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つわりは最も有名な妊娠中の症状のひとつですが、すでに妊娠している人、これから妊娠を希望している人も、妊娠したのではないかと思っている人、だれにとってもつわりは非常に嫌なことであり、また、嬉しいことでもあります。結局のところ、妊娠したということなのです。要するに待ち望んだ「赤ちゃんがやってくる」というサインの一つです。
妊婦さんの70~80%がつわりを経験すると言われています。つわりとは、妊娠ホルモンが原因と考えられる吐き気や嘔吐のことです。妊娠6週目頃から始まり、14週目までには治まるのが一般的です。ただし、妊娠後期になっても吐き気が続く人も稀にはいます。
吐き気や嘔吐は一日中いつでも起こる可能性があります。
妊娠がわかっている方も、昨夜の気持ち悪さが何か意味があるのではないかと思っている方も、つわりは通常いつから始まり、いつ頃終わるのか、吐き気に対処する方法、どういうときにつわりで病院にかかるべきかなどをお伝えするので、是非ご覧ください。
つわりはいつからどんなふうに始まるの?
つわりは、妊娠中に起こる吐き気や嘔吐の俗称です。多くの女性が朝一番に最も重い症状を経験するため、つわりと呼ばれています。
しかし、吐き気はあったりなかったりする、または夕方など特定の時間帯にひどくなるなどするため、非常に悩まされる人も多いでしょう。
つわりは典型的には、朝、足を床につけた途端に吐く、ということで英語ではmorning sicknessとがそれにあたるのですが、別に朝だけに限ったことではないというのが妊婦さんたちに経験されていることでしょう。ほとんどのママは吐き気意外にさまざまな症状を訴えます。頻繁に吐く人、吐かないまでも一日中吐き気がする人、特定の匂いや食べ物で吐き気を催す人など、その症状と程度はさまざまです。
最も一般的なつわりは、妊娠6週目頃に始まりますが、中には妊娠4週目(妊娠してからわずか2週間後)に吐き気を感じたというママもいます。
妊娠4週目は、規則正しい生理周期の女性であれば、予定の生理が始まる時期です。通常、妊娠検査薬は生理予定日から1〜2週間後に陽性となるため、ほとんどの女性では、妊娠5〜6週目に妊娠検査薬が陽性となります。
つわりの症状は、6週目頃にやや軽めに始まり、9~10週目頃に悪化してピークを迎え、12~14週目に近づくにつれて減少していきます。
つわりはいつどんなふうに終わるの?
つわりがある方は、気分が良くなるまでの日数を指折り数えて待っていることでしょう。多くの妊婦さんは、妊娠中期の始まり頃、大体12週から14週頃につわりが改善し始めます。
ほとんどのママが、16~20週までには症状が完全になくなったと報告していますが、最大で10%の女性が出産までずっと吐き気に悩まされています。最大10%って意外と多く感じますね。赤ちゃんが大きくなり、胃や腸が圧迫されることで、妊娠中期に吐き気が再発することもあるためと考えられます。
双子の場合、つわりはきつい?
双子の場合、つわりが早く始まることはありませんが、一旦始まると、単胎の場合よりつわりが重くなる可能性があります。
胎盤から分泌されるプロゲステロンやヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)などの妊娠ホルモンが、つわりの原因になっているという説があります。
双子を妊娠している場合は、これらのホルモンの濃度が高いため、より重いつわりを経験するかもしれません。
嘔吐を伴うつわりがあると流産率が50~75%低い
つわりは非常に不快で、日常生活に支障をきたすかもしれませんが、つわりがママや赤ちゃんに害を及ぼすことはほとんどありません。
2016年にNIH(米国国立衛生研究所)が行った研究報告Trusted Sourcefrom the National Institutes of Healthによると、嘔吐を伴うつわりを経験する女性は吐き気だけの女性やつわりのない女性に比べて流産を経験する可能性が50~75%低いことが示されています。つわりは、妊娠をサポートするホルモンがたくさん分泌されている健康な胎盤である証拠かもしれません。
危険なつわり:妊娠悪阻
ごく一部の女性には、妊娠悪阻と呼ばれる極端なつわりがあります。この症状には、コントロールできない重度の吐き気と嘔吐が含まれ、体重減少、電解質バランスの乱れ、栄養失調、脱水症状を引き起こす可能性があります。治療せずに放置すると、ママと赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があります。
予想以上に吐く、食べられない、飲めない、熱が出る、1週間で2キロ以上体重が減る、色の濃い尿が出る(脱水症状)などの症状がある場合は、医師に連絡することが大切です。医師は、ママと赤ちゃんの状態を確認し、水分と栄養を補給できるように嘔吐を抑える手助けをしてくれます。
つわりはどう対処したらいいですか?
つわりは健康的な妊娠の一部であり、全く正常なことですが、少しでも楽になるように、いくつかのコツや治療法を試してみましょう。以下の治療法を検討してみてください。
- 少量の食事をこまめにとる(つわりは満腹時や空腹時にひどくなります)。
- 朝、ベッドから出る前にクラッカーなど何かしら少し食べる。
- サンドウィッチ、サラダ、フルーツスムージーなど、調理しなくてもよいものを食べる。
- タンパク質と炭水化物をたくさん摂る(重いものや脂っこいものは避ける)。
- 一日中、少しずつ水分を摂る。
- レモネードを飲んだり、レモン汁を嗅いだりする。水に少しレモン汁を垂らすと飲みやすくなります。
- ジンジャーティーを飲んだり、ジンジャーキャンディーを噛んだりする。
- ペパーミントティーを飲んだり、ペパーミントのエッセンシャルオイルを拡散する。
- 鍼灸や指圧をする。
- 強いにおいはできるだけ避ける。
- ウォーキング、ヨガ、水泳などの運動を続ける。
- 可能な限り休息をとる。
- リラックスできるよう部屋を少し暗くしたりヒーリングミュージックをかける。
自分での対策ではつわりに耐えられない場合は、医師に相談してください。ビタミンB6のサプリメントや、妊娠中でも服用可能な吐き気止めもあります。
つわりがないとダメなの?
妊娠中につわりを経験しない幸運な20〜30%の女性は、不安を感じるといいます。
周りの人に「調子はどう?」と聞かれ、後ろめたい気持ちで「全然大丈夫です!」と答えると、「それって大丈夫なの?」と変な目で見られたり、話を聞かされたりして、不安になることがあります。
吐き気がないことに不安を感じるかもしれませんが、全く体調を崩すことなく健康に妊娠生活を送っている女性はたくさんいます。ホルモンの変化に敏感だったり、胃腸が弱かったりして、他の人よりも吐き気を感じやすい人もいるでしょう。
また、吐き気の症状が出たり出なかったりすることもよくあります。たとえばイライラするとか嫌な気分になる日もあれば、平気な日もあります。
吐き気がない、または吐き気が急に止まることが気になる場合は、産婦人科に電話してみてください。安心させてくれたり、赤ちゃんに問題がないか確認してくれるでしょう。
まとめ
つわりとは、妊娠中に昼夜を問わずに起こる吐き気や嘔吐のことを指します。最も一般的には、妊娠初期に起こります。症状は、早ければ妊娠6週目に始まり、通常は妊娠14週目までに治まります。
つわりの症状が悪化することはほとんどありませんが、中には妊娠悪阻と呼ばれる症状が出て、治療が必要になることもあります。
妊娠中の吐き気や嘔吐を和らげるためには、さまざまな家庭療法を試すことができます。
振り返ってみると、つわりはあっという間に終わり、新しいお子さんとの対面が今まで以上に近づいていることでしょう。
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