InstagramInstagram

妊娠初期症状の代表「つわり」について|原因から対策まで

妊娠初期の代表的な症状「つわり」は多くの妊婦さんが心配していると思います。特に初めて妊娠した女性は周りと違っていたら不安になるかもしれません。

しかしながら、つわりについて正しい知識を持ち、きちんとした対応方法を知っていれば妊娠初期のつらい時期が緩和されるでしょう。今回は妊娠初期症状の代表ともいえる「つわり」について詳しく紹介しています。

ベッドで横りおなかに手を当てている婦さん

つわりとは

妊娠初期に強い吐き気や眠気、頭痛、においや食べ物の好みの変化、胃や胸のむかつきなどさまざまな症状が起きる状態を「つわり」と言います。

症状は人それぞれで個人差はあるものの、仕事や日常生活に支障をきたすケースも珍しくありません。初めて妊娠した妊婦さんは周りと違う症状が起きてしまい「流産するのでは」と悩むケースもあります。つわりは妊娠初期の代表的な症状ですけど、これといった病状を示すものがありません。だから周りと違う症状が起きても気にしないでください。

つわりが起きる理由

実はつわりが起きる理由ははっきりとしていません。女性ホルモンのバランスの変化によるものではないかと言われていますが、原因は特定されていません。

・胎盤の絨毛から分泌されるホルモン(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が、嘔吐中枢などを刺激するから
・精子の侵入や、胎児を母体が異物と判断してアレルギー反応をおこすため

他にも上の二つの理由が挙げられており、しかも精神的なことも原因と考えられています。そのため「こうしたらいい」という対処法が確立されていないのです。後述する対処法も原因を取り除くようなものではありません。つらい症状を少しでも抑えるようなやり方になりますのであらかじめご了承ください。

つわりはどんな風に始まるか

最初から「これはつわりかも」と自覚できるような症状が起きるかどうかは人それぞれ違います。この症状が起きたから「つわり」だというのもありません。なぜなら妊娠初期は身体が大きく変化していくため色々なことが起きているからです。

ドラマや漫画みたいに吐き気が起きて、つわりだと直感するケースもあるので何ともいえないのが難しいところです。妊娠初期である0週から5週目の間に以下の症状が続くようであれば「つわり」だと思って間違いありません。もし妊娠しているかどうかはっきりしていない方は妊娠検査薬でチェックしてみましょう。

  • 吐き気がする
  • 食べづわりになる
  • においづわりになる
  • 眠りつわりになる
  • よだれがたくさん出る
  • ストレスが溜まり気持ちが落ち込む

ちなみに厚生労働省の2017年にとった統計によると、つわりの経験をしたことがある女性は66.8%という結果が出ています。それだけ妊娠初期に起きる症状なので気になるのは当然といえます。

つわりを経験したママの体験談

実際に先輩ママが経験したつわりの症状や始まりについてお話されていますので参考にしてください。ただし、ここに掲載されていない症状だからといって気にする必要はありません。

Aさん(中学生の子どもがいるママ)
急に買い物の帰りに玄関で気持ち悪くなり、堪え切れず嘔吐しました。止めたいとか止めようとかそんな時間もなく吐いてしまいました。

何の前触れもなく起きることも珍しくありません。

Bさん(5歳の子どもを持つママ)
初めて出たのはお昼に家でのんびりしている最中でした。やけに胃がムカムカするというか、普段の吐き気とは違う鈍い吐き気みたいなものがずっと喉の奥にあって吐きたいわけじゃないけどなんだか気持ち悪い、という感じでした。

胃のむかつきや気持ち悪さから始まることもあります。

Cさん(小学2年生の子どもを持つママさん)
においに敏感になり、食べていなくてもにおいを嗅いだだけで吐き気がして気持ち悪くなりました。料理だけでなく、冷蔵庫を開けた時のにおいも気分が悪くなったりしました。

吐き気や気持ち悪さ以外に出てくる「つわり」の代表的な症状がにおいに対する変化です。今まで好きだったにおいがダメになるのは妊娠初期からよくある症状の一つです。

つわりのピークはいつ

多くの妊婦さんが妊娠初期の4週目から7週目につわりを経験しています。早い人だと生理前の症状じゃないかと思う頃に始まっているそうです。

ベッドに腰を下ろした若い女性

最もつらかったという時期が妊娠8~9週目だったと先輩ママの多くが回答しています。多少週数が前後するものの妊娠初期の時期に症状がピークを迎えます。

つわりが終わる時期

この時期までくればつわりは終わりますという週数はありません。人によってさまざまで、妊娠初期の早い週数で終わった妊婦さんもいれば、かなり後まで続いた方もいます。

原因がはっきりしないため「これをすれば収まる」というのもありません。ただし、終わったという答えが最も多かった時期は妊娠初期が過ぎて15週目を過ぎた頃です。一つの目安として妊娠4~5ヵ月が挙げられると思います。

つわりが起きたらどうしたらいい

症状の重さにかかわらず「つわり」が起きてしまうのは妊娠初期にはよくあることです。そこで、つわりが始まった後にどのような対策をして軽くすればいいのかをご紹介します。

・吐きづわりの場合
吐きづわりはつわりの中でも多い症状の一つで、ひどい吐き気があり食べても吐いてしまうという状態です。7割の妊婦さんが経験したことあるそうですけど、ひどいときは病院で相談をしてください。目安は一日に何度も嘔吐を繰り返し、食事もとれず、体重減少がみられる場合です。

対策としては「自分に合った飲み物で、こまめに水分補給」「その時に食べられる物を食べられる時に」「心と体を休ませ、リラックス」というのが望ましいでしょう。

・食べづわりの場合
空腹になると気持ち悪くなるのが「食べづわり」の主な症状です。食生活が乱れてしまい太ってしまうケースもあります。対策としては空腹を避けるために何を食べるしかありません。そのため「とにかく何かを口に入れておく」「常にあめをなめる」「梅干しを種の味がなくなるまでしゃぶり続ける」「お菓子をポケットに常備」「朝一番に何か食べる」という方法があります。

・においづわり
特定のにおいを嗅ぐと気分が悪くなってしまうつわりを「においづわり」といいます。炊きたてのご飯のにおいがダメになるというのが代表的な例です。反応するにおいは人それぞれなのでどれに反応するか把握しておく必要があります。対策としては「においの発生源を避ける」「好きなにおいを持ち歩く」というのが有効のようです。

・眠りづわり
眠くてたまらなくなるのが「眠りづわり」です。昼夜問わず眠気に襲われるので家事や仕事が進まなくなることもあります。実は周囲にはつわりと認識されてないケースもあるので悩んでしまう妊婦さんもいます。対策は「寝る」「気分転換にガムをかんだり軽いストレッチをしたりする」です。特に睡眠は30分でも仮眠を取るだけでも違ってきますので職場で眠くなったら「眠りづわり」のことを説明して仮眠と取らせてもらうようにしましょう。

赤ちゃん本舗が2018年に行ったアンケートによると、先輩ママがつわりを乗り切った方法として「寝た」「ちょこちょこ食べをした」「フルーツを食べた」「炭酸飲料を飲んだ」「人混みを避けた」といった回答をしています。「これをすればいい」という方法はなくても色々なやり方で軽くできますので自分に合った方法を探してみてください。

つわりを楽にするコツ

つわりを一人で無理して我慢するのは禁物です。体調が悪いときは無理をせず、周りの人に助けてもらいながらつらい時期を乗り切りましょう。とにかく「無理はしない」ことです。2019年に「赤ちゃん本舗」が取ったアンケートで「つわりがひどいときに家事はどうした?」というのがあります。

「つわりがつらくて家事ができなかったがある」と設問に68%の方が「ある」と回答しています。「家事ができない時はどうしましたか?」という設問には「夫に代わってもらった」が40%、「割り切って何もしなかった」が21%と無理をしなかった方が過半数を超えています。体調が悪い時にはゆっくりと休んで、食生活や日常生活ではラクになる工夫をするのが乗り越えていくコツです。

そのためには夫の理解が欠かせません。妊娠初期のつわりがひどい時期はお互いに我慢の連続です。特に女性は赤ちゃんをお腹で育てるために必要なホルモンの「プロゲステロン」が分泌され、その影響で「イライラしやすくなる」といわれています。だからこそ「つわり」の症状をきちんと理解してもらいましょう。

また、締め付けの強い服装をしているとつわりの気持ち悪さが増すこともあるため早めにマタニティウェアやマタニティインナーを取り入れるのがおすすめです。ウェアはお腹部分がやわらかかったり調節できたりし、インナーも大きくなる胸やお腹を締めつけない工夫が施されているため自分に合ったものを探してみてください。

つわり「食べられるけど気持ち悪い」ときは

ベッドでゆっくりと食事をする女性

妊娠初期の「つわり」の症状で「食事はできるけど食べると気持ち悪く」というのがあります。食べづわりで空腹だと気持ち悪くなるので何か食べるのですが、その後に気持ち悪くなってしまい戻してしまったり、食べたいという気持ちがあるのに嘔吐してしまったりというのも珍しくありません。

理由は、妊娠の影響で女性ホルモンが大量に増え、その中のプロゲステロンが胃の機能低下を引き起こす働きからだと言われています。なぜなら、胃の働きの低下することで、“食べられるけど気持ち悪い”という症状を発症したと考えられているためです。また、大きくなった子宮に胃が圧迫されるため「逆流性食道炎」を発症しやすくなると言われています。「吐き気」「胸が痛い」「みぞおちが痛い」「食後、食べたものが逆流してくる」「口の中に酸味や苦味を感じることが多い」「胃酸が逆流してゲップが出る」といった症状が出たら要注意です。

もし食べた後に気持ち悪くなった場合には、横にはならないで、背中を椅子にもたれさせ楽な姿勢をとるようにしましょう。水を飲んだり、無理に吐いたりするのはよくないので楽になるまで待ってください。

まとめ

ここまで妊娠初期症状の代表であるつわりについて色々と紹介をしました。二児の母であるタレントの安田美沙子さんも自身のブログで「つわり」ついて自身の経験を語ってくれています。「お腹すくけど、しょっぱくてこってりしたのが欲しくて。。ついでに甘いものもほしい。でも食べ過ぎたらちょっとムカムカ」「眠気がすぐにやってきて、とにかく疲れやすい」「気圧によって体調も変わる」などなどつづっていて、つわりにも色々な症状があるのがわかると思います。人によっては病気よりもつらい話すケースもあります。だからこそ無理は禁物ですし、周りの人協力が必要です。特にパートナーには理解してもらえるよう早くから話しておきましょう。

東京の「ミネルバクリニック」は臨床遺伝専門医が在籍するNIPT実施施設であり、たくさんの妊婦さんの悩みや不安と真摯に向き合い、笑顔になれる出産に導いてきました。ミネルバクリニックでは、妊娠9週から受けられる赤ちゃんの健康診断である「NIPT」を業界最新の技術と業界随一の対象疾患の広さで行っております。遺伝のエキスパートである臨床遺伝専門医が出生前診断を提供しておりますので、是非、お気軽にご相談ください。妊娠初期からの出生前診断を受ける医療機関にお悩みの方は、知識・経験・実績とも「第三者から認証されている」臨床遺伝専門医が診療している「ミネルバクリニック」まで是非、ご相談ください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

関連記事