赤ちゃんは”授かりもの”と表現されることもありますが、産後の子育てやお母さんのキャリア復帰など、さまざまなことを加味すると、「〇月に生まれてくれるといいなぁ」と考えてしまうこともあるのではないでしょうか?
この記事では、出産予定日の計算方法を始めにご紹介します。そして、出産予定日までのお母さん・お腹の中にいる赤ちゃんの体の変化などのスケジュール、出産予定日と妊娠時期を対応させた早見表と排卵日の測定方法に関して触れていきますので、ぜひ最後までご覧になってください。
出産予定日の計算方法
まず始めに、出産予定日の計算方法に関して確認していきましょう。
赤ちゃんはお腹の中から生まれるまでに約40週といわれますが、妊娠の際には週数と日数を用いて妊娠経過を数えていきます。
”妊娠1週”は”妊娠7日”と同じ意味となります。 妊娠経過の始まり(妊娠0週0日)は、妊娠以前にあった最後の月経の開始日です。そして、出産予定日は0週0日の日に40週(280日)を足した日となります(例えば、0週0日にあたるのが8月1日であれば、出産予定日は5月8日となります)。
ネーゲレの概算法
上記のように、カレンダーを見ながら280日分を数えていけば、出産予定日が割り出せることはご理解いただいたと思いますが、正直なところ少し大変に感じられたのではないでしょうか? そんな方におすすめしたい方法が”ネーゲレの概算法”です。ドイツの産婦人科医であったネーゲレが提唱した方法であるため、その名を冠して”ネーゲレの概算法”と呼ばれるようになりました。 ネーゲレの概算法では0週0日にあたる日に以下の計算を用いることで出産予定日を割り出します。
- 出産月の割り出し方:『0週0日にあたる月-3(4月以降)』または『0週0日にあたる月+9(1~3月)』
- 出産日の割り出し方:『0週0日にあたる日+7』
前述した一例(8月1日が0週0日)にネーゲルの概算方法をあてはめてみましょう。出産予定月は「8-3=5」であるため5月、出産予定日は「1+7=8」であるため8日、つまりは5月8日ということになり、280日数えた場合とも一致します。2つの計算を行うだけで出産予定日が割り出せますので、ぜひご活用ください。 最後に、出産予定日の算出での注意点を確認しましょう。
280日分数える場合には、ネーゲルの概算法の場合は、月経・排卵の周期は28日であるということが前提とされているため、周期が28日でない方は計算の際にひと工夫が必要となります。 加えて、ネーゲルの概算法の場合には計算の結果、本来ならあり得ない日が出産予定日となることがあります。更に、うるう年が考慮されていないため、これらに対してのひと工夫が必要となることもあります。工夫が必要であるという場合には以下の方法で出産予定日を修正するようにしましょう。
- 月経・排卵周期が28日でない場合:『ご自身の月経・排卵周期の日数-28日』を計算し、その結果を出産予定日に加算する
- 出産予定の年がうるう年である場合:出産予定日から1を減算する(この計算は3月以降の場合のみ行います)
- 出産予定日があり得ない日付になる場合:『出産予定日-本来の月の日数』を計算し、その結果を翌月に繰り越す
出産予定日までのスケジュール
次に、出産予定日までの妊娠週数に応じたスケジュールに関してご説明していきます。 日数が経過することで、妊婦さんやお腹の中の赤ちゃんに何らかの症状が見られたり、体の変化が現れるようになることがあります。以下の表にまとめていますので、ひとつひとつ確認していきましょう。
妊娠月数・週数 | 体の変化 |
妊娠1ヶ月(0週~3週):妊娠超初期 | 熱っぽさや、胸の張り、胃のむかつきなどを感じ、「妊娠したかも?」と気づく場合があります(月経の開始日を0週、排卵日が2週頃となるため、これらの症状は3週目あたりから見られるようになります)。 |
妊娠2ヶ月(4週~7週):妊娠初期 | この頃になると、妊娠することで分泌されるhCGホルモンの量が多くなるため、市販の妊娠検査薬で陽性反応が現れるようになります(4週目あたり)。 個人差はあるものの、つわりの症状が出始めるようになります(5週~6週あたり)。 |
妊娠3ヵ月(8週~11週) | 個人差があるものの、つわりのピークを迎える時期でもあるため、飲食・日常生活などでのつわりと上手く付き合う工夫が必要です(8週~9週あたり)。 この時期から胎児の心拍を確認できるようになります。超音波検査を行い、胎児の心拍が確認できた際には、母子健康手帳の発行を行うように医師から指示が出ますので母子手帳をもらいに行きましょう。 |
妊娠4ヶ月(12週~15週) | 個人差がありますが、この時期になるとつわりが落ち着いてくるようになります。つわりが軽減されることで食欲も戻るようになってきますので、体重管理を行うようにしていきましょう。 |
妊娠5ヶ月(16週~19週):妊娠中期 | この頃になると赤ちゃんの動きが活発となるため、赤ちゃんの胎動を感じられるようになります(18週~19週あたり)。これまで以上に赤ちゃんとのコミュニケーションを楽しんでいきましょう。 |
妊娠6ヵ月(20週~23週) | 早い場合には15週頃から確認できるのですが、多くの場合、この時期に外性器を確認しやすくなり、性別が判明するようになります。ベビーグッズの準備・両親学級への参加など、赤ちゃんのための準備を進めていきましょう。 |
妊娠7ヶ月(24週~27週) | お腹の中の赤ちゃんも随分と大きくなっているため、体のさまざまな部分に負担がかかり、腰痛や肩こりが起きるようになります。運動も大事ですが、リラックスする時間も十分にとるようにしましょう。 |
妊娠8ヶ月(28週~31週):妊娠後期 | 子宮も大きくなっているため、これまで以上にお腹の張りを感じるようになります。しばらく横になることで治まる場合には問題ありませんが、治まらない場合には医療機関へ受診するようにしましょう。 |
妊娠9ヶ月(32週~35週) | 出産に向けた準備を進めていく必要が出てきます。産休の手続きや、お産入院のための準備、里帰り出産に向けた帰省の準備など、人によってさまざまですので、早め早めの行動を心掛けましょう。 |
妊娠10ヶ月(36週~40週) | 生まれてきてくれる赤ちゃんに使うベビーグッズをどのように使うかなど、準備・確認を行っておきましょう。 また、いざ”お産”がやってきた際に落ち着いて行動できるように、お産が始まってからの連絡手段や交通手段などをシミュレーションしておくと安心して対応できるかと思います。 |
出産予定日の早見表
次に、出産予定日と妊娠時期を照らし合わせた早見表をご紹介します。生まれ月ごとの嬉しいポイントも紹介していますので、特定の生まれ月で赤ちゃんを産みたいという場合には、以下の表を参考になさってみてください。注意すべきこととしては、年度の中で11月1日に生まれたお子さんは翌年度の春である直近の春からの保育園の申し込みができない自治体が多いことと、その場合1歳児で入園することになりますが、都内では1歳児は0歳児に比べて入りにくいため注意が必要です。
出産予定日40週(翌年) | 最終の月経開始日 | 嬉しいポイント |
1月1日 | 3月27日 | 幼稚園へ入園予定の場合には、生まれてから就学までの期間が3年と短く済み、キャリア復帰をお考えのお母さんにとって魅力がある。 |
1月15日 | 4月10日 | |
2月1日 | 4月27日 | |
2月15日 | 5月11日 | |
3月1日 | 5月25日 | |
3月15日 | 6月8日 | |
4月1日 | 6月26日 | 年度明けからの職場復帰を考えるお母さんにとってタイミングを合わせやすい。4月を慣らし保育期間として、5月からの本格復帰も考えられる。 |
4月15日 | 7月9日 | |
5月1日 | 7月25日 | |
5月15日 | 8月8日 | |
6月1日 | 8月25日 | 出産時期としては湿気も多く大変に感じられるが、つわりの時期(12月)は家族のサポートを受けられる機会が多く、臨月は春になるため妊婦さんも穏やかに過ごしやすい。 |
6月15日 | 9月8日 | |
7月1日 | 9月24日 | |
7月15日 | 10月8日 | |
8月1日 | 10月25日 | お盆休みもあるため、出産に向けてお母さんだけでなく、お父さんも万全の準備を整えやすい。 |
8月15日 | 11月8日 | |
9月1日 | 11月25日 | 新生児期にはインフルエンザなど注意が必要であるが、気候も穏やかであり親子とも過ごしやすい。 |
9月15日 | 12月9日 | |
10月1日 | 12月25日 | |
10月15日 | 1月8日 | |
11月1日 | 1月25日 | 臨月期が秋であるため穏やかに生活できる。11月生まれの場合には、年末の忙しさと出産準備・産後が被らない良さ、12月生まれには家族のサポートが受けやすい魅力がある。 |
11月15日 | 2月8日 | |
12月1日 | 2月24日 | |
12月15日 | 3月10日 |
排卵日を測定する方法
出産予定日を特定の日付にしようとした場合には、妊娠のタイミングから計画的に取り組む必要があります。特に、妊娠の成功率を高めるためには排卵日がいつであるのかを把握することが重要となります。 そして、排卵日と性交渉のタイミングを考えると、赤ちゃんが生まれるための”もと”ともいえる、卵子と精子の寿命(受精可能時間)の関係上、妊娠の可能性が高まる性交渉のタイミングは”排卵日の1~2日前”であるとされています。排卵日を事前に特定し、妊娠の可能性が高まる性交渉を図れるように取り組んでみましょう。 排卵日を測定する方法には以下のものがあります。
- ・体温の変化から測定する
- ・おりものの変化から測定する
- ・排卵検査薬を用いて測定する
- ・次回の月経開始日から逆算して測定する
それぞれに関して見ていきましょう。
体温の変化から測定する
月経・排卵の周期の中で、「低温期」「高温期」と呼ばれるように女性の体温は変化します。体温の変化はホルモンバランスの変化が要因となって生じており、排卵日までの期間は低温期(基礎体温が低い状態)、排卵日付近は高温期(基礎体温が高い状態)となります。 毎日、体温を測定しておくことで排卵日を推定できるようになります。現在ではアプリなどを用いることで、体温の変化をグラフとして見ることもできます。数値を見るだけよりも視覚的に変化を捉えやすいため、ぜひ取り入れられてみてください。
おりものの変化から測定する
おりものとは、女性の生殖器内で分泌されるさまざまな物質が混じり合って体外へと排出されたものの俗称であり、医学的には「帯下(たいげ)」と呼ばれています。 排卵日付近になると、おりものの量が増える、おりものの粘り気が増すといった変化が現れるようになります。これは受精の成功率を高めるために生じる作用であり、膣内へと排出された精子が子宮へと移動する際の手助けをしています。排卵日を推定するひとつの材料としてぜひ活用なさってください。
一点、注意すべきこととして、性病に感染した場合にもおりものに変化が現れるようになるため、排卵日とは考えられない時期におりものが増えるなど生じている際には医療機関を訪ねるようになさってください。
排卵検査薬を用いて測定する
排卵日の数日前、女性の体では黄体形成ホルモンというホルモンの分泌が急激に活発化します(この作用を”LHサージ”と呼びます)。そして、この作用が生じた40時間以内に排卵が起こるとされています。排卵検査薬では尿中に含まれる黄体形成ホルモンの量を図ることでLHサージが生じているか否かを判定し、排卵日を推定できるようになっています。
次回の月経開始日から逆算して測定する
この方法は月経の周期が安定している方に限った話となってしまうのですが、排卵日を推定する方法として活用することができます。女性の月経・排卵の周期には個人差があるのですが、多くの女性が排卵日から次回の月経開始日までの期間は14日であるとされています。 そのため、次回の月経の開始日を月経の周期から推定し、そこから14日遡った日が排卵日と推定することが可能となります(月経の周期が30日であり、月経が8月1日にあった場合には次回の月経が8月31日にあると予測し、そこから14日遡った8月17日が排卵日になると推定できます)。
まとめ
ここまで、出産予定日の計算方法、出産予定日までのお母さん・お腹の中にいる赤ちゃんの体の変化などのスケジュール、出産予定日と妊娠時期を対応させた早見表、排卵日の測定方法に関してご紹介してきましたが、ご理解いただけたでしょうか?
妊娠・出産・子育ては人生の中でも大きなイベントです。計画的な子作りは、その他のライフプランを考慮した出産・子育てへとつながっていきますので、気になられた方はぜひこの記事をご参考にしてみてください。
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