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「安定期に入ったけれど体調が悪くて仕事にいけない‥」「産休までまだ期間があるから休むって言いにくい‥」
妊娠中期に仕事を休む理由として多いのは、妊娠に伴う体調不良です。人によっては仕事ができないほどの体調不良が妊娠中期以降も続くケースもあるので、上記のようなお悩みをお持ちの方も意外と多いのではないでしょうか。
妊娠中期は、妊娠初期から続いていたつわりも落ち着くことも多いことから、一般的には安定期とも呼ばれ、母子ともに安定している時期です。しかし妊娠中の体調は非常に個人差が大きいため、妊娠中期に入ってもつわりが続く方も少なくありません。
妊娠中は、ママと赤ちゃんの健康が第一です。体調が悪いときは、無理せず仕事をお休みすることをおすすめしますが、中には仕事を休みにくいという方もおられることでしょう。
そこでこの記事では、妊娠中期に仕事を休む理由で多い5つのケースと、仕事を休むときの会社への伝え方などについてご紹介します。
妊娠中期に仕事を休む理由で多い5つのケース
妊娠中期に入ると、つわりが落ち着いてくる方も多くなります。しかし、妊娠中期は徐々にお腹が大きくなってくることから、意外とマイナートラブルが起こりやすい時期でもあるのです。
「安定期だから多少の体調不良で休むわけにはいかない」と無理をし過ぎてしまうと、胎児の発育不良や流産、早産につながる恐れもあるため、無理せずママの体調を優先するようにしましょう。
とはいえ、妊娠中期に仕事を休みたいとき、先輩ママたちはどんな理由で休んだのか気になる方も多いでしょう。そこでここでは、妊娠中期に仕事を休む理由で多い5つのケースについてご紹介します。
妊娠中期はとくに仕事が休みにくい!
冒頭でもご紹介したように、妊娠中期は一般的に安定期と呼ばれる時期です。流産の可能性も少なくなることから、妊娠16週目以降の妊娠中期に入ってから職場の方に妊娠を伝える方も多いようです。
中にはつわりがひどくて妊娠初期のうちに職場の方へ伝えなければならないケースもありますが、妊娠は病気ではないため、なかなか周囲の理解を得られないことも。
またその反面、女性が多い職場では妊娠中期が安定期であるとご存知の方も多いので、妊娠中期は妊娠期間の中でもとくに仕事を休みにくい時期であるといえるでしょう。
貧血
女性はもともと貧血になりやすいものですが、妊娠するとホルモンの影響で普段よりも貧血になりやすくなります。
とくに妊娠中期は、妊娠期間の中でも貧血が起こりやすい時期です。
なぜなら、妊娠中期頃になると妊婦さんの血液量は急激に増加するものの、赤血球の数はそれほど増えないため、赤血球の濃度が薄い状態となるからです。血液が薄いと、体内に酸素がうまく供給できなくなってしまい、細胞が酸欠状態に陥ってしまいます。
以下は、貧血でよくある症状の例です。
- めまい
- 立ちくらみ
- 動悸
- 息切れ
ママが貧血になってしまうと、子宮内の赤ちゃんにも十分な酸素が供給されなくなります。そのため、貧血がひどくなると赤ちゃんの成長にまで影響が出て、低出生体重児や未熟児のリスクが高まったり、さらに重症になると赤ちゃんの命に関わったりすることも。
医師に貧血と診断された先輩ママの中には、悪化させないように仕事を休んできちんと治療を受けたという方も多いようです。
お腹の張り
妊娠初期にはあまり聞きませんが、妊娠中期になりお腹が大きくなってくると「お腹が張る」という言葉を耳にするようになります。お腹が張ると、普段はそれほど硬さを感じない子宮がギュッと石のように硬くなったり、ピーンと張ったような感覚を覚えたりします。
妊娠中は、ほとんどの方がお腹の張りを感じるものですが、ひどいと切迫流産や切迫早産の恐れも。そのため、先輩ママの中には、お腹の張りを感じてかかりつけの産婦人科を受診し、仕事を休む選択をした方も多いようです。
腰痛
妊娠中は、「リラキシン」というホルモンの影響で、靭帯や関節が緩みやすくなっています。出産するために必要なホルモンですが、骨盤などの筋肉にかかる負担も大きくなるので、腰痛の原因になることも。
また、徐々にお腹も大きくなることから、これまでの重心のバランスとは異なる姿勢で立つようになるため、腰痛を引き起こしやすくなります。
腰痛がひどいと、通勤ラッシュがつらかったり、なかなか仕事に集中できなかったりすることもあるでしょう。無理をすると、腰痛が悪化して動けなくなってしまう可能性もあります。
先輩ママの中には、お尻にクッションを敷いてしのいだという方や、こまめに休憩を取れるよう上司に許可を取ったという方もいるようです。しかし、あまり無理をしてしまうと切迫流産や切迫早産のリスクも高まってしまうという理由で、仕事を休んだ方も。
お腹の赤ちゃんに負担をかけてしまうことにもなりかねないので、腰痛がひどいようであれば休むことも考えてよいでしょう。
頭痛
妊娠中期は、後頭部から首筋を中心に頭が締め付けられるような「筋緊張性頭痛」が起こりがちです。お腹が大きくなって姿勢が悪くなったり、運動不足が続いたりすることから起こると考えられます。
頭痛で仕事を休むとなると、「頭が痛くて会社を休むの?妊娠と関係ないのでは?」と思われないか不安になってしまいますが、妊娠中の頭痛はつわりの症状のひとつである可能性もあるので、安易に考えてはいけません。
また、中には妊娠高血圧症候群やクモ膜下出血などの重篤な疾患が隠れている場合もあるので、無理せず仕事を休み、かかりつけの産婦人科を受診して適切な処置を受けましょう。
先輩ママの中には、妊娠中期に入ってから片頭痛が再発した方もいるようです。通勤中に片頭痛でめまいが起こると危険なので、無理は禁物です。
吐き気
一般的には、妊娠初期に起こるつわりの症状という印象の強い「吐き気」。多くの場合、妊娠中期に入る頃には治りますが、中には妊娠中期に入っても治らないこともあります。
つわりによる吐き気には、効果的な薬はありません。気持ち悪くなったときは、とにかく横になって休むのがもっとも有効な改善策になります。
受け持っている業務によっては休みにくい場合もあるかもしれませんが、吐き気は赤ちゃんからの「休んで」サインだと思って仕事をお休みしたという先輩ママも多いようです。
妊娠中期に仕事を休むときの会社への伝え方
妊娠中期は、体調が安定している方も多い反面、さまざまなマイナートラブルに悩まされている方も多い時期です。体調不良で仕事を休みたいとき、どのように会社へ伝えるべきかは、非常に悩ましい問題ではないでしょうか。
ママの体調や心境をきちんと職場の方々に理解してもらい、できるだけマイナスイメージを与えず休むためにはどのように伝えたらよいのか、ここでは妊娠中期に仕事を休むときの会社への伝え方についてご紹介します。
具体的な症状をきちんと伝える
妊娠中期に仕事を休む理由を職場に伝える際は、正直に具体的な症状を伝え、周囲の理解を仰ぎましょう。
「妊娠中期に入ってもつわりがあるなんて、嘘だと思われるのではないか」「頭痛や腰痛くらいで休むのかと思われていそう」と不安になる気持ちもわかりますが、無理をしてお腹の赤ちゃんになにかあっては大変です。
会社側があまり快く受け入れてくれない可能性があるときは、少しオーバー気味に症状を伝えてしまってもよいかもしれません。
母性健康管理指導事項連絡カードを利用する
「母性健康管理指導事項連絡カード」とは、医師などが女性労働者への指示事項を適切に事業者へ伝えるためのカードです。
現在では妊娠がわかった後も産休まで働く女性が増えていることから、ママやお腹の赤ちゃんの負担になるような長時間の作業や、体調不良を不安に感じる妊婦さんが安心して仕事を続けられるように設けられました。
妊娠中の体調不良などによって仕事に影響が出る場合や、お腹の赤ちゃんの状態が不安定な場合などに医師と事業者、女性従業員の三者の連携を高めることで切迫流産や切迫早産、もしくは妊娠中に起こりうるさまざまな症状を予防する効果も期待できます。
このカードには、貧血の値を記入する欄などもあります。自分で妊娠による体調の変化や要望をうまく職場に伝えられない場合は、母性健康指導事項連絡カードを利用するようにしましょう。
まとめ
妊娠中期に仕事を休む理由で多い5つのケースと、仕事を休むときの会社への伝え方などについてご紹介しました。
妊娠中期に体調不要で仕事を休むとなると、自分を責めてしまうママも多いことでしょう。仕事に対する責任感が強いのは非常に素晴らしいことですが、無理をしてしまうとお腹の赤ちゃんにまで影響してしまう恐れもあるため、必要であれば仕事をお休みすることも大切です。
ただし、お休みをもらうときはご迷惑をおかけする同僚や先輩、上司にきちんとお詫びをしたり、できるだけ仕事を片付けておくようにしたりなどの配慮を忘れないようにしましょう。
妊娠中期に体調が優れず仕事を休もうかお悩みの方は、本記事を参考にどうしても辛いときは仕事を休むようにしてくださいね。