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エコーでは指摘されなかったダウン症—NIPTでトリソミー21が判明したAさんのケース

妊婦健診のエコーでは異常が指摘されなかったものの、NIPT(新型出生前診断)を受けた結果、トリソミー21(ダウン症候群)陽性と判明したAさんの事例をご紹介します。

その後、ミネルバクリニックで行った超音波検査では、赤ちゃんの全身にむくみ(ヒグローマ)が認められるという驚くべき事実が判明しました。

Aさんの背景—妊娠4回目のベテランママ

Aさんは関東地方在住のアラフォー女性で、4人目のお子さんを妊娠していました。3人の子育て経験があり、妊娠・出産には慣れていたものの、今回は年齢的なリスクを考慮し、NIPTを受けることを決意しました。

ミネルバクリニックでNIPTを実施

妊娠8週目、AさんはミネルバクリニックでNIPTを受検しました。

  • ミネルバクリニックでは、NIPTの際に4Dエコーを実施
  • この段階では超音波検査に異常所見はなし
  • NIPTの結果待ち

数日後、NIPTの結果が届き、トリソミー21(ダウン症候群)陽性との診断が下されました。

遺伝カウンセリングとAさんの決断

ミネルバクリニックでは、陽性結果が出た場合、必ず遺伝カウンセリングを受けていただいています

Aさんは4人目の妊娠ということもあり、もしもNIPTで異常が見つかった場合、羊水検査はせずに中絶を選択すると考えていました。

その意思が固かったため、わたしは最後にこう提案しました。

「じゃあね、最後にもう一度赤ちゃんをエコーで見ましょうね。」

Aさんは「はい、見たいです。」と答えました。

赤ちゃんが可愛くないわけではありません。むしろ愛おしい気持ちはあるのですが、年齢や上の子どもたちへの負担を考えると、「産めない」という選択をせざるを得ませんでした。

超音波検査で見つかった異常—ヒグローマ

わたしはAさんのお腹に超音波プローブを当て、赤ちゃんの状態を確認しました。

すると、赤ちゃんの全身がむくみ、「ヒグローマ」と呼ばれる状態になっていたのです。

これは、単にNT(胎児の首の後ろの浮腫)が厚いだけではなく、全身性の異常を示唆する所見でした。

わたしは、Aさんにこう伝えました。

「たとえあなたがこのお子さんを産むと決めたとしても、この赤ちゃんは無事に生まれてこられない可能性が高いです。全身に強い浮腫が見られるからです。」

驚きの事実—3日前の妊婦健診では「異常なし」

すると、Aさんは驚くべきことを言いました。

「先生、実は3日前の妊婦健診でエコーを受けたんですが、『異常なし』と言われたんです。でも、上の子たちのときと違って、エコーに黒い影が見えていたので、不思議に思っていました。」

「なんですとぉぉ ∑(๑º口º๑)!!」

あまりの驚きに、「そのエコーの写真、ありますか?」と尋ねると、Aさんはスマホにダウンロードしていたエコー動画を見せてくれました。

そこには、3日前の時点ですでに明らかなヒグローマの所見が映っていたのです。

産婦人科医が見逃したダウン症のサイン

妊婦健診のエコーを担当した産婦人科医は、この明らかな異常所見を「正常」と診断していました。

「産婦人科医なのに、どうしてこれを見逃したんだろう?」

わたしは愕然としました。産婦人科の超音波検査が、いかに医師の技量や経験に左右されるかを痛感しました。

中絶の決断—確定検査なしの選択

Aさんは、NIPTの結果とエコーの異常所見から、ダウン症であることがほぼ確定的だと理解しました。

中絶クリニックの案内をし、手続きをスムーズに進めるためのアドバイスも行いました。

「確定検査を受けずに中絶するのは良くない」と言う人もいますが、最終的な選択は患者さん自身がするものです。

「確定検査を受けるべき」と押し付けることは、近代医療では許されることではありません。

結果として、Aさんは初期中絶を選択し、身体的・経済的な負担を最小限に抑えることができました。

まとめ—エコーとNIPTの重要性

このケースから、以下のことが分かります。

  • エコーだけではダウン症の診断は困難であり、見逃されることもある
  • NIPTは妊娠初期に染色体異常を検出する強力なツールである
  • 産婦人科医の技量によって、エコーの診断精度に差がある
  • 最終的な選択は、患者本人が決めるべきものであり、医療者はそのサポートを行うべき

「エコーだけでは安心できない」「NIPTの検査を受けたい」とお考えの方は、ぜひ専門医に相談してください。

東京にある「ミネルバクリニック」では、年齢制限なし・妊娠6週目からNIPTが可能です。
日本でも数少ない臨床遺伝専門医が在籍し、大学病院レベルの環境で高精度なNIPTを提供しています。
また、検査後の遺伝カウンセリングも充実しており、結果への不安や疑問を専門医と直接相談できます。
「赤ちゃんの未来を知る」だけでなく、「ご家族の不安を取り除く」ためのサポート体制が整っています。
NIPTをご検討の方は、ぜひ「ミネルバクリニック」までお気軽にご相談ください。

院長アイコン

ミネルバクリニックのNIPTは、「不安を安心へ」をコンセプトに、最先端の技術と専門医によるサポートを提供しています。
「精度の高さ」と「患者様への寄り添い」を大切にし、世界の最先端技術を取り入れた検査を厳選。
「どうすればいいの?」と迷われたときは、ぜひ当院へ。あなたと赤ちゃんの未来を、一緒に考えます。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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