InstagramInstagram

患者様の体験談|遺伝子ブライダルチェックでBRCA1が見つかった夫婦の選択

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

「まさか自分に、こんな結果が出るとは思っていませんでした」——結婚3年目のご夫婦が遺伝子ブライダルチェックを受けたのは、職場の先輩のひと言がきっかけでした。ところが、ご家族に乳がん・卵巣がんの方がいない奥様に、BRCA1遺伝子の病的バリアントが見つかります。この記事は、ミネルバクリニックで検査を受けられたご夫婦のご了承を得て、特定されないよう細部を変えたうえでご紹介する実際の事例です。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. 家族に乳がん・卵巣がんの人がいなくても、BRCA1は見つかるの?

見つかります。BRCA1・BRCA2の病的バリアントをもつ人は、一般の人の100〜200人に1人と推定されています[2]。病的バリアントがあっても全員が発症するわけではないため、親が乳がん・卵巣がんになっていないこともあります[2]。この事例の奥様も家族歴はありませんでした。

🩺 Q. BRCA1が見つかったら、何ができるの?

約1万人の保因者を追った研究では、80歳までに乳がんになる割合は72%、卵巣がんは44%でした[1]。卵巣がんには有効な検診がないため[2]、出産を終えたあと35〜40歳ごろにリスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)を考えるのが米国の指針です[3]。このご夫婦は、早めに妊活をして2人のお子さんを授かったあと、39歳でRRSOを選ばれました。

👪 Q. 子どもへの遺伝と、検査の費用は?

お子さんに受け継がれる確率は男女とも2分の1です[2]。遺伝子ブライダルチェックは保因者検査・不妊症チェック・84のアクショナブル遺伝子(BRCA1/2を含む)をまとめた検査で、お一人495,000円(税込)、結果まで3〜5週間です。

この記事でわかること
📖 読了時間:約15分
🧬 BRCA1・HBOC・遺伝子ブライダルチェック
★ 臨床遺伝専門医監修
  • ➤きっかけ → 家族歴のないご夫婦が、結婚3年目に遺伝子ブライダルチェックを受けた
  • ➤結果 → 奥様にBRCA1遺伝子の病的バリアント。80歳までの乳がん72%・卵巣がん44%(約1万人の研究)
  • ➤ご夫婦の選択 → 早めの妊活で2人のお子さん、39歳でRRSO、乳がんは乳房MRIで定期的に経過を見る
  • ➤お子さんへ → 受け継がれる確率は男女とも2分の1。検査は成人してご本人が決められるようになってから考えるのが標準

\ 家族歴がなくても、生まれ持った遺伝子は一度の検査でわかります /臨床遺伝専門医が常駐し、結果も臨床遺伝専門医が直接ご説明します

まだ迷っている方は:遺伝子ブライダルチェックの内容と費用/BRCA1/2を含む84遺伝子だけを調べる検査

遺伝子ブライダルチェックとの出会い

結婚3年目を迎えた私たち夫婦は、そろそろ子どものことを真剣に考え始めていました。周りの友人たちも次々と赤ちゃんを授かり、「私たちも家族を持ちたいね」という会話が自然と増えていました。

そんなある日、職場の先輩から思いがけない話を聞きました。

「私、妊娠前に遺伝子検査を受けたのよ。遺伝子ブライダルチェックって言うの。調べてみたら?」

検査を受ける決意

「遺伝子検査?」私は首をかしげました。「どんなことがわかるんですか?」
「赤ちゃんが遺伝病を持って生まれる可能性とか、自分が将来かかりやすい病気とかがわかるの。アメリカでは妊娠前に保因者検査を受けることが広く行われているらしいよ」

その夜、夫婦でインターネットで調べてみました。「へぇ、保因者検査は女性787遺伝子、男性714遺伝子を調べるのか」「ちょっと高いけど、遺伝子は一生変わらないから一度でいいみたい」「子どものことを考えるなら、知っておいた方がいいかもね」

数週間悩んだ末、夫婦で検査を受けることを決めました。オンラインで遺伝カウンセリングを受け、唾液を採って送る方法を選びました。

思いがけない検査結果

⚠️ 遺伝子ブライダルチェック検査結果

夫:調べた遺伝子に、報告の対象になる変化は見つかりませんでした

妻:BRCA1遺伝子に病的バリアント
(遺伝性乳がん卵巣がん症候群〈HBOC〉の原因となる変化)

結果が出たと連絡があり、夫婦で結果の説明を受けました。夫の結果には報告の対象になる変化はありませんでしたが、私の結果の説明に入ると、先生は言葉を選ぶように話し始めました。

「奥様のBRCA1という遺伝子に、病気の原因になる変化(病的バリアント)が見つかりました」
私は首をかしげました。「BRCA1?それは何ですか?」
夫も同じような表情でした。「何か悪いものなのでしょうか?」
仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「知らなければよかった」ではなく「知れて良かった」へ】

予期しない結果が出たとき、動揺するのは当然のことです。「受けなければよかった」と感じる気持ちも、否定する必要はないと考えています。

それでも私は、「知ること」が選択肢を生むと考えています。BRCA1の病的バリアントは、知らなくても、知っていても、体の中にあることは変わりません。違うのは、知っていれば検診や手術の時期を自分で選べること、そしてご家族が自分も同じ変化をもっているかを確かめられることです。生まれ持った遺伝子は、検査をしなければわかりません。

BRCA1遺伝子とは?医師の説明

先生は、紙に図を描きながら説明を始めました。

「BRCA1は、傷ついたDNAを修理する働きをもつ遺伝子です。この遺伝子に病的バリアントがあると、乳がん・卵巣がんになる可能性が一般の方よりも高くなります」
「えっ…」私の顔が青ざめました。「でも、うちの家族にがんの人はいませんよ?」
先生「家族にがんの方がいなくても、病的バリアントをもっていることはあります。今回のように、検査をしてはじめてわかることも少なくありません」

🔬 用語解説:BRCA1遺伝子とHBOC

BRCA1(ブラカ・ワン)遺伝子は、DNAの傷を正確に直す働きにかかわるがん抑制遺伝子です。2本ある遺伝子の片方に病的バリアントがあると、乳がん・卵巣がん(卵管がん・腹膜がんを含む)になりやすくなります[2]。

HBOC(遺伝性乳がん卵巣がん症候群)は、BRCA1またはBRCA2の病的バリアントによって起こる体質で、常染色体顕性(優性)の形で親から子へ伝わります[2]。

がんの種類 一般の人の生涯リスク(米国) BRCA1の病的バリアントをもつ人(80歳まで)
乳がん 約12% 72%
卵巣がん 1〜2% 44%

※BRCA1の数字は、主に遺伝の専門外来で見つかった保因者9,856人を前向きに追った研究による80歳までの累積リスクです[1]。一般の人の数字は米国のもので、GeneReviewsによります[2]。

家族歴がないのに、なぜ見つかったのか

BRCA1・BRCA2の病的バリアントをもつ人は、一般の人の100〜200人に1人と推定されています[2]。ほとんどは親から受け継いだものですが、病的バリアントがあっても全員ががんになるわけではない(浸透率が100%ではない)ため、受け継いだ親ががんになっていないことがあります[2]。親が若くして別の理由で亡くなっている、男性なので乳がん・卵巣がんが目立たない、といった事情でも、家系の中で気づかれにくくなります[2]。

一方で、上の表の72%という数字は、主に遺伝の専門外来を訪れた方々、つまり家族にがんの方が多い家系を中心にした研究の数字です。同じ研究では、乳がんになった親・きょうだいなどの数が多いほど、乳がんのリスクが高くなることも示されています[1]。この事例のように家族歴がない方の実際のリスクは、表の数字より低い可能性もあります。数字を「その人の運命」として読まず、ご家族の病歴とあわせて一人ひとり考えることが、臨床遺伝専門医としての考え方です。

今の医療で選べること

先生「卵巣がんには、早く見つけるための有効な検診がまだありません。そのため、BRCA1の場合は、お子さんを産み終えたあと、35〜40歳ごろにリスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)という予防の手術を考えることが、米国の指針で勧められています」
私は戸惑いながら聞きました。「手術って…健康な臓器を取るということですか?」
先生「そうです。大きな決断なので、急いで決める必要はありません。乳がんについては、乳房のMRIとマンモグラフィで定期的に見ていく方法や、予防的に乳房を切除する方法もあります。どれを選ぶかは、お二人の家族計画と考え方しだいです」

つまり、子どもを望むなら妊娠・出産をあまり先に延ばさず、そのあとで手術を考えるのが現実的だ、ということでした。

💡 用語解説:RRSO(リスク低減卵管卵巣摘出術)

RRSO(Risk-Reducing Salpingo-Oophorectomy)は、両側の卵管と卵巣を摘出して、卵巣がん(卵管がん・腹膜がんを含む)を予防する手術です。米国のNCCNの指針では、BRCA1の場合は35〜40歳で、出産を終えてから行うことが勧められ、BRCA2の場合は40〜45歳まで遅らせてもよいとされています[3]。

BRCA1/2の病的バリアントをもつ女性2,482人の前向き研究では、予防的な卵巣摘出によって卵巣がんで亡くなる危険が79%下がったと報告されています[2]。閉経前に手術をすると、その時点で閉経の状態になるため、更年期の症状への対応が必要です。手術後に短期間ホルモン補充療法を使っても、BRCA1/2の保因者で乳がんのリスクが大きく上がることはなかった、という観察研究があります[2]。

乳房については、25歳から毎年の乳房MRI、30歳から毎年のマンモグラフィが勧められています[2]。

🏛️ 日本の制度(2026年10月時点)

日本では2020年4月から、乳がん・卵巣がんを発症した方でBRCA1/2の病的バリアントがわかった場合に、遺伝子検査・リスク低減手術・乳房MRIが保険で受けられるようになりました。2026年度の診療報酬改定では、乳がん・卵巣がんを発症していない方への保険の範囲が一部広がりました。ただし、保険の対象には条件があります。自費の検査(この事例のような遺伝子ブライダルチェック)で偶然わかった場合に、手術やMRIが保険の対象になるかどうかは、手術を受ける医療機関でご確認ください。

ミネルバクリニックの診療はすべて自費診療です。当院では手術は行っておらず、検査・遺伝カウンセリング・ご家族の検査を担当し、手術や検診は乳腺外科・婦人科のある医療機関で受けていただきます。

\ 結婚・妊娠の前に、保因者検査とBRCA1/2をまとめて /保因者検査+不妊症チェック+84のアクショナブル遺伝子を一度に調べます

ご予約はこちら/がんに絞って広く調べたい方は遺伝性がん遺伝子検査(154遺伝子)

夫婦の決断:計画的な家族づくり

その日の夜、夫婦で長い時間話し合いました。

「まだ実感がわかないの。本当に私ががんになりやすいなんて」
「でも、知ることができてよかったんじゃないかな。先のことを考えられるから」
「あのとき先輩に教えてもらわなかったら、ずっと知らないままだったのね」

私たちが立てた家族計画は、次のようなものでした。

  1. すぐに妊活を始める
  2. できるだけ早めに2人の子どもを授かる
  3. 出産を終えたら、39〜40歳でRRSOを受けることを考える
  4. 乳がんについては乳房MRIで定期的に経過を見る
  5. ほかの専門医の意見(セカンドオピニオン)も聞いて、納得してから決める

その後の歩み

数か月後、セカンドオピニオンも含めて専門医に相談し、私たちは妊活を始めました。1年後に第一子を授かり、その後もう一人を出産しました。

そして39歳になったとき、私はRRSOを受けることを選びました。いまは更年期の症状に対してホルモン補充療法を受けながら、乳がんについては乳房MRIで定期的に経過を見ています。

振り返って:検査を受けてよかったこと

「最初は軽い気持ちで受けた検査でした」と、いま振り返ります。「まさかこんな結果が出るとは思わなかった。でも、知らないままだったら、出産や手術の時期を自分で選ぶことはできなかったと思います」

夫も同じ考えでした。「軽い気持ちで始めた検査が、こんなに人生の計画を変えるとは思わなかった。でも、早めに知れたから、二人で順番を決めて動けたと思う」

子どもたちは、それぞれ2分の1の確率で同じ変化を受け継いでいる可能性があります。知らなければ、そのこと自体を知らずにいたはずです。子どもたちが大人になって、自分で検査を受けるかどうかを決められる年齢になったとき、きちんと伝えられるように準備しておきたいと思っています。

👪 お子さん・ご家族への遺伝

BRCA1の病的バリアントは、男女に関係なく、お子さんに2分の1の確率で受け継がれます[2]。男の子が受け継いだ場合も、男性乳がん(1〜2%)や前立腺がんのリスクが一般より高いと報告されています[2]。

乳がん・卵巣がんの検診は25歳ごろから始めることが多いため、18歳未満で症状のないお子さんの検査は一般に勧められず、成人してご本人が決められるようになってから考えるのが標準的です[2]。ご両親・きょうだいは、見つかった変化だけをピンポイントで調べることができます。

次の世代に受け継がせないことを望む場合、体外受精と着床前遺伝学的検査(PGT-M)という方法もあります[2]。当院では体外受精・PGT-Mは行っていません。日本では日本産科婦人科学会の審査を経て行われ、海外で受ける方もいます。準備に必要なことは海外でPGT-Mを考えている方へで解説しています。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【RRSOは「失う」のではなく「選ぶ」もの】

RRSOを「健康な卵巣を取る手術」と受け止めると、踏み出せないのは自然なことです。私は、受けるかどうかも、いつ受けるかも、ご本人が決めることだと考えています。

そのうえで、BRCA1の病的バリアントが早くわかることには、はっきりした意味があると考えています。卵巣がんには有効な検診がないため、出産の時期と手術の時期を、あらかじめ並べて考えられるからです。手術後の更年期の症状への対応や、乳房の検診の続け方も含めて、納得して選べるまで、何度でもご一緒に整理します。

💗 同じような状況で迷っている方へ

家族にがんの方がいなくても、BRCA1/2の病的バリアントが見つかることがあります。知ることで、家族計画・検診・手術の時期を自分で選べるようになります。

遺伝子ブライダルチェックは、保因者検査(女性787遺伝子/男性714遺伝子)・不妊症チェック・84のアクショナブル遺伝子(BRCA1/2を含む)をまとめて調べる検査です。保因者検査だけを受けたい方は拡大版保因者検査を、すでに妊娠中の方は、NIPTと同じ日にカップルで受けられる保因者検査ファミリーセーフティ プラスをご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 家族に乳がん・卵巣がんの人がいなくても、BRCA1の病的バリアントはありますか?

あります。BRCA1・BRCA2の病的バリアントをもつ人は一般の人の100〜200人に1人と推定されています。病的バリアントがあっても全員が発症するわけではないため、受け継いだ親ががんになっていないこともあります。

Q. BRCA1の病的バリアントがあると、必ずがんになりますか?

必ず発症するわけではありません。保因者9,856人を前向きに追った研究では、80歳までに乳がんになる割合は72%、卵巣がんは44%でした。この研究は主に遺伝の専門外来で見つかった方が対象で、家族にがんの方が多いほどリスクが高いことも示されています。

Q. RRSO(リスク低減卵管卵巣摘出術)はいつ受けるものですか?

米国のNCCNの指針では、BRCA1の場合は35〜40歳で、出産を終えてから行うことが勧められています。BRCA2の場合は40〜45歳まで遅らせてもよいとされています。妊娠の希望や考え方によって時期は変わるため、臨床遺伝専門医や婦人科医とよく相談して決めます。

Q. 子どもへの遺伝はどうなりますか?

男女に関係なく、お子さんに2分の1の確率で受け継がれます。18歳未満で症状のないお子さんの検査は一般に勧められず、成人してご本人が決められるようになってから考えるのが標準的です。次の世代に受け継がせない方法として体外受精と着床前遺伝学的検査(PGT-M)もありますが、当院では行っていません。

Q. 遺伝子ブライダルチェックの費用は?

お一人495,000円(税込)で、結果まで3〜5週間です。保因者検査・不妊症チェック・84のアクショナブル遺伝子を単体で受けると合計913,000円(税込)です。遺伝カウンセリング料は30分22,000円(税込)で、ご夫婦が同じ診療枠で同時に検査を受ける場合は、おふたりで22,000円(1人分をサービス)です。

Q. オンラインでも検査を受けられますか?

はい。唾液または頬の粘膜を検体にする場合は、オンラインで遺伝カウンセリングを受けたあと、ご自宅から検体を送っていただく形で、来院せずに検査を受けられます。血液を検体にする場合は来院が必要です。

🏥 遺伝子ブライダルチェック・HBOCのご相談

ミネルバクリニックには臨床遺伝専門医が常駐し、検査前の遺伝カウンセリングから結果のご説明、ご家族の検査まで、臨床遺伝専門医が直接担当します。
来院の場合は全室個室・90分の受診枠で、ほかの患者さんと顔を合わせることはありません。

ミネルバクリニックで受ける場合

🏥 検査・相談の体制

項目 内容
担当する医師 常駐する臨床遺伝専門医が、検査前の遺伝カウンセリングと結果のご説明を直接担当
調べる範囲 保因者検査(女性787遺伝子/男性714遺伝子)+不妊症チェック+84のアクショナブル遺伝子(BRCA1/2を含む)
検体・期間 血液・唾液・頬の粘膜。唾液・頬の粘膜ならオンラインで来院不要。結果まで3〜5週間
費用(税込) お一人495,000円(3検査を単体で受けると913,000円)。遺伝カウンセリング料30分22,000円(ご夫婦が同じ枠で同時に検査を受ける場合はおふたりで22,000円)
見つかったあと ご家族が同じ変化をもつかの検査、海外でPGT-Mを考える方への英語の検査結果のご用意。手術・検診は乳腺外科・婦人科のある医療機関で

※当院の診療はすべて自費診療です。

関連記事

参考文献

  • [1] Kuchenbaecker KB, Hopper JL, Barnes DR, et al. Risks of Breast, Ovarian, and Contralateral Breast Cancer for BRCA1 and BRCA2 Mutation Carriers. JAMA. 2017;317(23):2402-2416. doi:10.1001/jama.2017.7112(PMID: 28632866)
  • [2] Petrucelli N, Daly MB, Pal T. BRCA1- and BRCA2-Associated Hereditary Breast and Ovarian Cancer. In: GeneReviews®. Seattle (WA): University of Washington, Seattle; 1998 (Last revision: 2026 Mar 25). NCBI Bookshelf NBK1247(PMID: 20301425)
  • [3] Usui Y, Momozawa Y. Personalized medicine with germline pathogenic variants: Importance of population- and region-wide evidence. Cancer Sci. 2023;114(10):3816-3824. doi:10.1111/cas.15922

※この記事は、当院で検査を受けられたご夫婦のご了承を得て、特定されないよう細部を変えてご紹介する事例です。検査結果やその後の経過は人によって異なります。

※本記事の医学的情報・費用は2026年10月現在のものです。

プロフィール
仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続け、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、検査結果の数値そのものだけでなく、「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、日本人として異文化の中で生活した経験があります。価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。この経験は現在の診療においても、「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、36週6日で一人を死産した経験があります。その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、家族の未来に関わる重要な意思決定です。年齢や統計だけで判断するのではなく、医学的根拠と心理的支援の両面から、ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

関連記事