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Aさんは2人目のお子さんを授かりましたが、15年間、自分がある常染色体優性遺伝病を発症するのではないかという不安を持ったまま生きてきました。大学病院に検査に行ったのですが断られたそうです。2回目の妊娠で必死に検索したらミネルバクリニックが見つかり、ついにNIPTと一緒に遺伝子検査をすることに。
15年の不安が消えた瞬間
Aさんは30代。
ある遺伝性疾患の家系で、お母様を病気で早くに亡くされました。
常染色体優性遺伝の疾患なので、Aさんが受け継いでいる確率は50%。
Aさんは、結婚を考えた時、検査したいと願って、大学病院の遺伝診療部を受診しました。
でも。発症した本人じゃないからと検査してもらえませんでした。
もやもやしたままAさんは過ごしましたが、結婚を考えているお相手は、全く動じず。むしろ、困難な状況に立ち向かっている彼女に尊敬の念を抱いたようです。素晴らしい男性ですね!
そして、Aさんは結婚し、第1子を出産しました。
お子さんは可愛くて。幸せな日々。
Aさんは第2子を妊娠しました。
でも。やっぱご自身が遺伝病を発症するのかどうかを知りたくなりました。
お母様が発症した年齢がだんだんと近づいてくるためです。
そんなに近い未来ではなくても、めちゃめちゃ遠い未来でもない。
もしも自分が母と同じくらいで発症するのであれば、それまでにやりたいことを全部やりたい。
Aさんは必死で検索しました。NIPTとその遺伝病を掛け合わせて。でも、その疾患はNIPTでは検査できないので、ヒットしません。
でも、検索していったら、ミネルバクリニックが出てきました。
臨床遺伝専門医がやっているので遺伝カウンセリングは当然している。NIPT以外の遺伝子検査もしている。
Aさんは、疾患名をちゃんと伝えたうえで、この検査をしたい、とNIPTの予約の時にお伝えくださいました。
そうしてAさんは検査当日を迎えました。私は、何度かAさんの意思確認をしましたが、固く決心をなさっていました。
わたしは、そもそも本人がやりたいという検査を拒否すべきじゃない、と思っています。
わたしもまずは本来ならばお母様の検査をしたかったですが。お亡くなりになっているので、不可能です。次善の策として、殆どが特定の遺伝子の変異によるものであるから、Aさんの遺伝子検査をすることにしました。
それからの1日をわたしも千秋の思いで過ごしました。結果が出たらメールが来るのに、毎日、検査会社のプロバイダー向けのサイトを開いて、状況を確認していました。
検査中。キュレーション中。
ついに結果が出た、と日本時間の朝5時にメールが来ました。
たまたま寝たり起きたりしていたので、メールが来た瞬間、飛び起きて、結果を開きました。
そうなんです。誰よりも真っ先に検査結果を見るの、私なのです。
どきどきしながら、結果を開きました。その先にあったのは、Aさんはその遺伝子に問題を抱えていない、つまり、正常だという結果です。
嬉しい!
朝も早かったのですが、結果が出たことを知らせてあげたくて、患者さん用のマイページから連絡しました。
そして。Aさんはご家族と結果を聞きに来ました。
「正常です。」
わたしのその言葉にもう、Aさんは、涙涙涙。
15年ずっとAさんの心に引っかかっていた大きなわだかまりが消えた瞬間でした。
この疾患の場合は、97%のかたは、調べた遺伝子に病的変異を持っています。Aさんのお母様はもうなくなっていて、お調べしていないので発症者のかたをお調べすることが出来ないため、他の遺伝子の異常によるものという可能性3%が残るのですが。何はともあれほとんど心配が要らない状態になったのは、大きな違いですよね。
遺伝子検査をするのを、怖いという人たちがいます。特に浸透率(優性遺伝疾患の病的遺伝子を持っていて発症する率)が100%という疾患では、「発症前診断」つまり、将来発症するかどうかを診断する事になりますので、通常の遺伝子検査とは違う考え方で臨む必要があります。
でも。知ることにより。例えばAさんならば、陽性の場合には、お母様が発症した40歳でご自分も発症することを覚悟して、その日までの人生を最大限楽しむ、言いたいことを言い、屈託なく精いっぱい旦那様とお子様と生きる、と決めていました。陰性の場合は、もう何の心配もなくなります。
確かに知ることは怖いことです。でも。知ることで得られることはたくさんあります。
Aさんがグーグルマップに寄せてくれた口コミ
この口コミに対して、わたしがした返信が以下です。
こうした温かい心と心のつながりを、わたしは大切にしています。
Aさんの結果開示の時に臨床遺伝専門医仲田洋美がとった驚くべき行動とは?
Aさんが苦しんできた15年間が吹っ飛ぶ明るい検査結果であることを知っていた私は、なんと自分のスマホを診察室に持ち込みました。
Aさんご一家はもともとすごく素敵な笑顔の明るいご一家です。お互いを信頼しあい、認め合って愛し合っていなければ、15年間苦しんできた結果がどうなの?と聞きに来た時に、笑顔いっぱいってことは難しいと思います。すごく素敵な旦那様なんでしょうね。奥さまが素敵なのでそういう素敵な旦那様に出会えたのですが。
で。そろそろ私がとった驚くべき行動をお話ししましょう。
なんと。わたしは、結果を伝える前に、ご家族の記念撮影をしたんです。もうバッチリ素敵な笑顔で。
そして。Aさんに結果を告知しました。
Aさんは両手で顔を覆い、天を仰ぎ、号泣。
その過程を、わたしは数枚撮影しました。
だって、Aさんの一生で思い出に残るすごい瞬間なんですもの。
そして、その写真たちを、公式LINEからAさんにお送りしました。
記念に残してあげたかったんです。
なんかもう、お母さんのような気持ちですよ。お母さん。
15年、よく頑張ったね。
わたしはそう言って、Aさんを抱きしめ。本当にAさんのお母さんが生きていたらこうしただろうな、と言う行動を自然と取っていました。
こうしてAさんの結果開示は、私にとってもAさんご一家にとっても、大変思い出深いものになりました。
代表的な常染色体優性遺伝病については以下の通りです
家族性高コレスロール血症、難聴、多発性嚢胞腎、ハンチントン舞踏病、多発性外骨腫、網膜芽細胞腫、筋強直性ジストロフィー、先天性球状赤血球症、家族性大腸ポリポーシス、マルファン症候群、軟骨無形成症、神経線維腫症、遺伝性肥大型心筋症、遺伝性QT延長症候群、骨形成不全症 など多数。
これらはすべてミネルバクリニックで検査可能です。
ミネルバクリニックでは、NIPT検査を提供しています。少子化の時代、より健康なお子さんを持ちたいという思いが高まるのは当然のことと考えています。そのため、当院では世界の先進的特許技術に支えられた高精度、かつ、ご希望に合わせてたくさんの疾患検査を提供してくれる確かな技術力のある検査会社を遺伝専門医の目で選りすぐりご提供しています。