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卵巣出血とは?体験談も交えて症状や治療方法などを解説!

ある日突然、下腹部に痛みが生じたという方もいるのではないでしょうか。その痛みはもしかしたら「卵巣出血」を引き起こしている可能性があります。

女性特有の病気の一つである「卵巣出血」は、誰でも発症する可能性のある病気です。特別な治療をせずに自然と治癒する場合もありますが、中には薬の服用や手術が必要になる場合もあるため、軽く見てはいけない病気です。

本記事では、卵巣出血の症状や治療方法、実際の体験談などをご紹介します。

誰でも発症する可能性のある病気だからこそ、「もしかしたら卵巣出血になったかもしれない」という方だけではなく、全ての女性に読んでほしい記事となっていますので、ぜひ最後まで目を通してみてください。

卵巣出血とは

卵巣出血のことを詳しく知りたい女性

卵巣出血とは、排卵や外的な刺激など、何らかの原因によって卵巣表面が破れた際に、破れた個所から大量に流れ出た血液が腹部の空間にたまってしまう病気のことです。

卵巣出血した際の症状としては、主に下腹部痛が挙げられます。突然発症し、出血量によってはかなり激しい痛みになることもあります。また、下腹部痛以外にも吐き気や嘔吐、下痢といった症状を伴う場合もあります。

出血量が多い場合には、貧血・低血圧・顔面蒼白といったショック症状を引き起こす可能性もあります。

卵巣出血は20代〜30代で多く見られる病気ですが、排卵がある女性であれば誰でも発症するため40代以降でも症状が現れる可能性が十分にあります。

卵巣出血を引き起こす原因とは

卵巣出血は誰でもなる可能性がある病気ということはお分かりいただけましたでしょうか。では、卵巣出血を引き起こす原因はどういったところにあるのでしょうか。

実は、原因は一つではなく、特発性や外因性、内因性によるものとさまざまです。順番に説明します。

卵巣出血を起こす原因①:特発性によるもの

特発性による卵巣出血は、特別な病気や異常によるものではなく、排卵が原因で引き起こされます。

最も多いのが、排卵後に卵胞が変化して作られる黄体からの出血ですが、排卵した際に裂けた血管からの出血を指す卵胞出血も原因の一つとなります。

黄体からの出血は、性交渉によって引き起こされます。黄体の中にはとても小さな血管が多くあります。そのため、性交渉などの刺激によって黄体の中にある血管が破れてしまうことがあるのです。卵巣出血する原因の約4割は性交渉によるものだと言われています。

また、特発性による卵巣出血のタイミングとしては月経が開始する1週間前に黄体から出血する可能性が高まると言われています。

卵巣出血を起こす原因②:外因性によるもの

外因性による卵巣出血とは、不妊治療や卵巣の手術時によってできる外傷によるものや、子宮内膜症や悪性腫瘍などが原因となって引き起こされる卵巣出血です。

この時に傷ついた部分から血液が流れ出ます。

卵巣出血を起こす原因③:内因性によるもの

内因性による卵巣出血とは、全身性の血液凝固異常や抗凝固剤の服用など、外傷がない状態で引き起こされる卵巣出血です。

卵巣出血を発症した方の体験談

子宮と卵巣の辺りが痛くなった女性

卵巣出血の症状や引き起こされる原因についてはご理解いただけましたでしょうか。最大のポイントは「下腹部痛」ですが、下腹部痛があったからといってすぐに「卵巣出血かもしれない」と結びつけることができる方はそうそういないのではないでしょうか。

ここからは、実際に卵巣出血を体験した方の例をいくつかご紹介します。今後下腹部痛が来た時に「もしかしたら卵巣出血かもしれない」と思えるきっかけにしてみてください。

卵巣出血の体験談①

まずご紹介するのは、Aさん(20代)の体験談です。Aさんは、夕食を食べ終えたあといつものようにソファで横になりくつろいでいました。そして、そのまま眠気がきた際に下腹部に痛みを感じはじめます。

寝たら治るかもしれないと思ったAさんは、いつもより早めに布団に入ったものの、痛みは増していくばかりでなかなか眠りにつくことはできませんでした。

そうしているうちに吐き気を催したため、家族に連れられて病院へ行くことになりました。病院への道中では何度も吐き気で車を停めたそうです。

やっとの思いで病院につきレントゲンを撮ることになりましたが、レントゲン台ではついに嘔吐してしまいました。

レントゲンは撮ることができないと先生に判断され、総合病院から婦人科の病院へ移動し診てもらったところ、卵巣出血であることが発覚したとのことです。

Aさんの症状としては、ひどい脱水状態や激しい痛みがあったため、緊急入院することになりました。場合によっては手術になるとも言われていたそうですが、5日後に無事退院をすることができたそうです。

卵巣出血の体験談②

続いてBさん(40代)の体験談です。Bさんは、昼前に起床しいつものように顔を洗いに洗面所に向かいました。コンタクトをつけようとした際に下腹部に違和感を覚えたところ、直後にうずくまってしまうほどの激しい痛みに襲われました。

うずくまったままなんとか痛みを耐えようとするものの、冷や汗が止まらず吐き気や腰の痛みまで出てきました。

Bさんは急いで鎮痛剤を服用しましたが、痛みが治まることはありませんでした。急いで救急車を呼ぼうと立ち上がったところ、立ち眩みをおこしたとのことです。Bさんはなんとか救急車を呼ばなければと踏ん張りました。

しかし、そうしているうちに症状が落ち着いてきたこともあり、Bさん自身でタクシーを呼んでいつもかかっている婦人科の病院に向かいました。

婦人科の先生に症状を伝えたところ、すぐに経膣エコーをすることになりました。そこで卵巣出血であることが発覚しましたが、その日は血液検査を行い、痛み止めの内服薬を処方されるだけだったとのことです。

卵巣出血の体験談から見る共通点

二人の卵巣出血の体験談をご紹介しましたが、二人の体験談には共通点があることがうかがえます。

共通点の一つ目は、「突然激しい痛みに襲われる」ということです。二人とも普段通りの生活をしている中で、突然下腹部に激しい痛みを感じています。突然くることや、激しい痛みが卵巣出血の特徴であることから、同じような症状が現れた場合はすぐに救急車を呼びましょう。

また、共通点の二つ目はショック症状があらわれていることです。二人とも吐き気や冷や汗など、下腹部の痛み以外にも症状が併発しています。普通の下腹部痛ではなく、異常が起こっていることを知らせる一つの合図とも言えます。

逆に共通していない部分と言えば、治療の仕方です。Aさんは緊急入院していることに対して、Bさんは痛み止めの処方のみで完結しています。出血している量によって治療方法も異なりますので医師に直接診察してもらったうえでどういった治療をするのか判断しましょう。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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