この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)
ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。
記事の作り方(編集方針)

先天性角化不全症(先天性角化異常症)は、染色体の端を守る「テロメア」を保つ遺伝子の変化によって起こる遺伝性の病気です。この検査では、原因となる11の遺伝子を一度に調べます。名前に「角化」とありますが、皮膚の角化症とは別の病気です。爪・皮膚・口の中の特徴がそろわないまま、大人になってから肺線維症や肝臓の病気、骨髄不全(血液をつくる力の低下)として見つかる方もいます。別々の診療科で診ていた肺・肝臓・血液の病気が、ひとつの原因でつながることがあります。このページでは、検査でわかること・わからないこと、結果のあとにできることを、臨床遺伝専門医が解説します。
⏱️ 30秒でわかる要約
🧬 Q. この検査で何がわかりますか?
先天性角化不全症と、その仲間の「テロメアの病気」の原因となる11遺伝子(ACD・CTC1・DKC1・NHP2・NOP10・PARN・RTEL1・TERC・TERT・TINF2・WRAP53)に、病気の原因となる変化がないかを一度に調べます。
🧬 Q. どんな人が受けるとよいですか?
爪・皮膚・口の中の特徴がある方、原因のわからない血球の減少・骨髄不全がある方、若い年齢での肺線維症や肝臓の病気がある方、ご家族にこうした病気が重なっている方、骨髄移植を考えている方とそのきょうだいです。
🧬 Q. 費用・日数・検体は?
検査費用は330,000円(税込)、結果までは2〜3週間です。検体は血液・唾液・頬の内側の粘膜などで、オンライン診療でもお受けできます。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。
🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?
結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。原因がわかれば、血液・肺・肝臓・がんの定期的なチェックや、ご家族の検査、移植のドナー選びの手がかりになります。意義がまだわからない変化(VUS)が見つかることもあります。
1. 先天性角化不全症とは:テロメアが短くなる遺伝性の病気
先天性角化不全症は、テロメアを保つしくみに関わる遺伝子の変化によって、テロメアが年齢に比べてとても短くなる遺伝性の病気です。骨髄不全・がん・肺の病気・肝臓の病気が起こりやすくなります[1][2]。英語では dyskeratosis congenita(DC)といい、小児慢性特定疾病の制度では「先天性角化異常症」という名前で呼ばれています。最近は、同じしくみで起こる病気をまとめて「テロメア生物学的障害(TBD)」と呼ぶようになっています[1]。
遺伝性疾患の解説書GeneReviewsは、この病気の頻度はわかっておらず、まれな病気と考えられているとしています[1]。病気そのもののしくみや研究の詳しい解説は、先天性角化不全症の症状・原因・治療・管理のページにまとめています。このページでは、検査を受けるかどうかを決めるために必要なことを中心にお伝えします。
テロメアとは
テロメアは、染色体の両端にある、同じ配列の繰り返しでできた部分です。靴ひもの先についているプラスチックのキャップのように、染色体の端がほつれたり、ほかの染色体とくっついたりしないように守っています。テロメアは細胞が分かれるたびに少しずつ短くなり、短くなりすぎると細胞は分かれることができなくなります。
先天性角化不全症では、テロメアを伸ばす酵素(テロメラーゼ)や、テロメアを守るたんぱく質の働きが弱いため、テロメアが早く短くなります。そのため、骨髄のように細胞がさかんに入れ替わる場所から影響が出やすくなります。
典型的な3つの特徴と、骨髄・肺・肝臓・がん
典型的な特徴は、爪の形の異常、首や胸の上のほうのレース状(網目状)の色素沈着、口の中の白い斑点(白板症)の3つです。ただし、この3つがすべての方にそろうわけではありません[1]。この病気で命に関わりうるのは、皮膚の症状よりも、次のような体の中の合併症です。
- ●骨髄不全:血液をつくる力が落ち、赤血球・白血球・血小板が減ります。GeneReviewsでは、約半数の方が40歳までに何らかの骨髄不全になるとされ、どの年齢でも起こりうる、最初に気づかれることの多い症状です[1]。
- ●がん:骨髄異形成症候群や急性骨髄性白血病、舌など頭頸部の扁平上皮がんが起こりやすくなります[1][3]。
- ●肺線維症:肺が硬くなる病気で、最初の症状として現れることも、年月をかけて出てくることもあります[1]。
- ●肝臓の病気:肝臓の線維化や肝硬変、門脈圧亢進症などが、重い合併症として知られるようになっています[1]。
GeneReviewsが紹介している米国国立がん研究所(NCI)の追跡調査(197人・15年)では、一般の人から予想される数と比べて、がん全体は4.2倍、頭頸部の扁平上皮がんは74倍、骨髄異形成症候群は578倍多くみられました。がんが見つかった年齢の中央値は38歳、骨髄異形成症候群は31歳でした[1]。数字の大きさに驚かれるかもしれませんが、これは「原因がわかっている人は、早く見つけるための定期的なチェックに意味がある」ということでもあります(第5章)。
大人になってから見つかる「テロメアの病気」
この病気は子どもの病気と思われがちですが、爪・皮膚・口の特徴がほとんどないまま、大人になってから肺線維症・骨髄不全・肝臓の病気として見つかる方がいます。ここが、検査を考えるうえでいちばん知っていただきたい点です。
- ●肺:家族に肺線維症が重なる家系を調べた研究では、発端者の8%(6人)にTERTまたはTERCの変化がみつかり、6家系のうち5家系では先天性角化不全症の典型的な特徴がみられませんでした[4]。PARNやRTEL1の変化も、家族性の肺線維症と関係することが報告されています[5]。
- ●血液:大人になってから血球が減り、後天性の再生不良性貧血のように見えた2家系で、TERCの変化がみつかりました。この家系の方々には先天性角化不全症の体の特徴はありませんでしたが、全員でテロメアがとても短くなっていました[6]。
- ●肝臓:テロメラーゼの遺伝子の変化をもつ家系で、骨髄不全・肺線維症とともに、さまざまな重い肝臓の病気がみられ、肝臓の病気は骨髄不全がないまま起こることもあったと報告されています[7]。
肺は呼吸器内科、血液は血液内科、肝臓は消化器内科と、ふだんは別々の診療科で診ている病気です。ご本人やご家族にこれらが重なっている場合、遺伝子検査でひとつの原因が見つかると、ばらばらに見えていた病気がつながり、これから何に気をつけるべきかが見えてきます。
重い型:ホイエラール・フレイダルソン症候群、レヴェス症候群、Coats plus症候群
子どものうちに発症する重い型もあります。GeneReviewsによると[1]、
- ●ホイエラール・フレイダルソン症候群:とても重い型で、幼児期に発症します。診断には小脳の低形成があることが必要とされています。
- ●レヴェス症候群:診断には両目の滲出性網膜症(網膜の血管から液体がしみ出す病気)があることが必要とされています。TINF2遺伝子と関係する型として知られています。
- ●Coats plus症候群:両目の滲出性網膜症、網膜の血管の拡張、おなかの中での発育の遅れ、頭の中の石灰化などを伴います。石灰化と嚢胞を伴う脳網膜微小血管症1とも呼ばれ、CTC1遺伝子の変化で起こることが示されています[8]。
寿命・見通し
先天性角化不全症の寿命や見通しは、どの臓器にどの程度の合併症が出るかによって大きく違い、一律に「何歳まで」と言うことはできません。GeneReviewsは、この病気はまれなため、原因遺伝子と症状の重さのはっきりした対応はまだわかっておらず、症状の出方(浸透率)もよくわかっていないとしています[1]。
見通しを左右する主な合併症は、骨髄不全・がん・肺の病気・肝臓の病気です[2]。だからこそ、原因がわかった方では、これらを早めに見つけるための定期的なチェックに意味があります。どんなチェックが勧められているかは、第5章でご説明します。
日本の制度:指定難病・小児慢性特定疾病(2026年10月時点)
先天性角化不全症は、指定難病65「原発性免疫不全症候群」の病型のひとつ(免疫不全を伴う特徴的な症候群)として、厚生労働省の概要・診断基準に含まれています。小児慢性特定疾病でも、「先天性角化異常症」の名前で対象疾病になっています(免疫疾患・告示番号51)。いずれも2026年10月に、厚生労働省と小児慢性特定疾病情報センターの資料で確認しました。
医療費の助成を受けるには、それぞれの制度の認定の基準を満たし、申請することが必要です。認定の基準や申請の方法は、難病情報センター・小児慢性特定疾病情報センターや、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。病名がはっきりすることは、こうした制度を使うときの手がかりにもなります。
2. どんな人がこの検査を受けるとよいか
爪・皮膚・口の特徴がある方だけでなく、原因のわからない骨髄不全・肺線維症・肝臓の病気がある方、ご家族にこれらが重なっている方、骨髄移植を考えている方とそのきょうだいに向く検査です。典型的な特徴がそろわない方も多いため、見た目だけで「違う」と決めることはできません。
症状・検査値から考える方
- ●爪の形の異常、首や胸のレース状の色素沈着、口の中の白板症のうち、1つ以上がある方
- ●原因のわからない血球の減少(貧血・白血球の減少・血小板の減少)や、若い年齢で再生不良性貧血・骨髄異形成症候群と診断された方
- ●原因のわからない肺線維症や、肝硬変・肝機能の異常がある方
- ●若い年齢で頭頸部(舌など)の扁平上皮がんが見つかった方
- ●リンパ球のテロメアの長さを測る検査(フローFISH法)で、年齢に比べてとても短いと言われた方
GeneReviewsは、リンパ球のテロメアの長さが年齢の1パーセンタイル未満であることは、この病気に対して感度97%・特異度91%としています[1]。テロメアの長さはこの病気を疑う大切な手がかりですが、どの遺伝子が原因かまではわかりません。原因の遺伝子がわかると、ご家族の検査や、妊娠を考えるときの計画に使える情報になります。
ご家族に肺線維症・骨髄不全・若い年齢でのがんがある方
ご家族に、肺線維症、原因のわからない骨髄不全や再生不良性貧血、肝硬変、若い年齢での頭頸部のがんが重なっている場合、ご自身に症状がなくても検査を考える理由になります。前の章でご紹介したように、テロメアの遺伝子の変化をもっていても、体の特徴がほとんど出ない方がいるためです[4][6]。
ご家族の中ですでに原因の変化がわかっている場合は、その変化があるかどうかを確かめる検査になります(カスケード検査)。GeneReviewsは、症状のない血縁者でも、早めのチェックと治療につなげるために、テロメアの長さの検査と、原因がわかっていれば遺伝子検査で評価することを勧めています[1]。
骨髄移植を考えている方とそのきょうだい:ドナー候補を調べる意味
骨髄移植(造血幹細胞移植)でご家族をドナーにする場合、GeneReviewsは、ドナー候補の血縁者について、ご本人と同じ遺伝子の変化があるか、原因がわからなければテロメアの長さを調べることを勧めています[1]。この病気は症状の幅がとても広く、元気に見えるきょうだいが同じ変化をもっていることがあるため、血縁者のドナー選びが難しくなることがあるとされています[1]。
ご本人の原因の遺伝子がわかっていれば、きょうだいは同じ変化があるかどうかをはっきり確かめられます。あなたの1回の検査が、ご家族を守る判断の手がかりになります。移植そのものは、この病気の治療経験のある専門の医療機関で検討されます(当院では移植は行っていません)。
この検査とほかの検査の選び分け
テロメアの病気が疑わしいときはこの検査、血球の減少だけがあり、ファンコニ貧血など別の骨髄不全もまだ考えられるときは骨髄不全症候群パネルが向いています。当院の関連する検査の違いは次のとおりです(2026年10月時点の各検査ページの内容)。
🔍 テロメアの病気・骨髄不全に関係する当院の検査
※3つのパネル(このページの検査・骨髄不全症候群パネル・テロメア関連肺線維症の検査)の検査費用は、いずれも330,000円(税込)です(2026年10月時点の各ページの記載)。骨髄不全全体の考え方は遺伝性骨髄不全症候群(IBMFS)で解説しています。
この検査が向かない場合
血液・肺・肝臓以外にも多くの症状があり、病気を絞り込めない場合は、全エクソーム検査(WES)のように、より広く調べる検査のほうが向いていることがあります。また、この検査は生まれ持った遺伝子(生殖細胞系列)を調べる検査で、白血病などのがんの細胞にだけある変化を調べる検査ではありません。どの検査が合うかは、症状・これまでの検査結果・ご家族の情報で変わるので、遺伝カウンセリングで一緒に決めましょう。
3. 調べる11遺伝子と、関係する病気・遺伝のしかた
この検査では、テロメアの維持に関わる11遺伝子を調べます。遺伝子によって、常染色体顕性(優性)・常染色体潜性(劣性)・X連鎖と、遺伝のしかたが違います。GeneReviewsでは、先天性角化不全症・テロメア生物学的障害の方の約20%では、知られている遺伝子に原因が見つからないとされています[1]。
🧬 対象の11遺伝子と関係する病気
※遺伝のしかたと原因に占める割合はGeneReviews[1]、関係する病気はOMIMの病名番号(UniProt・Ensembl・NCBI Geneで照合、2026年10月確認)による。NOP10の肺線維症・骨髄不全9型とPARN・RTEL1・TERC・TERTの肺線維症・骨髄不全の型は、主に大人で見つかる型です。
遺伝のしかたで、ご家族への伝わり方が変わる
お子さんやきょうだいに伝わる確率は、どの遺伝子のどんな変化かで決まります。そのため、遺伝子を特定することが、ご家族の計画の出発点になります。
- ●常染色体顕性(優性)遺伝(TERC・TINF2、TERT・RTEL1・ACDの多くなど):親が変化をもっていれば、お子さん1人あたり2分の1の確率で受け継ぎます。TINF2では、変化の多くがご本人で新しく起きたもの(de novo)とされています[1]。
- ●常染色体潜性(劣性)遺伝(CTC1・NHP2・NOP10・WRAP53・PARNなど):ご両親がともに保因者の場合、きょうだいは4分の1の確率で発症し、2分の1の確率で保因者になります。潜性遺伝の型では、保因者は通常、その型の病気を発症しません。ただし、PARNでは片方だけの病的な変化でも成人の肺線維症の原因になることがあり、NOP10にも顕性遺伝の型があるため、症状が出る可能性は、遺伝子と変化の種類に応じて判断します。
- ●X連鎖遺伝(DKC1):発症するのは主に男性です。発症した男性の娘さんは全員が変化を受け継ぎ(保因者)、息子さんは受け継ぎません[1]。保因者の女性から生まれるお子さんは、性別にかかわらず2分の1の確率で変化を受け継ぎます。
TERCの変化をもつ家系では、世代を重ねるごとにテロメアが短くなり、発症が早く重くなる「表現促進現象」がみられることが報告されています[9]。同じ変化をもつ家族でも症状の重さが大きく違うことがあり、「親が元気だから、子どもも大丈夫」とは言えません。だからこそ、知ったうえで計画することに意味があります。
ご両親のどちらにも変化が見つからない場合でも、親御さんの卵子や精子のもとになる細胞(生殖細胞)にだけ変化がある「モザイク」の可能性は残ります[1]。変化をもつ生殖細胞からできる卵子・精子は2分の1の確率で変化を受け継ぎます。生殖細胞のうちどれくらいが変化をもつかは実際の診療では調べられないため、お子さん1人あたりの確率は『最大で2分の1』とお伝えしています。
4. この検査でわかること・わからないこと
この検査でわかるのは、11遺伝子の小さな変化(1文字の置き換わりや、小さな挿入・欠失)と、遺伝子のまとまった欠失・重複です。調べていない遺伝子や、この方法では見つけにくい変化もあるため、「陰性=この病気ではない」とは言えません。
検査は次世代シークエンサーを使い、各遺伝子で検査対象となる領域を読みます。たんぱく質をつくる遺伝子では主にその設計図に当たる部分と周辺を調べますが、TERCはたんぱく質ではなく、テロメラーゼの構成要素となるRNAを作る遺伝子です。見つかった欠失・重複は、別の原理の方法(qPCR法やMLPA法)でもう一度確かめてから報告します。読み取りの質が十分でない部分は、サンガー法で確かめます。
- ●調べていない遺伝子:先天性角化不全症の原因として、ほかにNAF1・RPA1・ZCCHC8・POT1・STN1などが知られていますが、この検査には含まれていません[1]。
- ●見つけにくい変化:染色体の転座や逆位、繰り返し配列の伸び、遺伝子の働きを調節する部分(プロモーター)やエクソンから離れたイントロンの変化は対象外です。1つのエクソンだけの欠失・重複は、ふだんは検出されません。欠失・重複の検査で2つ以上の続いたエクソンの変化まで調べられるのは、血液の検体の場合です。
- ●モザイク:体の一部の細胞にだけある変化(モザイク)を見つけるようには作られていません。GeneReviewsには、血液では見つからなかったTERCの変化が、皮膚の細胞など別の組織で見つかった例が紹介されています[1]。
- ●がんの組織:腫瘍の組織を使った検査には対応していません。
- ●意義がまだわからない変化(VUS):病気の原因かどうか、今はまだ判断できない変化が見つかることがあります。GeneReviewsは、VUSだけでこの病気を確定したり否定したりはできないとしています[1]。
検査の精度の目安(カバレッジ)を見る
対象の遺伝子の99%以上の領域を、20回以上読み取ります(≥99% at 20x)。同じ場所を何回も読むほど、読み間違いと本当の変化を見分けやすくなります。
ご本人に症状がある場合や、テロメアがとても短いとわかっている場合は、陰性でも病気が否定されたことにはなりません。そのときは、症状やテロメアの長さの検査の結果とあわせて考えていきます(第5章)。
5. 結果が出たあと
結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。結果だけをお送りすることはありません。陽性・陰性・VUSのそれぞれで、次にできることが違います。
陽性だったとき:定期的なチェックと、治療の考え方
原因の遺伝子がわかると、病名がはっきりし、何をどのくらいの間隔で確かめればよいかが決まります。GeneReviewsが示す主なチェックは次のとおりです[1]。実際の間隔は、主治医が症状や経過に合わせて決めます。
🩺 原因がわかった方に勧められている主なチェック
※GeneReviews(2023年更新)の経過観察の表[1]による。
治療について、GeneReviewsは、重い骨髄不全や白血病を根本から治せるのは造血幹細胞移植だけで、この病気の治療経験のある施設で行うべきとしています[1]。合う血縁者のドナーがいない場合は、まずアンドロゲン(男性ホルモンの仲間の薬)を試すことも考えられるとされています[1]。テロメアの病気の方にダナゾールを使った研究では、評価できた12人全員でテロメアの短くなる速さが抑えられ、3か月の時点で評価できた24人のうち19人(79%)に血液の数値の改善がみられました[10]。肝機能などへの副作用があるため、量は調整が必要とされています[1]。
また、GeneReviewsは、移植を考えている方では、ご家族が献血のドナーにならないこと、アンドロゲンとG-CSF(白血球を増やす薬)を一緒に使わないこと、喫煙・飲酒・強い日差しを避けることなどを挙げています[1]。原因がわかっていると、こうした「避けたほうがよいこと」も含めて、治療と生活の選び方の手がかりになります。治療や移植は、血液内科などの専門の医療機関で受けていただくことになります(当院では治療・移植は行っていません)。
ご家族の検査
原因の変化がわかると、ご両親・きょうだい・お子さんは、同じ変化があるかどうかを確かめる検査を受けられます。症状のないご家族にとっては、将来に備えるための検査になるため、検査の前に遺伝カウンセリングで、知ることの意味をよく考えていただきます。きょうだいが移植のドナー候補になる場合は、第2章でご説明したとおり、移植の前に確かめることが勧められています[1]。
陰性・VUSだったとき
原因が見つからなかった場合でも、約20%の方では知られている遺伝子に原因が見つからないことや、この検査に含まれない遺伝子もあることから、病気が否定されたことにはなりません[1]。症状やテロメアの長さの検査とあわせて考え、必要に応じて、全エクソーム検査など、より広い検査を検討します。
VUSは、それだけで診断やご家族の発症リスクの判断には使いません。ただし、その変化が病気に関係するかを検討するために、ご家族の検査を行うことがあります。研究が進んで、のちに意味がはっきりすることもあります。報告書の見方は遺伝子検査結果の見かたで、調べた目的と別の病気の原因が見つかったときの扱いは二次的所見の開示方針で解説しています。
結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。
妊娠・出産を考えている方へ
ご家族で原因の遺伝子の変化がわかっていれば、妊娠したときに赤ちゃんで同じ変化があるかを調べられます。GeneReviewsも、ご家族で原因の変化がわかっていれば、出生前検査と着床前検査が可能としています[1]。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。この病気で出生前診断を行うかどうかは、病気の重さや国内の指針を踏まえて一緒に考えますので、妊娠を考えている段階からご相談ください。
潜性遺伝やX連鎖の型では、パートナーや女性の保因者の検査が手がかりになります。当院の拡大版保因者スクリーニング(女性版787遺伝子)には、このページの遺伝子のうちDKC1・CTC1・RTEL1・TERTが、男性版714遺伝子にはCTC1・RTEL1・TERTが含まれています(2026年10月時点の各ページの遺伝子一覧)。ただし、TERTやRTEL1は、1つの変化だけでも顕性遺伝の病気の原因になることがあるため、結果の意味は遺伝カウンセリングでご説明します。妊娠中の方には、NIPTと同じ日に採血できるカップルの保因者検査ファミリーセーフティ プラスもあります(対象の遺伝子は来院時にご提示しています)。
海外でPGT-M(着床前遺伝学的検査)を考えている方へ:英語の検査結果をお渡しできます
PGT-Mは、体外受精でできた受精卵(胚)の一部の細胞を調べ、ご家族でわかっている遺伝子の変化を受け継いでいない胚を選んで子宮に戻す検査です。当院は体外受精・PGT-Mを行っていません。当院でできるのは、原因の遺伝子の確定、英語の検査結果の用意、遺伝カウンセリング、ご家族の遺伝子検査、妊娠後の絨毛検査・羊水検査です。英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。
欧州ヒト生殖医学会(ESHRE)の推奨[11]では、PGT-Mの準備には、①病気の原因と確かめられた遺伝子の変化があること、②どの遺伝子のどの変化かが書かれた元の報告書、③ご家族の検体、が必要です。受精卵から取れるDNAはごくわずかで、2本あるうちの片方が読み取れない「アレル・ドロップアウト」などで判定を誤るおそれがあります。そのため、変化のある場所の両側の目印を家系の中でたどる「ハプロタイプ解析」を組み合わせます。ご本人の検査結果だけでは、PGT-Mの準備はふつう整いません。
ESHREの推奨が示す、必要な血縁者の検体の目安は、遺伝のしかたによって違います[11]。顕性遺伝(TERC・TINF2など)では患者さん少なくとも1人(できれば2人)、および/または発症していない方1人。潜性遺伝(CTC1・NHP2・NOP10・WRAP53など)では患者さん(2つの変化をもつ方)・保因者・保因者でない方。X連鎖(DKC1)では患者さん、および/または発症していない方(保因者と確かめられた方が望ましい)です。血縁者がいない場合、指針は治療周期の受精卵や1個の精子を調べる方法も挙げていますが、施設や家系の状況によって、受けられないこともあります。また、新しく起きた変化(de novo)で、これまでに妊娠歴のないご夫婦では、一般的なハプロタイプ解析の方法は使えないとされています[11]。TINF2のように新しく起きた変化が多い遺伝子では、とくに注意が必要です。
臨床遺伝専門医としての判断として、意義がまだわからない変化(VUS)は病気の原因と確かめられていないため、そのままPGT-Mの対象にするのは難しいと考えます。潜性遺伝の型では、ご夫婦それぞれがどの変化をもっているかを確かめておく必要があります。海外の施設によって求められる書類や検体は違うので、受ける予定の施設にも前もってご確認ください。海外でPGT-Mを考えている方は、ご本人の検査の段階から、検査に協力していただけるご家族(とくに同じ変化をもつ方)がいるかを考えておくことが大切です。当院では、ご家族の遺伝子検査も、遺伝カウンセリングのうえでお受けしています。くわしくは海外でPGT-Mを考えている方へをご覧ください。
⚠️ PGT-Mは診断ではなく、スクリーニング検査です
PGT-Mは受精卵のごく一部の細胞を調べる検査で、結果が赤ちゃんの状態と食い違うことがあります。ESHREの推奨は、多くの施設で誤った結果になる割合は全体で1〜3%まで下げられているとしたうえで、PGTのあとに妊娠したすべての方に出生前診断を提案すべきとしています[12]。当院では、PGT-Mで選んだ胚で妊娠した場合も、妊娠中に赤ちゃんそのものを調べる確定検査(絨毛検査・羊水検査)で確かめることが望ましいと考えています。当院では絨毛検査・羊水検査を院内で行っており、海外でPGT-Mを受けたあとの妊娠でもご相談いただけます。
日本では、日本産科婦人科学会の「重篤な遺伝性疾患を対象とした着床前遺伝学的検査(PGT-M)に関する指針」(2026年9月改定)にもとづき、症例ごとに学会の審査を受け、そのうえで実施施設の倫理委員会が承認して行われます。この指針の「重篤」は、原則として、成人に達する前に日常生活が著しく損なわれる、または生存が危ぶまれる状態になる疾患で、申請の時点で有効な治療法がないか、治療法があっても高度かつ侵襲度の高いもの、とされています。学会の発表では、2025年7月〜2026年6月の1年間に審査した73件のうち、37件が審査継続中でした(2026年9月発表)。
PGT-Mの対象になる病気は、国によって違います。英国では公的機関(HFEA)がPGT-Mを行ってよい病気の一覧を公表しており、2,000を超える病気が載っています(2026年9月17日更新の一覧で2,067)。一覧にない病気は、施設を通じて申請し、HFEAが審査します。米国では、PGTを直接規制する連邦や州の法律はなく、主に医師・施設の判断で行われています[13]。米国生殖医学会の倫理委員会は2024年、大人になってから発症する病気に対するPGT-Mも倫理的に許容されうるとする意見を出しています[14]。どの病気がPGT-Mの対象になるかは、国や制度、施設によって違います。同じ病気でも、ある国では対象になり、別の国では個別の審査が必要になることがあります。受ける国の制度と、施設の条件を前もって確かめてください。
6. 検査の流れ・費用・結果までの日数・検体
検査費用は330,000円(税込)、結果までは2〜3週間です。検体は血液・抽出したDNA・頬の内側の粘膜・唾液のいずれかで、オンライン診療でもお受けできます。
ご予約
▶
遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
▶
検体の採取キットはお支払い後に発送
▶
結果のご説明2〜3週間後・マイページへ
💴 費用・日数・検体
※当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。ご夫婦・カップルで同じ検査を同じ日に一緒に受ける場合は、遺伝カウンセリング料が1人分になります(検査費用の割引はありません)。
オンライン診療(ビデオ通話)で遺伝カウンセリングを行ったあと、検体を当院にお送りいただきます。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。検体採取キットは、検査料金をお支払いいただいた後にお送りします。検体の取り違えを防ぎ、検査に使える品質を保つため、ご自身で勝手に検体を採取しないでください。造血幹細胞移植を受けたことがある方は、検体の選び方について、予約の際にお知らせください。
遺伝カウンセリングでは、検査で何がわかり、何がわからないか、結果がご家族にとってどういう意味をもつかをご説明します。検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。遺伝子検査そのものの基本は、遺伝子検査(遺伝学的検査)とはで解説しています。
7. 院長コラム
🩺 院長コラム【ばらばらの病気が、ひとつにつながるとき】
私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。
先天性角化不全症は、爪や皮膚の特徴がそろわないまま、肺・肝臓・血液の病気として、別々の診療科で別々に診られていることがある病気です。私は内科とがんの薬物療法の専門医でもあるので、臓器ごとに分かれて診られている病気が、遺伝子という一本の糸でつながることの意味を強く感じています。原因がわかれば、どの臓器を、どのくらいの間隔で見ていけばよいかを、まとめて考えられるようになります。
遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。たとえば、家族歴が濃いものの、ご本人は大学を卒業して会社に勤めていた方が、念のため検査を受けたところ、染色体の微小欠失が見つかったことがあります。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。
遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。知ったうえで結婚や妊娠を考えたい方には、出生前診断まで当院で続けて支えられる体制を整えています。どの選択をされても、その選択を尊重します。
8. よくある質問(FAQ)
Q1. 先天性角化不全症とはどんな病気ですか?
染色体の端を守るテロメアを保つ遺伝子の変化によって、テロメアが年齢に比べてとても短くなる遺伝性の病気です。爪の形の異常、首や胸のレース状の色素沈着、口の中の白板症が典型的な特徴ですが、すべての方にそろうわけではありません。骨髄不全、骨髄異形成症候群や頭頸部のがん、肺線維症、肝臓の病気が起こりやすくなります。皮膚の角化症とは別の病気で、先天性角化異常症とも呼ばれます。
Q2. 爪・皮膚・口の特徴がそろっていなくても検査を受けられますか?
受けられます。テロメアの遺伝子の変化をもっていても、体の特徴がほとんどないまま、大人になってから肺線維症や再生不良性貧血のような血球の減少、肝臓の病気として見つかる方がいることが報告されています。ご本人やご家族にこうした病気が重なっている場合は、検査を考える理由になります。
Q3. 遺伝しますか?子どもに伝わる確率は?
遺伝します。確率は原因の遺伝子で変わります。常染色体顕性遺伝の型(TERC・TINF2など)では、お子さん1人あたり2分の1です。常染色体潜性遺伝の型(CTC1・NHP2・NOP10・WRAP53など)では、ご両親がともに保因者の場合、きょうだいは4分の1の確率で発症します。X連鎖の型(DKC1)では、保因者の女性から生まれるお子さんは2分の1の確率で変化を受け継ぎ、主に男性が発症します。TERCの家系では、世代を重ねるごとに発症が早まることも報告されています。
Q4. 先天性角化不全症は指定難病・小児慢性特定疾病の対象ですか?
はい。指定難病65「原発性免疫不全症候群」の病型のひとつとして含まれており、小児慢性特定疾病でも「先天性角化異常症」の名前で対象疾病になっています(2026年10月時点)。医療費の助成を受けるには、それぞれの制度の認定の基準を満たし、申請することが必要です。
Q5. 骨髄不全症候群パネルとどちらを選べばよいですか?
テロメアの病気が疑わしいときはこの検査、血球の減少だけがあり、ファンコニ貧血など別の骨髄不全もまだ考えられるときは骨髄不全症候群パネル(61遺伝子)が向いています。骨髄不全症候群パネルには、この検査の11遺伝子のうちACD・CTC1・PARNは含まれていません。どちらが合うかは、遺伝カウンセリングで症状や検査結果を伺って一緒に決めます。
Q6. きょうだいを骨髄移植のドナーにする前に、検査は必要ですか?
遺伝性疾患の解説書(GeneReviews)は、ドナー候補の血縁者について、ご本人と同じ遺伝子の変化があるか、原因がわからなければテロメアの長さを調べることを勧めています。この病気は症状の幅が広く、元気に見えるきょうだいが同じ変化をもっていることがあるためです。ご本人の原因の遺伝子がわかっていると、きょうだいの確認がはっきりできます。
Q7. 検査で原因が見つからなかったらどうなりますか?
先天性角化不全症・テロメア生物学的障害の方の約20%では、知られている遺伝子に原因が見つからないとされており、この検査に含まれない遺伝子もあります。そのため、陰性でも病気が否定されたことにはなりません。症状やテロメアの長さの検査とあわせて考え、必要に応じて全エクソーム検査など、より広い検査を検討します。
Q8. 海外でPGT-Mを受けたいのですが、英語の検査結果はもらえますか?
はい。英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。当院は体外受精・PGT-Mを行っていません。ご本人の検査結果だけでは、PGT-Mの準備はふつう整わず、ご家族の検体が必要になることが多いため、検査の段階からご相談ください。くわしくは「海外でPGT-Mを考えている方へ」のページで解説しています。
🧬 人生に一度の遺伝子検査を、ご自身とご家族の計画に
生まれ持った遺伝子は一生変わりません。一度の検査でわかったことは、ご自身の血液・肺・肝臓のチェックの計画だけでなく、ご家族の検査や移植のドナー選び、これからの妊娠・出産の計画にも、ずっと役に立ちます。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、保因者検査、羊水検査・絨毛検査による出生前診断の相談まで、院内で続けて受けていただけます。
お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768
参考文献
- [1] Savage SA, Niewisch MR. Dyskeratosis Congenita and Related Telomere Biology Disorders. In: GeneReviews®. University of Washington, Seattle; 2009 (Updated 2023 Jan 19). [NCBI Bookshelf NBK22301](PMID: 20301779)
- [2] Niewisch MR, Savage SA. An update on the biology and management of dyskeratosis congenita and related telomere biology disorders. Expert Rev Hematol. 2019;12(12):1037-1052. [DOI: 10.1080/17474086.2019.1662720](PMID: 31478401)
- [3] Alter BP, Giri N, Savage SA, Rosenberg PS. Cancer in dyskeratosis congenita. Blood. 2009;113(26):6549-6557. [DOI: 10.1182/blood-2008-12-192880](PMID: 19282459)
- [4] Armanios MY, Chen JJ, Cogan JD, et al. Telomerase mutations in families with idiopathic pulmonary fibrosis. N Engl J Med. 2007;356(13):1317-1326. [DOI: 10.1056/NEJMoa066157](PMID: 17392301)
- [5] Stuart BD, Choi J, Zaidi S, et al. Exome sequencing links mutations in PARN and RTEL1 with familial pulmonary fibrosis and telomere shortening. Nat Genet. 2015;47(5):512-517. [DOI: 10.1038/ng.3278](PMID: 25848748)
- [6] Fogarty PF, Yamaguchi H, Wiestner A, et al. Late presentation of dyskeratosis congenita as apparently acquired aplastic anaemia due to mutations in telomerase RNA. Lancet. 2003;362(9396):1628-1630. [DOI: 10.1016/S0140-6736(03)14797-6](PMID: 14630445)
- [7] Calado RT, Regal JA, Kleiner DE, et al. A spectrum of severe familial liver disorders associate with telomerase mutations. PLoS One. 2009;4(11):e7926. [DOI: 10.1371/journal.pone.0007926](PMID: 19936245)
- [8] Anderson BH, Kasher PR, Mayer J, et al. Mutations in CTC1, encoding conserved telomere maintenance component 1, cause Coats plus. Nat Genet. 2012;44(3):338-342. [DOI: 10.1038/ng.1084](PMID: 22267198)
- [9] Vulliamy T, Marrone A, Szydlo R, et al. Disease anticipation is associated with progressive telomere shortening in families with dyskeratosis congenita due to mutations in TERC. Nat Genet. 2004;36(5):447-449. [DOI: 10.1038/ng1346](PMID: 15098033)
- [10] Townsley DM, Dumitriu B, Liu D, et al. Danazol treatment for telomere diseases. N Engl J Med. 2016;374(20):1922-1931. [DOI: 10.1056/NEJMoa1515319](PMID: 27192671)
- [11] ESHRE PGT-M Working Group, Carvalho F, Moutou C, et al. ESHRE PGT Consortium good practice recommendations for the detection of monogenic disorders. Hum Reprod Open. 2020;2020(3):hoaa018. [DOI: 10.1093/hropen/hoaa018](PMID: 32500103)
- [12] ESHRE PGT Consortium Steering Committee, Carvalho F, Coonen E, et al. ESHRE PGT Consortium good practice recommendations for the organisation of PGT. Hum Reprod Open. 2020;2020(3):hoaa021. [DOI: 10.1093/hropen/hoaa021](PMID: 32524036)
- [13] Nakasato K, Yamamoto BA, Kato K. Evaluating standards for ‘serious’ disease for preimplantation genetic testing: a multi-case study on regulatory frameworks in Japan, the UK, and Western Australia. Hum Genomics. 2022;16(1):16. [DOI: 10.1186/s40246-022-00390-3](PMID: 35585643)
- [14] Ethics Committee of the American Society for Reproductive Medicine. Use of preimplantation genetic testing for monogenic adult-onset conditions: an Ethics Committee opinion. Fertil Steril. 2024;122(4):607-611. [DOI: 10.1016/j.fertnstert.2024.05.165](PMID: 38944787)
関連記事