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RNAシーケンス(RNA-seq)を加える遺伝子検査|全エクソーム・全ゲノムで原因がわからなかった方の次の一手

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

RNAシーケンス(RNA-seq)を加える遺伝子検査|全エクソーム・全ゲノムで原因がわからなかった方の次の一手

RNAシーケンス(RNA-seq)を加える遺伝子検査は、全エクソーム解析・全ゲノム解析でDNAの設計図を読むのと同時に、その設計図から実際に写し取られたRNAを読み、遺伝子が正しく働いているかまで確かめる検査です。全エクソーム解析を受けても原因がわからない方は少なくありません。DNAだけでは「怪しいけれど決め手がない」変化や、読む範囲の外にある変化を、RNAへの影響から捉えられることがあります。原因がわからないまま病院を回る時間を、検査で短くできる可能性があります。このページでは、RNAを加えると何がわかり、何がわからないのか、どんな人に向くのかを、臨床遺伝専門医が解説します。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. RNAシーケンスを加えると何がわかりますか?

DNAの解析(全エクソームまたは全ゲノム)に、RNAの解析を同時に加えます。遺伝子の働きが弱くなっていないか、スプライシング(RNAの切り貼り)に異常がないか、片方のアレルだけが働いていないかを調べ、DNAで見つかった変化が本当に病気の原因かを判断する手がかりにします。

🧬 Q. どんな人に向いていますか?

エクソーム解析・全ゲノム解析で原因がわからなかった方、意味のわからない変化(VUS)が見つかって判断がつかない方、症状がいくつもあってどの病気にも当てはまらない方です。

🧬 Q. 費用・日数・検体は?

全エクソームにのせる場合は税込660,000円、全ゲノムにのせる場合は税込990,000円です。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。検体は血液で、全エクソームにのせる場合の結果までは6〜8週間です。

🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?

結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。原因がわかれば、ご家族がピンポイントで検査を受けたり、次の妊娠で出生前診断を計画したりできるようになります。全員に原因が見つかるわけではないことも、あわせてご説明します。

\ わからないままの時間に、次の一手を /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

検査の前に臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、結果も臨床遺伝専門医が直接ご説明します。

お問い合わせはこちら | 原因不明の症状の遺伝子検査について

1. RNAシーケンス(RNA-seq)を加える遺伝子検査とは

RNAシーケンス(RNA-seq)とは、細胞の中で遺伝子から写し取られたRNAを読み取る方法です。この検査では、DNAの解析(全エクソーム解析または全ゲノム解析)とRNAの解析を同時に行い、DNAの変化が遺伝子の働きにどんな影響を与えているかまで確かめます。DNAを読む検査が「設計図に書き間違いがないか」を見るのに対して、RNAを読む検査は「その設計図が実際にどう使われているか」を見る検査だと考えるとわかりやすいでしょう。

このページの検査は、全エクソーム解析(WES)か全ゲノム解析(WGS)のどちらかを土台にして、そこにRNAの解析をのせる形で行います。RNAの解析だけを単独で行う検査ではありません。調べるのは、生まれ持った遺伝子(生殖細胞系列の遺伝子)の変化による病気の原因で、がん(腫瘍)の遺伝子を調べる検査ではありません。

DNA・RNA・タンパク質の関係

DNAとRNAの違いは、DNAが一生変わらない設計図の原本、RNAがそこから必要な部分を写し取った作業用のコピーだという点です。遺伝子の情報は、DNAからRNAに写し取られ(転写)、不要な部分を取り除いて必要な部分をつなぎ合わせ(スプライシング)、できあがったmRNAをもとにタンパク質が作られます。

DNA設計図の原本
▶
RNA前駆体転写したコピー
▶
mRNAスプライシング後
▶
タンパク質体の中で働く

※WES・WGSは左端のDNAを読む検査。RNAシーケンスは、中央のRNAがどれだけ作られ、正しくつなぎ合わされているかを読む。

遺伝子の中で、タンパク質の情報をもつ部分をエクソン、そのあいだにはさまっていて取り除かれる部分をイントロンといいます。イントロンを取り除いてエクソンをつなぐしくみがスプライシングです。ここで切り貼りの位置がずれると、正しいタンパク質が作られなくなります。

RNAで見つかる3つの変化

RNAを読むと、DNAだけではわからない次の3つの変化を見つけられます。ミトコンドリア病が疑われる患者さんの皮膚の細胞(線維芽細胞)のRNAを調べ、1人あたり中央値で、発現が異常な遺伝子1個、異常なスプライシング5か所、片方のアレルだけが働いている珍しい変化6個が見つかったと報告されています[1]。

🧬 RNAシーケンスで見つかる3つの変化

見つかる変化 どういう状態か
発現の異常 遺伝子から作られるRNAの量が極端に少ない・ない(または多すぎる)。遺伝子の働きを調節する部分の変化が原因のことがある
スプライシング異常 RNAの切り貼りがずれている。エクソンが抜け落ちる、取り除かれるはずのイントロンが残る、本来使われない位置で切り貼りされる、など
片方のアレルだけの発現 両親から1本ずつ受け継いだ遺伝子のうち、片方からしかRNAが作られていない

※3つの変化は文献[1]と、この検査の内容による。

スプライシング異常には、エクソンが抜け落ちるエクソンスキッピングや、イントロンが残るイントロン保持などがあります。DNAの変化がこうした切り貼りのずれを起こすものをスプライシング異常(スプライスバリアント)と呼びます。

「片方のアレルだけの発現」は、両親から受け継いだ2本のアレル(対立遺伝子)のうち片方のRNAが消えている状態です。たとえば、途中でタンパク質の合成が止まる変化をもつRNAは、細胞の品質管理のしくみ(ナンセンス変異依存mRNA分解(NMD))で壊されるため、変化のある側のRNAだけが見えなくなります。この検査の説明では、片親性ダイソミー(UPD)を含むインプリンティングの病気や、女性のX染色体の不活性化の偏りを考える手がかりにもなるとされています。

2. エクソーム・全ゲノムで原因がわからなかった理由と、RNAで見えること

全エクソーム解析で原因がわからないのは珍しいことではなく、遺伝の病気が疑われる方の半分以上は、エクソーム解析では診断がつかないと報告されています[1][4]。日本の未診断疾患イニシアチブ(IRUD)の6年間の報告でも、全エクソーム解析を終えた5,136家系のうち、診断が確定したのは2,247家系(43.8%)でした[4]。

原因が見つからない理由は、大きく分けて2つあります。

  • ●読む範囲の外に原因がある:全エクソーム解析が読むのは、遺伝子のうちタンパク質の情報をもつエクソンと、その境目の近くだけです。イントロンの奥深くにある深部イントロン変異や、遺伝子の働きを調節する部分の変化は、読む範囲に入りません。
  • ●変化は見つかったが、決め手がない:全ゲノム解析ならイントロンも読めますが、見つかった変化が本当に遺伝子の働きを壊しているかを、DNAの配列だけで判断できないことがあります。こうした変化は「意味のまだわからない変化(VUS)」として報告されます。

RNAを読むと、どちらの場合にも手がかりが得られることがあります。DNAで見つけにくい場所の変化でも、その結果としてRNAの量が減っていたり、切り貼りがずれていたりすれば、RNAの側から異常に気づけます。VUSについても、RNAで実際に働きが壊れているとわかれば、病気の原因かどうかを判断する根拠が増えます。変化の意味の判定は、ACMG/AMPのバリアント分類に沿って行われます。

💡 臨床遺伝専門医の判断:「DNAで見つからない」は「遺伝の病気ではない」ではありません

エクソーム解析で原因が見つからなかったとき、「遺伝の病気ではなかった」と受け取ってしまう方がいます。けれども、ここまで見てきたように、読んでいない場所や、読んでも判断がつかなかった変化が残っている可能性があります。陰性の結果は「この方法で、今の知識で、原因を特定できなかった」という意味です。だからこそ、別の角度から調べる方法として、RNAを加える検査に意味があると考えています。

RNAを加えると、診断がつく割合はどのくらい上がる?

RNAを加えることで新たに診断がついた割合は、研究によって7.5〜17%ほどと報告されています。数字は、どの組織のRNAを調べたか、どんな患者さんを対象にしたかで大きく変わります。

📊 RNAシーケンスを加えた研究の報告

対象 調べたRNA 報告
診断のついていない希少疾患の94人 血液 7.5%で診断がつき、さらに16.7%で原因の候補となる遺伝子が絞り込めた[2]
診断のついていない子どもと大人115人 血液と皮膚の細胞 全体の12%で診断がつき、エクソーム・ゲノム解析だけで解決した例を除くと17%[3]
ミトコンドリア病が疑われる48人 皮膚の細胞 10%(5人)で診断がついた[1]

※いずれも研究としての報告で、この検査で同じ割合になることを示すものではありません。

この数字は、言いかえれば、RNAを加えても多くの方では原因が見つからないということでもあります。「RNAを加えれば必ずわかる」検査ではありません。それでも、エクソーム解析やゲノム解析で行き止まりになった方にとって、残された可能性を調べる具体的な方法の一つです。ミトコンドリア病のように、RNAの解析で診断がついた報告がある病気もあります[1]。

3. どんな人が受けるとよいか

RNAシーケンスを加える遺伝子検査は、エクソーム解析や全ゲノム解析で原因がわからなかった方、意味のわからない変化(VUS)が見つかって判断がつかない方に向いています。原因不明の症状で、これから初めて遺伝子検査を受ける方は、まず原因不明の症状の遺伝子検査のページもご覧ください。

  • ●エクソーム解析・全ゲノム解析・遺伝子パネル検査を受けたが、原因がわからなかった方
  • ●症状に合う遺伝子にVUSが見つかり、とくにスプライシングに関わる位置の変化で、病気の原因かどうか判断がつかない方
  • ●発達の遅れ、筋力の低下、けいれんなど症状がいくつもあり、どの症候群にも当てはまらない方
  • ●ご家族に同じ症状の方がいて、遺伝の病気が強く疑われるのに原因が見つからない方

見た目や家族歴だけでは、遺伝の病気かどうかは判断できません。症状が軽い方や、ご家族に同じ症状の方がいない方でも、検査を受けてはじめて原因がわかることがあります。迷ったら、まず遺伝カウンセリングで、これまでの検査結果と症状をお聞かせください。

この検査より別の検査が向いている場合

次のような場合は、RNAを加える検査ではなく、別の検査や別の受診先が向いています。

  • ●症状がなく、将来の健康や保因者かどうかを知りたい:この検査は症状の原因を探す検査です。妊娠前に保因者かどうかを知りたい方には拡大版保因者スクリーニングがあります。
  • ●染色体の大きな欠失・重複を疑う:先にマイクロアレイ染色体検査で調べるのが一般的です。
  • ●症状から病気がある程度しぼれる:その病気の遺伝子をまとめて調べるパネル検査で足りることがあります。
  • ●がん(腫瘍)の遺伝子を調べたい:この検査は、がんの組織や血液中のがんのDNAを調べる検査ではありません。

検査の選び分け

🔍 原因を探す遺伝子検査の選び方

検査 何を調べるか 向いている方
遺伝子パネル検査 ある病気の原因遺伝子をまとめて 症状から病気がしぼれる方(足りない遺伝子は追加して調べられます)
クリニカルエクソーム 病気との関係がわかっている遺伝子のエクソン 症状が広く、病気をしぼりきれない方
全エクソーム解析(WES) すべての遺伝子のエクソン(DNA) 症状が広く、病気をしぼれない方
全ゲノム解析(WGS) エクソンに加えてイントロンなども含むDNA全体 エクソンの外の変化や構造の変化まで調べたい方
このページの検査(WES/WGS+RNA) DNAに加えて、血液のRNAの量と切り貼り DNAの検査で原因がわからなかった方、VUSの判断がつかない方
染色体シーケンス解析(CSA) 染色体の欠失・重複や構造の変化 発達障害・知的障害で、染色体の変化を詳しく調べたい方
マイクロアレイ染色体検査 染色体の欠失・重複 染色体の大きな変化を疑う方

※どの検査が合うかは、症状・これまでの検査結果・ご家族の情報で変わります。遺伝カウンセリングでご相談ください。料金はそれぞれの検査のページでご確認ください。

\ 検査を受けてはじめて、次の計画が立てられます /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

ご両親の検体もあわせて解析するデュオ・トリオに対応しています(RNAの解析はご本人のみ)。

お問い合わせはこちら | 全エクソーム検査(WES)について

4. 検査でわかること・わからないこと

この検査でわかるのは、DNAの解析で見つかる変化に加えて、血液のRNAに表れる「発現の異常」「スプライシング異常」「片方のアレルだけの発現」と、それをもとにしたDNAの変化の意味の判断です。一方で、この検査にも限界があります。

血液のRNAで見えるのは、血液で働いている遺伝子だけ

いちばん大事な限界は、この検査が血液のRNAを調べるため、血液の細胞で働いていない遺伝子の異常はRNAでは捉えにくいことです。遺伝子には、筋肉や脳など特定の組織でしか働かないものがあります。そうした遺伝子が原因の場合、血液のRNAには変化が表れないことがあります。

診断のついていない115人を調べた研究では、皮膚の細胞(線維芽細胞)のほうが、血液より病気に関わる遺伝子の発現が高く安定していたと報告されています。同じ研究では、血液のRNAでは原因を見逃した例もありました[3]。血液のRNAだけを調べた別の研究では、診断がついた割合は7.5%でした[2]。疑われる病気の原因遺伝子が血液で働いているかどうかは、検査を受ける前に遺伝カウンセリングで一緒に考えます。

  • ●すべての病的変化がRNAに表れるわけではない:タンパク質の形を変えるだけで、RNAの量や切り貼りには影響しない変化もあります。こうした変化は、RNAを読んでも新しい手がかりは得られません。
  • ●RNAの異常の解釈は難しいことがある:RNAの量や切り貼りは、健康な人でもある程度ばらつきます。見つかった異常が病気の原因かどうかは、DNAの結果や症状とあわせて慎重に判断します。
  • ●陰性でも否定はできません:原因が見つからなくても、遺伝の病気ではないとは言えません。

何でもわかる検査ではない/結果を開示する範囲が決まっている

⚠️ 受ける前に知っておいてほしいこと

何でもわかる検査ではありません。土台になる全エクソーム解析・全ゲノム解析でも見つけにくい変化があり、RNAを加えてもすべてが見えるようになるわけではありません。

結果は、海外のガイドラインに沿って開示する範囲が決まっています。症状と関係のない潜性(劣性)遺伝の病気の保因者であることは、データがあっても原則として報告されません。そのため、この検査は保因者検査の代わりにはなりません。調べた目的とは別の病気の原因が見つかる「二次的所見」は、受け取るかどうかをご自身で選べます(二次的所見の開示方針)。

5. 結果が出たあと(陽性・陰性・VUS)

結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。結果だけをお送りすることはありません。報告書の読み方は遺伝子検査結果の見かたでも解説しています。

原因が見つからなかったとき(陰性)

原因が見つからなかった場合でも、遺伝の病気ではないとは言えません(第4章)。症状の経過や新しくわかったことをもとに、どの検査を考えるかを遺伝カウンセリングでご相談ください。研究が進むと、同じデータでも新しく意味がわかることがあります。

意味のまだわからない変化(VUS)が見つかったとき

VUSは、それだけで診断やご家族の発症予測の根拠にはしません。ただし、変化の意味を調べるために、ご家族にも同じ変化があるかを確認することがあります。研究が進んで、のちに意味がはっきりすることもあります。扱い方はVUSが見つかったときの扱いで詳しく解説しています。

病的変異が見つかったら、次にできること

原因がわかると、病名が決まり、次に何をすればよいかが具体的になります。米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)による、先天異常や知的障害のある子どもを対象にしたエクソーム・ゲノム解析の研究167件の系統的レビューでも、最も多く報告された成果は、診療方針や子どもを持つかどうかの判断への影響でした[5]。

🧭 原因がわかったあとに、立場ごとにできること

立場 できること
①ご本人 病名が決まり、見張っておく合併症と、いつ何を調べるかがわかります。治療や支援は、その病気を専門とする医療機関で選びます。病名によっては、指定難病・小児慢性特定疾病などの制度の対象になるかを確かめられます(2026年10月時点。対象疾患や認定基準などの最新情報は申請時にご確認ください)。
②ご家族 ご両親・きょうだいなどが、同じ変化をもっているかをピンポイントで調べられます。症状のない方の検査は、ご本人の同意のうえで行います。
③次のお子さんを考えるとき 遺伝のしかたがわかれば、次のお子さんで同じ病気が起こる確率と、妊娠したときの備え方を具体的に考えられます。お子さんで新しく起きた変化(de novo)とわかれば、ご両親のせいではないことがはっきりします。
④当院でのその後 臨床遺伝専門医が結果をご説明し、次にどうするかを一緒に考えます。

原因がわかっていれば、次の妊娠で赤ちゃんに同じ変化があるかを調べることができます。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。その病気で出生前診断を行えるかは、病気の重さや国内の指針を踏まえて個別に判断しますので、妊娠を考えている段階からご相談ください。原因がわからないままでは、出生前に何を調べればよいかを決められません。もちろん、出生前診断を受けずにそのまま出産を迎えることも、尊重される選択です。

海外で着床前遺伝学的検査(PGT-M)を考えている方もいらっしゃいます。当院は体外受精・PGT-Mを行っていませんが、事前に必要な情報を海外でPGT-M(着床前診断)を考えている方へにまとめています。

6. 検査の流れ・日数・検体・費用

料金は、RNAの解析を全エクソームにのせるか全ゲノムにのせるかで決まり、全エクソームにのせる場合は税込660,000円、全ゲノムにのせる場合は税込990,000円です。検体は血液で、全エクソームにのせる場合の結果までは6〜8週間です。

ご予約
▶
遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
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採血ご本人(+ご両親)
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結果のご説明マイページへ

💴 費用・日数・検体

項目 内容
全エクソーム(WES)にのせる場合 税込660,000円
全ゲノム(WGS)にのせる場合 税込990,000円
遺伝カウンセリング料 30分22,000円(税込)※検査費用とは別
結果までの期間 全エクソームにのせる場合:6〜8週間
全ゲノムにのせる場合:遺伝カウンセリングでご案内します
検体 血液(採血管の種類と量は、遺伝カウンセリングでご案内します)
ご家族の検体 ご両親の検体もあわせて解析するデュオ・トリオ解析をおすすめしています(RNAの解析はご本人のみ)。ご本人だけでもお受けできます

※遺伝カウンセリング料は、基本はおひとりずつかかります。おふたり(ご家族)が同日・同じ診療枠で、同じ検査を同時に受ける場合は、遺伝カウンセリング料は1人分です(おふたりで22,000円)。検査を受けずにご相談だけの場合は、人数分いただきます。当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。

この検査は、遺伝診療先進国・米国の3大遺伝子検査会社の一角で行います。※

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。

遺伝カウンセリングでは、これまでの検査結果と症状をうかがい、RNAを加える意味があるか、全エクソームと全ゲノムのどちらにのせるのがよいかをご説明します。検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。ほかの医療機関で受けた遺伝子検査の報告書があれば、お持ちください。

\ あなたの結果が、ご家族の手がかりになります /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

原因がわかれば、ご家族のピンポイントの検査から、絨毛・羊水による出生前診断まで、院内で続けてご相談いただけます。

お問い合わせはこちら | 全ゲノムシークエンス(WGS)について

7. 院長コラム

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「見つからなかった」で終わりにしない】

私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。

遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。

エクソーム解析で原因が見つからなかったとき、それを「遺伝の病気ではない」という答えだと受け取らないでほしいと考えています。DNAの読み方には限界があり、RNAという別の角度から見ることで、手がかりが得られることがあります。もちろん、RNAを加えても見つからないこともあり、そのことも正直にお伝えします。

遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。どの選択をされても、その選択を尊重します。

よくある質問(FAQ)

Q1. RNAシーケンス(RNA-seq)とは何ですか?DNAの検査と何が違いますか?

RNAシーケンスは、遺伝子から写し取られたRNAを読み取る方法です。DNAの検査が設計図に書き間違いがないかを見るのに対して、RNAの検査は設計図が実際にどう使われているか(RNAの量や切り貼りに異常がないか)を見ます。この検査では、全エクソームまたは全ゲノムのDNAの解析と、RNAの解析を同時に行います。

Q2. エクソーム解析で原因が見つからなかったのですが、受ける意味はありますか?

あります。エクソーム解析の読む範囲の外にある変化や、見つかったけれど決め手のなかった変化を、RNAへの影響から捉えられることがあります。研究では、RNAを加えることで新たに診断がついた割合は7.5〜17%ほどと報告されています。ただし、全員に原因が見つかるわけではありません。

Q3. 全エクソームと全ゲノム、どちらにRNAを加えればよいですか?

全エクソームはすべての遺伝子のエクソンを、全ゲノムはイントロンなども含むDNA全体を読みます。料金は全エクソームにのせる場合が税込660,000円、全ゲノムにのせる場合が税込990,000円です。これまでに受けた検査と症状によって向くほうが変わるため、遺伝カウンセリングでご相談ください。

Q4. 血液だけで調べられますか?

この検査は血液で行います。ただし、血液の細胞で働いていない遺伝子の異常は、RNAでは捉えにくいことがあります。疑われる病気の原因遺伝子が血液で働いているかどうかも含めて、検査を受ける前に遺伝カウンセリングでご説明します。

Q5. 家族の検体も必要ですか?

ご両親の検体もあわせて解析するデュオ・トリオ解析をおすすめしていますが、ご本人だけでもお受けできます。RNAの解析はご本人のみで行います。

Q6. スプライシング異常とは何ですか?

遺伝子から写し取られたRNAから不要な部分(イントロン)を取り除き、必要な部分(エクソン)をつなぎ合わせるしくみをスプライシングといいます。この切り貼りの位置がずれ、エクソンが抜け落ちたりイントロンが残ったりする状態がスプライシング異常です。正しいタンパク質が作られなくなり、病気の原因になることがあります。

🧬 DNAで見つからなかった原因を、RNAからもう一度探す

生まれ持った遺伝子は一生変わりません。原因がわかれば、ご本人の合併症への備えだけでなく、ご家族の検査や、次のお子さんを考えるときの計画にも使える情報になります。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、羊水検査・絨毛検査による出生前診断の相談まで、院内で続けて受けていただけます。

お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768

参考文献

  • [1] Kremer LS, Bader DM, et al. Genetic diagnosis of Mendelian disorders via RNA sequencing. Nat Commun. 2017;8:15824. [DOI: 10.1038/ncomms15824](PMID: 28604674)
  • [2] Frésard L, et al. Identification of rare-disease genes using blood transcriptome sequencing and large control cohorts. Nat Med. 2019;25(6):911-919. [DOI: 10.1038/s41591-019-0457-8](PMID: 31160820)
  • [3] Murdock DR, et al. Transcriptome-directed analysis for Mendelian disease diagnosis overcomes limitations of conventional genomic testing. J Clin Invest. 2021;131(1):e141500. [DOI: 10.1172/JCI141500](PMID: 33001864)
  • [4] Takahashi Y, et al.; IRUD Consortium. Six years’ accomplishment of the Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases: nationwide project in Japan to discover causes, mechanisms, and cures. J Hum Genet. 2022;67(9):505-513. [DOI: 10.1038/s10038-022-01025-0](PMID: 35318459)
  • [5] Malinowski J, et al. Systematic evidence-based review: outcomes from exome and genome sequencing for pediatric patients with congenital anomalies or intellectual disability. Genet Med. 2020;22(6):986-1004. [DOI: 10.1038/s41436-020-0771-z](PMID: 32203227)

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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