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妊娠超初期の空腹時や食後、寝起きなどに胃がムカムカしたり、吐き気が起こったりすることがあります。妊娠を望んでいる場合、胃のむかつきや気持ち悪さがあると、つわりではないかと気になる方も多いでしょう。今回は、妊娠超初期に吐き気が起こる理由や吐き気への対策方法、妊娠による吐き気かを判断する目安について解説します。
妊娠超初期でも吐き気がする理由
妊娠超初期は、最後にあった生理日の初日から数える妊娠0週~3週頃までの期間を指します。この時期はまだ、妊娠したかを検査できない時期です。しかし、生理予定日の1週間前ごろから体内で妊娠が成立している可能性があるため、妊娠超初期症状として体の変化に気が付く方もいます。吐き気は妊娠超初期症状に気が付く方のなかで、訴えの多い症状です。妊娠超初期症状で吐き気がする理由としては、以下の4つが挙げられます。
【妊娠超初期に吐き気がする理由】
- □ 女性ホルモンの増加
- □ 妊娠への不安やストレス
- □ 便秘
- □ ビタミン不足
参考: MDSマニュアル「妊娠中の症状」
ここからは、それぞれの理由を詳しく解説していきます。
女性ホルモンの増加
女性は毎月の生理に備えてエストロゲンとプロゲステロンの2種類の女性ホルモンが働いており、妊娠すると両方のホルモン分泌量が増加します。加えて、新たに「ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)」と呼ばれるホルモンの分泌量が著しく増加するのも妊娠の特徴です。
エストロゲンやプロゲステロンは、妊娠すると子宮筋の肥大、子宮内の血流量増加、排卵抑制などによって妊娠の継続を助けます。hCGは、妊娠初期にエストロゲンとプロゲステロンを作るための指示役となるホルモンです。
妊娠による吐き気との因果関係は解明されていません。しかし、エストロゲンなどのホルモンが胃の内容物の動きを遅くすることや、hCGが嘔吐中枢を刺激することなどが吐き気の要因ではないかと考えられています。また、つわりがある女性はエストロゲンの血中濃度が特に高いこともわかっています。
妊娠への不安やストレス
妊娠に対する期待や不安など精神的なストレスが原因となって、吐き気が起こることもあります。特に、妊娠超初期はまだ検査もできないため、期待や不安も大きくなりやすいでしょう。
ストレスがかかると自律神経が乱れ、交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで、胃腸の働きが悪くなります。それが吐き気につながると考えられます。
便秘
普段から便秘になりやすい方や、妊娠によってお腹周りの筋肉が緩くなったことで便秘の症状が現れると、便秘が原因で吐き気を引き起こすことがあります。便秘が続くと、お腹が張って苦しくなったり、吐き気や嘔吐、食欲不振につながったりすることもあるため注意が必要です。
便秘は吐き気のほかにも、むくみやしびれなどのさまざまな不調につながるため、我慢や放置をせず病院に相談するようにしてください。その際には、妊娠の可能性があることも必ず伝えましょう。
妊娠超初期の吐き気への対策
妊娠超初期に吐き気があるときは、下記のような対策を検討してください。
- □ 対策1:少しずつ食べる
- □ 対策2:ビタミンB6を積極的にとる
ただし、ほとんど食べられないような強い吐き気がある場合や水も飲めない場合には早めに医療機関を受診しましょう。市販の吐き気止めは種類によっては妊娠中に飲めないものもあるので、自己判断せず医師に処方された薬を服用してください。
対策1:少しずつ食べる
吐き気があるときは少しずつ食べたり、間食や食事の回数を増やしたりすると効果的です。1回の食事量が多くなるほど、胃や腸などの消化管への負担が大きくなります。調子が良くないときは、そのときに食べられるものを少しずつ食べましょう。
対策2:ビタミンB6を積極的に摂取する
米国産婦人科学会では複数の研究結果に基づいて、妊娠初期の女性の約半数が経験する吐き気や嘔吐の対策に、ビタミンB6の積極的な摂取を推奨しています。さらに、妊娠初期のつわりだけではなく月経前症候群(PMS)の症状が緩和するとの報告もあり、妊娠の可能性の有無に関わらず吐き気があるときの対策として有効といえるでしょう。
ビタミンB6を豊富に含むのは下記のような食材です。
【ビタミンB6が豊富な食材】
- □ かつお
- □ まぐろ
- □ レバー
- □ バナナ
参考:厚生労働省「ビタミンB6」
妊娠による吐き気かそうでないかを判断するには
吐き気の症状は妊娠超初期症状だけでなく、PMSの症状でもあります。そのため吐き気だけで妊娠と判断するのは難しいでしょう。妊娠超初期の段階で妊娠によって吐き気が起こっているのか、そうではないのかを見極めるポイントは下記の2点です。
【妊娠超初期症状による吐き気かそうでないかを判断する方法】
- □ 基礎体温をつける
- □ 眠気や頻尿など他の症状がある
それぞれについて以下で詳しく解説します。
基礎体温をつける
基礎体温の変化は妊娠しているかの判断材料になります。普段からきちんと排卵があり、月経周期が整っている女性の基礎体温は低温期と高温期に分かれています。低温期は生理が始まってから排卵日ごろの約2週間で、高温期は排卵後から次の生理が始まるまでの約2週間です。
妊娠していない場合は、高温期に入って2週間を目安に生理が始まり、基礎体温が下がります。ところが妊娠している場合は、高温期が継続したままになり生理は来ません。妊娠超初期である妊娠3週目は、妊娠していなければ次の生理周期が始まる時期になるため、基礎体温を確認することで妊娠の可能性を知る目安になります。
ただし、あくまでも「妊娠している可能性」に過ぎないので、正確に判断するためには生理予定日から1週間後に妊娠検査薬を使用しましょう。
眠気や頻尿など他の症状がある
妊娠超初期は吐き気以外にも下記の症状が現れることがあります。
【妊娠超初期の主な症状】
- □ 頻尿
- □ 不眠
- □ 頭痛
- □ 胃痛
- □ 胸が張る
- □ 吐き気
- □ めまい
- □ 熱っぽい
- □ 鼻水
- □ 便秘
- □ お腹が張る・腹痛
- □ おりものの量が増える
- □ 肌荒れ
- □ イライラ・気持ちが落ち込む
このような妊娠超初期症状がみられるのは、生理予定日の1週間前ごろ以降です。症状には個人差があり気が付かない方も多くいますが、妊娠していれば出産に向けて体の準備が始まっているため些細な体の変化に気が付く方もいます。
まとめ
妊娠超初期に起きる吐き気の症状は、女性ホルモンの増加やストレス、便秘などのさまざまな理由によって起こります。少しずつ食べたり、ビタミンB6を積極的に摂取したりするなどの対策とって、吐き気を和らげましょう。また、吐き気は生理前にも起こることがあるため、日頃から基礎体温をつけたうえで、その他の症状も併せて妊娠による吐き気かを判断してください。基礎体温やその他の症状だけでは妊娠の成立を断定できないので、生理予定日から1週間を待って妊娠検査薬を試すのが確実です。検査薬で陽性反応が出たら、産婦人科を受診しましょう。
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