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出産予定日は”いつわかる”もの?|自分で・病院で推定する方法を詳細解説

女性の人生の中で、妊娠と出産はとても大きなライフイベントであるかと思います。妊娠していることが判明し、出産予定日が決定されると、ついつい浮足立ってしまうのではないでしょうか?

しかしながら、出産予定日がどのように推定されて、最終的に”いつわかる”のかをご存じな方は少ないのではないでしょうか?出産予定日がいつであるのかを把握しておくことは、胎児の成長を見守るために非常な重要なこととされています。

この記事では、出産予定日を自分で計算する場合の方法と、病院にて修正・確定する方法、出産予定日のずれ、出産予定日確定した後に、直近で進めるべきことに関してご説明していきますので、ぜひ最後までご覧になってください。

出産予定日は自分でわかる?

にこやかな女性

妊娠を既に経験されたことのある方であれば、「今の時期にはこんな準備してたなぁ」とこれまでの知識があり、出産に向けて慌てることも少ないかと思いますが、初産婦さんは妊娠経験者よりも不安や焦りなどを感じる機会は多いものです。

まずは、ご自身で出産予定日を算出する方法に関して見ていきましょう。

妊娠の兆候

妊娠の兆候、それは”つわり”です。「普段であれば生理が訪れていてもいい時期なのにまだ生理がやってこない」、加えて「普段の生活で急に吐き気や嘔吐を催すことがある」など、これまでとは異なる体調の変化が見られた場合、それは妊娠しているサインでもある”つわり”の可能性があります。

妊娠の可能性をセルフで調べる際、妊娠検査薬を用いますが、検査薬を用いる時期は本来の生理予定日から1週間~1週間半ほど経過したタイミングになるかと思います。検査の結果、陽性反応が出た場合には産婦人科を受診し、正常な妊娠であるかとともに、赤ちゃんの心音などを確認しましょう。

注意点として、妊娠検査薬の使用、産婦人科への受診があまりにも早すぎる場合には妊娠の有無を判定できない可能性があります。これは妊娠することで分泌されるようになるhCGホルモン(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の尿中・血中濃度が、判定のために必要な量に達しないためです。

検査薬の利用は生理予定日から約1週間後、産婦人科の受診は生理予定日から約2週間以上(妊娠6週以降)が適切であるとされているため、注意しましょう。

出産予定日の推定方法

ここでは、出産予定日の推定方法に関して確認していきましょう。

出産予定日の数え方は7日を1週間、4週間を1ヵ月(28日)としてカウントしていき、妊娠以前にあった最後の月経の開始日が妊娠0週0日になります。この日付に280日を加えた日付が出産予定日となります。

カレンダーを見ながら280日分を数えるのが大変に感じる方には、”ネーゲレの概算法”という算出方法をおすすめします。ネーゲレの概算法では最終の月経開始月・開始日に以下の計算をあてはめるだけで出産予定日を算出できるようになっています。

  • 出産予定月の算出:『最終月経開始月-3(4月以降)』または、『最終月経開始月+9(1月・2月・3月)』
  • 出産予定日の算出:『最終月経開始日+7』

非常にシンプルな方法ですよね。例えば、最終の月経開始日が7月20日であった場合には、「7-3=4」と「20+7=27」の計算を行うだけで、4月27日を出産予定日として割り出すことができます。

しかしながら、280日分数える方法も、ネーゲレの概算法も、排卵・月経の周期が28日であり、月経開始日から排卵日、排卵日から次回の月経開始日までが14日であることが前提となっているため、これにあてはまらない場合には修正が必要となります。その他にも修正する必要のある場合がありますので、以下をご確認ください。

  • 排卵・月経周期が28日でない場合:『ご自身の排卵・月経周期-28』の結果を出産予定日に加味する
  • 出産予定年がうるう年である場合:概算法で算出した出産予定日に更に1日分加える(出産予定日が3月以降のみ)
  • 出産予定日がありえない日付になる場合:ネーゲレの概算法・上記の修正の結果を前月・次月に振り返る

例えば、出産予定日が3月30日と算出されたものの、月経周期が31日である場合には「30+(31-28)=33」となり、更にうるう年であった場合には「33+1=34」となり、出産予定日の修正結果が3月34日となった場合、最後に余分な3日分を次月に繰り越して”4月3日”が修正された出産予定日となります。

病院で出産予定日を決定・修正する

妊婦と医師

出産予定日がいつわかるのかを考えると、ご自身で月経開始日を用いて出産予定日を算出することは可能です。産婦人科を初めて受診する際にも、担当医の先生から「最後の月経はいつありましたか?」と尋ねられ、出産予定日を推定することがあります。

また、排卵日や受精日を特定できている場合(定期的に基礎体温を測っていた、排卵予測検査薬を用いた、不妊治療を受けていた)には、該当する日付に266日を加えた日付を出産予定日として推定します。

出産予定日の修正

出産予定日はこれまで紹介した方法で推定されますが、最終的な確定がいつわかるのかをお伝えすると、それは”妊娠9週~10週頃”です。

この時期まで出産予定日の修正が行われる理由には、出産予定日の推定が最終の月経開始日や排卵日に加えて、胎児の成長具合をも加味して決定されるからです。

この時期に行われる出産予定日の修正・最終的な確定は、特に、赤ちゃんの”CRL”という”頭からお尻までの長さ”をもとにした妊娠週数の正確な確認をもって行われています。このような仕組みが採られている理由には、妊娠9週~10週が赤ちゃんの個体差が小さい時期にあることが挙げられます。

赤ちゃんはお腹の中にいるときであっても個性をもっており、それぞれの個性(身長や体重など)は成長に伴って顕著になっていきます。個体差が小さい期間の間で、CRLの長さに応じた妊娠週数の経過を確認することで、後の妊娠週数の経過と赤ちゃんの成長具合を照らし合わせられるようにしています。

最終の月経開始日から妊娠経過をカウントしていた場合に、妊娠週数と赤ちゃんのCRLの長さが合致しなかった場合には、排卵日が早かった・遅かったと判断して、出産予定日に修正が加えられます。

出産予定日の”ずれ”

予定日

ここまで、出産予定日の算出方法、病院での修正方法などを紹介してきましたが、結局のところ出産予定日は”予定日”であるため、”ずれ”が生じてしまうことはあります。

出産予定日に”ずれ”が生じてしまう要因は大きく分けると、①赤ちゃんの成長具合によるもの、②妊婦さんの体調によるものの2パターンになります。

それぞれに関して詳しく見ていきましょう。

赤ちゃんの成長具合による”ずれ”

赤ちゃんは妊娠週数の経過に伴って着実に成長していきますが、妊娠37週0日からの期間は「正産期」と呼ばれるようになります。この期間は、赤ちゃんの臓器や骨格などがきちんと機能し始め、お母さんのお腹から出てきても大丈夫なまでに赤ちゃんが成長している状態となっており、赤ちゃんがいつ生まれてもおかしくない時期となります。

「正産期」は妊娠37週0日~満41週までとなっており、この期間は35日、つまりは1ヵ月近くあることになります。前述したように、赤ちゃんの大きさなどにも個性が現れるようになっているため、出産予定日よりも早く生まれる、遅く生まれるということはざらにあります。

妊婦さんの体調による”ずれ”

こちらはやや強制的に出産日が変更になるパターンですが、妊婦さんが妊娠高血圧症などの病気に掛かってしまい、母体や赤ちゃんの体に悪影響が出ると判断された場合に、出産予定日よりも早期に帝王切開などで出産するケースが一例として挙げられます。

このような妊娠時に顕著に見られる各種の病気などは、普段の生活の中で抑える(リスクを回避する)ことが可能です。ミネルバクリニックでは『妊娠合併症』に関するコラムもご紹介していますので、気になられた方はぜひそちらもご確認なさってください。

気になられた方はこちら→

妊娠合併症関連コラム【ミネルバクリニック公式】

出産予定日確定後のタスク

タスク

出産予定日が確定すると、本格的に、出産に向けた準備を進めていく必要が出てきます。特に、出産予定日が確定した後に、直近でおこなうべきことは以下の2つです。

  • ・分娩予約
  • ・妊娠届出書の提出/母子手帳の発行

それぞれに関して見ていきましょう。

分娩予約

多くの産婦人科では、出産予定日が確定した後に分娩予約をできるようになっているのですが、皆さんが想像するよりも予約が埋まるまでの時間はあっという間で、人気の産婦人科ともなると「明日でも大丈夫でしょ」の考えが命取りになることもあります。

産婦人科によっては分娩予約を出産予定日の確定前から行っているところもありますので、分娩予約に関して早めに確認するようにしましょう。加えて、分娩予約の際に予約金が必要となる場合もあるため、分娩予約開始の時期と併せて尋ねるようにしましょう。

妊娠届出書の提出/母子手帳の発行

妊娠届出書を最寄りの保健所・健康相談所・区民事務所などに提出することで”母子手帳”が発行されます。母子手帳の他にも、妊婦健診の補助券、マタニティマークなども提供されます。

届出書には、受診を行った医療機関の名前と所在日、現在の妊娠週数と出産予定日などが記入事項として用意されていますので、産婦人科を初めて受診した際にメモを取るなどしておきましょう。加えて、マイナンバーカードや顔写真付きの身分証明書も必要となりますので、用意を忘れないようにしましょう。

まとめ

にこやかな妊婦

ここまで、出産予定日を自分で計算する場合の方法と、病院にて修正・確定する方法、出産予定日のずれ、出産予定日確定した後に直近で進めるべきことに関してご説明してきましたが、ご理解いただけたでしょうか?

初めて妊娠を経験する方にぜひ参考にしていただきたいことはもちろん、妊娠を経験済みの方にとっても確認に役立つ記事となっていれば幸いです。

生まれてきてくれる赤ちゃんを笑顔で迎えられるように、ひとつひとつ焦らずに出産に向けた準備を進めていかれてください。

東京の「ミネルバクリニック」は臨床遺伝専門医が在籍するNIPT実施施設であり、たくさんの妊婦さんの悩みや不安と真摯に向き合い、笑顔になれる出産に導いてきました。ミネルバクリニックでは、妊娠9週から受けられる赤ちゃんの健康診断である「NIPT」を業界最新の技術と業界随一の対象疾患の広さで行っております。遺伝のエキスパートである臨床遺伝専門医が出生前診断を提供しておりますので、是非、お気軽にご相談ください。妊娠初期からの出生前診断を受ける医療機関にお悩みの方は、知識・経験・実績とも「第三者から認証されている」臨床遺伝専門医が診療している「ミネルバクリニック」まで是非、ご相談ください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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