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妊娠や出産は、女性の人生にとって非常に重要なライフイベントです。
最近では仕事でもキャリアを積み、年齢をある程度重ねてから妊活をはじめる方も多く、赤ちゃんをいつ授かるかと心待ちにしている方も多いのではないでしょうか。
妊娠を待ち望んでいると、「少しでも早く妊娠を知りたい」「体調も普段と違う気がする」と思い、妊娠検査薬を生理前に使用してしまうことも。
そのような場合、妊娠検査薬では正しい結果を得られない可能性が高いため、本当は妊娠しているにもかかわらず、陰性という表示を見て悲しい思いをしてしまうかもしれません。
この記事では、妊娠検査薬は生理前のフライング検査でも判定できるのか、生理1週間前でも感じることのある妊娠超初期症状についてご紹介します。最後に妊娠検査薬を正しいタイミングで使用する重要性についてもご紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてください。
妊娠検査薬は生理前のフライング検査でも判定できる?
妊娠検査薬を正しいタイミングよりも前に使って検査することを、フライング検査と呼びます。
そもそも妊娠検査薬は、生理予定日よりも前にフライングで使っても正しい結果を得られるのでしょうか。また、陰性だった場合でも本当は妊娠している可能性はあるのでしょうか。
ここでは、妊娠検査薬を早めに使ってしまうフライング検査についてご紹介します。
フライング検査とは
フライング検査とは、正式な名称でも規定された定義でもありませんが、一般的な妊娠検査薬が使えるようになる、生理予定日1週間後よりも前に検査してしまうことをいいます。
妊娠を希望されている方の中には、「生理開始予定日から1週間も待てない!」という方もおられますが、フライング検査は気持ちが揺らぎやすくなり、精神的に不安定になりやすいのでおすすめできません。
妊娠検査薬は生理前でも正しい判定ができる?
そもそも、妊娠検査薬は妊娠すると急激に分泌される「ヒト絨毛性ゴナドトロピン」略称でhCGと呼ばれるホルモンに反応することで、陽性か陰性かを判断します。
ドラッグストアや薬局などで広く販売されている一般的な妊娠検査薬は、hCGの量が50IU/Lになると陽性反応が出ます。また、生理開始予定日から使用できる早期妊娠検査薬では、hCGの量が25IU/Lで陽性反応が出る仕組みです。
hCGは、妊娠3週で20〜50IU/L、妊娠4週で50〜200IU/L分泌されるようになるので、妊娠検査薬が使用できるようになるのもその頃なのです。
妊娠検査薬は、正しい方法とタイミングで行った場合、99%もの高い確率で正しい判定が出ます。
hCGは、受精卵が着床してから3〜4日ほどで尿に出はじめるので、早いと次の生理予定日の数日前から尿に混ざっている可能性も。
たしかに、フライング検査で早めに妊娠がわかれば、赤ちゃんにとって重要な臓器をつくる時期に影響する可能性のある行為を避けられる可能性もあります。しかし、確実な結果を得るためには、hCGの分泌量がしっかりと増えているであろう、次の生理予定日の1週間後がベストなのです。
フライング検査で陰性でも妊娠している可能性は?
上述した通り、通常hCGの分泌量が妊娠検査薬に反応する量に達するのは、早くて妊娠3週、通常は妊娠4週からです。
そのため、あまりに早い時期に妊娠検査薬を使用しても、検査に必要なだけのhCGが分泌されていなかったり、足りなかったりして本当は妊娠しているのに陰性となってしまうことがあります。
つまり、正しい判定を得たいのであればフライング検査はせず、きちんと生理予定日から1週間待ってから妊娠検査薬を使用することが大切だということです。
妊娠しているかどうかが気になってフライング検査をしてしまう気持ちは、非常によくわかります。しかし、本当は妊娠しているのにhCGの分泌量が足りず陰性の判定が出てしまうと、する必要のない悲しい思いをしてしまうことも。
フライング検査で陰性の判定が出た後、数日経っても生理がこない場合は、生理予定日の1週間後を目安にもう一度妊娠検査薬で検査し、陽性だった場合は早めの受診をおすすめします。
生理1週間前でも感じることのある妊娠超初期症状とは
生理予定日の1週間後を待たずにフライング検査をした方の中には、生理予定日よりも前なのに体調に異変を感じたことで妊娠検査薬を使用したという方もいることでしょう。
妊娠している場合に、生理予定日より前でも感じる体調の変化を「妊娠超初期症状」といいます。生理1週間前は、妊娠周期の数え方では妊娠3週0日くらいにあたります。ちょうど受精卵が着床する時期で、人によってはさまざまな体調の変化を感じるようです。
ここでは、生理1週間前でも感じることのある妊娠超初期症状についてご紹介します。
妊娠超初期症状は生理前や風邪などの症状と似ている
妊娠超初期症状は、一般的に生理前や風邪などの症状に似ているといわれています。以下は、生理1週間前でも感じることのある妊娠超初期の症状です。
- 強い眠気
- 強い倦怠感
- 頭痛、寒気
- 下腹部痛、腰痛
- 胸の張り、乳首痛
- おりものの量が増える
- おりものの色が茶色や茶褐色になる
- 吐き気やにおいに敏感になる
- 基礎体温の上昇
妊娠超初期症状には個人差があります。普段の生理前と同じような症状を感じることもあるため、妊娠がわかった後にそれが妊娠超初期症状だったと気づく方も。
人によってはつわりのような症状が現れるので、体調が悪いときは無理をせずゆったりと過ごし、妊娠の可能性に備えて生活習慣を改善するとよいでしょう。
妊娠超初期症状が出る理由
妊娠超初期症状が出る理由は、受精卵が着床し妊娠が成立したことによって、体内のホルモンバランスが変化するためです。
受精卵が子宮内膜に着床し、hCGの分泌がはじまるとプロゲステロン(黄体ホルモン)やエストロゲン(卵胞ホルモン)、プロラクチン(乳腺刺激ホルモン)などのホルモンの影響により、さまざまな症状が現れます。
これらのホルモンが分泌されることで、女性の体は胎児を育てやすいように変化していくため、妊娠が成立していれば生理前でも妊娠超初期症状を感じることもあるのです。
妊娠超初期症状がはじまる時期
つわりと同様に妊娠超初期症状がはじまる時期に個人差はありますが、早いと受精卵が着床してすぐの妊娠3週目から体調の変化を感じる方もいるようです。
ただし、妊娠超初期は妊娠していない場合の排卵期や生理前の時期と重なります。
この時期は、妊娠していなくてもなにかしら体調の変化や症状が現れやすく、妊娠を強く望んでいる方は妊娠超初期症状と間違えてしまうこともあるので注意が必要です。
妊娠検査薬は正しいタイミングで使用することが重要
妊娠検査薬を本来の正しいタイミングよりも早く使用するフライング検査でも、正しい判定結果が出ることもあります。フライングで陽性と判定されれば薬の服用やレントゲン検査、飲酒や喫煙、カフェインの摂取などが避けられるほか、不規則な生活や乱れた食生活を早めに見なおすきっかけになるかもしれません。
しかし、フライングで陽性反応が出た場合でも、本来知らなくて済むはずの化学流産がわかってしまったり、喜び勇んで病院に行ったものの妊娠の確定診断ができなかったりすることも。
妊娠検査薬での検査は、病院で行う確定診断ではありません。精度は高いですが、あくまでも可能性を判定するものなので、フライング検査で陽性反応が出たからといってその結果を信じきってしまうと、後で悲しい思いをすることになりかねません。
そのようなときに感じるストレスは、正しいタイミングで妊娠検査薬を使用して陰性だったときよりも大きく、その後の妊活がうまくいかない原因になることもあります。
早く赤ちゃんを授かるためにも、フライング検査をした場合は、生理予定日1週間後の正しいタイミングで再度検査をすることをおすすめします。その結果、陽性反応が出た場合は早めに産婦人科を受診し、医師による検査で総合的な診断を受けましょう。
まとめ
妊娠検査薬は生理前のフライング検査でも判定できるのか、生理1週間前でも感じることのある妊娠超初期症状についてご紹介しました。
妊娠検査薬は、精度が高いことやその手軽さから、妊娠しているかどうか知りたい方のほとんどが使用します。しかし妊娠を待ち望むあまり、本来検査が可能な時期よりも前の、生理前に使用してしまう方もいるようです。
生理前は誰でも体調が変化しやすく、妊娠超初期症状と勘違いしてしまいがちですが、フライング検査の結果に振り回されないためにも、妊娠検査薬は正しいタイミングでの使用をおすすめします。
そして待望の陽性反応が出たときは、生理予定日から2週間後を目安に病院を受診し、生活習慣を整えつつパートナーとゆったりとした気持ちで過ごすようにしましょう。