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妊活中の食事|必要な栄養素とおすすめの食材

妊活で真っ先に改善したいのが食生活です。しかし、妊娠を望む人は通常よりも多くの栄養を摂取する必要があります。

本記事では、妊活中に取り入れたい食べ物や栄養素、摂取の目安などを紹介します。すぐに試せる内容なので、さっそく明日から取り入れてみましょう。

妊活中に摂取すべき栄養素

妊活中の女性の体は多くの栄養を必要とするため、摂取すべき栄養素をしっかりと把握しましょう。妊活中に摂取すべき主な栄養素は以下のとおりです。

  • ・鉄
  • ・葉酸
  • ・ビタミンD
  • ・オメガ3脂肪酸
  • ・抗酸化ビタミン
  • ・亜鉛

妊活中に限らず、女性は一般的に鉄が不足しがちなので積極的に摂取することを心がけましょう。また、葉酸は妊活・妊娠中に不可欠な栄養素なので、どんな食品に含まれているかを知り、できる限り推奨される摂取量を守ることが大切です。

妊活におすすめの食べ物

妊活中の食べ物は何がベスト?必要な栄養素を詳しく解説

妊活の第一歩は食生活の見直しと言っても過言ではありません。食べるものが変わることで卵子精子の質も変化するため、妊活に有効とされる食品を積極的に摂取しましょう。
ここからは、妊活におすすめの食べ物を6つ紹介します。

主な栄養素 良質なたんぱく質、ビタミン、ミネラル、必須アミノ酸、コレステロールなど
体に与える影響 コレステロールは細胞膜や女性ホルモン、男性ホルモンの材料となる
摂取量の目安 1食1個
おすすめの食材や調理法 胃に負担の少ない半熟卵

以前、卵は1日1個と言われていましたが、現在では高い栄養価から1食1個の摂取が推奨されています。女性・男性いずれにも不可欠な食材なので、毎食摂るように意識しましょう。

大豆

主な栄養素 タンパク質が豊富
体に与える影響 ・タンパク質に含まれるレシチンという成分は、悪玉コレステロールを善玉に変化させる機能がある
・大豆に含まれるイソフラボンは卵胞ホルモンと呼ばれ、妊娠に必要なエストロゲンに似た働きをする
摂取量の目安 豆乳や納豆などを100g程度
おすすめの食材や調理法 ・納豆は発酵食品なので吸収率も高い
・納豆が苦手な場合は湯豆腐などがおすすめ

大豆は女性ホルモンによい効果があると聞いたことがある人もいるかもしれません。納豆は手軽に摂れる食品なので、冷蔵庫に常備しておくのがおすすめです。
また、イソフラボンは摂取しすぎると女性ホルモンを作らなくなるとも言われています。しかし、それほど強い作用はないのであまり気にする必要はありません。

海苔

主な栄養素 ビタミンB群、葉酸、ビタミンA、ミネラルなど
体に与える影響 ・葉酸は胎児の発育に重要な働きをする
・とくに、赤血球を作り出す役割を担う
・亜鉛は卵子や精子を作るのに不可欠で、活性酸素を除去する効果もある
摂取量の目安 全形サイズ1枚(3g)、葉酸は1日400g
おすすめの食材や調理法 食べやすい方法で摂取する

葉酸の1日あたりの摂取量の目安は400gですが、なかなか目安以上を摂取することは難しいでしょう。しかし、妊活や胎児の成長にも必須の栄養素なので、摂取が難しい場合はサプリメントなどを補助的に取り入れ、目標値をクリアするように意識しましょう。

主な栄養素 ビタミンD、オメガ3脂肪酸など
体に与える影響 ・オメガ3脂肪酸は男女ともに生殖能力を高める効果がある
・とくに、赤血球を作り出す役割を担う
・亜鉛は卵子や精子を作るのに不可欠で、活性酸素を除去する効果もある
摂取量の目安 1品80g程度の場合なら、1週間に1~2品(水銀の含有量が多いため)
おすすめの食材や調理法 ・まいわし丸干し、たたみいわし、紅鮭、さんま、しらす干しなど
・刺身、塩焼き、焼き魚などで食べるとよい

魚はビタミンDが豊富で毎日でも食べたい食材ですが、水銀の含有量が多いため摂取量に気をつけましょう。ちなみに、水銀の含有量が多い魚はマグロやキンメダイなどです。

緑黄色野菜

主な栄養素 ビタミンE、葉酸など
体に与える影響 ・ビタミンEには体内の酸化を防いだり、血行をよくしたりする作用がある
・ビタミンEの不足は生殖能力の低下に関わる
摂取量の目安 1日350g(生野菜なら、両手いっぱいに乗る程度の量が目安)
おすすめの食材や調理法 ・アボカド、かぼちゃ、ブロッコリー、ほうれん草、枝豆など
・ビタミンEは脂溶性ビタミンなので、油を使って調理すると吸収率が上がる
・加熱すると食べやすくなる

野菜の摂取量の目安は350gですが、この量を毎日摂取するのは難しいかもしれません。しかし、さまざまな野菜を食べることで栄養素をバランスよく吸収できるので、調理法や味付けなどを工夫して必要量を摂取しましょう。

ナッツ類

主な栄養素 ビタミンE、亜鉛など
体に与える影響 ・亜鉛は粘膜を作る
・生殖能力に影響のあるビタミンEの不足は生殖能力の低下に関わる
摂取量の目安 日15~30g(ミックスナッツを10~20粒程度)
おすすめの食材や調理法 ・アーモンド、カシューナッツ、落花生
・おやつとして食べる

ナッツ類もビタミンEが豊富なので積極的に摂りたい食材です。おやつとして手軽に食べられますが、食べ過ぎないように注意しましょう。

妊活中の食べ物に関する注意点

妊活中の食べ物に関する注意点を2つ紹介します。

妊活中に控えるべき食べ物

妊活中に控えるべき食べ物の代表はやはりアルコールやカフェインです。少量であれば毎日摂取しても構いませんが、不妊を心配する場合は避けたほうがよいでしょう。摂取する場合は、以下の目安量を上回ることがないように気を付けてください。

  • ・アルコールの場合:ビール大瓶1本
  • ・カフェインの場合:コーヒー3~4杯

また、摂取禁止とまではいかないものの、摂取量を控えたい食材をその理由とともに以下に紹介します。

食材 理由
牛乳・牛肉 トランス脂肪酸が卵巣の機能を低下させたり、排卵障害・流産子宮内膜症のリスクを上げたりするため
清涼飲料水 血糖値を急激に上げてしまうため

1日3食食べる

人の体は毎日3食、バランスのよい食事をとることで健康が維持されます。
とくに妊活では食事の改善が結果に影響を及ぼすため、規則正しい食生活を続けることが大切です。しかし、これまで紹介してきた食材などは絶対に摂取しなくてはならないものではありません。ストレスを感じない程度に、できる範囲で無理なく続けましょう。

妊活の大敵はストレスです。我慢が続くと妊活の妨げになることもあります。あまり自分を追い詰めず、程よく手を抜くことも大切です。週に1度は好きなものを食べる、手料理だけでなく外食や惣菜などに頼るなど、精神的・肉体的な負担にならないように気をつけましょう。
また、食事の改善はご自分だけの問題ではありません。パートナーにも協力してもらい、2人で一緒に取り組むことが大切です。

【まとめ】妊活中は不足しがちな栄養に気を付け、パートナーとともに食事を改善しよう

食事を楽しむ女性

妊活中の食事はバランスのよさに加えて、不足しがちな栄養素を積極的に取り入れることが大切です。最初から全部を取り入れるのではなく、できそうなものから無理なく取り入れましょう。

また、妊活にはパートナーの協力も不可欠です。2人の足並みを揃え、同じ目的に向かって徐々に食事を改善するとよいでしょう。
あまり制限しすぎず、食事を楽しみながら妊活に励みましょう。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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