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妊活中は、妊娠検査薬を何本も使っては結果に一喜一憂し、線の濃さや色などに敏感になるものです。とくにつわりのような症状で体調が優れないと感じているときは、生理予定日よりも早く検査をしてしまう「フライング検査」をした経験のある方も多いのではないでしょうか。
妊娠検査薬は、妊娠すると急激に分泌するhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)に反応して、妊娠しているかどうかを判定します。近年、市販の妊娠検査薬の正確さは非常に高くなっており、陽性反応が出た場合ははっきりとした線が現れます。また、陰性の場合にはなにも現れません。
しかし、中には陽性反応かどうかの判定がわかりにくい、色の薄い線が現れることもあります。そのような場合、妊娠しているのかどうかはっきりせず、子どもを授かるのを心待ちにしている方はヤキモキすることも。
そこでこの記事では、妊娠検査薬でみられる蒸発線のタイプ別原因と、蒸発線が出たときにできる3つの対処法についてご紹介します。
妊娠検査薬でみられる蒸発線とは
蒸発線とは、妊娠検査薬にかけた尿が時間の経過とともに蒸発し、濃縮された成分がキットに残ることで稀に現れる線です。一般的に、薄いグレーのケースが多いようです。
結論から申し上げるとこれは陽性反応ではなく誤反応なのですが、妊娠を望んで妊娠検査薬を使用している方の中には、陽性反応なのではないかと疑ってしまう方も。
一般的な妊娠検査薬は尿をかけてから1分前後で判定できるようになっています。検査後10分以上経過してから現れた線は、陽性反応ではなく蒸発線である可能性が高くなるので注意しましょう。
蒸発線のタイプ別原因
蒸発線は、妊娠検査薬の判定時間内に現れてすぐに消えてしまうこともあれば、判定時間後に現れることもあります。また、規定とは違う色が出るなど、妊娠検査薬によっても蒸発線の出方は異なるようです。
ここでは、妊娠検査薬の判定で困ってしまうことも多い蒸発線のタイプ別の原因についてご紹介します。
薄いけれど目視で確認できるタイプ
妊娠検査薬は、尿の水分が染み込んでいく過程の中で、一時的に薄い線が現れて時間が経つにつれて消えていくことがあります。
これは、尿吸収体に尿が吸収されていく過程で、なんらかの誤反応が起こったことによるものです。所定の時間内に線が現れると、薄くても陽性なのではないかと思われる方も多いですが、通常陽性反応の場合は色が消えることはありません。
また、たしかに以下のように色が薄くても陽性反応が出ている場合もあります。
- 水分摂取量が多く、尿の濃度が薄かった
- hCGの測定量が少なかった
- 検査の時期が早過ぎた
たとえ線の色が薄い場合でも、陽性反応が出たということは、妊娠している可能性が高いことを示しています。この場合は、さらに1週間程度期間をあけて再度検査を行って線の色が濃くなっていれば、妊娠の可能性はさらに高まるでしょう。
しかし、しばらくして薄い線が消えてしまった場合は、残念ながら陽性反応ではなく蒸発線です。妊娠検査薬の判定結果を見るときは、その点に注意するようにしましょう。
判定時間を過ぎてから薄く出るタイプ
一般的に、妊娠検査薬で妊娠の判定を行う際は3〜5分程度経過してから判定窓を確認します。
その時点で判定窓に妊娠を知らせる線が出ていなければ、陰性と判断することになります。しかし中には、陰性という結果がなかなか受け入れられず、不安と期待で判定時間を大幅に過ぎてから再度妊娠検査薬を確認する方もいるようです。
判定時間の時点では何も線が出ていなかったにもかかわらず、判定時間を過ぎてから薄い線が現れた場合は、長期間置いておいたことで薬剤が塗布されている部分から尿の水分が蒸発して、周りの色よりも濃くなってしまった可能性もあります。
また、薬剤を塗りつけた部分の糊が溶け出して薄い線のように見えることもあるようです。
ただし、蒸発線以外にも判定時間を過ぎてから薄い線が現れるケースもあります。とくに妊娠が成立した直後は尿中のhCG濃度が薄く、時間が経過してから徐々に薄い線が現れることもあるので、注意が必要です。
この場合は、上記でもご紹介したように1週間程度期間をあけて再度妊娠検査薬を使用すると、正しい結果が得られるかもしれません。
説明書に書いてあるのとは違う薄い色が出るタイプ
判定時間内に判定窓に線が出たものの、説明書に記載されている陽性反応の見本とは色の違う薄い色が出た場合は、蒸発線かもしれません。
これは、尿吸収体に尿が染み込む過程で一時的に線が浮かび上がってきている状態です。
とくに海外製の妊娠検査薬を使用するとよく起こるといわれており、説明書に記載されている色と異なる色の線が見える場合は、蒸発線の可能性が高いようです。中には、色は異なっているものの、判定に迷ってしまうくらい濃く出るケースもあるようなので、海外製の妊娠検査薬を使用する際にはきちんと使用方法を確認してから判定を行うようにしましょう。
ただし、この場合も上記と同様に陽性反応である可能性も完全には捨てきれないので、1週間程度あけてから再度妊娠検査薬で検査することをおすすめします。
蒸発線が出たときにできる3つの対処法
妊娠検査薬を使用して薄い線が出たときは、蒸発線のほかに検査の時期が早すぎる、またはきちんと検査が行えなかった可能性もあります。
なんにせよ、判定の色が薄い状態では、妊娠しているかどうかを判断することは難しいものです。そのため、蒸発線と思われる薄い線が現れた場合は、1週間程度期間をあけてから再検査するようにしましょう。
ここでは、蒸発線が出たときにできる3つの対処法について解説します。
正しい使用方法を守る
そもそも、妊娠検査薬は正しい使用方法で正しい時期に使用することで、正しい判定を得られるものです。
以下は、妊娠検査薬の正しい使い方です。
- 生理予定日から1週間経過してから使用する
- 適切に保管された使用期限内のものを使用する
- 尿を説明書に記載されている適切な部分にかける
- 尿をかけた後はキャップをきちんと閉めて水平な場所に置く
妊娠検査薬は、どの時間帯に使用しても正しい結果を得られますが、起きてすぐの尿を使用するとhCG濃度が濃いので正確な判定が行いやすくなります。
ただし、妊娠検査薬はメーカーによって判定が出るまで待つ時間や、独自の条件が設定されている場合もあります。使用前に説明書をよく読んで、使い方だけでなく判定の際の注意点も確認しておくようにしましょう。
検査の終わった妊娠検査薬はすぐに廃棄する
蒸発線が出るのを防ぐ方法は、いまだに明らかにされていないため、事前にできる対策としては、正しい方法で妊娠検査薬を使用することくらいしかありません。
蒸発線は、検査をしてから10分以上経過した後に結果を確認したときにみられることが多いようです。妊娠検査薬は、本来時間が大幅に経過してから確認する必要はありません。
陰性反応が出たことを信じられない気持ちはわかりますが、蒸発線をみてしまうと無駄に不安を感じる原因となってしまいます。
必要以上のストレスを感じないためにも、検査時間を過ぎて判定を確認した後の妊娠検査薬はすぐに廃棄した方がよいかもしれません。
デジタルタイプの妊娠検査薬を使用する
妊娠検査薬には、蒸発線タイプとデジタルタイプがあるのをご存知ですか?
蒸発線タイプは、ドラッグストアやコンビニなどで手頃なお値段で手に入る、もっとも一般的なタイプです。判定窓に線が出ていれば陽性、出ていなければ陰性となります。
一方のデジタルタイプは、結果を+や−、pregnantやnot pregnantなどとデジタル表示するタイプで、判定結果が一目瞭然でわかります。蒸発線タイプと比べて判定がわかりにくいということもありませんが、お値段が高いことや販売店の少なさから、普段からこちらを使用している方は少ないのではないでしょうか。
デジタルタイプであれば、蒸発線で判定結果がわかりにくくなってしまう事態を防げるので、結果をはっきりと知りたい方には非常におすすめです。
ただし、デジタルタイプも蒸発線タイプと精度や使い方に大差はありません。そのため、フライング検査を行った際や、使用方法に問題がある場合などは正しい結果が得られないこともあるので、注意しましょう。
まとめ
妊娠検査薬でみられる蒸発線のタイプ別原因と、蒸発線が出たときにできる3つの対処法についてご紹介しました。
妊娠を心待ちにしている場合、妊娠検査薬を使用して蒸発線のような線が出てしまうと、はっきりとした結果がわからず、精神的なストレスを感じやすくなります。
また、判定窓に薄い線が出ているケースでは、子宮外妊娠などの可能性も否定できません。
蒸発線のような線が出ている場合は、今回ご紹介した対処法を参考に再度妊娠検査薬を使用するか、結果に疑問をお持ちの場合は早めに受診して医師に相談するようにしましょう。