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患者様の体験談 – BRCA1遺伝子ブライダルチェック | ミネルバクリニック

患者様の体験談 – BRCA1遺伝子ブライダルチェック | ミネルバクリニック

この記事でわかること

? 読了時間:約8-10分


? 約5,200文字
⭐ 臨床遺伝専門医監修

  • 遺伝子ブライダルチェックを受けるきっかけ
  • BRCA1遺伝子の病的バリアントとは
  • 夫婦で検査を受けた結果と心境の変化
  • 現実的な家族計画の立て方
  • RRSO(予防的卵管卵巣摘出術)の決断
  • 同様の状況の方へのメッセージ

遺伝子ブライダルチェックとの出会い

結婚3年目を迎えた私たち夫婦は、そろそろ子供のことを真剣に考え始めていました。周りの友人たちも次々と赤ちゃんを授かり、「私たちも家族を持ちたいね」という会話が自然と増えていました。

そんなある日、職場の先輩から思いがけない提案をされました。

「私、妊娠前に遺伝子検査を受けたのよ。遺伝子ブライダルチェックって言うの。最近話題になってるから調べてみたら?」

検査を受ける決意

「遺伝子検査?」私は首をかしげました。「どんなことがわかるんですか?」

「赤ちゃんが遺伝病を持って生まれるリスクとか、自分が将来かかりやすい病気とかがわかるの。アメリカでは妊娠前に受けるのが普通らしいよ」

その夜、夫婦でインターネットで調べてみました。
「へぇ、787の遺伝子を調べるのか」
「ちょっと高いけど、一生に一回でいいなら…」
「子供のことを考えるなら、知っておいた方がいいかもね」

数週間悩んだ末、夫婦で検査を受けることを決めました。唾液を採取して送るだけの簡単な検査でした。

運命を変えた検査結果

⚠️
遺伝子ブライダルチェック検査結果
夫:問題なし
妻:BRCA1遺伝子に病的バリアント保有
(遺伝性乳がん卵巣がん症候群のリスク保有者)

そして3週間後、結果を聞きに病院へ向かいました。
「検査結果をお伝えします」
医師の言葉に、私たち夫婦は緊張した面持ちで座っていました。

夫の結果は問題なかったのですが、私のファイルを開く医師の表情が少し曇りました。
「奥様、BRCA1遺伝子に病的バリアントが見つかりました」

私は首をかしげました。「BRCA1?それは何ですか?」
夫も同じような表情でした。「何か悪いものなのでしょうか?」

BRCA1遺伝子とは?医師の説明

医師は丁寧に説明を始めました。
「BRCA1は、乳がんや卵巣がんに関わる遺伝子です。この遺伝子に変異があると、生涯で卵巣がんを発症するリスクが約48%、乳がんのリスクも一般の方より大幅に高くなります」

「えっ…」私の顔が青ざめました。「でも、うちの家族に癌の人はいませんよ?」

医師:「実は、家族歴がなくても遺伝子変異を持っていることはあるのです。だからこそ、この検査を受けていただいて良かったのです」

夫が私の手を握りました。「治療法はあるんですか?」

現代医療での選択肢:希望への道筋

医師が続けました。
「現在では選択肢があります。BRCA1の場合、今後の妊娠を考えていない方は、35~40歳までにリスク低減卵管卵巣摘出術という予防的な手術を受けることが勧められます。お子さんを産み終えてから手術を検討するのが一般的です」

私は戸惑いながら聞きました。「手術って…健康な臓器を取るということですか?」

医師:「そうです。確かに大きな決断ですが、病的バリアントを保持する遺伝子がBRCA1では35歳以降から卵巣がんが増えてくることから、予防的手術が最も確実な予防手段とされています」

つまり、お子さんを持ちたいなら、なるべく早めに妊娠・出産を考えて、その後予防的手術を検討するのが現実的です。

また、乳がんについても定期的なMRI検査や、必要に応じて予防的乳房切除術という選択肢もあります。

夫婦の決断:計画的な家族づくり

その日の夜、夫婦で長い時間話し合いました。
「まだ実感がわかないです。本当に私が癌になりやすいなんて」
「でも、知ることができて良かったんじゃないか。対策を立てられるから」
「あの時、先輩に教えてもらわなかったら、ずっと知らないままだったのね」

私たちが立てた家族計画:

  • すぐに積極的な妊活を開始
  • 可能な限り早めに2人の子供を出産
  • 出産完了後、39-40歳で予防的卵管卵巣摘出術を実施
  • 乳がんについては定期的なMRI検査でサーベイランス
  • セカンドオピニオンも含めて専門医と十分相談

その後の歩み:計画通りの人生

数ヶ月後、セカンドオピニオンも含めて専門医に相談し、私たち夫婦は積極的な妊活を開始しました。幸い1年後に第一子を授かり、その後もう一人出産することができました。

そして私が39歳になったタイミングで、予防的卵管卵巣摘出術を受けることを決意しました。手術は腹腔鏡で行われ、思っていたより負担は少なく済みました。

現在は更年期症状の管理のためホルモン補充療法を受けながら、乳がんについては年2回のMRI検査でしっかりとサーベイランスを続けています。

振り返って:検査を受けて良かったこと

「最初は軽い気持ちで受けた検査でした」私は今振り返ります。「まさかこんな結果が出るとは思わなかった。でも、知らないまま自然に妊娠していたら、子供たちにも同じリスクを50%の確率で遺伝させていたかもしれない。検査を受けて本当に良かった」

夫も同感でした。「先輩に教えてもらって、軽い気持ちで始めた検査が、こんなに人生を変えるとは。でも早めに知れて、計画的に行動できて良かった」

手術は怖かったけど、これで卵巣がんのリスクはほぼなくなりました。子供たちも健康に生まれてくれて、家族を守るためにできることをしました。母や祖母がもしBRCA1変異を持っていたとしても、私たちと同じ選択肢はなかった時代でした。

私たちの未来は、職場での何気ない会話から始まった一つの検査によって大きく変わりました。最初は戸惑いと不安でいっぱいだったけど、正しい知識を得ることで、家族の健康を守るための具体的な道筋を見つけることができました。

同じような状況でお悩みの方へ

これから子供を考えている方、家族の健康について不安がある方は、ぜひ遺伝子検査を検討してみてください。知ることで選択肢が広がります。

関連情報:

→ 遺伝子ブライダルチェックについて

保因者検査+不妊検査+81のActionable疾患遺伝子

よくある質問

Q. BRCA1変異があると必ずがんになりますか?

生涯で乳がんを発症するリスクは約65-80%、卵巣がんは約48%ですが、必ず発症するわけではありません。適切な対策により、リスクを大幅に下げることができます。

Q. 予防的手術はいつ受けるべきですか?

BRCA1の場合、35-40歳での実施が推奨されます。挙児希望がある場合は、お子さんを産み終えてからが一般的です。個々の状況に応じて専門医と相談することが重要です。

Q. 子供への遺伝はどうなりますか?

BRCA1変異は50%の確率で子供に遺伝します。男女問わず遺伝する可能性がありますが、男性の場合は前立腺がんなどのリスクが高まり、女性の場合は乳がん・卵巣がんのリスクが高まります。

Q. 遺伝子ブライダルチェックの費用は?

お一人様385,000円(税込)です。夫婦で同時受検の場合は715,000円(税込)となり、55,000円お得になります。遺伝カウンセリング料金は別途必要です。

Q. オンラインでも相談できますか?

はい、ミネルバクリニックではオンライン診療にも対応しています。全国どこからでも遺伝カウンセリングを受けることができ、検体は郵送で対応可能です。

ミネルバクリニックの特徴


  • 臨床遺伝専門医による診療:HBOC診療の豊富な経験

  • 包括的検査:787遺伝子の保因者検査+不妊遺伝子+アクショナブル遺伝子

  • オンライン対応:全国どこからでも遺伝カウンセリング可能

  • 夫婦割引制度:同時受検で55,000円お得

  • 継続的サポート:検査後のフォローアップから予防的手術まで
ミネルバクリニック
日本初の遺伝診療専門クリニック

臨床遺伝専門医による包括的サポート
夫婦同時検査:715,000円(税込)+ 遺伝カウンセリング料金

オンライン診療対応・全国どこからでも検査可能

※こちらは患者様の実体験に基づく体験談です。検査結果や治療効果は個人により異なります。

※遺伝子検査をお考えの方は、必ず臨床遺伝専門医にご相談ください。

※本記事の医学的情報は2025年9月現在のものです。



プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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