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カリオセブン症例集・重複例

カリオセブン症例集・重複例|5症例すべて確定検査で真陽性|ミネルバクリニック

カリオセブン症例集・重複例
5症例すべて確定検査で真陽性

この記事でわかること
📖 読了時間:約10分
🔬 NIPT・染色体部分重複
臨床遺伝専門医監修

Q. カリオセブンで染色体の部分重複は見つかりますか?

A. はい、カリオセブンは全染色体で7Mb以上の欠失・重複を検出できます。
本記事では、カリオセブンで検出され確定検査で真陽性と確認された5つの重複症例を、検査画像とともに臨床遺伝専門医が詳しく解説します。


  • 症例118番染色体短腕58.5Mb重複:18p重複症候群の可能性

  • 症例211番染色体短腕16Mb重複:インプリンティング遺伝子領域(IGF2/H19)を含む

  • 症例38番染色体長腕50Mb重複:G分染法で確定(大きなサイズ)

  • 症例4NIPTと確定検査でサイズ推定に差:スクリーニングの特性を示す症例

  • 従来のNIPTとの違い → 基本NIPTでは染色体の部分重複は検出不可能

\ 臨床遺伝専門医が直接担当します /


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※オンライン診療で全国対応可能です

1. カリオセブンとは:全染色体の構造異常を検出するNIPT

【結論】 カリオセブンは、現在最も技術的に進歩した全ゲノム対応のNIPTです。従来のNIPTでは検出できなかった染色体構造異常(7Mb以上の欠失・重複)を全染色体の全領域で検出できます。

カリオセブンは、母体血漿から検出されるセルフリー胎児DNA(cfDNA)を分析し、染色体の異数性(トリソミーなど)だけでなく、染色体の一部が余分にある「部分重複」も検出できる次世代のNIPTです。

🔬 カリオセブンの検出対象
  • 全染色体の異数性(トリソミー・モノソミー)
    21、18、13トリソミーはもちろん、全22対の常染色体+性染色体の異常を検出
  • 染色体構造異常(7Mb以上)
    全染色体の全領域で7Mb(700万塩基対)以上の欠失または重複を検出 ← 本記事の症例
  • 9種類の微細欠失症候群
    日本で最多の9疾患微細欠失症候群を検出

💡 なぜ「部分重複」の検出が重要なのか

基本的なNIPTは「21トリソミー」「18トリソミー」など染色体の数の異常(異数性)しか検出できません。しかし、染色体の数は正常でも、一部が余分にある「部分重複」があると、発達や成長に影響を与える可能性があります。本記事で紹介する5症例は、すべて染色体の数は正常だが、一部が重複しているケースです。

2. 症例1:18番染色体短腕の重複(58.5Mb)

【症例概要】 カリオセブン(cfDNA解析)で18番染色体短腕の約58.5Mb重複を検出し、羊水のアレイCGHで確定診断された症例です。18番染色体短腕のほぼ全域に及ぶ大きな重複です。

18番染色体短腕重複(58.5Mb)の検出例:カリオセブンcfDNA解析で検出し羊水アレイCGHで確定

項目 内容
染色体 18番染色体
領域 短腕(p腕)p11.32〜p11.21
異常の種類 重複(duplication)
サイズ 58.5 Mb
確定検査 羊水アレイCGH

✅ グラフの読み方

  • グラフで18番染色体短腕の該当領域が右方向に大きく膨らんでいる
  • これはその領域のDNAコピー数が増加している(=重複している)ことを示す
  • イデオグラム(染色体図)の赤いマーカー部分が該当箇所

🏥 臨床的意義

58.5Mbは非常に大きな重複で、18番染色体短腕のほぼ全域に及びます。18p重複症候群では、発達遅延や特徴的な顔貌などの症状が報告されています。このサイズであれば従来のG分染法でも検出可能ですが、カリオセブンにより非侵襲的に先行して検出できた点が重要です。

3. 症例2:11番染色体短腕の重複(16Mb)

【症例概要】 11番染色体短腕に16Mbの重複が検出された症例です。この領域にはIGF2やH19などのインプリンティング遺伝子が含まれており、臨床的に重要な領域です。

11番染色体短腕重複(16Mb)の検出例:NIPTとアレイCGH両方の結果が一致

左側:カリオセブン(cfDNA解析)

  • 検出領域:Dup11p15.4p15.1 – 16Mb
  • グラフの見方:灰色波形がcfDNAのリード深度
  • 所見:短腕部分で波形が右に膨らむ→DNA量増加=重複を示唆

右側:アレイCGH(羊水検査)

  • 確定結果:Dup11p15.4p15.1 – 16Mb
  • グラフの見方:緑のドットの偏位で重複を確認
  • 診断:真陽性確定・両検査で一致

💡 11p15領域の重要性

11p15領域はインプリンティング遺伝子が集中する臨床的に重要な領域です。IGF2(成長因子)やH19(非コードRNA)などが含まれ、この領域の異常はベックウィズ・ヴィーデマン症候群(BWS)との関連も報告されています。NIPTで検出→羊水検査で確定という理想的な診断フローを示す症例です。

4. 症例3:8番染色体長腕の重複(50Mb)

【症例概要】 8番染色体長腕に50Mbという大きな重複が検出された症例です。この症例の特徴は、確定検査にアレイCGHではなく古典的染色体分析(G分染法)が用いられた点です。

8番染色体長腕重複(50Mb)の検出例:古典的染色体分析(G分染法)で確定

項目 内容
染色体 8番染色体
領域 長腕(q腕)q22.1〜q24.3
異常の種類 重複(duplication)
サイズ 50 Mb
確定検査 羊水の古典的染色体分析(G分染法)

💡 確定検査の選択肢:50Mbは非常に大きな重複のため、従来のG分染法でも十分に検出・確認が可能です。確定検査はアレイCGH以外にも選択肢があり、異常のサイズや性質に応じて適切に選択されます。8q22-q24領域には発達や成長に関わる多くの遺伝子が存在します。

5. 症例4・5:その他の重複症例

【概要】 残り2症例を紹介します。症例4はNIPTと確定検査でサイズ推定に差が生じたスクリーニング検査の特性を示す重要な症例です。

症例4:12番染色体短腕の重複(サイズ推定に差あり)

この症例は、NIPTと確定検査でサイズ推定に大きな差が生じた教訓的な症例です。カリオセブンでは33Mbと推定されましたが、絨毛アレイCGHでは6Mbと確定されました。

12番染色体短腕重複:NIPTでは33Mb、絨毛アレイCGHでは6Mbと推定

検査 推定サイズ 備考
カリオセブン(cfDNA) 33 Mb スクリーニング検査
アレイCGH(絨毛) 6 Mb 確定検査

⚠️ この症例の重要ポイント

  • NIPTはスクリーニング検査であり、サイズの正確な測定には限界がある
  • しかし、重複の存在自体は正しく検出された
  • 最終的なサイズ・範囲の確定には確定検査(アレイCGH)が必要

症例5:2番染色体短腕の重複(16.3Mb)

NIPTと確定検査のサイズ推定が完全に一致した症例です。カリオセブンの精度の高さを示す好例です。

2番染色体短腕重複(16.3Mb):NIPTと羊水アレイCGHで完全一致

検査 推定サイズ 結果
カリオセブン(cfDNA) 16.3 Mb ✓ 完全一致
アレイCGH(羊水) 16.3 Mb

📌 2p25領域の重複は比較的まれで、この領域には神経発達に関わる遺伝子が含まれます。16.3Mbはカリオセブンの検出限界(7Mb)の2倍以上で、確実に検出できるサイズです。症例4と比較すると、カリオセブンの精度は症例によって差があることがわかります。

染色体の部分重複まで検査したい方へ

トリソミーだけでなく、染色体の一部が余分にある
「部分重複」も検査できるカリオセブンをご検討ください。


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6. 5症例のまとめと従来検査との違い

【結論】 本記事で紹介した5症例すべてが確定検査で真陽性と確定されました。これは、カリオセブンが高い精度で染色体部分重複を検出できることを実証しています。

症例 染色体 領域 重複サイズ 確定検査
1 18番 短腕 p11.32-p11.21 58.5Mb 羊水アレイCGH
2 11番 短腕 p15.4-p15.1 16Mb 羊水アレイCGH
3 8番 長腕 q22.1-q24.3 50Mb G分染法
4 12番 短腕 p13.33-p11.1 6Mb(NIPT: 33Mb) 絨毛アレイCGH
5 2番 短腕 p25.3-p24.3 16.3Mb 羊水アレイCGH

従来のNIPTとカリオセブンの比較

検出項目 基本NIPT カリオセブン
21、18、13トリソミー
全染色体の異数性
7Mb以上の重複
7Mb以上の欠失
9種類の微細欠失症候群
仲田洋美院長

🩺 院長コラム【5症例から見える「重複」検出の意義】

本記事で紹介した5症例はすべて、基本的なNIPTでは検出不可能な染色体部分重複です。これらの異常は「染色体の数は正常」なので、トリソミー検査だけでは「異常なし」と判定されてしまいます。

特に注目すべきは症例4です。NIPTと確定検査でサイズ推定に差が生じましたが、重複の存在自体は正しく検出されました。これは「NIPTはスクリーニング、確定検査で精密評価」という使い分けの重要性を示しています。

カリオセブンで陽性と判定された場合には、必ず羊水検査または絨毛検査による確定診断が必要です。当院では羊水検査も院内で実施でき、臨床遺伝専門医がその後のサポートまで一貫して対応いたします。

7. ミネルバクリニックのカリオセブン検査体制

ミネルバクリニックでは、臨床遺伝専門医の専門性を活かした検査体制を整えています。カリオセブンの結果説明から、陽性時の確定検査まで一貫してサポートいたします。

🔬 検査会社との連携

カリオセブンはベリファイ(Fulgent Genetics社)が提供。当院は検査会社と共同発表を行うなど、密接な連携体制を構築しています。

🏥 院内で確定検査まで対応

2025年6月より産婦人科を併設。カリオセブンで陽性の場合も、羊水検査・絨毛検査院内で実施可能です。

👩‍⚕️ 臨床遺伝専門医が常駐

遺伝カウンセリングから結果説明、陽性時のフォローまで、臨床遺伝専門医が一貫して対応します。

💰 互助会で費用面も安心

互助会(8,000円)加入で、陽性時の羊水検査費用を全額カバー(上限なし)。安心して検査を受けられます。

染色体の部分重複まで検査したい方へ

本記事の5症例はすべて基本NIPTでは検出不可能でした。
より広範囲な検査をご希望の方はカリオセブンをご検討ください。


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※オンライン診療で全国対応可能です

よくある質問(FAQ)

Q1. 染色体の「重複」と「欠失」は何が違いますか?

欠失は染色体の一部が「欠けている」状態、重複は染色体の一部が「余分にある」状態です。どちらも遺伝子の量(コピー数)が正常と異なるため、発達や成長に影響を与える可能性があります。カリオセブンは欠失・重複の両方を検出できます。

Q2. 基本的なNIPTでは染色体部分重複は検出できないのですか?

はい、基本的なNIPT(トリソミー検査)では染色体の部分重複は検出できません。基本NIPTは染色体の「数」の異常(21トリソミーなど)のみを検出します。本記事の5症例はすべて染色体の数は正常だが、一部が重複しているケースなので、基本NIPTでは見逃されてしまいます。

Q3. 症例4のように、NIPTと確定検査でサイズが異なることはありますか?

はい、NIPTはスクリーニング検査であり、サイズの正確な測定には限界があります。症例4では33Mbと推定されましたが、確定検査では6Mbでした。ただし重複の存在自体は正しく検出されており、NIPTの役割は「異常の有無を検出すること」にあります。正確なサイズ・範囲の特定は確定検査で行います。

Q4. カリオセブンで陽性だった場合、必ず羊水検査が必要ですか?

はい、カリオセブンはスクリーニング検査であり、確定診断のためには羊水検査または絨毛検査が必要です。本記事の5症例もすべて、カリオセブンで検出された後に確定検査(アレイCGHまたはG分染法)で確定診断されています。当院では羊水検査も院内で実施可能です。

Q5. 確定検査の方法(アレイCGHとG分染法)はどう選ばれるのですか?

異常のサイズや性質に応じて適切に選択されます。アレイCGHは高解像度で微細な異常まで検出できます。G分染法は従来の方法ですが、50Mbなど大きな異常であれば十分に検出可能です。症例3のように、大きな重複ではG分染法で確定されることもあります。

Q6. カリオセブンはいつから受けられますか?

一般的なNIPTと同様に妊娠10週以降から検査可能です。当院ではスーパーNIPTとの組み合わせにより、妊娠6週からの検査にも対応しています。

Q7. 遠方ですがカリオセブンを受けられますか?

はい、オンラインNIPTにより全国どこからでも受検可能です。臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングもオンラインで受けていただけます。

🏥 染色体部分重複の検査をご検討の方へ

トリソミーだけでなく、染色体の部分重複も検査したい方、
カリオセブンについて詳しく知りたい方は、お気軽にご相談ください。
臨床遺伝専門医があなたとご家族に寄り添います。

参考文献

  • [1] Wapner RJ, et al. Expanding the scope of noninvasive prenatal testing: detection of fetal microdeletion syndromes. Am J Obstet Gynecol. 2015;212(3):332.e1-9. [PubMed]
  • [2] Shaffer LG, et al. The use of chromosomal microarray analysis in prenatal diagnosis. Prenat Diagn. 2012;32(4):327-333. [PubMed]
  • [3] American College of Obstetricians and Gynecologists. Screening for fetal chromosomal abnormalities: ACOG Practice Bulletin, Number 226. Obstet Gynecol. 2020;136(4):e48-e69. [PubMed]
  • [4] Fulgent Genetics. Verify Prenatal Test Clinical Validation Data. [Official Site]
  • [5] 日本産科婦人科学会. 出生前に行われる遺伝学的検査および診断に関する見解. [日本産科婦人科学会]
  • [6] Miller DT, et al. Consensus statement: chromosomal microarray is a first-tier clinical diagnostic test for individuals with developmental disabilities or congenital anomalies. Am J Hum Genet. 2010;86(5):749-764. [PubMed]


プロフィール
仲田洋美医師

この記事の筆者:仲田 洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得して以来、のべ10万人以上のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。特に遺伝カウンセリング分野では15年以上の経験を持ち、全国初のオンライン遺伝カウンセリングを確立して、地方在住の方々にも質の高い遺伝医療を提供しています。


仲田洋美の詳細プロフィールはこちら

   

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