺伝子も10〜14日)。来院が難しい方は、Zoomでのカウンセリングと全国110か所の提携施設での採血を組み合わせたオンラインNIPTもご利用いただけます。

🏥 費用は「調べられる範囲」と「陽性のときの備え」まで含めて比べる

ダウン症候群だけでなく、18・13トリソミーや微小欠失症候群、一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因まで、当院のNIPTでわかります。陽性でも、確定検査(羊水検査・絨毛検査)まで院内で受けられ、確定検査の費用は互助会が上限なしで補助します。

まだ決めていない方は:NIPTを受けるべきか迷う方へ(3つの判断基準) | スタンダードプラン | インペリアルプラン

よくある質問(FAQ)

Q1. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?

ダウン症候群だけを調べれば大丈夫、とは言えません。知的障害を伴う病気のお子さんのご家族を比べた研究では、スミス・マゲニス症候群、ウィリアムズ症候群、プラダー・ウィリー症候群のご家族は、ダウン症候群のご家族より子育てのストレスが高く、ストレスを最も一貫して左右していたのは知的障害の程度よりも行動の問題でした。こうした病気は三大トリソミーだけを調べる検査ではわかりません。当院ではスタンダードプランから22q11.2欠失症候群やプラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群などの微小欠失を、ダイヤモンドプラン・インペリアルプランでは単一遺伝子疾患まで調べられます。どこまで調べるかは、検査前の遺伝カウンセリングで一緒に考えます。

Q2. 出生前診断の費用はどれくらいかかりますか?

出生前検査は自費診療で、金額は検査や施設、調べる範囲によって異なり、数万円から数十万円まで幅があります。出生前検査認証制度等運営委員会の説明では、母体血清マーカー検査は2〜3万円ほど、認証施設のNIPT(13・18・21トリソミーの3つを調べる検査)は10万円弱〜20万円、羊水検査は10〜20万円、絨毛検査は10〜20万円程度とされています。微小欠失や単一遺伝子の病気まで調べるNIPTや、羊水の細胞でエクソーム解析・全ゲノム解析まで行う場合は、さらに高くなります。当院のNIPTは、プランにより22万〜55万円(事前学習協力割引後・税込)です。

Q3. 出生前診断に保険は使えますか?

出生前検査は自費診療で、検査料は受ける方の負担です。すべての妊婦さんが受ける妊婦健診には公費の補助がありますが、出生前検査は希望した方だけが受ける検査で、妊婦健診では行われません。また、高額療養費は保険診療の自己負担が対象なので、保険診療外の費用は支給の対象になりません。

Q4. 出生前診断の費用に補助金はありますか?

厚生労働省が2021年6月に出した通知で自治体に求めているのは、出生前検査についての情報提供と相談支援で、検査費用の助成は含まれていません。独自の取り組みをしている自治体があるかどうかは、お住まいの自治体の母子保健の窓口でご確認ください。当院でNIPTを受ける方は全員が羊水検査互助会(カトレア会)に加入し、陽性のときの確定検査の費用が補助されます(補助の上限なし)。

Q5. 出生前診断の費用は医療費控除の対象になりますか?

国税庁は質疑応答事例で、母体血を用いた出生前遺伝学的検査(NIPT)の費用は医療費控除の対象にならないと示しています。染色体の数の異常が見つかっても、それが治療につながらないため、治療に先立つ診療とはいえない、という理由です。羊水検査など、そのほかの検査で迷う場合は、税務署にご確認ください。

Q6. 35歳以上だと出生前診断の費用は変わりますか?

検査の費用を左右するのは年齢ではなく、どの検査で何を調べるかです。年齢が上がると染色体の数の変化が起こる頻度は高くなり、2023年度に認証施設でNIPTを受けた方の約6割が35歳以上でした。何を調べたいかを決めてから、検査と費用を比べることをおすすめします。

Q7. 陽性だった場合、トータルでいくらかかりますか?

非確定検査が陽性のときは、羊水検査(10〜20万円)や絨毛検査(10〜20万円程度)などの確定検査の費用が加わります。マイクロアレイ検査や、エクソーム解析・全ゲノム解析(トリオ解析)まで行うと、羊水検査・絨毛検査の費用とは別に、解析の料金だけでさらに数十万円以上かかることがあります。当院でNIPTを受ける方は全員が羊水検査互助会(カトレア会、1回のNIPTにつき8,000円)に加入し、陽性のときの確定検査の費用が補助されます(補助の上限なし)。陽性後の遺伝カウンセリングは何度でも無料です。

Q8. NIPTは妊娠何週から受けられますか?

当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。当院のおすすめは8週で、妊娠8週で受けた場合の再検査率は約5%です(当院のデータ)。週数が早いほど赤ちゃん由来のDNAが少なく、再検査になることがあります。10週を過ぎても、16週でも受けられます。

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参考文献

※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断・検査の選択や税務の判断を示すものではありません。費用・制度は2026年10月時点の情報です。

プロフィール
仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続け、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、検査結果の数値そのものだけでなく、「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、日本人として異文化の中で生活した経験があります。価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。この経験は現在の診療においても、「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、36週6日で一人を死産した経験があります。その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、家族の未来に関わる重要な意思決定です。年齢や統計だけで判断するのではなく、医学的根拠と心理的支援の両面から、ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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