目次
出生前診断の費用一覧
クアトロ検査・NIPT・羊水検査の料金を専門医が解説
Q. 出生前診断の費用はどれくらいかかりますか?
A. 検査の種類により2万円〜20万円以上と幅広いです。
最も安価なクアトロ検査は2〜3万円ですが精度に課題があり、高精度のNIPT(新型出生前診断)は8〜25万円程度が相場です。すべて自費診療となるため、金額だけでなく「何がわかるか(精度)」を比較することが重要です。
-
➤
費用の相場 → クアトロ検査2〜3万円、コンバインド検査3〜5万円、NIPT8〜25万円、羊水検査10〜20万円 -
➤
価格差の理由 → 安価な検査は確率判定のみ。NIPTはDNA分析のため高額だが感度99%以上の高精度 -
➤
医療費控除 → 原則対象外。ただし陽性後の確定検査等は対象になるケースあり -
➤
ミネルバのNIPT → 妊娠9週から検査可能(臨床研究で6週〜8週も対応)、世界最新鋭の技術を採用
1. 出生前診断の種類と費用比較一覧
【結論】 出生前診断には「非確定的検査」と「確定的検査」の2種類があり、費用と精度が比例する傾向にあります。安さだけで選ぶと、偽陰性(見逃し)や偽陽性(不要な不安)のリスクがあるため注意が必要です。
出生前診断を受ける際、最も気になるのが費用と精度のバランスです。「できるだけ安く受けたい」という気持ちは当然ですが、検査によって「何がわかるか」「どこまで信頼できるか」が大きく異なります。以下の表で、主要な検査の費用相場と特徴を比較してみましょう。
| 検査名 | 費用相場 | 感度(精度) | 検査時期 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 非確定的検査(スクリーニング) | ||||
| クアトロ検査 (母体血清マーカー) |
2〜3万円 | 約80〜87% | 15〜18週 | 安価だが精度は低い。確率でしか結果が出ない |
| コンバインド検査 | 3〜5万円 | 約82〜90% | 11〜13週 | 超音波(NT測定)と血液検査の組み合わせ |
| NIPT(新型出生前診断) | 8〜25万円 | 99%以上 | 10週〜 | 高額だが精度が極めて高い。母体への負担なし |
| 確定的検査(診断) | ||||
| 絨毛検査 | 10〜15万円 | 99.9% | 11〜14週 | 早期に確定診断可能。流産リスク約1% |
| 羊水検査 | 10〜20万円 | 99.9% | 15〜18週 | 診断確定が可能だが、流産リスク約0.3%あり |
💡 非確定的検査と確定的検査の違い
非確定的検査(スクリーニング検査)は、染色体異常の「可能性が高いか低いか」を判定するもので、陽性でも確定診断ではありません。一方、確定的検査は胎児の細胞を直接分析するため、診断を確定できます。NIPTは非確定的検査ですが、感度99%以上と従来の検査より格段に精度が高いのが特徴です。
2. クアトロ検査の費用と特徴
【結論】 クアトロ検査は2〜3万円と手頃ですが、結果は「確率」でしか分からず、偽陽性・偽陰性が比較的多い検査です。「安いから」という理由だけで選ぶと、結果の解釈に迷う可能性があります。
クアトロ検査(母体血清マーカー検査)は、妊婦さんの血液中の4つの成分(AFP、hCG、uE3、Inhibin A)を測定し、胎児に21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、開放性神経管奇形がある確率を算出するスクリーニング検査です。
-
•
費用:2〜3万円と比較的手頃
-
•
検査時期:妊娠15週〜17週(遅くとも18週まで)
-
•
検出率:ダウン症候群で約80〜87%(約15〜20%は見逃される可能性)
-
•
偽陽性率:約5%(異常がないのに陽性と出る割合)
-
•
結果:「1/500」のような確率で示される(「陽性・陰性」ではない)
クアトロ検査の4つの測定項目
| 項目 | 正式名称 | 産生部位 | 異常時の変動 |
|---|---|---|---|
| AFP | α-フェトプロテイン | 胎児肝臓 | 神経管奇形で上昇、ダウン症で低下 |
| hCG | ヒト絨毛性ゴナドトロピン | 胎盤 | ダウン症で上昇 |
| uE3 | 非抱合型エストリオール | 胎児・胎盤 | ダウン症で低下 |
| Inhibin A | インヒビンA | 胎盤 | ダウン症で上昇 |
⚠️ クアトロ検査の限界:クアトロ検査は「確率」を示すだけであり、「1/300より高リスク」と判定されても、実際に染色体異常がある確率は約3%程度に過ぎません。逆に「低リスク」と判定されても、約15〜20%の染色体異常は見逃される可能性があります。
3. 母体血清マーカー検査の費用詳細
【結論】 母体血清マーカー検査には「トリプルマーカー」と「クアトロマーカー」があり、費用は1.5〜3万円程度です。クアトロ検査は母体血清マーカー検査の一種であり、現在はより精度の高いクアトロ検査が主流です。
「母体血清マーカー検査」と「クアトロ検査」の違いについてよくご質問をいただきます。結論から言うと、クアトロ検査は母体血清マーカー検査の一種です。測定項目の数によって名称が異なります。
トリプルマーカー検査
- •
測定項目:AFP、hCG、uE3の3項目
- •
費用:1.5〜2万円
- •
検出率:約60〜70%
- •
現在はあまり実施されていない
クアトロマーカー検査
- •
測定項目:AFP、hCG、uE3、Inhibin Aの4項目
- •
費用:2〜3万円
- •
検出率:約80〜87%
- •
現在の主流。Inhibin A追加で精度向上
4. コンバインド検査の費用と特徴
【結論】 コンバインド検査は3〜5万円で、超音波検査(NT測定)と血液検査を組み合わせた検査です。妊娠11〜13週と早い時期に受けられるメリットがありますが、精度はNIPTに劣ります。
コンバインド検査は、胎児の首の後ろの浮腫(NT:Nuchal Translucency)を超音波で測定し、母体血液中のマーカー(PAPP-A、free β-hCG)を測定して、染色体異常のリスクを評価する検査です。
-
•
費用:3〜5万円(施設により異なる)
-
•
検査時期:妊娠11〜13週(クアトロより早い)
-
•
検出率:約82〜90%(クアトロよりやや高い)
-
•
検査内容:超音波(NT測定)+ 血液検査(PAPP-A、free β-hCG)
-
•
注意点:NT測定には熟練した技術が必要。施設による精度差あり
🩺 院長コラム【「確率」で出る結果の限界】
クアトロ検査やコンバインド検査の結果は「確率」で示されます。例えば「1/300」という結果が出た場合、「300人に1人の確率でダウン症の可能性がある」という意味ですが、これを「陽性」とするか「陰性」とするかは解釈次第です。
多くの施設では「1/300より高リスク(例:1/250、1/100など)」をカットオフ値として「陽性」と判定しますが、「1/300」でも「1/1000」でも「ゼロではない」という点では同じです。この曖昧さが、多くの妊婦さんを不安にさせます。
一方、NIPTは「陽性・陰性・判定保留」という明確な結果が出るうえ、感度99%以上という高精度のため、結果の解釈に迷うことが少ないのが特徴です。費用は高くなりますが、「結果の明確さ」に払う価値は十分にあると私は考えています。
5. NIPT(新型出生前診断)の費用について
【結論】 NIPTの費用は8〜25万円と高額ですが、感度99%以上という圧倒的な精度が最大の特徴です。施設によって費用が異なる理由を理解し、「安さ」だけで選ばないことが重要です。
NIPT(Non-Invasive Prenatal Testing)は、妊婦さんの血液中に含まれる胎児由来のDNA断片(cell-free DNA)を分析する最新の検査法です。採血だけで検査でき、流産リスクがないのも大きなメリットです。
NIPTの費用が施設によって違う理由
NIPTの費用は施設によって大きく異なります。「なぜ同じ検査なのに値段が違うの?」という疑問にお答えします。
| 費用帯 | 検査項目 | カウンセリング | 陽性時フォロー | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 5〜8万円 | 基本3項目のみ | なし or 簡易 | 自己負担 | 結果だけ渡されるケースも |
| 10〜15万円 | 基本3項目+α | 医師による説明 | 一部補助あり | 標準的な価格帯 |
| 15〜25万円 | 全染色体+微小欠失 | 臨床遺伝専門医 | 羊水検査費用補助 | 充実したサポート体制 |
⚠️ 安価なNIPT(5〜8万円台)の注意点
- •
遺伝カウンセリングがない(医師の説明不足)
- •
陽性時の羊水検査費用が自己負担(10〜20万円追加)
- •
検査会社(ラボ)の信頼性が不明確
- •
結果通知がメールのみでフォローがない
- •
判定保留・再検査の対応が不十分
NIPTで検査できる項目と費用の関係
NIPTで検査できる項目は施設によって異なり、項目数が多いほど費用も高くなる傾向があります。
基本検査(3項目)
- •
- •
- •
- •
費用目安:8〜12万円
拡張検査
- •
基本3項目
- •
性染色体異常(ターナー症候群など)
- •
微小欠失症候群(22q11.2欠失など)
- •
費用目安:15〜20万円
全染色体検査
- •
全23対の染色体を検査
- •
微小欠失症候群
- •
性別判定
- •
費用目安:20〜25万円
6. 羊水検査・絨毛検査(確定検査)の費用
【結論】 羊水検査・絨毛検査は10〜20万円で、染色体異常を確定診断できる唯一の方法です。NIPTで陽性だった場合は、必ず確定検査を受ける必要があります。
確定的検査は、胎児の細胞を直接採取して染色体を分析する検査です。NIPTなどのスクリーニング検査で陽性が出た場合、この確定検査で最終的な診断を行います。
🩺 羊水検査
- •
費用:10〜20万円
- •
検査時期:妊娠15〜18週
- •
流産リスク:約0.3%(1/300程度)
- •
精度:99.9%以上
🩺 絨毛検査
- •
費用:10〜15万円
- •
検査時期:妊娠11〜14週(早期に可能)
- •
流産リスク:約1%(羊水検査よりやや高い)
- •
精度:99.9%以上
💡 確定検査の費用が施設によって異なる理由
確定検査の費用には、検査料、入院費、麻酔料、染色体分析料などが含まれます。施設によって内訳が異なるため、事前に「総額でいくらか」を確認することが重要です。また、NIPTを受けた施設で確定検査も受けられるか、転院が必要かも確認しておきましょう。
7. 出生前診断と医療費控除
【結論】 出生前診断は原則として医療費控除の対象外ですが、陽性判定が出てその後の医療処置に進んだ場合は、遡って対象となるケースがあります。
「出生前診断の費用は医療費控除できますか?」というご質問をよくいただきます。結論から言うと、国税庁の見解では出生前診断は「健康診断」の一種とみなされ、「治療」ではないため原則として控除の対象外とされています。
-
✗
対象外:NIPT、クアトロ検査、コンバインド検査(陰性の場合)
-
✗
対象外:陰性だった場合の全ての検査費用
-
✓
対象となりうる:陽性→確定検査→治療や手術に至った場合の一連の費用
-
✓
対象となりうる:異常が見つかり中絶手術を行った場合の費用
⚠️ 重要:医療費控除の適用については個別のケースによって判断が異なります。詳細は管轄の税務署や税理士にご相談ください。領収書は必ず保管しておきましょう。
8. 出生前診断の費用を抑える方法
【結論】 出生前診断の費用を抑えるには、互助会制度の活用、セット検査の利用、自分に必要な検査項目の見極めが有効です。ただし、精度や安全性を犠牲にしてまで費用を削るべきではありません。
出生前診断は自費診療のため、費用負担が大きいのは事実です。しかし、「安さ」だけを追求すると、後から追加費用が発生したり、精度の低い検査で不安が増したりすることもあります。賢く費用を抑える方法をご紹介します。
💰 互助会制度の活用
当院の互助会(8,000円)に加入すると、陽性時の羊水検査費用を全額補助(上限なし)。万が一の際の経済的負担を大幅に軽減できます。
📋 必要な検査項目の見極め
全染色体検査が必要か、基本3項目で十分かは年齢やリスク要因によって異なります。遺伝カウンセリングで自分に必要な検査を相談しましょう。
🏥 トータルコストで比較
初期費用が安くても、再検査、陽性時の確定検査、転院費用などを含めるとトータルコストが高くなることも。総額で比較しましょう。
🩺 院長コラム【「安物買いの銭失い」になってはいけません】
はっきり申し上げます。出生前診断において「費用」は重要な要素ですが、金額だけで検査を選ぶのは危険です。
例えば、2〜3万円で受けられるクアトロ検査。一見安くて手軽に見えますが、感度は80%程度しかありません。つまり、「異常があるのに見逃される」リスクが20%もあるということです。「とりあえず安いから」と受けて、結果が陰性だったので安心していたら実際には疾患があったというケースは珍しくありません。
また、格安NIPTを受けて陽性だった場合、羊水検査費用が別途10〜20万円かかることも。結局、互助会制度のある施設で受けた方が安かった、ということも起こりえます。
NIPTは高額ですが、その分「99%以上の精度」という安心と、「陽性時のフォロー体制」を買うことができます。一生に関わる検査だからこそ、値段の裏にある「価値」を直視してください。
9. ミネルバクリニックの強み
ミネルバクリニックでは、臨床遺伝専門医が責任を持って検査からフォローまで行います。ただ検査をするだけでなく、その後の人生を含めて一緒に考える。それが、私たちが提示する費用の価値だと自負しています。
🔬 早期NIPTに対応
一般的なNIPTは10週からですが、当院では妊娠9週から可能。さらに臨床研究として6週〜8週の早期検査にも対応しています。
🚀 世界最新鋭の技術
第3世代スーパーNIPTとCOATE法を採用。従来の検査よりも高精度で、偽陽性が少ないのが特徴です。
💰 万全の陽性保証
互助会(8,000円)への加入で、陽性時の確定検査(羊水検査)費用を上限なしで全額補助します。
🏥 院内で確定検査まで対応
2025年6月より産婦人科を併設し、羊水検査・絨毛検査も院内で実施可能に。転院の必要がなく、心理的負担を軽減できます。
🌐 オンライン対応
オンラインNIPTにより全国どこからでも受検可能。遺伝カウンセリングもオンラインで受けていただけます。
よくある質問(FAQ)
🏥 出生前診断のご相談はこちら
費用や検査内容についてのご質問も丁寧にお答えいたします。
臨床遺伝専門医によるカウンセリングで、安心の検査体験をご提供します。
参考文献
- [1] American College of Obstetricians and Gynecologists. Screening for Fetal Chromosomal Abnormalities: ACOG Practice Bulletin, Number 226. Obstet Gynecol. 2020;136(4):e48-e69. [PubMed]
- [2] Gil MM, et al. Analysis of cell-free DNA in maternal blood in screening for fetal aneuploidies: updated meta-analysis. Ultrasound Obstet Gynecol. 2017;50(3):302-314. [PubMed]
- [3] Bianchi DW, et al. DNA sequencing versus standard prenatal aneuploidy screening. N Engl J Med. 2014;370(9):799-808. [PubMed]
- [4] Norton ME, et al. Cell-free DNA analysis for noninvasive examination of trisomy. N Engl J Med. 2015;372(17):1589-1597. [PubMed]
- [5] NHS England. Non-Invasive Prenatal Testing (NIPT). [NHS]
- [6] 国税庁. No.1122 医療費控除の対象となる医療費. [国税庁]
- [7] 厚生労働省. NIPT等の出生前検査に関する専門委員会報告書. [厚生労働省]
- [8] 日本産科婦人科学会. 出生前に行われる遺伝学的検査および診断に関する見解. [日本産科婦人科学会]
- [9] Gregg AR, et al. Noninvasive prenatal screening for fetal aneuploidy, 2016 update: a position statement of the American College of Medical Genetics and Genomics. Genet Med. 2016;18(10):1056-1065. [PubMed]
- [10] International Society for Prenatal Diagnosis. Position Statement from the Chromosome Abnormality Screening Committee on Behalf of the Board of the International Society for Prenatal Diagnosis. [ISPD]


