2人目もダウン症になる確率は?再発リスクと遺伝の関係【臨床遺伝専門医監修】
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「標準型」と「転座型」の違い
95%は偶発的な標準型ですが、遺伝の可能性がある「転座型」について専門的に解説します。 -
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2人目の再発確率(医学的根拠)
「再発率は約1%」という通説の真実と、年齢・核型による正確なリスク評価。 -
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父親由来の「症候性自閉症」リスク
父の年齢と共にリスクが上がる遺伝子変異と、それを検知する最新検査について。 -
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次世代NIPT(COATE法)とリスクヘッジ
微細欠失の的中率が99.9%超に進化した最新技術と、ミネルバ独自の保証制度。
1. ダウン症(21トリソミー)の再発リスクとは?
上のお子さんがダウン症候群(21トリソミー)である場合、「2人目も同じようにダウン症になる確率は高いのか?(再発するのか?)」という不安を抱かれるのは、親として当然のことです。
結論から申し上げますと、ほとんどのダウン症(標準型)は「偶発的(たまたま)」に起こるため、遺伝性はなく、再発率は高くありません。
しかし、医学統計上は「一般の確率よりもわずかに高くなる(約1%)」とされています。また、ごく一部のタイプ(転座型)では遺伝が関与するケースがあります。
① 標準型(90〜95%)
ダウン症の大部分を占めます。精子や卵子ができる過程での「染色体不分離(コピーミス)」が原因で、両親の染色体は正常です。基本的には「たまたま」起こる現象であり、遺伝することはありません。
② 転座型(約3〜4%)
染色体の一部が別の染色体にくっついているタイプです。このうち約半数は親からの遺伝が関与しており(親が保因者)、その場合は再発リスクが明確に高くなります。
③ モザイク型(約1〜2%)
正常な細胞とトリソミーの細胞が混在しているタイプです。受精後の細胞分裂の過程で起こるため、遺伝性はなく、再発リスクは標準型と同様に低いと考えられます。
通常は2本ペアである染色体が、1本多くなり「3本」になる状態のこと。21番染色体が3本ある状態を「21トリソミー(ダウン症候群)」と呼びます。
2. データで見る再発率(標準型と年齢の関係)
「標準型」の場合、再発率は一般的に約1%(または母親の年齢固有のリスク+0.7%程度)と言われています。これは、染色体不分離を起こしやすい体質的な要因(遺伝子レベルでの素因)がわずかに関与している可能性が示唆されていますが、基本的には「母親の年齢によるリスク」がベースになります。
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30歳未満で出産した場合:
本来の年齢リスク(1/1000以下)よりも、再発リスク(約1%)の方が高くなります。つまり、若くしてダウン症のお子さんを産んだ方は、統計的には「体質的な要因(不分離を起こしやすい傾向)」を持っている可能性が少しあると考えられます。 -
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35歳以上(高齢出産)の場合:
年齢そのものによる卵子の老化リスク(35歳で約1/350、40歳で約1/100)が上昇してくるため、「再発リスク(1%)」と「年齢リスク」の差が縮まり、40代では年齢リスクの方が支配的になります。 -
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結論:
どちらにせよ、一度ダウン症のお子さんを妊娠・出産された方は、次のお子さんでもNIPT(新型出生前診断)などを検討されるケースが非常に多いのが実情です。
3. 注意が必要な「転座型」と親の検査
再発リスクを考える上で最も重要なのが、上のお子さんが「転座型(Translocation)」だった場合です。転座型ダウン症児の約半数は、両親のどちらかが「均衡型転座保因者(きんこうがたてんざほいんしゃ)」である可能性があります。
親が保因者である場合、親自身は健康ですが、卵子や精子が作られる際に染色体のバランスが崩れやすく、お子さんにダウン症(不均衡型転座)として現れる確率が高くなります。これを医学的には「ロバートソン転座」と呼びます。
本来は別々にあるはずの2本の染色体(例:14番と21番)が、根元でくっついて「大きな1本」になってしまった状態です。
ご本人は遺伝子の量に過不足がないため健康ですが、お子さんへ染色体を半分受け渡す際に「くっついたセット」で渡してしまったり、逆に「渡しそびれたり」するエラーが起きやすくなります。
🚨 ロバートソン転座の再発リスク(目安)
親が保因者の場合、ダウン症(21トリソミー)のお子さんが生まれる理論上の確率は33%(1/3)ですが、実際の出生率は以下のように低くなり、性別で大きな差があります。
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母親が保因者の場合: 約10〜15%
卵子は毎月1個しか排卵されません。染色体バランスが悪い卵子であっても、そのまま排卵・受精して育つ(妊娠が成立する)確率が、精子に比べて相対的に高いためです。
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父親が保因者の場合: 数%(1〜3%程度)
精子は数億匹の中から「泳ぎが速く正常なもの」が競争を勝ち抜いて受精します。染色体異常を持つ精子は機能が劣ることが多く、受精競争に負けて淘汰されやすいため、結果として出生率は低くなると考えられています。
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21q21q転座の場合: 両親どちらかがこのタイプの保因者であれば、100%ダウン症となります(非常に稀です)。
21q21q転座の保因者は、2本の21番染色体が結合して「離れられない状態」になっています。そのため、作られる卵子(または精子)は以下の2パターンしか生成されません。
① 21番が「2本分」入る
➡ パートナーからの1本と合わせて計3本になり、ダウン症として生まれます。
② 21番が「全く入らない」
➡ 染色体不足(モノソミー)となり、受精しても育たず必ず流産します。
結果として、流産せずに無事に生まれてくることができる赤ちゃんは、100%ダウン症のお子さんとなります。
※上のお子さんが転座型であった場合、次の妊娠を考える前に、ご両親の染色体検査(血液検査)を行うことが推奨されます。
4. パパ由来のリスク?「症候性自閉症」と遺伝子変異
「2人目の心配」として、ダウン症と並んで多くの方が気にされるのが「自閉症」です。
ダウン症などの染色体異常は主に「卵子の老化(母体の年齢)」に依存しますが、実は自閉症の一部は「精子の老化(父親の年齢)」に関連していることが近年の研究で明らかになっています。
👨 精子の老化と新生突然変異
男性の精子は生涯作られ続けますが、細胞分裂を繰り返すたびにコピーミス(点突然変異)のリスクが蓄積します。これを「新生突然変異(De Novo Mutation)」と呼びます。
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リスク上昇: 父親が40歳以上になると、20代と比較して自閉症スペクトラムのリスクが約1.4〜1.6倍になると報告されています。
⚠️ 症候性自閉症(重い自閉症)
自閉症には、身体的特徴を伴わないタイプと、重度の知的障害や身体的特徴を伴う「症候性」のタイプがあります。後者は特定の遺伝子変異や微細欠失が原因であることが多く、これらはNIPTで検査可能です。
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ミネルバの強み: 当院の「ダイヤモンドプラン」は、この父方由来のリスク(56遺伝子)もカバーしています。
親は持っていない遺伝子の変化が、精子や卵子ができる時に新しく発生すること。これが原因で、親に障害がなくても子供に遺伝子疾患が現れることがあります。
(図:父親由来の遺伝子変異が子へ伝わるイメージ)
5. 再発を防ぐための最善策:ミネルバクリニックの次世代NIPT
「次の子は大丈夫だろうか」という不安を抱えたまま妊娠期間を過ごすことは、お母様にとっても赤ちゃんにとっても良いことではありません。ミネルバクリニックでは、最新技術を用いた高精度なNIPT(新型出生前診断)を提供し、確かな安心をお届けしています。
💎 ダイヤモンドプラン(COATE法)の特徴とメリット
ミネルバクリニックが採用している「ダイヤモンドプラン」は、米国の4大遺伝子検査会社の一角が提供する「COATE法」という次世代技術を用いています。これにより、従来のNIPTでは到達できなかった精度と網羅性を実現しました。
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微細欠失の的中率が>99.9%へ向上:
従来の検査法では、染色体の微細な欠け(微細欠失症候群)の陽性的中率は70%台程度でした。しかし、COATE法により的中率は99.9%以上へと飛躍的に向上。偽陽性の不安を大幅に低減しました。12か所13疾患の微細欠失をスクリーニング可能です。 -
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父親由来のリスク(56遺伝子)もカバー:
前述の「父親の加齢」に伴ってリスクが増加するFGFR3遺伝子など、56の遺伝子変異を測定。これには、重い障害を伴う「症候性自閉症」の原因遺伝子も多数含まれています。 -
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広範囲なトリソミー検査:
基本の13,18,21トリソミーに加え、流産リスクに関連する15, 16, 22番染色体のトリソミーも測定可能です。
ミネルバクリニック独自の「トリプルリスクヘッジ」
一度ダウン症のお子さんを授かったご経験がある方にとって、検査結果を待つ時間は計り知れない不安があると思います。もし陽性だったら?確定検査はどうする?
ミネルバクリニックでは、そんな不安に寄り添うため、充実したバックアップ体制「トリプルリスクヘッジ」を構築しています。
1. 金銭的リスクヘッジ(互助会)
検査時に「互助会」へご入会(会費8,000円・非課税)いただくことで、万が一陽性判定が出た場合の確定検査(羊水検査)費用を、上限15万円(税込16万5千円)まで当院が全額負担します。経済的な心配をせずに、必要な次のステップへ進める仕組みです。
2. 時間的リスクヘッジ(院内完結)
2025年6月より産婦人科を併設予定です。これにより、非認証施設でありながら陽性時の確定検査(羊水検査・絨毛検査)を自院で実施可能になります。たらい回しを防ぎ、いつものクリニックで完結できる安心感を提供します。
3. 心理的リスクヘッジ(専門医サポート)
臨床遺伝専門医である院長自らが遺伝カウンセリングを行います。単なる検査屋ではなく、あなたの家族の遺伝的背景を理解した上で、医学的かつ心理的なサポートを継続します。
💡 さらに安心!流産時の返金保証システム
NIPTは採血検査ですが、稀に胎児由来のDNA量(胎児分画)が足りず、判定が出ないことがあります。その場合は再検査となりますが、もし再検査の前に流産してしまった場合、通常は検査費用は戻ってきません。
ミネルバクリニックでは、2025年1月より「安心結果保証制度(6,000円)」を導入。万が一、判定不能で再検査ができずに流産となってしまった場合、診断書をご提出いただければ検査代金を全額返金いたします。流産リスクの高い時期だからこそ、患者様に損をさせないための独自の配慮です。
6. まとめ:2人目の不安を解消するために
上のお子さんがダウン症である場合、次のお子さんへの不安を持つことはごく自然な感情であり、決して悪いことではありません。再発率は基本的には高くありませんが、ゼロではないのも事実です。
「また同じことが起きたらどうしよう」と悩み続けるよりも、臨床遺伝専門医によるカウンセリングと、精度の高いNIPTを受けることで、現状のリスクを正しく把握し、前向きにマタニティライフを送る準備をしませんか?
ミネルバクリニックは、24時間体制のサポートと、世界基準の検査技術で、より大きな安心をお届けすることを目指しています。
よくある質問(FAQ)
🏥 臨床遺伝専門医へのご相談
2人目の妊娠、再発リスクに関するご不安は、専門医が常駐するミネルバクリニックへお気軽にご相談ください。
最新の遺伝医学と、温かい心であなたをお迎えします。
参考文献
- [1] Hook EB. Chromosome abnormalities: prevalence, risks and recurrence. In: Brock DJH, et al, editors. Prenatal Diagnosis and Screening. 1992.
- [2] Gardner RJM, Sutherland GR. Chromosome Abnormalities and Genetic Counseling. Oxford University Press. 2004.
- [3] Kong A, et al. Rate of de novo mutations and the importance of father’s age to disease risk. Nature. 2012. [PubMed]
- [4] American College of Obstetricians and Gynecologists (ACOG). Practice Bulletin No. 226: Screening for Fetal Chromosomal Abnormalities. 2020. [PubMed]


