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「普段と違い、めまいが増えた」と感じると、体調を心配する方が多いでしょう。しかし、妊娠超初期症状の一つとして、めまいが起こることもあります。妊娠によるめまいは貧血や低血圧などが関係しており、原因によって対処法もさまざまです。今回は妊娠している可能性がある方に向けて、妊娠超初期のめまいの原因と対処法、妊娠超初期の症状かどうか判断するポイントなどについて解説します。
妊娠するとめまいが起こることはある?
めまいは、主に下記の3つの種類に大別されます。
【めまいの種類】
- ・ 立ちくらみ:立ち上がるときにふらついたり、目の前が暗くなったりするめまい
- ・ 回転性めまい:自身や周囲がグルグルと回っているように感じるめまい
- ・ 浮動性めまい:体が浮くようなフワフワ感があるめまい
めまいはさまざまな原因によって起こりますが、メニエール病などの耳鼻科疾患や脳梗塞などの脳の異常などで多く見られる症状です。その他、自律神経の乱れや低血圧、貧血に起因する場合もあります。
また、妊娠したかまだ正確に検査できない時期であっても、生理予定日の1週間前頃からは体内で妊娠が成立している可能性があり、妊娠超初期症状の体の変化としてめまいが起こる方もいます。
妊娠超初期にめまいがする理由
妊娠超初期にめまいが起こる原因として、下記の3つが考えられます。
【妊娠超初期にめまいがする理由】
- 鉄欠乏性貧血
- 起立性低血圧
- つわり
めまいは誰にでも起こりうるものですが、妊娠して初めてめまいを経験すると戸惑う方も多いでしょう。自身のめまいの原因を知ることで、正しい対処法や治療法が見つけやすくなります。では、それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血とは、赤血球の成分であるヘモグロビンを作るために必要な鉄分が不足することで起こり、症状の一つとしてめまいが挙げられます。
妊娠すると胎盤を通して胎児に栄養を送るため血液の量が増加しますが、赤血球は液体成分の血漿ほど増えません。そのため、血液は薄くなり、貧血になりやすくなります。この傾向は妊娠の後期に顕著になります。女性は生理があるため元々貧血になりやすいですが、若い女性に多い過度なダイエットなども貧血の原因の一つです。
起立性低血圧
起立性低血圧とは、立ち上がることで血圧が下がりすぎて起こります。めまいやふらつきなどの症状が出ますが、横になって安静にしていれば比較的早く回復するのが特徴です。妊娠すると、血管の収縮・拡張が不安定になるため、起立性低血圧が起こりやすく、特に妊娠初期に多く見られます。
低血圧は男性よりも女性に多いものです。原因としては女性ホルモンの働きにより末梢血管が拡張することや、生理で血液量が減ることなどが挙げられます。
つわり
つわりは、妊娠5~6週頃から始まるのが一般的です。しかし、つわりが始まる時期や症状は個人差が大きいため、妊娠超初期からつわりのような吐き気や嘔吐が起こることもあるでしょう。つわりによる嘔吐で食事や水分が十分に摂れなければ、低血糖や脱水症状を起こすことでめまいにつながります。
脱水症状はめまいだけでなく、頭痛などさまざまな不調の原因となり、ひどい場合は筋力の低下や手足のしびれ、意識障害を引き起こすこともあります。妊娠中は必要な血液の量も多く、ホルモンの働きで血管が拡張することから、妊娠前と同じように水分補給していたとしても脱水症状が起こりやすいため注意が必要です。
めまいが起こったときの対処法
めまいが起こったときの対処法としては、下記のものが挙げられます。
【めまいが起こったときの対処法】
- □ ゆっくりと立ち上がる
- □ 鉄分を積極的に摂取する
妊娠中のめまいは決して珍しい症状ではありませんが、原因によって対処法や治療法が異なります。例えば、起立性低血圧が原因のめまいは立ち上がる際に起きやすいため、ゆっくりと立ち上がることが効果的です。では、それぞれの対処法を具体的に見ていきましょう。
ゆっくりと立ち上がる
起立性低血圧が原因の場合は立ち上がるときにめまいが起こることが多いため、ゆっくりと立ち上がるように心がけてください。特に寝起きにめまいが起こりやすい方は一気に起き上がるのではなく、まずはベッドに座った状態を維持し、ゆっくりと起き上がるようにしましょう。
立った状態でめまいを起こすと転倒などの恐れがあり、危険です。めまいを感じた場合は無理をせず、しばらく横になって回復を待ちましょう。長時間同じ姿勢でいることを避けたり、弾圧ストッキングを使用したりする方法もありますが、改善しない場合は医療機関に相談してください。
鉄分を積極的に摂取する
鉄欠乏性貧血が原因のめまいの場合、鉄分を積極的に摂取することで改善が見込めます。
鉄分を多く含む食材は下記のとおりです。
【鉄分を多く含む食材】
- ● レバー
- ● 赤身肉
- ● ほうれん草
- ● 小松菜
- ● 豆腐・納豆などの大豆食品
ただし、レバー類は胎児の形態異常を引き起こす可能性があるビタミンAが多量に含有されているため、摂り過ぎに注意が必要です。
また、食品に含まれている鉄分のうち、体に吸収されるものは約10%といわれています。そのため、貧血がひどい場合は無理に食品から摂ろうとせず、医療機関に相談しましょう。鉄分のサプリメントなども数多く発売されていますが、胎児への影響も考えて自己判断での服用は避けたほうが安全です。
こんな場合は要注意!
めまい以外に下記のような症状があった場合は注意が必要です。
【こんなめまいに要注意】
- □ 激しい頭痛
- □ うまく話せない
- □ 手足が動かない
- □ 痺れ
- □ 意識障害
めまい以外に上記の症状が現れた場合、くも膜下出血や脳内出血、脳腫瘍などの可能性があります。このような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。受診する際は、必ず妊娠の可能性があることを伝えましょう。
超初期症状のめまいかを判断するには基礎体温がポイント!
めまいは妊娠超初期の症状に限らず、生理前の貧血などでも起こります。そのため、めまいが起こったからといって妊娠ししているとは判断できません。妊娠超初期症状のめまいかを判断するには、基礎体温が一つの目安になります。
健康な女性において、基礎体温は低温期と高温期の二相からなり、一定のサイクルで繰り返されます。生理が始まると体温が下がって約2週間低温期が続き、排卵すると体温が上がります。次の生理までの約2週間が高温期です。2週間以上経っても高温期が続き、生理が来なければ妊娠の可能性があります。
しかし、基礎体温はあくまで妊娠の可能性を知る目安なので、正確に知るには生理予定日の1週間後に妊娠検査薬を使用しましょう。
めまい以外にも頭痛や寒気がすることも
めまい以外にも、複数の妊娠超初期症状が一緒に出る可能性もあります。妊娠超初期の主な症状は下記のとおりです。
【妊娠超初期の主な症状】
- □ 頻尿
- □ 不眠
- □ 頭痛
- □ 胃痛
- □ 胸が張る
- □ 吐き気
- □ めまい
- □ 熱っぽい
- □ 鼻水
- □ 便秘
- □ おりものの量が増える
- □ イライラする
これらの症状の出現には個人差があります。また、症状が複数出ているからといって妊娠していると断定できないことにも注意が必要です。めまいや上記の症状が強く、不安を感じる場合は自己判断せずに医療機関を受診することをおすすめします。
まとめ
めまいは妊娠超初期症状の一つですが、その他にもさまざまな原因で起こる可能性があり、それぞれ対処法も異なります。妊娠の可能性がある方は、めまいがあるからといって妊娠成立を断定できないことに注意が必要です。めまいやその他の症状が強く現われた場合は、自己判断せず医療機関を受診しましょう。妊娠超初期には、めまい以外にも体にさまざまな変化が起こるため、しっかりと休息を取るなど体を気遣うことが大切です。
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