引用文献
Snyder HL, Curnow KJ, Bhatt S, Bianchi DW. Follow-up of multiple aneuploidies and single monosomies detected by noninvasive prenatal testing: implications for management and counseling. Prenat Diagn. 2016; 36(3):203-209.
Percentage of Total clinical cohort (n=113,415 samples)
www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26785403
研究の目標
(染色体が通常2本あるところ、1本しかない状態をモノソミーと言います)。常染色体のモノソミーや複数の常染色体の異数性(21トリソミーと18モノソミーの併存とか)の
生物学的背景をさぐり妊娠管理やカウンセリングのための議論をすること。
一つの常染色体のモノソミーまたは複数の常染色体異数性の臨床経験
トリソミー(1種類) +性染色体異常 | 多数の染色体異数性 | 常染色体モノソミ- (1種類) | 全コホート | |
---|---|---|---|---|
症例数(%) | 36/113,145 (0.03%) | 37/113,415 (0.03%) | 65/113,415 (0.06%) | 138/113,415 (0,12%) |
妊婦の平均年齢 | 37.3 | 35.5 | 34.4 | 35.4 |
平均妊娠週数 | 12 | 14 | 10 | 13 |
結果、症例数(%) | 26/36(72.2%) | 26/37(70.3%) | 27/65(41.5%) | 79/138(57.2%) |
キーポイント その1
常染色体モノソミーまたは複数の異数性が同時に一個体にあるという結果は非常にまれ。
また、その根底にある生物学的原因には多様性がある。
*study cohort ではNIPTを受けた人のうち,0.12%(138人/113,415人)で
常染色体モノソミーor複数の異数性が観察された
結果 791/138(人)57.2%に次のことがみられた
*20.3%で,NIPTと胎児の染色体核型の全部or部分一致がみられた
例:NIPTで13モノソミー → 胎児の染色体核型の結果も13モノソミー (全一致)
NIPTで13と18トリソミー → 胎児の染色体核型の結果は18トリソミーのみ(部分一致)
*14.0%はその他の生物学的原因があった
・母体の悪性腫瘍(7.6%)
・母体の染色体核型の異常(1.3%)
・13・18・21番・X・Y染色体以外の胎児染色体核型異常
キーポイント その2
NIPTの結果と胎児の染色体核型の結果が一致する頻度が高い
⇒性染色体異常+単一のトリソミーの症例
NIPTの結果と胎児の染色体核型の結果が一致する頻度が低い
⇒単一の常染色体モノソミー (p<0.05)
NIPTの結果が偽陽性の場合や,母体の悪性腫瘍や染色体構成が
NIPTのトリソミーや複数の染色体異数性の検出の結果に影響を与えている可能性がある
↓
NIPTで陽性(異常)の結果が出た場合には,確定診断のための検査を受けることが強く推奨される。