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すぐに妊娠できる人の特徴は?|身体づくり・妊娠しにくい体質も解説

「すぐにでも妊娠したい」「子どもが欲しい」と願っていても簡単に妊娠できるわけではありません。内閣府が「平成30年版 少子化社会対策白書」に、2016年の母親の第1子出産時の平均年齢は30.7歳と発表しています。さらに厚生労働省の「人口動態統計」においても35歳から39歳の第一子出産の割合は16.5%となっており、母の年齢が40歳以上の出生は、出生数は5万840人で、うち第一子は1万8378人と40歳以上の出生に占める第一子の割合は36.1%と高くなっているのが現状です。

30代の出産が増えてくると「自分はちゃんと妊娠できるだろうか」と不安に駆られる女性も少なくありません。現在は妊活や不妊治療を受ける夫婦も増えてきている中、「ちゃんと妊娠できるのかな」「妊娠しづらい体質だったらどうしよう」という心配や「妊娠しやすい体質ってなんだろう?」と疑問に思う女性もいらっしゃいます。妊娠の「しやすさ」「しづらさ」とは何かをご説明しますのでぜひご覧ください。

妊娠しやすい体質かチェックはできる?

可笑しい夫婦が寝そべって白い毛布の下に隠れ、喜びに満ちた目でカメラを見つめている

最初にお伝えしておきたいのが、どこまでが“体質”で、どこからを“病気”とするかのラインがきちんと定まっていないということです。はっきりとした原因が分からない場合を『体質』としているケースも多くあります。そのため妊娠のしやすさを『体質』で分けるのは困難ですので、ご承知していただけると幸いです。

妊娠しやすい体質なのかどうかは婦人科で調べてもらえます。自分でもチェックできるのは月経が順調かどうかです。毎月1回あれば大丈夫ですし、3日前後のずれならば問題ありません。
他にもリストがありますので確認してみてください。

  • ・年齢35歳以上で、妊娠の経験がない
  • ・体重が標準体重(BMI18.5~25未満)の範囲をはずれて肥満、またはやせている
  • ・ダイエットなどで、急激にやせた経験がある
  • ・生理周期が不規則で、3ヶ月以上生理がないことがある
  • ・基礎体温をはかっても、はっきりした高温相がないか、あっても7日間以下
  • ・経血の量が多い、あるいは少なくなったと感じることがある。または月経痛が以前より重く感じる
  • ・喫煙の習慣がある。またはパートナーに喫煙している
  • ・性感染症(クラミジア、淋病、梅毒など)にかかったことがある
  • ・下腹部の手術(虫垂炎、卵巣嚢腫、子宮筋腫など)を受けたことがある
  • ・糖尿病、肝臓、腎臓、内分泌などの慢性疾患の持病がある。または既往歴がある

当てはまるものが多ければ多いほど妊娠しにくい体質といえます。

妊娠しにくい人の特徴

「妊娠しにくい体質」というのは、排卵周期がバラバラであることや、卵管通過や着床がしにくいといった状態です。多くは、何かしらの病気やホルモンの異常が原因となっています。

例えば、『排卵しにくい卵巣』『癒着して動きの悪い卵管』『内膜が薄くて着床しにくい子宮』などは妊娠しやすいとはいえません。そうした体質になるのは、成長過程の環境が原因で生まれつきの体質というのはまれだと言われています。成長過程において「妊娠しにくい体質」になる要因を招くのは以下があげられます。

  • ・短期間の極端なダイエットにより排卵しにくい卵巣になる
  • ・クラミジアや淋菌といった性行為感染症で卵管が癒着する
  • ・月経痛のひどい子宮内膜症で卵管が癒着する
  • ・頻回な人工妊娠中絶や手術後の感染などで子宮の内膜が癒着する

他にも子宮内の内膜ポリープや、おできのようなものができる『粘膜下筋腫』は、子宮への着床を邪魔してしまうので妊娠しにくくなります。また。子宮内膜が薄い状態のため着床できない『黄体(おうたい)機能不全』も原因の一つです。

これらの要因がないのに妊娠できない場合はパートナーとの相性もあり、相手の精子の動きを止めてしまう抗精子抗体を持っている可能性も考えられます。

妊娠しやすい人の特徴

まずは妊娠しやすい体質についてお話する前に妊娠に至るまでの流れを確認しましょう。

  • (1)卵巣から排卵する
  • (2)排卵された卵子を卵管が受け取り、卵管で卵子は精子と結合する
  • (3)結合した精子が卵子の中に入り、受精する
  • (4)受精した卵は育ちながら卵管を移動し、子宮に到達する
  • (5)子宮の内膜がふかふかになった場所にうまく受精卵がもぐりこむと着床となる

この流れがスムーズにいくのが妊娠しやすい体質といえます。

妊娠しやすい体質が妊娠しにくい体質へ変化するのか?

排卵周期がバラバラでもなく、卵管通過や着床も異常がないのに妊娠しにくい人は、体質が変化したのかもしれません。女性の身体はデリケートなので不規則な生活が原因でホルモンバランスが乱れ、排卵周期に影響を及ぼすことがあります。外的な要因として引っ越し、転職といったライフイベントや海外旅行などの後も、知らぬ間にストレスがたまってしまい、『子孫を残す前にまずは自分の体を守ろう』と排卵をストップしたりするのです。ただし、環境に慣れてくれば元に戻るのでそこまで気に病む必要はありません。ちなみに喫煙は卵子の質を落として老化を早めるので、妊娠しにくくなる原因の一つです。

妊娠しやすい身体を作るために

幸せなカップルが、台所のソファでノートパソコンと一緒に笑い合い、笑顔の若い女の子と男性が家で楽しみながらコンピュータを使ってソファで話している

妊娠しにくい体質をしやすくすることはできます。まずは自分の体について知ることです。きちんと排卵できているか、着床に必要なホルモンがしっかり出ているかを知ってください。基礎体温を測ればある程度は予測できますので毎朝体温をチェックすることから始めましょう。

適度に運動をしてストレスを緩和

現代社会はストレスがたまりやすい環境です。仕事や生活をしているとあちこちでストレスを感じてしまいます。ストレスは妊娠において大敵です。女性の場合、ホルモンバランスが悪くなり、月経が悪くなる可能性があります。男性もストレスによる疲労が原因で精子をつくる能力にも影響し、精液検査などでも4倍近く差が出ることもあるくらいです。

ストレス解消におすすめなのが軽い運動です。運動をすれば血液の循環がよくなり、女性の場合は骨盤内の血流の滞りが解消され、生殖器官の働きが改善します。一方、男性も適度な運動を心がけることで体の機能が向上し、勃起力、射精能力が高まります。

どんな運動をするかは、ご自分の体力と相談しながら選んでください。ウォーキングやヨガなどがおすすめですが、まとまった時間が取れないならストレッチや軽い腹筋運動だけでも構いません。毎日続けられるものを選ぶのがコツです。

冷え性対策をして血行を良くしよう

冷え性は妊娠しやすい体づくりの大敵です。血行が悪いと卵巣に酸素や栄養が十分に届かず、卵巣機能の低下を招くのです。食事や日常生活を見直して冷え性を改善し、妊娠しやすい体づくりをしましょう。自宅でも簡単にできる冷え性対策があります。以下になりあmすのでぜひ試してみてください。

・お風呂にゆっくりつかる
ぬるま湯の半身浴で、できれば30分以上はゆったりお湯につかると血行が良くなりリラックスすることができます。
・体を温める食材を食べる
生野菜よりも温野菜にして食べたり、あたたかい飲み物を飲んだりして体の内側からあたためましょう。生姜・・ニンジン・カボチャ・タマネギ・レンコン・ゴボウ・ジャガイモ・自然薯・玄米・鮭・納豆・キムチがおすすめです。
・水分の取りすぎは注意
身体の新陳代謝をスムーズにするために水分補給は欠かせません。十分な運動をせず水分が体内に残ると、体を冷やす原因になりますのでお気を付けください。冷たいと身体を冷やしてしまうので温かいものにしましょう。

体重は適正範囲を保つ

急激なダイエットで妊娠しにくくなるのは排卵がしにくくなるからです。もしBMI(体重kg÷身長m÷身長m)を計算して18.5以下だと妊娠しにくい体質になるので痩せすぎないようにしましょう。一方、BMIが30を超えても妊娠しにくい体質になるので太りすぎにも注意してください。ただ、適正範囲である20~24の間であれば大丈夫です。

抗酸化力を上げる食材を食べる

妊娠を直接的に促すような食材はありませんけど、抗酸化力を上げる緑の葉野菜を食べてみてください。。抗酸化作用のある酵素やホルモンは年齢とともに量が少なくなってしまいます。減った分を補うためにも積極的に摂るようにしましょう。また、腸や子宮の細菌叢(そう)を整えるため、豆やごぼうなどの食物繊維や納豆、みそといった発酵食品、さらには妊娠初期にも必要な葉酸を含むアスパラガス、ほうれん草などもおすすめです。

仕事をしていて忙しいならばコンビニで味噌汁や納豆、五目豆、グリーンスムージー、ヨーグルトといったものを選ぶようにしてください。

妊活をしてすぐに妊娠をした女性の体験談

妊活をしてすぐに妊娠できた人もたくさんいらっしゃいます。その人は一体どんなことをして無事子どもをさずかったのかお話を聞いていますのでご覧ください。

●身体を冷やさないようにした

元々冷え性で冬になると眠れないくらいでしたけど、冷え性が妊娠に良くないと聞いてからお風呂にゆっくり浸かったり、ショウガやネギなど、カラダを温めるといわれている食材を積極的に摂ったりしていました。それでも中々良くならないので寝る前にストレッチに始めて身体を温めるようにしたら妊娠することができました。ずっと地道にやり続けたのが良かったのだと思います。(Kさん35歳)

●夫と一緒に取り組んだ

夫が積極的に子どもが欲しい対応ではなかったのです。でも、私は30代後半にさしかかっていたし、子どもが欲しかったので自分の気持ちを直接話してみました。そうしたら夫も一緒に妊活をしてくれるようになりました。夫婦で何でも話せるようなったし、スキンシップも増えて夫婦仲は良くなりました。でも、肝心の妊娠はできなくて半分諦めていたのです。そうしたら妊娠が発覚して二人で大喜びしたのを覚えています。(Mさん34歳)

●アロマでリラックスするようにした

ストレスのたまりやすい仕事をしていたので妊活を始めるときにどうやってストレス解消しようか悩みました。最初運動をしていたけど忙しいせいか続かなくて、反対に運動できないストレスを溜め込むようになったのです。そこで、どうしようかと思っていたら友だちの結婚式の引き出物でもらったアロマオイルセットが出てきたので使ってみました。これが、かなり良かった。アロマオイルを焚いているだけで、穏やかな気持ちになりました。しばらく使っていたら妊娠できたのでリラックスできたのが良かったのだと思います。(Aさん36歳)

●大豆製品を積極的に摂るようにした

元々偏食がひどくて好き嫌いが多かったのです。妊活を始めるときに食生活を改善しようと思い、女性ホルモンにいいと聞いた大豆製品を中心に摂るようにしました。主人にも協力してもらって旦那には精力のつくものをたくさん食べてもらうようにしました。そうしたら料理が楽しくなってしまい腕の上達して、すぐに妊娠しました。(Mさん38歳)

●子だから祈願の神社巡りをした

年齢のせいで焦っていたのでこれ!と思うことは何でもやるようにしました。神社巡りもその一つで、近場の神社から始めて、地方にある、有名な子宝神社なんかも行くようになりました。泊まりがけで行く機会も増えてきて毎週夫婦で小旅行を楽しんでいる感じでした。そうしたら夜もいい雰囲気になって行為の回数も増え、その甲斐あって見事に妊娠しました。(Nさん40歳)

まとめ

楽しそうに食事をする若い女性

ここまですぐに妊娠できる人を含めて妊娠しやすい体質としにくい体質について紹介をしました。ほとんどが何かしらの理由で妊娠しにくくなっているのであれば、原因を取り除くことで体質は改善して妊娠しやすい体質になります。もし妊活をするときには、ご自分とパートナーの身体を検査して二人とも妊娠しにくい体質なのか調べることから始めてみてください。 そして妊活をしてご夫婦の望である赤ちゃんを授かることをお祈りしております。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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