InstagramInstagram

嚢胞性肺疾患・肺嚢胞の遺伝子検査|気胸を繰り返す原因と遺伝、BHD症候群など8遺伝子

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

嚢胞性肺疾患・肺嚢胞の遺伝子検査|気胸を繰り返す原因と遺伝

気胸を何度もくり返す、ご家族にも気胸の人が多い、CTで肺嚢胞(はいのうほう)がたくさんあると言われた──そうした方の一部には、生まれ持った遺伝子の変化が隠れています。2024年の欧州の診療ガイドラインは、原発性自然気胸のおよそ10%に遺伝の原因がある可能性を示し、家族に気胸が多い場合の遺伝の原因として最も多いのはバート・ホッグ・デュベ(BHD)症候群だとしています[2]。嚢胞性肺疾患の遺伝子検査は、BHD症候群・結節性硬化症(リンパ脈管筋腫症)・α1-アンチトリプシン欠乏症・皮膚弛緩症の原因となる8遺伝子をまとめて調べる検査です。あなたの1回の検査結果は、腎臓の見張りなどご自身の健康管理だけでなく、ご両親・きょうだい・お子さんが自分のことを考える手がかりにもなります。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. 嚢胞性肺疾患の遺伝子検査で何がわかりますか?

肺に嚢胞(空気の入った袋)ができる遺伝性の病気の原因となる8遺伝子(EFEMP2・ELN・FBLN5・FLCN・LTBP4・SERPINA1・TSC1・TSC2)を一度に調べます。BHD症候群が見つかれば、腎臓の腫瘍を早く見つけるための定期的な画像検査につながります。

🧬 Q. 気胸を繰り返す人は受けたほうがいいですか?

欧州のガイドラインは、くり返す、または家族にも気胸がある原発性自然気胸や、原因のわからない両側の多発する肺嚢胞を、遺伝子検査を考える目安に挙げています。顔や首の小さなぶつぶつ、腎臓の腫瘍、てんかんや白斑があるときも手がかりになります。

🧬 Q. 費用・日数・検体は?

検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。検体は血液・唾液・頬の内側の粘膜で、オンライン診療でも受けられます。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。

🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?

結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。BHD症候群・結節性硬化症は常染色体顕性(優性)遺伝で、お子さんに受け継がれる確率は1人ごとに2分の1です。ご家族は同じ変化をピンポイントで調べられます。意義がまだわからない変化(VUS)の扱いもご説明します。

\ 一生変わらない遺伝子を知って、これからの計画に /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

検査の前に臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、結果も臨床遺伝専門医が直接ご説明します。

お問い合わせはこちら | 肺の病気をまとめて調べたい方へ(肺疾患パネル)

1. 嚢胞性肺疾患・肺嚢胞の遺伝子検査とは

嚢胞性肺疾患とは、肺の中に薄い壁で囲まれた空気の袋(嚢胞)がいくつもできる病気の総称です。その一部は、生まれ持った遺伝子の変化によって起こります。この検査は、遺伝性の嚢胞性肺疾患の原因として知られる8つの遺伝子に変化があるかを、一度に調べる遺伝子パネル検査です。

嚢胞が破れると、肺から空気が漏れて肺がしぼむ「気胸」が起こります。ただ、嚢胞があっても気胸を起こすとは限りません。BHD症候群では、肺嚢胞がある方のおよそ3分の1は一度も気胸を起こしていないと報告されています[2]。症状がないまま、健康診断や別の病気の検査のCTで初めて嚢胞を指摘される方もいます。

肺嚢胞とは|ブラ・気腫性嚢胞との違い

健康診断の結果などでは、「肺嚢胞」「ブラ」「気腫性嚢胞」といった言葉で指摘されることがあります。呼び名は嚢胞の大きさ・場所・できかたによって使い分けられますが、どれも「肺の中に空気のたまった袋がある」という点では共通しています。

遺伝子検査を考えるうえで大切なのは、呼び名よりも、嚢胞の数と場所、気胸をくり返しているか、ご家族に同じような人がいるか、肺以外の症状があるか、の4つです。次の章で、遺伝性を考える目安をご説明します。

肺嚢胞はなぜできる?遺伝が関わる場合

肺嚢胞ができる理由は1つではなく、多くは遺伝と関係なく起こります。遺伝が関わる場合は、肺の組織のしくみそのものが生まれつき弱いことが原因になります。この検査で調べる8遺伝子は、働きから大きく3つに分けられます。

  • ●細胞の増えすぎを止めるブレーキ:FLCN・TSC1・TSC2。どれも、細胞の成長を調節するmTORという経路に関わります[1][3]。BHD症候群・結節性硬化症(リンパ脈管筋腫症)の原因です。
  • ●肺を守るたんぱく質:SERPINA1。α1-アンチトリプシンというたんぱく質を作る遺伝子で、変化があると肺気腫や肝臓の病気が起こりやすくなります[5]。
  • ●組織のしなやかさを生む弾性線維:EFEMP2・ELN・FBLN5・LTBP4。皮膚がたるむ「皮膚弛緩症」の原因で、肺気腫や血管の病気を伴うことがあります[6]。

2. 気胸を繰り返す原因は遺伝?「気胸は遺伝しますか」への答え

気胸の多くは遺伝と関係なく起こりますが、一部には遺伝の原因があります。2024年の欧州の診療ガイドライン(ERN GENTURIS)は、原発性自然気胸のおよそ10%に遺伝の原因がある可能性を示し、家族に気胸が多い場合の遺伝の原因として最も多いのはBHD症候群だとしています[2]。

BHD症候群の方が生涯に気胸を起こす割合は24〜48%と報告されています[1][2]。初めての気胸の年齢の中央値はおよそ34歳(7〜78歳)で、気胸を何度も起こした方は、1回だけの方より若いうちに起こしていました(平均29.7歳と38.9歳)[2]。「若いうちから気胸をくり返す」ことは、遺伝の原因を考えるきっかけの1つになります。

遺伝性を考える目安

ガイドラインは、次のような方にFLCN遺伝子(BHD症候群の原因遺伝子)の検査を考えるよう勧めています[2]。

  • ●原発性自然気胸をくり返している、またはご家族にも気胸の人がいる
  • ●はっきりした原因のない、両側の多発する肺嚢胞がある(とくに肺の下のほう)
  • ●両方の腎臓、または1つの腎臓のあちこちに腫瘍がある
  • ●家族に腎細胞がんの人がいる、または45歳以下で腎細胞がんになった
  • ●顔や首などに小さなぶつぶつが多数あり、そのうち1つ以上が線維毛包腫と確かめられている
  • ●これらがご本人やご家族の中で組み合わさってみられる

CTの嚢胞の場所で、疑う病気が変わる

BHD症候群では、両側にいくつもの嚢胞が、とくに肺の下のほうにできやすいとされています[2]。リンパ脈管筋腫症(LAM)は、主に女性の肺に嚢胞ができる病気で、結節性硬化症の女性の30〜40%にみられると推定されています[3]。α1-アンチトリプシン欠乏症では、肺気腫が主な変化です[5]。

嚢胞の形や分布から病気をしぼり込むのは、呼吸器の専門医の画像の判断です。ただ、画像だけでは見分けにくいこともあり、遺伝子検査で原因が確かめられると、肺以外で見張るべきこと(腎臓・脳・肝臓など)まではっきりします。

3. 調べる8遺伝子と、わかる病気

この検査では、次の8遺伝子を一度に調べます。病気によって遺伝のしかたと、肺以外で気をつけることが違います。遺伝のしかたについては、常染色体顕性(優性)遺伝・常染色体潜性(劣性)遺伝のページでも解説しています。

🧬 嚢胞性肺疾患の遺伝子検査で調べる8遺伝子

遺伝子 関係する病気 遺伝のしかた 肺の変化/肺以外で気をつけること
EFEMP2 常染色体潜性皮膚弛緩症1B型 常染色体潜性(劣性) 肺気腫/動脈の蛇行・動脈瘤・狭窄
ELN 常染色体顕性皮膚弛緩症1型 常染色体顕性(優性) 軽い肺気腫/大動脈瘤
FBLN5 常染色体潜性皮膚弛緩症1A型(まれに顕性の2型) 主に常染色体潜性(まれに顕性) 幼いころからの肺気腫/末梢の肺動脈の狭窄
FLCN バート・ホッグ・デュベ(BHD)症候群 常染色体顕性(優性) 肺嚢胞・気胸/腎臓の腫瘍・皮膚の線維毛包腫
LTBP4 重い合併症を伴う常染色体潜性皮膚弛緩症 常染色体潜性(劣性) 強い肺気腫/先天性心疾患・肺動脈の狭窄・肺高血圧
SERPINA1 α1-アンチトリプシン欠乏症 常染色体共顕性(遺伝子型によって発症リスクが異なる) 肺気腫/肝臓の病気
TSC1 結節性硬化症1型 常染色体顕性(優性) リンパ脈管筋腫症(LAM)/脳・皮膚・腎臓の病変
TSC2 結節性硬化症2型 常染色体顕性(優性) リンパ脈管筋腫症(LAM)/脳・皮膚・腎臓の病変

※対象遺伝子は当院の検査内容による(2026年10月20日に検査のおおもとの内容と照合)。病気と遺伝のしかた・肺の変化はGeneReviews[1][3][5][6]による。

バート・ホッグ・デュベ(BHD)症候群(FLCN)|皮膚・肺・腎臓

BHD症候群は、FLCN遺伝子の変化で起こる常染色体顕性(優性)遺伝の病気で、皮膚・肺・腎臓に症状が出ます。遺伝性疾患の解説書GeneReviewsによると、生涯にみられる割合は次のとおりです[1]。

📊 BHD症候群で生涯にみられる症状の割合

症状 生涯にみられる割合
皮膚の線維毛包腫(顔・首などの小さなぶつぶつ) 87〜97%(20歳より前はまれ)
肺嚢胞 70〜85%
くり返す自然気胸 24〜48%
腎臓の腫瘍(全体) 19〜35%
腎細胞がん 15〜30%

※GeneReviews(2024年12月更新)[1]による。

腎細胞がんが見つかる年齢の中央値は46歳で、20歳より前はまれです。両方の腎臓や、1つの腎臓のあちこちに腫瘍ができることもあります[2]。肺の症状で見つかった方にとって、この病気の名前がつくことの一番の意味は、腎臓の腫瘍を小さいうちに見つける見張りを始められることです(第6章)。FLCNの変化をもつ方のうち、最大97%に何らかの症状が出るとされています[1]。

日本人に関係する情報として、GeneReviewsは、日本人の家系のBHD症候群では特定の変化(c.1347_1353dupCCACCCT)が16〜32%を占めると記載しています[1]。がんと遺伝の関係については、がんと遺伝の検査・セカンドオピニオンのページでも解説しています。

リンパ脈管筋腫症(LAM)と結節性硬化症(TSC1・TSC2)

リンパ脈管筋腫症(LAM)は、主に女性の肺に嚢胞がたくさんできて、少しずつ肺の働きが落ちていく病気です。TSC遺伝子の働きが失われることと、mTORという経路が働きすぎることが関わっています[4]。LAMでは気胸や、胸にリンパ液がたまる乳び胸が起こることがあります[3]。

LAMは結節性硬化症(TSC)と深く関係しています。GeneReviewsによると、結節性硬化症の女性の30〜40%にLAMがみられると推定され、ある研究では40歳までに最大80%とされています。男性の結節性硬化症でも10〜12%にLAMに合う嚢胞がみられます[3]。一方、結節性硬化症を伴わない孤発性LAMは、体の一部の細胞だけに生じた変化によるもので、子どもに受け継がれる体質ではないとされています[3]。

結節性硬化症は、全身に過誤腫ができる常染色体顕性(優性)遺伝の病気で、約70%の方に腎臓の血管筋脂肪腫がみられます。原因の約70%がTSC2、約25%がTSC1で、TSC2の変化のほうが症状が重い傾向があります。約3分の2は、親から受け継いだのではなく新しく起きた変化によるものです[3]。てんかんや白い斑などの症状が中心の方には、結節性硬化症の遺伝子検査(TSC1・TSC2)のページで詳しくご説明しています。

α1-アンチトリプシン欠乏症(SERPINA1)|たばこで早く進む肺気腫

α1-アンチトリプシン欠乏症は、SERPINA1遺伝子の変化で、肺を守るたんぱく質(α1-アンチトリプシン)が足りなくなる病気です。肺の病気はふつう30歳以降に現れ、たばこを吸う方では40〜50歳ごろに始まることが多いとされています。喫煙は、肺の病気を早く進める最大の要因です[5]。

肝臓にも影響し、赤ちゃんの胆汁うっ滞(黄疸が長引く)や、大人になってからの肝硬変・肝細胞がんのリスクが上がります[5]。遺伝のしかたは「共顕性」と呼ばれ、2本の遺伝子の両方に変化があると発症します。片方だけに変化がある方(PI*MZ型)は、たばこを吸わなければ肺気腫のリスクは大きく上がらないと考えられていますが、喫煙するとCOPD(慢性閉塞性肺疾患)のリスクが上がります[5]。

皮膚弛緩症(EFEMP2・ELN・FBLN5・LTBP4)

皮膚弛緩症は、皮膚が年齢よりたるんで見える病気で、組織のしなやかさを生む弾性線維の遺伝子の変化で起こります。遺伝子によって、肺と血管で気をつけることが違います[6]。

  • ●FBLN5:主に常染色体潜性(劣性)遺伝。幼いころ(ときに生まれてすぐ)から肺気腫が起こることがあり、末梢の肺動脈が狭くなることがあります。
  • ●EFEMP2:常染色体潜性遺伝。この中で血管の病気が最も目立ち、動脈の蛇行・動脈瘤・狭窄がみられます。
  • ●LTBP4:常染色体潜性遺伝。強い肺気腫に加え、先天性心疾患・肺動脈の狭窄・肺高血圧を伴うことがあります。
  • ●ELN:常染色体顕性(優性)遺伝。肺気腫は軽いことが多い一方、大動脈瘤に注意が必要です。

FLCNとTSC1・TSC2は、同じ「細胞の増えすぎを止めるブレーキ」に関わる

BHD症候群と結節性硬化症は別の病気ですが、どちらも「肺に嚢胞」「腎臓に腫瘍」という共通点があります。その背景には、原因遺伝子の働きの共通点があります。FLCN遺伝子が作るフォリクリンはがん抑制遺伝子の産物で、パートナーのたんぱく質と組んで、アミノ酸に応じたmTORの働きの調節に関わります[1]。TSC1・TSC2も、mTORの経路を調節するブレーキ役です[3]。

臨床遺伝専門医として大切だと考えているのは、「肺の嚢胞」だけを見るのではなく、同じしくみが働く腎臓・皮膚・脳にも目を向けることです。8遺伝子をまとめて調べるのは、症状が似ていても、どの病気かで見張る臓器と治療の選び方が変わるためです。

4. どんな人がこの検査を受けるとよいか

気胸をくり返す方、CTで両側に多発する肺嚢胞を指摘された方、ご家族に気胸・BHD症候群・結節性硬化症の方がいる方に向く検査です。遺伝子検査で原因が確かめられれば、その先の見張りと治療の方針を考える手がかりになります。ただし、検査で原因が見つからない場合もあります。

受けるとよい場面

  • ●若いうちから気胸をくり返している、またはご家族にも気胸の人がいる
  • ●CTで両側にいくつもの肺嚢胞があると言われた(とくに肺の下のほう)
  • ●肺嚢胞に加えて、顔や首の小さなぶつぶつ、腎臓の腫瘍がある
  • ●肺嚢胞に加えて、てんかん・白い斑・腎臓の血管筋脂肪腫など、結節性硬化症を思わせる症状がある
  • ●若いうちから肺気腫がある、ご家族に肝臓の病気や若い肺気腫の人がいる
  • ●皮膚のたるみが目立ち、肺気腫や血管の病気を伴う
  • ●ご家族にBHD症候群・結節性硬化症・α1-アンチトリプシン欠乏症などと診断された方がいる

家族に気胸・BHD症候群の人がいる|症状のない自分も調べられる?

親やきょうだいが気胸をくり返したり、BHD症候群や結節性硬化症と診断されたりすると、「自分も同じ病気なのでは」「息苦しいのは始まったからでは」と、不安を抱えながら暮らしている方もいます。当院は、ライフステージごとに皆様の人生をサポートするという考え方で診療しており、知りたいと願う方を拒むことはしません。遺伝カウンセリングで十分に考えたうえで、ご本人が知りたいと決めた場合は、その意思を尊重して検査まで行います。知らないでいる選択も、同じように尊重します。

BHD症候群について、ガイドラインは、原因の変化が見つかった方の成人の第一度近親者(親・きょうだい・子ども)に検査を提案するよう勧めています。症状のない方の検査は、診療上の特別な理由がなければ18歳より前には行わないとされています[2]。

  • ●ご家族の変化を受け継いでいなかった場合:その変化による病気について、ご家族と同じ確率を心配しなくてよくなります。ただし、遺伝と関係のない気胸や腎臓の病気が起こる可能性は、ほかの方と同じように残ります。
  • ●受け継いでいた場合:20歳からの腎臓の見張りや、気胸が起きたときの治療の選び方など、具体的な計画を立てられます(第6章)。

結果を知ったあとの気持ちの変化は、どちらの結果でも起こりえます。当院では、結果をお伝えしたあとも、遺伝カウンセリングで相談を続けていただけます。

この検査より別の検査が向いている場合

比べる相手は他院ではなく、検査の種類です。症状によっては、次の検査のほうが向いていることがあります。

🔍 症状・状況に合わせた検査の選び方

こんなとき 向いている検査
気胸をくり返す・多発する肺嚢胞・家族に気胸やBHD症候群 このページの検査(8遺伝子)
嚢胞以外の肺の病気(線維化・気管支拡張・肺高血圧など)も考えられ、型をしぼれない 肺疾患遺伝子パネル検査(69遺伝子。この8遺伝子もすべて含む)
咳・痰をくり返す、気管支拡張症と言われた 気管支拡張症の遺伝子検査
子どものころから副鼻腔炎・中耳炎・痰をくり返す 原発性線毛機能不全症候群の遺伝子検査
若いのに肺高血圧と言われた 肺動脈性肺高血圧症の遺伝子検査
家族に肺線維症(間質性肺炎)の人が多い テロメア関連肺線維症の遺伝子検査
赤ちゃん・子どもの原因のわからない呼吸の病気 肺サーファクタント機能不全症の遺伝子検査
てんかん・白い斑など結節性硬化症の症状が中心 結節性硬化症の遺伝子検査
腎臓がんなど、がんの家族歴が中心 遺伝性がん遺伝子検査(154遺伝子)(FLCN・TSC1・TSC2も含む)
皮膚のたるみ・関節のゆるさ・大動脈の病気が中心 結合組織疾患パネル(皮膚弛緩症の4遺伝子も含む)/エーラス・ダンロス症候群の遺伝子検査/マルファン症候群の遺伝子検査
症状が多くの臓器にわたり、病気をしぼれない 全エクソーム検査(WES)

※各検査の遺伝子は、当院のそれぞれの検査ページで確認したもの(2026年10月時点)。どれが合うかは、遺伝カウンセリングで一緒に決めます。

\ 1回の検査が、ご家族の手がかりにもなります /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

ご家族で原因がわかれば、ほかのご家族は同じ変化だけをピンポイントで調べられます。

ご家族の検査を考えている方は、遺伝カウンセリングを予約する | どの検査がよいか迷う方へ

5. この検査でわかること・わからないこと

この検査でわかるのは、8遺伝子の中の小さな変化(1つの文字の置き換わりや、小さな挿入・欠失)と、遺伝子のまとまった範囲の欠失・重複です。一方で、遺伝子検査には必ず限界があります。

  • ●欠失・重複の調べ方:遺伝子1つ分の欠失・重複は血液と頬の粘膜の検体で、連続する2つ以上のエクソン(遺伝子の中の区切り)の欠失・重複は血液の検体で見つけられます。1つのエクソンだけの欠失・重複は、見つかることもありますが、ふだんは検出の対象外です。見つかった欠失・重複は、別の原理の方法(qPCR法やMLPA法)でもう一度確かめてから報告します。
  • ●見つけられない変化:染色体の一部が入れ替わる転座や逆位、繰り返し配列が長くなる変化、遺伝子のスイッチ部分(プロモーター)や、遺伝子の区切りから20塩基より奥の変化は、この検査では見つけられません。
  • ●モザイク:体の一部の細胞にだけ変化がある状態や、腫瘍の組織だけにある変化を見つけるための検査ではありません。
  • ●似た配列:よく似た配列が別の場所にある遺伝子では、まれに判定が難しくなることがあります。読み取りの質が十分でない部分は、サンガー法で確かめます。
  • ●調べていない原因:嚢胞性肺疾患の原因はこの8遺伝子だけではなく、遺伝と関係のない原因も多くあります。陰性でも、嚢胞性肺疾患を完全に否定することはできません。

意義がまだわからない変化(VUS)

検査では、病気の原因かどうかまだ判断できない変化(VUS)が見つかることがあります。VUSは、それだけで診断に使ったり、ご家族の検査に使ったりはしません。研究が進んで、のちに意味がはっきりすることもあります(VUSの臨床的な取り扱い)。ご希望により、VUSを報告に含めない設定(VUS除外、無料)も選べます。調べた目的とは別の病気の原因が見つかった場合の扱いは、当院の二次的所見の開示方針をご覧ください。

6. 病的変異が見つかったら、次にできること

原因がわかると、病名が決まるだけでなく、どの臓器をいつ調べるか、気胸が起きたらどう治療するか、ご家族をどう守るかが具体的に決まります。治療や定期的な検査は、呼吸器内科・泌尿器科など、それぞれの専門の医療機関で受けていただきます。

① ご本人:見張る臓器と治療の選び方

BHD症候群の場合、ガイドラインは次のように勧めています[2]。

  • ●腎臓:20歳から生涯、1〜2年ごとに腎臓の画像検査を行う(毎年が望ましい)。方法は造影MRIが第一で、MRIが使えないときは超音波検査。腫瘍は最大径3cmを目安に治療を考え、できるだけ腎臓を残す手術を選ぶ。
  • ●肺:診断がついた時点で、低線量の高分解能CTを1回行ってよい(症状のない20歳未満には通常行わない)。決まった間隔でのCTの見張りは勧められていない。
  • ●気胸:治療はほかの原因の気胸と同じだが、くり返す場合は手術が勧められる。
  • ●暮らし:民間の旅客機に乗ることは一般に安全とされる一方、ダイビングや与圧のない飛行機は専門家への相談が勧められる。喫煙は避ける。

結節性硬化症・LAMの場合、GeneReviewsは、18歳を過ぎた女性では受診のたびに息切れなどの症状を確かめ、症状と嚢胞のない方には閉経まで5〜7年ごとの高分解能CTを勧めています。LAMには、mTOR阻害薬という種類の薬が使われます[3]。国際共同の臨床試験(MILES試験、89人)では、シロリムスを1年間使った群では肺の働きの指標(1秒量)がほぼ保たれ(1か月あたり+1mL)、偽薬の群では1か月あたり12mLずつ下がりました。ただし、薬をやめると再び下がりはじめました[4]。日本では、シロリムス(ラパリムス錠)がリンパ脈管筋腫症の効能で使われています(2014年12月販売開始、医薬品医療機器総合機構の添付文書で2026年10月に確認)。腎臓の血管筋脂肪腫などにはエベロリムスも使われます。

α1-アンチトリプシン欠乏症の場合、いちばん大切なのは禁煙です。肺気腫には、α1-アンチトリプシンを点滴で補う補充療法があります[5]。日本では、重症α1-アンチトリプシン欠乏症を効能とする補充療法の薬(乾燥濃縮人α1-プロテイナーゼインヒビター)が2021年7月から販売されています(医薬品医療機器総合機構の添付文書で2026年10月に確認)。肝臓の病気も起こりうるため、肝臓の状態も確かめていきます[5]。

② 症状のないご本人:ご自身の健康と、お子さんへの確率

ご家族の検査で原因の変化をもっているとわかった方は、症状がなくても、上の見張り(BHD症候群なら20歳からの腎臓の画像検査)を始められます。お子さんへ受け継がれる確率は、遺伝のしかたで決まります。

  • ●常染色体顕性(優性)遺伝(BHD症候群・結節性硬化症・ELNによる皮膚弛緩症):お子さん1人ごとに2分の1。性別には関係しません。
  • ●常染色体潜性(劣性)遺伝(EFEMP2・FBLN5・LTBP4による皮膚弛緩症)と、α1-アンチトリプシン欠乏症:常染色体潜性遺伝の病気では、ご夫婦ともに同じ遺伝子の病的変異を1つずつもつ保因者の場合、お子さんが発症する確率は1人ごとに4分の1です。一方、α1-アンチトリプシン欠乏症は共顕性遺伝で、遺伝子型によって血中のたんぱく質の量や発症リスクが異なります。お子さんへの影響は、ご本人とパートナーの遺伝子型を踏まえて判断します。

潜性遺伝の病気では、パートナーが保因者かどうかを知ることが大切です。当院の拡大版保因者スクリーニングの対象遺伝子一覧には、EFEMP2・LTBP4・SERPINA1が含まれています(FBLN5は含まれていません。2026年10月に一覧で確認)。妊娠中の方には、NIPTと同じ日に採血できるカップルの保因者検査「ファミリーセーフティ プラス」もあります(単独では受けられません)。

結節性硬化症の約3分の2は新しく起きた変化によるものです[3]。ご両親の血液で同じ変化が見つからなくても、卵子や精子のもとになる細胞(生殖細胞)にだけ変化がある可能性は残ります。変化をもつ生殖細胞からできる卵子・精子は2分の1の確率で変化を受け継ぎます。生殖細胞のうちどれくらいが変化をもつかは実際の診療では調べられないため、お子さん1人あたりの確率は『最大で2分の1』とお伝えしています。

③ 子どもを持つときの選択肢

ご家族で原因の変化がわかっていれば、妊娠したときに赤ちゃんで同じ変化があるかを調べることができます。BHD症候群・結節性硬化症・α1-アンチトリプシン欠乏症では、出生前の検査や着床前の検査が可能とされています[1][3][5]。ただし、α1-アンチトリプシン欠乏症は症状の出方の幅が大きいため、米国胸部学会・欧州呼吸器学会の指針は胎児の検査を勧めておらず、多くの施設では個人の判断とされています[5]。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。その病気で出生前診断を行えるかは、病気の重さや国内の指針を踏まえて個別に判断しますので、妊娠を考えている段階からご相談ください(羊水検査・絨毛検査)。

結節性硬化症の原因遺伝子のうち、TSC1・TSC2は、当院のNIPT(ダイヤモンドプラン・インペリアルプラン)でも調べられます。当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。陽性の場合は、確定検査(羊水検査・絨毛検査)を院内で受けられます(結節性硬化症をNIPTで調べることはできるのか)。この検査のほかの6遺伝子は、当院のNIPTの対象ではありません。

日本でも、日本産科婦人科学会の指針にもとづく審査を経て、PGT-M(着床前遺伝学的検査)が行われています(当院は体外受精・PGT-Mを行っていません)。準備に必要なことは海外でPGT-Mを考えている方へで解説しています。もちろん、検査を受けずにそのまま出産することも、尊重される選択の1つです。

④ ご家族:同じ変化をピンポイントで調べられる

ご本人で原因の変化がわかると、ご両親・きょうだい・お子さんは、その変化があるかどうかだけを調べられます。BHD症候群では、成人の第一度近親者に検査を提案することが勧められています[2]。症状のない方の検査は、ご本人の同意のうえで行い、検査の前に遺伝カウンセリングで知ることの意味をよく考えていただきます(第4章)。

⑤ 陰性・VUSのとき、当院でのその後

陰性だった場合は、原因がこの8遺伝子以外にある可能性や、遺伝と関係のない嚢胞の可能性を考え、症状に合わせて別の検査(第4章の表)を検討します。VUSは診断には使わず、のちの再評価を待ちます。どの結果でも、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで結果をご説明し、次にどうするかを一緒に考えます。結果の報告書の読み方は遺伝子検査結果の見かたで解説しています。

7. 日本の制度(2026年10月時点)

この検査で調べる病気のうち、リンパ脈管筋腫症(指定難病89)、結節性硬化症(指定難病158)、α1-アンチトリプシン欠乏症(指定難病231)は、国の指定難病です。バート・ホッグ・デュベ症候群と皮膚弛緩症は、指定難病の一覧に載っていません(厚生労働省「難病医療費助成制度の対象となる疾病一覧」で2026年10月に確認。2025年4月から348疾病)。

医療費の助成を受けるには、それぞれの病気の認定の基準を満たし、申請する必要があります。基準や申請の方法は、難病情報センターや、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。遺伝子検査で原因が確かめられていることは、診断の手がかりの1つになります。

8. 検査の流れ・費用・結果までの日数・検体

検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。検体は血液・唾液・頬の内側の粘膜で、オンライン診療でも受けられます。この検査は、遺伝診療先進国・米国の3大遺伝子検査会社の一角で行います。※

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

ご予約
▶
遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
▶
検体の採取血液・唾液・頬の粘膜
▶
結果のご説明2〜3週間後・マイページへ

💴 費用・日数・検体

項目 内容
調べる遺伝子 EFEMP2・ELN・FBLN5・FLCN・LTBP4・SERPINA1・TSC1・TSC2(8遺伝子)
検査費用 税込330,000円(遺伝子の配列と、欠失・挿入の解析を含む)
至急オプション 55,000円(結果までの期間が約7日短くなります)
VUS除外 無料(意義がまだわからない変化を報告に含めない設定)
遺伝カウンセリング料 30分22,000円(税込)※検査費用とは別
結果までの期間 2〜3週間
検体 血液(4mLのEDTA採血管2本)、抽出済みのDNA、頬の内側の粘膜、唾液
オンライン診療 唾液・頬の粘膜・血液のいずれでも可能(血液は全国の提携医療機関で採血)

※当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。ご夫婦・カップルで同じ検査を同じ日に一緒に受ける場合は、遺伝カウンセリング料が1人分になります(検査費用の割引はありません)。

オンライン診療(ビデオ通話)で遺伝カウンセリングを行ったあと、検体を当院にお送りいただきます。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。検体採取キットは、検査料金をお支払いいただいた後にお送りします。検体の取り違えや品質の低下を防ぐため、ご自身で勝手に検体を採取しないでください。

結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。

\ 人生に一度の遺伝子検査を、ご自身とご家族のこれからに /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

臨床遺伝専門医が常駐し、陽性の場合はご家族の検査や、羊水検査・絨毛検査による出生前診断の相談まで院内で続けて受けられます。

お問い合わせはこちら | どの検査がよいか迷う方へ

9. 院長コラム

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【気胸の向こうにある「腎臓」と「家族」を見る】

気胸は、治療をすれば多くは落ち着きます。だからこそ、くり返していても「体質だから」で済まされてしまうことがあります。けれども、その背景にBHD症候群があれば、本当に見張るべきなのは肺よりも腎臓かもしれません。そして、その変化はご両親やきょうだい、お子さんにも受け継がれている可能性があります。生まれ持った遺伝子は一生変わりません。一度の検査でわかったことは、ご自身の健康管理だけでなく、ご家族の健康や、これからの妊娠・出産の計画を考えるときにも、ずっと役に立ちます。

私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。

遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。

わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。知ったうえで、腎臓の見張りを始めること、ご家族に伝えること、結婚や妊娠を計画すること。どの選択をされても、その選択を尊重し、出生前診断まで当院で続けて支えます。

10. よくある質問(FAQ)

Q1. 気胸は遺伝しますか?

気胸の多くは遺伝と関係なく起こりますが、一部には遺伝の原因があります。2024年の欧州の診療ガイドラインは、原発性自然気胸のおよそ10%に遺伝の原因がある可能性を示し、家族に気胸が多い場合の遺伝の原因として最も多いのはバート・ホッグ・デュベ(BHD)症候群だとしています。BHD症候群は常染色体顕性(優性)遺伝で、お子さんに受け継がれる確率は1人ごとに2分の1です。

Q2. 気胸を繰り返すのですが、この検査を受けたほうがよいですか?

同じガイドラインは、くり返す、または家族にも気胸がある原発性自然気胸を、FLCN遺伝子の検査を考える目安の1つに挙げています。原因のわからない両側の多発する肺嚢胞(とくに肺の下のほう)、腎臓の腫瘍、顔や首の小さなぶつぶつがあるときも目安になります。当てはまるかどうかは、遺伝カウンセリングで一緒に確かめます。

Q3. 肺嚢胞は「経過観察でよい」と言われました。遺伝子検査は必要ですか?

肺嚢胞の多くは遺伝と関係なく、経過観察で十分なこともあります。ただ、嚢胞が両側にたくさんある、気胸をくり返している、家族に気胸や腎臓の腫瘍の人がいる、という場合は、遺伝性の嚢胞性肺疾患が隠れていることがあります。遺伝子検査で原因がわかると、腎臓の画像検査など、肺以外で見張るべきことが決まります。

Q4. BHD症候群の寿命は?

BHD症候群で寿命がどれくらい変わるかを示した確かなデータは、確認できる範囲ではありません。見張りの中心は腎臓の腫瘍で、生涯に腎細胞がんができる割合は15〜30%と報告されています。ガイドラインは20歳から生涯、1〜2年ごとの腎臓のMRI検査を勧めており、小さいうちに見つけて腎臓を残す治療につなげることが目標です。

Q5. リンパ脈管筋腫症(LAM)は遺伝しますか?余命は?

LAMには、結節性硬化症に伴うものと、結節性硬化症を伴わない孤発性LAMがあります。結節性硬化症に伴うLAMでは、原因のTSC1・TSC2の変化が常染色体顕性(優性)遺伝で受け継がれることがあり、その場合、お子さんに受け継がれる確率は1人ごとに2分の1です。孤発性LAMは、体の一部の細胞だけに生じた変化によるもので、子どもに受け継がれる体質ではないとされています。余命は肺の働きの状態で大きく変わるため、一律には言えません。日本ではLAMに対するシロリムス(ラパリムス錠)が使えます。

Q6. 家族がBHD症候群と言われました。私も検査を受けたほうがよいですか?

ガイドラインは、原因の変化が見つかった方の成人の第一度近親者(親・きょうだい・子ども)に、検査を提案するよう勧めています。症状のない方の検査は、原則として18歳以降に行います。受け継いでいれば20歳から腎臓の見張りを始められ、受け継いでいなければ、その変化についてご家族と同じ心配をしなくてよくなります。知らないでいることも選べます。

Q7. 家族に気胸やBHD症候群の人がいると、結婚に差し支えますか?

遺伝の病気があることは、結婚できるかどうかを決めるものではありません。お子さんに受け継がれる確率は病気によって決まっていて、ご自身が原因の変化をもっているかは検査でわかります。知ったうえで、見張りや、妊娠したときの出生前診断などを計画できます。どう選ぶかは、おふたりで決めることです。

Q8. 費用はいくらですか?保険は使えますか?

検査費用は税込330,000円で、遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。

🧬 気胸をくり返す原因を、一度の検査で確かめる

生まれ持った遺伝子は一生変わりません。嚢胞性肺疾患の原因がわかれば、腎臓などの見張り、気胸の治療の選び方、ご家族の検査、結婚・妊娠の計画まで、具体的に考えられるようになります。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、羊水検査・絨毛検査による出生前診断の相談まで、院内で続けて受けていただけます。

お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768

診療時間・アクセス

参考文献

  • [1] Sattler EC, Steinlein OK. Birt-Hogg-Dubé Syndrome. In: GeneReviews®. University of Washington, Seattle; 2006 (Updated 2024 Dec 5). [NCBI Bookshelf NBK1522]
  • [2] Geilswijk M, Genuardi M, Woodward ER, et al. ERN GENTURIS clinical practice guidelines for the diagnosis, surveillance and management of people with Birt-Hogg-Dubé syndrome. Eur J Hum Genet. 2024;32(12):1542-1550. [DOI: 10.1038/s41431-024-01671-2]
  • [3] Northrup H, Koenig MK, Pearson DA, Au KS. Tuberous Sclerosis Complex. In: GeneReviews®. University of Washington, Seattle; 1999 (Updated 2024 Aug 1). [NCBI Bookshelf NBK1220]
  • [4] McCormack FX, Inoue Y, Moss J, et al. Efficacy and safety of sirolimus in lymphangioleiomyomatosis. N Engl J Med. 2011;364(17):1595-1606. [DOI: 10.1056/NEJMoa1100391](PMID: 21410393)
  • [5] Stoller JK, Hupertz V, Aboussouan LS. Alpha-1 Antitrypsin Deficiency. In: GeneReviews®. University of Washington, Seattle; 2006 (Updated 2023 Jun 1). [NCBI Bookshelf NBK1519]
  • [6] Van Maldergem L, Loeys B. FBLN5-Related Cutis Laxa. In: GeneReviews®. University of Washington, Seattle; 2009 (Updated 2023 Jun 15). [NCBI Bookshelf NBK5201]

関連記事

仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

記事の作り方と生成AIの使い方は、編集方針をご覧ください。