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NIPT後に流産|トリソミー22と判明したときに知っておくべきこと


NIPT(新型出生前診断)を受けた後、「トリソミー22の可能性が高い」と告げられ、その後に流産を経験された方へ——。
突然の知らせと喪失感に、どう向き合えばいいのか分からず、深い悲しみの中で過ごしている方も少なくありません。

この記事では、トリソミー22という染色体異常の基本情報、流産に至る背景、そして心と身体のケアについてわかりやすく解説します。
同じような経験をされた方の声や、ミネルバクリニックで受けられるサポートも紹介していますので、今後の選択や心の整理の参考になれば幸いです。

NIPT(新型出生前診断)とは? 〜検査の基本と目的〜

NIPTとは、非侵襲的出生前遺伝学的検査のことで、母体から採血するだけで胎児の染色体異常の可能性を高精度に調べることができます。
NIPTについて詳しくはこちらをご覧ください。

トリソミー22とは何か?

トリソミー22とは、ヒトの22番染色体が本来2本であるところ、3本存在する状態を指す染色体異常の一つです。染色体の数的異常に分類され、非常にまれな疾患とされています。特に完全型トリソミー22は、染色体のすべての細胞に異常があるタイプで、ほとんどのケースで妊娠初期の段階で自然流産となります。

この疾患が発生する主な原因は、卵子や精子の形成過程で染色体がうまく分離しなかった「減数分裂のエラー」によるものです。母体の年齢が上がるほど、そのリスクは高くなる傾向がありますが、若い方でも起こる可能性はあります。

非常にまれではありますが、生存して出生する例も報告されています。しかしその場合でも、重度の心臓奇形、成長遅延、精神運動発達の遅れ、顔貌の特徴的な変化など、複数の先天的な健康問題を抱えていることが多いです。そのため、出生前に診断がついた段階で医師や遺伝カウンセラーと十分に話し合いを行い、妊娠の継続や方針について慎重に検討することが重要です。

トリソミー22は、医学的にも倫理的にも非常にデリケートなテーマであり、妊婦さんやご家族の心のケアも同時に必要とされます。正確な情報と専門家のサポートを得ながら、ひとつひとつ理解を深めていくことが大切です。

NIPT後に流産が起こることはある?

NIPT(新型出生前診断)は、母体から採取した血液をもとに、胎児の染色体異常のリスクを調べる非侵襲的な検査です。名前の通り、母体にも胎児にも身体的な負担がかからないため、従来の羊水検査や絨毛検査と比べてリスクが低いとされています。

そのため、NIPTを受けたことで流産が直接的に引き起こされることはありません。しかし、検査結果で染色体異常の可能性が高いと判断された場合、それが自然流産の原因となるケースはあります。中でも、トリソミー22のように染色体異常の影響が大きい場合、妊娠の早期段階で胎児の発育が停止してしまうことが多く、流産という形で妊娠が終了することも少なくありません。

実際には、多くの自然流産は妊娠初期に発生しており、その背景には染色体異常が関与しているケースが多数報告されています。つまり、NIPTで異常が判明した場合、それは「原因がわかっている自然流産」である可能性が高く、検査そのものがリスクとなるわけではないという点を理解することが重要です。

その一方で、検査結果を受け取った後に流産を経験すると、「検査を受けたからでは?」と自分を責めてしまう方も少なくありません。ですが、NIPTは安全性の高い検査であり、むしろ早期に染色体異常の可能性を知ることで、心の準備やその後の医療的支援につなげるきっかけとなる大切な手段です。

トリソミー22と診断された後の流産体験談

実際にNIPTでトリソミー22の可能性を指摘され、その後に自然流産となった方の体験を紹介します(仮名でご紹介しています)。

佐藤さん(30代・第1子妊娠中)
「検査結果を聞いたときは、とにかくショックで言葉が出ませんでした。健康に生まれてきてくれると信じていたので、現実を受け入れるのに時間がかかりました。
でも、NIPTを受けていなかったら、なぜ流産したのかずっと分からずに、自分を責め続けていたかもしれません。原因がトリソミー22という染色体異常だったと分かり、医師の丁寧な説明とサポートのおかげで、少しずつ前を向くことができました。」

染色体異常による自然流産は、妊婦さんにとって非常につらい経験ですが、原因を知ることで少しずつ気持ちの整理ができるようになる方もいます。ミネルバクリニックでは、検査結果の説明だけでなく、心のケアや今後の妊娠に向けた相談も丁寧に行っています。

周囲に同じような経験をした人がいないと、孤独を感じることもあるかもしれません。しかし、実際には多くの方が同じように悩み、乗り越えてきています。必要であれば、医療機関でのカウンセリングやサポートを活用し、自分自身の心を大切にしてください。

流産後の心と体のケア

流産を経験した後は、心にも体にも大きなダメージが残るものです。身体的な症状が落ち着いても、喪失感や自責の念など、心の痛みは時間をかけて癒していく必要があります。無理に元気になろうとせず、自分のペースで過ごすことが大切です。

まずは身体の回復を優先しましょう。出血や腹痛が続く場合は医療機関での診察が必要ですし、ホルモンバランスが乱れることで体調が不安定になることもあります。心配な症状があれば、遠慮せず専門医に相談してください。

心のケアにおいては、パートナーや家族と気持ちを共有したり、信頼できる人に話を聞いてもらうことが回復への一歩になります。話すことで、自分の感情を整理しやすくなり、「ひとりじゃない」と感じられることが心の支えになります。

また、必要に応じてカウンセリングの利用も検討しましょう。ミネルバクリニックでは、妊娠や流産に伴う心理的サポートを専門とした遺伝カウンセラーや医師による相談を受けることができます。

大切なのは、「自分を責めないこと」。流産は誰のせいでもなく、多くは自然な過程の中で起こるものです。身体が癒え、心が整ったとき、また次のステップに進むことができるようになります。

ミネルバクリニックでできるサポート

ミネルバクリニックでは、NIPT(新型出生前診断)に精通した臨床遺伝専門医が在籍しており、検査前から検査後まで一貫したサポートを提供しています。検査結果の解釈に不安がある方や、染色体異常と診断された場合の対応について悩んでいる方にも、医学的根拠に基づいた丁寧な説明が行われます。

特に、トリソミー22のような非常にまれで重篤な染色体異常については、専門的な知識が求められるため、経験豊富な臨床遺伝専門医によるカウンセリングが重要です。ミネルバクリニックでは、感情面への配慮と医学的判断を両立させた対応を行っており、患者さまやご家族の意思を尊重したアドバイスを提供しています。

また、検査後に流産という結果に至った場合も、「なぜそうなったのか」「自分にできることはあったのか」といった疑問や不安に対して、医学的な視点から丁寧に説明を行い、気持ちの整理をサポートしています。

ミネルバクリニックでは、NIPTを単なる検査にとどめず、「医療としてのNIPT」を実現するために、臨床遺伝専門医による高度なサポート体制を整えています。
臨床遺伝専門医によるカウンセリングについてはこちらをご覧ください。

まとめ:NIPT後の流産と向き合うために

NIPTでの結果や流産の経験はつらいものですが、正しい知識を得ることで気持ちが少しずつ整理されていきます。
一人で悩まず、医療機関や家族、医師のサポートを受けながら、次のステップに進んでいきましょう。

院長アイコン

ミネルバクリニックでは、「健やかなお子さまを迎えてほしい」という想いを持つ臨床遺伝専門医の院長のもと、東京都港区青山にてNIPT検査を提供しています。少子化が進む現代において、より健康なお子さまを望むのは自然なことです。そのため、当院では世界最先端の特許技術を活用し、高精度かつ多様な疾患の検査を提供できる信頼性の高い検査会社を、遺伝専門医が厳選しています。さらに、全国どこからでもオンライン診療に対応し、採血はお近くの提携医療機関で受けることも可能です。
ミネルバクリニックでは、NIPTに関する無料カウンセリングを提供しています。まずはお気軽にご相談ください。
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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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