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多くの妊婦さんが経験するつわりは、主に妊娠初期に起こるものです。吐き気や嘔吐などの不快な症状に、「早く終わって!」とうんざりしたママも多いのではないでしょうか。
辛かったつわりも、妊娠中期になると徐々に治まってくることも多いですが、中にはまたぶり返したような症状が現れるママも‥。
一般的に、妊娠中期は安定期と呼ばれ、胎盤が完成して胎児もどんどん大きくなってくる反面、つわりなどは落ち着く時期とされています。にもかかわらず、つわりがぶり返してしまうと、精神的にもストレスを感じてしまうことでしょう。
そんなときこそ、妊娠中期につわりがぶり返した先輩ママの体験談はきっと参考になるはずです。この記事では、妊娠中期につわりがぶり返す原因と症状、先輩ママの体験談などをご紹介します。
つわりの基礎知識
そもそもつわりとは、妊娠4週や妊娠5週目頃から起こる吐き気や嘔吐、食欲不振などの消化器系の異常のことです。現れる症状や程度には個人差があるものの、全妊婦さんの約8割が経験するといわれています。
一般的には妊娠8週から妊娠11週目頃にピークを迎え、妊娠12週から妊娠16週目頃までに治まってくるといわれていますが、妊娠中期もしくは妊娠後期に入っても症状が治らない方やつわりがまったくない方もいます。
つわりについてはこちらの記事でも詳しくご紹介しているので、ぜひ参考になさってください。
妊娠中期につわりがぶり返す原因と症状
「つわりがあるのは、赤ちゃんが元気な証拠!」といわれていますが、頑張って妊娠初期の辛いつわりを乗り越えたにもかかわらず、妊娠中期に入ってまたあの症状を味わうのかと思うと、うんざりしてしまうことでしょう。
自分に合ったつわりの軽減方法を見つけるためにも、まずは妊娠初期につわりがぶり返す原因と症状について知っておきましょう。
妊娠中期につわりがぶり返す原因は主に3つ!
実際のところ、つわりの原因ははっきりしておらず、なぜつわりが起こるのかは解明されていません。しかし、妊娠中期につわりがぶり返すのには、以下のような要因が考えられます。
胎児の成長
妊娠中期に入ると、お腹の中では赤ちゃんが急激に成長し、子宮も膨らんでいきます。すると赤ちゃんや子宮によって周辺の臓器が圧迫されることで吐き気などを感じることもあるようです。
一般的には妊娠後期に現れやすい症状ですが、ママが小柄な場合や双子などの多胎妊娠の場合、赤ちゃん自体が大きい場合などは周辺の臓器も圧迫されやすく、妊娠中期でも症状が現れやすくなるでしょう。
ホルモンバランスの乱れ
妊娠中は、プロゲステロン(黄体ホルモン)の働きにより、食道括約筋という筋肉がゆるみがちになります。また、下から子宮に押されることで、胃の内部の圧力が高くなり、胃から食道へと胃酸が逆流しやすくなることも。
さらに、プロゲステロンの分泌量が増えることで体温調整のリズムが崩れ、なかなか寝付けなかったり、夜中に目覚めたりすることがつわりの原因となる可能性もあります。
精神的なストレス
つわりには肉体的なものだけでなく、精神的なストレスも関係していると考えられていることをご存知ですか?
妊娠初期のつわりは、「多くの妊婦さんが経験することなんだな」「生活習慣を見直してみよう」など、前向きに考えられる方も多いです。しかし妊娠中期につわりがぶり返してしまうと、「なんで私だけこんな目に遭うの?」「いつまで続くの?」とポジティブに捉えることが難しくなってしまうでしょう。
そもそも妊娠中期は、徐々に大きくなるお腹や出産が近づいてくることへの不安など、安定期とはいえどストレスが溜まりやすい時期でもあります。
多大な精神的ストレスを受けた妊婦さんは、つわりが重症化することで起こる「妊娠悪阻(にんしんおそ)」になりやすいこともわかっているので注意が必要です。
つわりが重症化しやすい妊婦さんの特徴などについては、こちらの記事でも詳しくご紹介しているので、ぜひ参考になさってください。
→「つわりの原理と重症化しやすい妊婦さんの特徴について紹介」
つわりじゃない可能性も
妊娠中期につわりがぶり返したと思っていたら、実はその原因がつわりではない可能性もあります。以下は、つわりに似た症状が出る原因の例です。
- ・胃酸過多
- ・逆流性食道炎
- ・胃腸炎
- ・胃潰瘍 など
上述したように、妊娠中はプロゲステロンの影響で食道括約筋がゆるみ、胃の内容物が逆流しやすかったり、精神的なストレスや暴飲暴食で胃酸が過剰に分泌されたりする可能性も。そのため、つわりでなくとも消化器系の臓器にさまざまな症状が現れることも考えられるでしょう。
妊娠中期につわりがぶり返したときの症状
妊娠中期につわりがぶり返した場合も、妊娠初期のつわりと同じように吐き気や嘔吐、胃痛、胸やけなどの症状が現れます。
眠気や頭痛を感じたり、食欲が増したりする方も少なからずおられるようで、中には妊娠初期にはなかったような症状が新たに現れる方もいるようです。
妊娠中期につわりがぶり返すケースとは?先輩ママの体験談
つわりの症状には個人差が大きく、症状の現れ方もさまざまです。またつわりがはじまったと憂鬱になってしまいますが、先輩ママたちの体験談を知ることで「自分だけではない」と少し頑張る元気が出てくるのではないでしょうか。
ここでは、妊娠中期につわりがぶり返した先輩ママの体験談をいくつかご紹介します。
短いつわりが何度も繰り返した 福岡県 絵里さん
妊娠初期から吐き気や嘔吐に悩まされる時期が数日続き、その後数日落ち着いた後またぶり返してくるという状態がずっと続きました。
妊娠中期に入れば治るかと思っていましたが、考えが甘かったようで症状は治りませんでした。仕事をしていたので、突然襲ってくる吐き気はとても辛かったです。早めに産休をもらい、自宅でゆっくり過ごしました。
終わったと思っていたら再び症状が出た 香川県 さくらさん
妊娠初期に終わったと思っていたつわりが、妊娠中期になって1週間後くらいにぶり返しました。妊娠初期よりは吐く頻度が減ったものの、水分を摂ると気持ち悪くなってしまうので、氷にして舐めることも。
ひどかったときは、かかりつけの産婦人科へ相談し、点滴を受けると少し楽になったのを覚えています。
その日によって体調がコロコロ変わる 千葉県 めぐみさん
妊娠中期に入り、やっと吐き気が治ったと思ったのも束の間、日によって体調がコロコロ変わり、頭痛や胃痛などにも悩まされました。お腹が大きくなるにつれてこむら返りも起こるようになり、辛くて泣いてしまったこともあります。
妊娠後期になり少し落ち着きましたが、産まれるまでの間なんらかの症状があって辛かったです。
強い眠気で仕事に支障が出た 東京都 美樹さん
妊娠中期に入り、これまでなかったような強い眠気を感じました。妊娠初期は、いわゆるつわりというような吐き気もありましたが、ぶり返してからは主に眠りつわりでした。
仕事中も関係なく突然眠気が襲ってくるので、周囲の目が気になったことも‥。ガムを噛んだり、お昼休みは食べるよりも眠ることを優先したりしてなんとか乗り切りました。
妊娠後期に入ったら、嘘のように眠気がなくなったので、産休まで仕事ができてよかったです。
胸やけがひどくて食べるのがこわかった 北海道 優菜さん
妊娠中期につわりがぶり返し、胸やけがひどくて特定の野菜しか食べられなくなりました。他のものを食べたときのムカムカ感は出産するまで治らず、とにかくしんどかったです。
不足しがちな栄養素は、担当医と相談してサプリメントで摂取するようにしました。
こんなときは早めに医師に相談
妊娠中期に入ってもつわりがひどいと、体重減少や脱水症状などを引き起こすこともあります。ママと赤ちゃんに悪影響が出る恐れもありますので、一度かかりつけの産婦人科で相談してみるとよいでしょう。
以下は、医師に相談すべき症状の例です。
- ・体重の急激な減少
- ・食事はおろか、水分もほとんど摂取できない
- ・1日に何度も吐いてしまう
- ・貧血がひどい
- ・尿の量が少なくなった
食べられない、飲めないなどの場合、医師の判断で入院治療が必要になる可能性もありますが、妊娠悪阻にまで発展させないためにもきちんと治療を受けることをおすすめします。
まとめ
妊娠中期につわりがぶり返す原因と症状、先輩ママの体験談などをご紹介しました。
一旦治ったはずのつわりが妊娠中期に入ってぶり返すと、絶望したような気持ちになることもあるでしょう。しかし、妊娠中期に起こるつわりの多くは、赤ちゃんが大きくなるために起こるものです。
中には出産まで症状が続いてしまう方もいますが、妊娠後期になり赤ちゃんが徐々にお腹の下に降りてくると治ったという方も。
ただのつわりだからと無理をしてしまうと、ママと赤ちゃんにとってよくありません。妊娠中期につわりの症状がぶり返して辛いときは、無理せずかかりつけの産婦人科で相談するようにしましょう。