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胎動は、ママと赤ちゃんを繋ぐ大切なコミュニケーションツールです。元気に足や腕を動かしている様子を思い浮かべながら胎動を感じると、ますます愛おしさが込み上げてくるのではないでしょうか。
胎動は、感じる時期や感じ方に個人差はありますが、大体妊娠中期の妊娠18週目頃〜妊娠22週目頃から、経産婦さんなどで早い場合だと妊娠16週目頃から感じはじめます。
お腹の赤ちゃんの様子は、直接目で見られないので、胎動を感じられると元気に育っていると感じ、ママも安心するものです。
しかしその反対に、いつもよりも胎動が弱かったり、まったく感じられなかったりすると「赤ちゃんは大丈夫かな?」と心配になってしまいます。
ではなぜ、胎動は弱かったり強かったりするのでしょうか。この記事では、胎動が弱い原因と受診の目安をご紹介します。
最後に、胎動が弱いとダウン症の可能性が高いという噂についてもご紹介するので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。
胎動が弱い原因
胎動は、ママのお腹の中で赤ちゃんが手足を動かしたり、ぐるぐる回ったりすることで感じられます。そのため、胎動を感じる位置や感じ方はいつも同じでなく、お腹がゴロゴロするように感じるだけの場合も。
胎動を感じはじめて間もない妊婦さんの中には、ポンポンとお腹を蹴る感覚が胎動だと思っている方もいるため、はじめのうちは胎動を感じる日と感じない日があると思い、焦ってしまう方もいます。
ここでは、妊娠月別に胎動が弱い原因をご紹介します。
妊娠5か月〜6か月
妊娠5か月〜6か月の胎動の感じ方は、人によって実にさまざまです。
以下はママが感じる胎動の例です。
- ・泡が動いているような感じ
- ・ピンポン球がコロコロしているような感じ
- ・お腹がモゾモゾくすぐったい感じ
- ・お腹が痙攣しているような感じ
まだ子宮内を胎児が動き回る余裕もあるので、胎児はお腹の中で宇宙遊泳のように自由に動き回っています。
妊娠5か月〜6か月の妊婦さんが胎動を弱いと感じる原因には、以下のようなことが考えられます。
- ・お腹に脂肪が多い
- ・赤ちゃんが小さめ
- ・初産婦さんで胎動を経験したことがない
胎児が小さめの場合、蹴る力などが弱いため胎動を感じにくいことが多いです。
また、胎動の感じ方はママの体型によっても左右されます。それは、標準体型の方よりも、お腹に脂肪が多くついている方のほうが胎動を感じにくい傾向にあるからです。
ママが太り気味の場合、胎動を弱く感じるだけではなく妊娠高血圧症候群や難産の可能性などが増えるので、食事の見直しや無理のない程度に運動をする必要があるかもしれません。
妊娠7か月〜8か月
妊娠7か月〜8か月では、一般的に以下のように胎動を感じる方が多いようです。
- ・ボコボコ蹴られて眠れない
- ・お腹の中がグニョグニョする感じ
- ・ぐるーんとダイナミックに回転している感じ
赤ちゃんの体がしっかりしてくる妊娠7か月〜8か月は、ポコポコという可愛い胎動から、ボコボコと力強い動きに変わってくると感じるママが多いです。
妊娠7か月〜8か月の妊婦さんは、どのようなことが原因で胎動を弱いと感じるのでしょうか。
- ・胎児が眠っている
- ・手足以外を動かしている
- ・羊水の量が多い
妊娠7か月〜8か月の胎児は、お腹の中で眠ったり起きたりを繰り返しています。
眠っているときはほとんど動かないため、胎動が弱くなったように感じてしまうこともあります。
また、胎児は羊水を飲んでいるときや、目や口を動かしているときなど、手足以外を動かしている場合は動きが小さくなるため、胎動が弱いと感じることもあるようです。
妊娠9か月〜10か月
妊娠9か月〜10か月になると、徐々に胎動が落ち着いてくるママもいれば、痛みを感じるほど強い胎動を感じるママもいます。
- ・ママ自身も揺れそうなくらい強い動き
- ・蹴られて膀胱を刺激される
- ・グーっと蹴る足の形がお腹の外からもわかる
上記のように、胎動もかなりわかりやすくなり、毎日同じような時間に同じような動きをすることもあります。
胎児も子宮の中でどんどん大きくなっているので、徐々に動きにくくなっているのでしょう。
妊娠9か月〜10か月の妊婦さんが、胎動を弱いと感じる原因には以下のようなものがあります。
- ・出産に向けて胎児が下に降りてきている
- ・成長したことで動きにくくなった
一般的に胎動は妊娠25週目〜30週目頃を境に徐々に落ち着いていきます。そこから出産に向けて胎児の頭はすっぽりと骨盤にはまり、身動きできない状態になっていくのです。
ただし、胎動が弱まることはあっても、まったく感じなくなるわけではありませんので注意が必要です。
胎動が弱いときの受診の目安
胎動は、医師が赤ちゃんの元気よさを評価する際にも使用される判断材料です。
胎動を感じる感覚はママの主観によるものなので、あまり心配しなくてもよい場合も多くありますが、これからご紹介するようなケースでは、かかりつけ医の受診をおすすめします。
半日の間胎動がまったく感じられない
胎児によって差はありますが、一般的に20分〜30分のサイクルで睡眠と覚醒を繰り返しています。
そのため、1時間胎動を感じていないと思ったときは、手でお腹を軽く刺激して胎動を促してみましょう。
その後しばらくの間、静かに横になり胎動があるか確認します。
それでも半日以上まったく胎動を感じていないときは、胎児機能不全に陥っているなど胎児の状態がよくない場合もあるので、かかりつけの病院へ連絡し指示を仰ぐ必要があります。
直感としていつもと違うと感じるとき
胎動の回数は、人によって実にさまざまです。1日50回の方もいれば、1,000回感じる方もいます。
胎動が弱くなったり数が減少した場合、12時間に10回以下しか胎動を感じないと胎児仮死の可能性が高くなってしまいます。
いつもよりも明らかに胎動が弱い時間が続いている、胎動が弱いうえにお腹の張りも感じるなど、ママ自身がいつもと明らかに違うと感じるときは、時間をあけずにかかりつけの病院を受診しましょう。
24時間行動を共にしているママがおかしいと感じるのですから、直感を大切にしてください。
胎動が弱いとダウン症の可能性が高い?
胎動が弱いとダウン症の可能性が高いという噂を聞いたことのある妊婦さんもいるかもしれません。
そもそもダウン症とは正式名称を「ダウン症候群」といい、本来22本ある染色体のうち21番目に1本余分な染色体が増え、3本になってしまったことによって先天性異常が起こる疾患です。
21番目の染色体に異常があることから、21トリソミーとも呼ばれています。
以下は、ダウン症の特徴です。
- ・顔が扁平化する
- ・吊り上がり気味のアーモンド型の目
- ・首が短い
- ・耳が小さい
- ・舌が口からはみ出る
- ・手足が小さい
- ・ますかけ線がある
- ・筋力の低下や関節の緩み
- ・成長していくと低身長になる
胎動が弱いとダウン症の可能性があるという噂は、ダウン症の身体的特徴の「筋力の低下や関節の緩み」からきているようです。
運動能力にも影響が出ることから、ダウン症の胎児は胎動も弱いという誤解をされています。
しかし、ダウン症と胎動が関連していることを示す医学的な根拠は乏しく、胎動が弱いというだけでダウン症ではないとも、ダウン症の可能性があるとも判断できません。
胎動が弱いとダウン症の可能性が高いというのは、ただの噂に過ぎないので心配しすぎなくて大丈夫です。
まとめ
胎動が弱い原因と受診の目安をご紹介しました。
胎動は、お腹の赤ちゃんとのつながりを感じられるとても嬉しいものです。毎日胎動を楽しみにしているママやご家族も多いのではないでしょうか。
しかし、日によっては胎動が弱いときもあり、どこか具合が悪いのではと不安になってしまうこともあります。
胎動を弱く感じるのは、もしかしたらママが胎動を感じるのに集中している時間が短いこともあるかもしれません。
そんなときは、1度静かに横になってみたり、胎動カウントを行ったりして胎動があるかを確認してみましょう。
その際明らかに今までの胎動の回数より減っている場合や、胎動が弱いと感じたら早めにかかりつけ医に相談する必要があります。
また、胎動が弱いとダウン症の可能性が高いという噂については、心配になって当然ですが、胎動だけでは赤ちゃんがダウン症であると把握することはできません。
近年は高齢化出産をされる妊婦さんも多いですので、心配な場合は新型出生前診断NIPTなどを受検してみるとよいでしょう。
NIPTは母体の血液中に含まれる胎児由来のDNAのかけらを分析することで、染色体に異常があるかを調べる検査です。
NIPTは非確定的検査です。そのため、胎児が染色体異常の確率が高いと診断されたときは、羊水検査や絨毛検査などの確定検査を受ける必要があります。
胎動が弱くて不安な方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
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