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患者様の体験談 – BRCA1遺伝子ブライダルチェック | ミネルバクリニック

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

のべ10万人以上の意思決定に伴走。2025年国際誌『Global Woman Leader』表紙抜擢など、世界基準の出生前診断と遺伝カウンセリングを提供。

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「まさか自分に、こんな結果が出るとは思っていませんでした」——結婚3年目のある夫婦が遺伝子ブライダルチェックを受けたのは、ごく自然な流れからでした。ところが検査結果にBRCA1遺伝子の病的バリアントが見つかり、夫婦の人生設計は大きく動き始めます。

この記事でわかること
📖 読了時間:約8〜10分
📊 約5,200文字
臨床遺伝専門医監修

  • 遺伝子ブライダルチェックを受けるきっかけと夫婦の心境
  • BRCA1遺伝子の病的バリアントとはどういうものか
  • 夫婦で検査を受けた結果と心境の変化
  • 現実的な家族計画の立て方と予防的手術(RRSO)の決断
  • 同様の状況にある方へのメッセージ

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※遺伝子ブライダルチェックのご相談も受け付けています:ブライダルチェック詳細ページ

本記事は、実際にミネルバクリニックで遺伝子ブライダルチェックを受けられた患者様のご協力のもと、その実体験をご紹介します。BRCA1遺伝子の病的バリアントが見つかったことで、夫婦がどのように向き合い、どのような選択をしたのか——同じような状況でお悩みの方へのメッセージも込めてお届けします。

遺伝子ブライダルチェックとの出会い

結婚3年目を迎えた私たち夫婦は、そろそろ子供のことを真剣に考え始めていました。周りの友人たちも次々と赤ちゃんを授かり、「私たちも家族を持ちたいね」という会話が自然と増えていました。

そんなある日、職場の先輩から思いがけない提案をされました。
「私、妊娠前に遺伝子検査を受けたのよ。遺伝子ブライダルチェックって言うの。最近話題になってるから調べてみたら?」

検査を受ける決意

「遺伝子検査?」私は首をかしげました。「どんなことがわかるんですか?」

「赤ちゃんが遺伝病を持って生まれるリスクとか、自分が将来かかりやすい病気とかがわかるの。アメリカでは妊娠前に受けるのが普通らしいよ」

その夜、夫婦でインターネットで調べてみました。
「へぇ、787の遺伝子を調べるのか」
「ちょっと高いけど、一生に一回でいいなら…」
「子供のことを考えるなら、知っておいた方がいいかもね」

数週間悩んだ末、夫婦で検査を受けることを決めました。唾液を採取して送るだけの簡単な検査でした。

運命を変えた検査結果

⚠️
遺伝子ブライダルチェック検査結果
夫:問題なし
妻:BRCA1遺伝子に病的バリアント保有
(遺伝性乳がん卵巣がん症候群のリスク保有者)

そして3週間後、結果を聞きに病院へ向かいました。
「検査結果をお伝えします」
医師の言葉に、私たち夫婦は緊張した面持ちで座っていました。

夫の結果は問題なかったのですが、私のファイルを開く医師の表情が少し曇りました。
「奥様、BRCA1遺伝子に病的バリアントが見つかりました」

私は首をかしげました。「BRCA1?それは何ですか?」
夫も同じような表情でした。「何か悪いものなのでしょうか?」

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「知らなければよかった」ではなく「知れて良かった」へ】

遺伝子ブライダルチェックで予期せぬ結果が出たとき、誰もが最初は動揺します。「こんな検査、受けなければよかった」と思う方もいらっしゃいます。その気持ちは当然ですし、私はその感情を否定しません。

しかし、30年以上の遺伝診療で実感していることがあります。「知ること」が選択肢を生むのです。知らないまま進んでいれば、BRCA1変異は本人も気づかないうちに子どもへと受け継がれていきます。早く知ることで、自分の体と家族の未来を守るための具体的な行動が取れる——それが遺伝子検査の本来の力です。

BRCA1遺伝子とは?医師の説明

医師は丁寧に説明を始めました。
「BRCA1は、乳がんや卵巣がんに関わる遺伝子です。この遺伝子に変異があると、生涯で卵巣がんを発症するリスクが約48%、乳がんのリスクも一般の方より大幅に高くなります」

「えっ…」私の顔が青ざめました。「でも、うちの家族に癌の人はいませんよ?」

医師:「実は、家族歴がなくても遺伝子変異を持っていることはあるのです。だからこそ、この検査を受けていただいて良かったのです」

夫が私の手を握りました。「治療法はあるんですか?」

🔬 用語解説:BRCA1遺伝子とHBOCとは

BRCA1(ブラカ1)遺伝子は、本来は細胞のDNA修復に関わるがん抑制遺伝子です。この遺伝子に病的バリアント(変異)があると、DNA修復がうまく機能せず、乳がんや卵巣がんが発症しやすくなります。

HBOC(遺伝性乳がん卵巣がん症候群)とは、BRCA1またはBRCA2遺伝子の変異によって引き起こされる遺伝性疾患の総称です。BRCA1変異保有者では、生涯で乳がんを発症するリスクが約65〜80%、卵巣がんを発症するリスクが約40〜48%とされており、一般集団と比べて著しく高い状態です。

がん種 一般集団の生涯リスク BRCA1変異保有者の生涯リスク
乳がん 約10〜12% 約65〜80%
卵巣がん 約1〜2% 約40〜48%

現代医療での選択肢:希望への道筋

医師が続けました。
「現在では選択肢があります。BRCA1の場合、今後の妊娠を考えていない方は、35〜40歳までにリスク低減卵管卵巣摘出術という予防的な手術を受けることが勧められます。お子さんを産み終えてから手術を検討するのが一般的です」

私は戸惑いながら聞きました。「手術って…健康な臓器を取るということですか?」

医師:「そうです。確かに大きな決断ですが、病的バリアントを保持する遺伝子がBRCA1では35歳以降から卵巣がんが増えてくることから、予防的手術が最も確実な予防手段とされています」

つまり、お子さんを持ちたいなら、なるべく早めに妊娠・出産を考えて、その後予防的手術を検討するのが現実的です。

また、乳がんについても定期的なMRI検査や、必要に応じて予防的乳房切除術という選択肢もあります。

💡 用語解説:RRSO(リスク低減卵管卵巣摘出術)とは

RRSO(Risk-reducing Salpingo-Oophorectomy)とは、BRCA1/BRCA2変異保有者において卵巣がん・卵管がんの発症を予防するために行う予防的手術です。両側の卵管と卵巣を腹腔鏡下で摘出します。BRCA1変異保有者では35〜40歳での実施が推奨されており、卵巣がんリスクを約80〜95%低下させることが報告されています。手術後は閉経状態となるため、更年期症状の管理(ホルモン補充療法など)が必要になります。

夫婦の決断:計画的な家族づくり

その日の夜、夫婦で長い時間話し合いました。
「まだ実感がわかないです。本当に私が癌になりやすいなんて」
「でも、知ることができて良かったんじゃないか。対策を立てられるから」
「あの時、先輩に教えてもらわなかったら、ずっと知らないままだったのね」

私たちが立てた家族計画:

  • すぐに積極的な妊活を開始
  • 可能な限り早めに2人の子供を出産
  • 出産完了後、39〜40歳で予防的卵管卵巣摘出術を実施
  • 乳がんについては定期的なMRI検査でサーベイランス
  • セカンドオピニオンも含めて専門医と十分相談

その後の歩み:計画通りの人生

数ヶ月後、セカンドオピニオンも含めて専門医に相談し、私たち夫婦は積極的な妊活を開始しました。幸い1年後に第一子を授かり、その後もう一人出産することができました。

そして私が39歳になったタイミングで、予防的卵管卵巣摘出術を受けることを決意しました。手術は腹腔鏡で行われ、思っていたより負担は少なく済みました。

現在は更年期症状の管理のためホルモン補充療法を受けながら、乳がんについては年2回のMRI検査でしっかりとサーベイランスを続けています。

振り返って:検査を受けて良かったこと

「最初は軽い気持ちで受けた検査でした」私は今振り返ります。「まさかこんな結果が出るとは思わなかった。でも、知らないまま自然に妊娠していたら、子供たちにも同じリスクを50%の確率で遺伝させていたかもしれない。検査を受けて本当に良かった」

夫も同感でした。「先輩に教えてもらって、軽い気持ちで始めた検査が、こんなに人生を変えるとは。でも早めに知れて、計画的に行動できて良かった」

手術は怖かったけど、これで卵巣がんのリスクはほぼなくなりました。子供たちも健康に生まれてくれて、家族を守るためにできることをしました。母や祖母がもしBRCA1変異を持っていたとしても、私たちと同じ選択肢はなかった時代でした。

私たちの未来は、職場での何気ない会話から始まった一つの検査によって大きく変わりました。最初は戸惑いと不安でいっぱいだったけど、正しい知識を得ることで、家族の健康を守るための具体的な道筋を見つけることができました。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【RRSOは「失う」のではなく「守る」選択——手術後の人生について】

RRSOを「健康な卵巣を切り取る手術」と捉えると、踏み出す勇気はなかなか出てきません。「まだ何も症状がないのに」という抵抗感は、むしろ自然な感覚です。

しかし実際にRRSOを受けられた患者さんの多くは、「怖かったけれど、今は後悔していない」「毎日を怯えずに生きられるようになった」とおっしゃいます。更年期症状はホルモン補充療法でコントロールできます。大切なのは、十分な遺伝カウンセリングを受け、納得した上で選択すること。その過程に、ミネルバクリニックは責任を持って伴走します。

同じような状況でお悩みの方へ

これから子供を考えている方、家族の健康について不安がある方は、ぜひ遺伝子検査を検討してみてください。知ることで選択肢が広がります。

関連情報:

→ 遺伝子ブライダルチェックについて

保因者検査+不妊検査+81のActionable疾患遺伝子

よくある質問(FAQ)

Q. BRCA1変異があると必ずがんになりますか?

生涯で乳がんを発症するリスクは約65〜80%、卵巣がんは約48%ですが、必ず発症するわけではありません。適切な対策により、リスクを大幅に下げることができます。

Q. 予防的手術(RRSO)はいつ受けるべきですか?

BRCA1の場合、35〜40歳での実施が推奨されます。挙児希望がある場合は、お子さんを産み終えてからが一般的です。個々の状況に応じて専門医と相談することが重要です。

Q. 子供への遺伝はどうなりますか?

BRCA1変異は50%の確率で子供に遺伝します。男女問わず遺伝する可能性がありますが、男性の場合は前立腺がんなどのリスクが高まり、女性の場合は乳がん・卵巣がんのリスクが高まります。

Q. 遺伝子ブライダルチェックの費用は?

お一人様385,000円(税込)です。夫婦で同時受検の場合は715,000円(税込)となり、55,000円お得になります。遺伝カウンセリング料金は別途必要です。

Q. オンラインでも相談できますか?

はい、ミネルバクリニックではオンライン診療にも対応しています。全国どこからでも遺伝カウンセリングを受けることができ、検体は郵送で対応可能です。

ミネルバクリニックの特徴

🏥 ミネルバクリニックの強み

臨床遺伝専門医による診療

HBOCを含む遺伝診療の豊富な経験。専門医による丁寧な遺伝カウンセリング

包括的な遺伝子検査

787遺伝子の保因者検査+不妊遺伝子+アクショナブル遺伝子(BRCA1/2含む)

オンライン全国対応

全国どこからでも遺伝カウンセリング可能。検体は郵送で対応

夫婦割引制度

同時受検で55,000円お得。夫婦そろって受けることで家族計画の精度が上がります

継続的サポート

検査後のフォローアップから予防的手術の相談、RRSO後の管理まで伴走

日本初の遺伝専門クリニック

臨床遺伝専門医が開設した日本初のクリニック。のべ10万人以上の意思決定に伴走

🏥 ミネルバクリニックでのご相談

遺伝子ブライダルチェックやHBOCについてのご相談は、臨床遺伝専門医が常駐するミネルバクリニックへお気軽にお問い合わせください。

🏥 ミネルバクリニックの特徴
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「患者のための医療を実現することを貫いています」

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参考文献・ガイドライン

  1. Kuchenbaecker KB, et al. Risks of Breast, Ovarian, and Contralateral Breast Cancer for BRCA1 and BRCA2 Mutation Carriers. JAMA. 2017;317(23):2402-2416. [PubMed]
  2. 日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC)「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)診療ガイドライン」 [公式サイト]
  3. NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology – Genetic/Familial High-Risk Assessment: Breast, Ovarian, and Pancreatic [NCCN公式]
  4. 日本産科婦人科学会「遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)に対するリスク低減手術に関する見解」 [PDF]
  5. Domchek SM, et al. Association of risk-reducing surgery in BRCA1 or BRCA2 mutation carriers with cancer risk and mortality. JAMA. 2010;304(9):967-75. [PubMed]
  6. ミネルバクリニック「遺伝子ブライダルチェック」 [公式サイト]
※こちらは患者様の実体験に基づく体験談です。検査結果や治療効果は個人により異なります。
※遺伝子検査をお考えの方は、必ず臨床遺伝専門医にご相談ください。
※本記事の医学的情報は2025年9月現在のものです。

プロフィール

仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、
臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。
のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、
検査結果の数値そのものだけでなく、
「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、
一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、
日本人として異文化の中で生活した経験があります。
価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。
この経験は現在の診療においても、
「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、
36週6日で一人を死産した経験があります。
その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、
そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。
現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、
出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、
家族の未来に関わる重要な意思決定です。
年齢や統計だけで判断するのではなく、
医学的根拠と心理的支援の両面から、
ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/
日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。
2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け
複数の海外メディア・専門誌で特集掲載
されました。

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