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出産予定日までの妊娠期間は何週くらい?|妊娠経過ごとのポイントも詳細解説

女性のライフイベントにおいて、妊娠・出産は大きなイベントのひとつなのではないでしょうか?妊娠を機に寿退職する方、はたまた出産間近まで働き、出産後に子育てが落ち着いてからキャリア復帰を果たす方など、さまざまな方がいるように、妊娠・出産は女性の人生のその後に大きく影響するものだといえます。

妊娠が判明してから出産までにはさまざまな準備を進めていく必要がありますが、昔からその期間は「十月十日(とつきとおか)」といわれています。では、実際に”十月十日”とはどこからどこまでを指しているのか、妊娠期間が何週であるのかをご存じでしょうか?

この記事では、出産予定日の推定方法と妊娠週数の数え方、出産予定日のずれと正産期、出産予定日までのスケジュールに関してご説明していきます。ぜひ最後までご覧になってください。

出産予定日の推定と妊娠週数の数え方

数え方

ここでは、妊娠期間が何週であるのかを知るために、出産予定日の算出方法、出産予定日までの妊娠経過の数え方に関して確認していきたいと思います。

妊娠経過は7日を1週間、4週間(28日)を1ヵ月として数えていきます。そして、出産予定日の推定方法には、「月経後胎齢」と「受精後胎齢」という2つの考え方があります。

月経後胎齢の場合には、妊娠経過を数えるスタートが妊娠以前にあった最後の月経の開始日となり、その日を妊娠0週0日と考えます。そして、最終の月経開始日(0週0日)に280日を加えた日付が出産予定日と推定されます。つまりは出産予定日までの妊娠期間は40週ほどであるということです。

古くからいわれる「妊娠期間は十月十日」という言葉は、この月経後胎齢が由来となっています。しかしながら、”十月十日”が結局のところどのような計算で”十月十日”と呼ばれるのかが分からないという方もいるのではないでしょうか?その原因は、妊娠経過の1ヵ月と”十月十日”の1ヵ月がずれていること(28日と30日)、十月十日を”10ヵ月と10日”と考えてしまうためです。正しい十月十日の意味は”10カ月(満9ヶ月と)の10日目”となります。そのように理解すると「30日×9ヶ月+10日=280日」となり、月経後胎齢の日数とも合致するようになります。

一方の受精後胎齢の場合には、卵子精子が受精し、赤ちゃんの”もと”となる受精卵が誕生した日付から出産予定日を推定していきます。排卵日・受精日は、妊娠経過の日数の中では妊娠2週0日目にあたるように設定されています。そのため、排卵・受精推定日(2週0日)に266日を加えた日付が出産予定日として推定されます。

上記にて確認できたように出産予定日の推定方法には2つの方法がありまが、後述する出産予定日の”ずれ”を考慮しても、受精後胎齢から出産予定日を算出する方が精度は高いとされています。

その理由は、月経後胎齢にもとづく妊娠経過の数え方が、”女性の排卵・月経周期が28日である”という前提のもとに行われているためです。排卵・月経の周期には個人差があり、短い人で25日、長い人で35日などさまざまです。一方で、排卵があった後の次回の月経開始日までの期間に個人差はあまり見られず、多くの方が14日ということが明らかとされています。このような前提にあるため、排卵日・受精日は妊娠2週0日にあたると考えられています。

しかしながら、月経・排卵の周期が28日でない場合には、妊娠2週0日が排卵日・受精日に該当しなくなるため、これが出産予定日の精度が落ちてしまう原因になることがあります。排卵日・受精日が特定できているようであれば、その日を2週0日と考えて出産予定日を算出した方が、周期による”ずれ”に左右されなくなるため、算出の精度も高まります。

出産予定日の”ずれ”と正産期

時計と筆記用具とスケジュール

次に、出産予定日の”ずれ”と正産期に関して見ていきましょう。出産予定日は医学的な根拠にもとづいて算出されているのですが、名前に含まれているようにやはり”予定日”であるということに変わりはなく、”ずれ”も生じます。

事実、妊娠している妊婦さんの妊娠経過を出産まで数えた病院が公表しているデータでは、出産予定日通りに生まれてくる赤ちゃんの割合は20人に1人とされており、”予定日に生まれる”ことが案外、稀であると分かるかと思います(※20人に1人の割合ではありますが、正産期内での出産件数として見ると、出産予定日に生まれた赤ちゃんの数が最も多かったということもお伝えしておきます)。

では、どうして”ずれ”が生じるのでしょうか?主な要因は以下の2つに大別できます。

  • ・赤ちゃんの成長具合による”ずれ”
  • ・お母さんの体調に伴う”ずれ”

それぞれに関して見ていきましょう。

赤ちゃんの成長具合による”ずれ”

名前は既に出てきていますが、皆さんは”正産期”がどのような期間であるかをご存じですか?妊娠の経過に正産期をあてはめた場合には、”妊娠37週~満41週までが正産期”であるとされています。

正産期とは、お腹の中の赤ちゃんの骨格や臓器が十分に形成され、お腹の外に出たとしても十分に育っていける状態にまで、赤ちゃんが成長している状態にある期間のことを表しています。

この正産期は35日もの期間が該当するため、赤ちゃんの出産予定日に”ずれ”が生じるのも当然のことです。しかしながら、単産の場合の正産期内での赤ちゃんの出生率は95%以上とされています。具体的な正産期内での出産確率は、出産予定日での出産確率が最も高く、出産予定日から期日が早い方・遅い方へと遠のくほど出産確率は低下していくようになっています。つまりは37週を迎えてすぐ、または満41週になりそうな期日での出産は、出産予定日通りの出産の確率より更に小さいということです。

”ずれ”があることで不安に感じられる方もいらっしゃるかと思いますが、まずは何よりお腹の中から出てきてくれた赤ちゃんを歓迎してあげましょう。

お母さんの体調に伴う”ずれ”

こちらは赤ちゃんの成長という自然な経過による”ずれ”とは異なり、やや強制的な出産予定日の”ずれ”といえます。具体的には、妊婦さんが妊娠高血圧症など妊娠合併症を患ったことで、母体や赤ちゃんの命の危機があるために帝王切開を行う、などが一例として考えられます。

妊娠合併症の検査・治療体制も確立されつつあり、同時に妊婦さん自身が行える予防方法もあります。赤ちゃん・お母さんのためにも健康管理には十分に気を配るようにしましょう。ミネルバクリニックでは妊娠合併症に関するコラムもまとめていますので、お時間の許す場合にはぜひそちらもご覧になってみてください。

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出産予定日までのスケジュール

スケジュール帳

最後に妊娠から出産予定日までのスケジュールに関してご紹介していきます。妊娠経過に伴ったお腹の中の赤ちゃんやお母さんの体の変化まとめたものが以下の表になります。

妊娠月数・週数 体の変化
妊娠1ヶ月

(0週~3週)

妊娠超初期

体の変化は個人差が大きいのですが、この時期に熱っぽさや、胸の張り、胃のむかつきなどを感じ、「妊娠したかも?」と気づく方もいます(妊娠経過では月経の開始日が0週、排卵日が2週頃となっているため、このような症状は3週目頃から見られるようになります)。
妊娠2ヶ月

(4週~7週)

妊娠初期

この頃になると、妊娠することで分泌されるhCGホルモンの量が多くなります(4週目あたり)。

個人差はあるものの、つわりの症状が顕著に現れるようになります(5週~6週あたり)。

妊娠3ヵ月

(8週~11週)

個人差があるものの、つわりのピークを迎える時期がこの頃です。飲食・日常生活などつわりと上手く付き合う工夫が必要です(8週~9週あたり)。
加えて、胎児の心拍を確認できるようにもなります。超音波検査を行い、胎児の心拍が確認できた際には、母子健康手帳を発行するように医師から指示が出ますので母子手帳をもらいに行きましょう。
妊娠4ヶ月

(12週~15週)

個人差がありますが、この時期になるとつわりが落ち着いてくるようになり、つわりが軽減されることで食欲も戻ります。
妊娠5ヶ月

(16週~19週)

妊娠中期

この頃になると赤ちゃんの動きが活発となり、お母さんが赤ちゃんの胎動を感じられるようになります(18週~19週あたり)。これまで以上に赤ちゃんとのコミュニケーションを楽しんでいきましょう。
妊娠6ヵ月

(20週~23週)

早い場合には15週頃から確認できるのですが、多くの場合、この時期に外性器を確認しやすくなり、性別が判明するようになります。ベビーグッズの準備・両親学級への参加など、赤ちゃんのための準備を進めていきましょう。
妊娠7ヶ月

(24週~27週)

お腹の中の赤ちゃんも随分と大きくなっているため、ママの体はさまざまな部分に負担がかかり、腰痛や肩こりが起こるようになります。運動も大事ですが、リラックスする時間も十分にとるようにしましょう。
妊娠8ヶ月

(28週~31週)

妊娠後期

子宮も大きくなっているため、これまで以上にお腹の張りを感じるようになります。しばらく横になることで治まる場合には問題ありませんが、治まらない場合には産婦人科を受診するようにしましょう。
妊娠9ヶ月

(32週~35週)

出産に向けた準備を進めていく必要が出てきます。産休の手続きや、お産入院のための準備、里帰り出産に向けた帰省の準備など、人によってさまざまですので、早め早めの行動を心掛けましょう。
妊娠10ヶ月

(36週~40週)

生まれてきてくれる赤ちゃんに使うベビーグッズをどのように使うかなど、準備・確認を行っておきましょう。

また、いざ”お産”がやってきた際に落ち着いて行動できるように、お産が始まってからの連絡手段や交通手段などをシミュレーションしておくと安心して対応できます。

赤ちゃんを出産するまでには上記にまとめたように、多くの準備が必要となります。こちらの表を参考に早め早めの準備に役立てて頂けますと幸いです。

まとめ

ここまで、出産予定日の推定方法と妊娠週数の数え方、出産予定日のずれと正産期、出産予定日までのスケジュールに関してご説明してきましたが、ご理解いただけたでしょうか?

出産予定日までの妊娠期間の考え方・算出方法はさまざまあり、日本では”十月十日”の言葉で捉えられています。しかしながら、さまざまな情報を手に入れられる中で、正しい期間を勘違いして憶えていた方もいたのではと思います。この記事が確認のために役立ったとしたのなら嬉しい限りです。

加えて、この記事が妊娠に励む多くの方のお力になれば幸いです。

東京の「ミネルバクリニック」は臨床遺伝専門医が在籍するNIPT実施施設であり、たくさんの妊婦さんの悩みや不安と真摯に向き合い、笑顔になれる出産に導いてきました。ミネルバクリニックでは、妊娠9週から受けられる赤ちゃんの健康診断である「NIPT」を業界最新の技術と業界随一の対象疾患の広さで行っております。遺伝のエキスパートである臨床遺伝専門医が出生前診断を提供しておりますので、是非、お気軽にご相談ください。妊娠初期からの出生前診断を受ける医療機関にお悩みの方は、知識・経験・実績とも「第三者から認証されている」臨床遺伝専門医が診療している「ミネルバクリニック」まで是非、ご相談ください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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