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「基礎体温が低いのだけど妊娠できるかな…」「妊娠しているのに体温が下がってきた…大丈夫かな」など、妊活中や妊娠中に基礎体温が変化することに不安を感じたことはありませんか?
本来は、体の状態を知るために活用できる基礎体温ですが、誤った情報を信じている人も多いようです。妊活中・妊娠中の余計なストレスを減らすために、基礎体温の変化について正しく理解しておきましょう。
妊娠後の基礎体温の変化
妊娠前と妊娠後では、基礎体温の変化に違いがあります。妊娠する前は、排卵後に高温期が2週間ほど続き、そのあと低温期になって月経が始まります。妊娠した場合は、2週間の高温期を過ぎても体温が下がりません。
これは、受精卵を育てるための子宮内膜を厚くするために、黄体ホルモンが分泌し続けるためです。人によって違いはありますが、妊娠後の高温期から基礎体温が下がってくるのは、妊娠13週頃からです。
妊娠後の基礎体温が徐々に下がるケース
妊娠13週頃になると、赤ちゃんを育てるための胎盤が完成します。胎盤が完成すると、それまで子宮から分泌されていた黄体ホルモンが胎盤から分泌されるようになるため、高温期をキープしていた基礎体温は、少しずつ下がり始めます。基礎体温が下がるのに合わせて、体のだるさや熱っぽさなどの不快感がなくなってくるのもこの頃です。
胎盤が完成する時期には個人差があり、胎盤が早く完成していれば早めに体温が下がってきますし、完成していない場合は、高温期が続きます。妊婦健診で異常がないのであれば、基礎体温が下がらないからといって不安になることはありません。
ただし、高熱が続く場合は、何らかの病気の可能性もあります。高熱が続く、体調が悪い、といった場合は、早めに産婦人科を受診しましょう。
妊娠5週で基礎体温が下がるケース
高温期が続いているはずの妊娠5週頃に、突然基礎体温が下がってしまうケースもあります。基礎体温が下がると、流産を心配してしまいがちですが、基礎体温の変化だけで流産の判断はできません。
妊娠後の高温期に基礎体温が下がるときには、ほかにもいくつかの原因が考えられます。
- ・体が冷えている
- ・寝不足
- ・体温が正しく測れていない
- ・胎盤の完成が早かった
このように、様々なことが要因となって基礎体温が下がることがあります。一時的な体温の変化で不安が高まるようであれば、基礎体温の測定をやめるのもひとつの方法です。
基本的に、産婦人科で正常な妊娠が確認できているのであれば、自宅で基礎体温を測る必要はありません。基礎体温や体調について心配なことがあれば、不安を取り除くためにも、早めに産婦人科を受診しましょう。
妊娠と基礎体温の関係
基礎体温は、妊娠の有無を知るために必要な指標の一つですが、妊活をしている人にとっても重要なものです。自分の体の状態を知っておくために、基礎体温を基準にできます。妊娠を希望しているのであれば、体を温めるように心がけることも大切です。
昔から「女性は体を冷やさないように」と言われますが、体を温めることは、妊娠に必要な器官の機能の正常化にもつながります。妊娠しやすいように体の状態を整えるためにも、基礎体温をつけたり、体を温める習慣をつけましょう。
基礎体温と妊娠しやすさ
妊娠するために体を温めることは大切ですが、基礎体温が高いからといって妊娠しやすいというわけではありません。
しかし、基礎体温をつけておくことで、妊娠しやすいタイミングを判断しやすくなります。黄体機能不全や無排卵などの病態に気が付くきっかけにもなり、早い段階での治療や対策もしやすくなります。基礎体温が高いから妊娠しやすいということはありませんが、基礎体温をつけることで、妊娠の確率を高めることにつながります。
低温期と高温期の差が重要
基礎体温で重要なことは、体温の高さではなく、低温期と高温期がしっかり分かれていることです。たとえ基礎体温が低かったとしても、低温期と高温期の体温の差が、0.3~0.6℃くらいあれば問題ないでしょう。
「低温期と高温期にあまり差がない…」と心配する人もいますが、あまり神経質になる必要はありません。
基礎体温は、その日の体調や計測の仕方にも影響されるものです。グラフにしたときに、「だいたい二相に分かれていればOK」という、おおらかな気持ちで計測しましょう。
ただし、低温期ばかりが続いて高温期がないときは、無排卵の可能性があります。
また、高温期の期間が短いときや不安定な場合は、黄体機能不全が疑われます。グラフにしてもよくわからない場合は、一人で悩まずに、基礎体温表を持って婦人科に相談してみましょう。
基礎体温のみの妊娠判定はできない
基礎体温は、測る時間帯や気温、睡眠時間などに影響されて簡単に変化します。高温期が2週間以上続く場合は妊娠の可能性が高いですが、基礎体温の変化だけで妊娠を判定することはできません。
妊娠の可能性がある場合、まずは妊娠検査薬を使ってみましょう。ドラッグストアでも購入でき、自分で簡単に妊娠の判定ができます。ただし、妊娠検査薬は高確率で妊娠を判定できますが、正常な妊娠かどうかまでは判断できません。妊娠検査薬を使って陽性反応が出た場合でも、必ず医師の診察を受けるようにしましょう。
生理予定日で基礎体温が下がっていたのに妊娠できた先輩ママの体験談
ここからは基礎体温が低くても無事に妊娠できた先輩ママの体験談をご紹介します。色々なケースがあるので是非ご覧ください。
いつもより基礎体温が低い周期だったけど妊娠しました(36歳・Yさん)
普段の高温期よりも体温が低かったことに加えて、生理予定日にうっすらと出血したので、妊娠は無理だと思っていました。
ところが、その後本格的な生理が来なかったので、妊娠検査薬を使ってみることに。結果は、なんと陽性でした。
少しとはいえ出血があったので心配していましたが、それからは出血することもなくて、順調に出産することができました。
生理予定日に基礎体温が下がったけど妊娠していました(35歳・Sさん)
高温期が続いていたのに、突然基礎体温が下がってしまいました。体温が下がったときがちょうど生理予定日だったので、「これから生理が来るのかな。今回は妊娠できなかったのだ…」とがっかり。
ところが、次の日また体温が上がって高温期に戻ったのです。その後妊娠が発覚しました!
病院で先生に聞いてみると、高温期に一日だけ基礎体温が下がるというのはよくあることなのだそうです。ちょっとした環境の変化で基礎体温が変わってしまったり、部屋の温度によって体温計の感度が変わったりすることもあるとお医者さんから聞いて納得です。
平均より基礎体温が低めだけど妊娠できました!(38歳・Tさん)
普段から平熱が低くて、高温期と低温期の差があまりありませんでした。冷え性は妊娠しにくいという話も聞いていたし、高温期でも基礎体温が低かったので、自分では無排卵なのかと思っていましたが、妊娠していることがわかりました。
妊娠してからの基礎体温も低いままだったので、流産するのではないかと不安でしたが、無事に安定期を迎えられました。高温期にしっかり体温が上がらなければ妊娠しないものだと思っていたので、基礎体温が低くても妊娠できることがわかって、とても嬉しかったです。
基礎体温が下がっている=妊娠していないではありません
高温期に基礎体温が下がったからと言って妊娠できない訳ではないのがおわかりいただけたかと思います。人の体温は一日に変化をするため体温が低い時間帯に測っていたかもしれません。
それに基礎体温が高くなったからといって妊娠しているかどうか判断するのは難しいかと思います。もし基礎体温の上昇と気になる症状が出ているなら産婦人科で診察を受けてください。
妊娠初期症状は以下の通りです(個人差があります)。
- おりものが増えた
- 体がポカポカして、微熱がある感覚
- ごく少量の着床出血
- 生理前に似た症状(胸が張る・腹痛・頭痛・腰痛)
- 腸の調子が悪くなる(おなら・便秘・下痢)
- 胃の調子が悪くなる(吐き気・ムカムカ感)
- お腹が張る感覚
- 寒気を感じる
- 眠気ひどい/眠れない
- 食欲がわかない/食欲がとまらない
- 情緒不安定になる
- やたらイライラする
もし妊娠検査薬を使う場合は生理予定日から1週間経ってからにしてください。それよりも早いと正確な判定が出なくなります。
まとめ
基礎体温は、自分の体の状態を知るための重要なバロメーターです。基礎体温の計測を習慣にすることで、妊娠しやすい時期を判断したり、妊娠の可能性にいち早く気づいたりすることができます。また、黄体機能不全や無排卵など、体のトラブルを発見して早い段階でケアすることにもつながります。
ただし、基礎体温は計測状況によって変化しやすいのが特徴なうえに、個人差もあります。少しの変化に一喜一憂して振り回されないように、基礎体温について正しく理解しましょう。